【「ウマ娘」ハルウララで有馬記念制覇できるか!?】春麗伝説~わたしよりつよいウマ娘に会いに行くよ 第2回「ウ~ララン、ウ~ララン、電車に揺られて3時間」

このあと担当編集のスマホが壊れます。

編集A:(LINEポコン)実は僕もハルウララで有馬記念挑戦やってみました。(育成目標が)有馬記念のいっこ前で育成終了でしたよ。

中里:制覇できちゃったらこの短期連載が終わってましたよ。ハルウララは初心者向けであると同時に現時点のエンドコンテンツのひとつでもあるので、難易度は高いです。普通にURAファイナルクリアまではがんばればいけると思いますよ。

さて、前回から始まった「ウマ娘」ハルウララで有馬記念制覇企画。自分でも企画とウマ娘名がするっと口から出てきて驚いたんですが、特にハルウララが気にいってるとか、推しキャラとかそういうわけでもなかったんです。
⇒前回はこちら!
【「ウマ娘」チャレンジ!】春麗伝説~わたしよりつよいウマ娘に会いに行くよ! 第1回 「ハルウララ、有馬記念で優勝するまでかえれま10!!」

でも何か気になっていたのは、たぶん最初にこの作品の資料として見せてもらったレースMVでのハルウララが、とても印象的だったから。


綺羅星のごときウマ娘たちが参加する夢のレースで、レース全景を示すデータ画面にひとりだけぽつーんと最後方を走るゼッケンが表示されている。ダントツ最後方すぎてカメラには映りもしないんですけど、直感的に「ハルウララだ」とわかったんです。ドリームレースにひとり場違いな存在がいて、それでも一生懸命に走っていることに物語性がある……という視点自体が面白いし、この作り手は信用できると思ったんですね。

編集A:初手からポエムありがとうございます。

中里:(動じない)勝敗が中心にあるコンテンツで敗者にスポットを当てるのは、かなり勇気とセンスが求められると思うんですよ。

編集A:最初期に「ハルウララがんばる!」というコミック連載もありましたね。

中里:コミック展開の最初期にフォーカスするのがハルウララですよ。敗れし者たちの悲哀をもちゃんと描く構想は最初からあったんだと思います。

で、そのハルウララをメインでプレイ日記を書く時に、課金したSSRサポートをズラリと並べていきなりURAファイナルを優勝させるのか? と思うとなんかいやだったので、ファーストプレイは縛りプレイにしてみました。条件設定としては、あえてサポートはRの未育成カードに絞りました。因子も使えるものはほとんど継承させていません。

編集A:弱くてニューゲーム。

中里:まあプレイ日記って普通そういう“てい”でやりますしね。

限りなく初期値に近い条件でやってみると、改めて本当によくできたゲームであることがわかります。

自分の本当のファーストプレイはサイレンススズカで、SSRの逃げウマ娘でスピードにぶっこめばある程度勝てるだろうという読みがあったんです。だからわりとすぐにそこそこは勝てちゃった。おそらくはみんなそう考えるんでしょうね。初期の環境では逃げ・先行で遊んでいる人が多かったですし、ある程度情報が流通してからは育てやすいサクラバクシンオーでバクシンバクシンバクシーン! している人ばかりでした。

中里:僕ら世代的にはバクシンって言えば銀河旋風ですかね。

編集A:J9って知ってるかい?

中里:「ビックリマン」のヤマト爆神も捨てがたいです。ちょっと前に某ゲームメーカーがビックリマンで一山当てたらしいですね。

でもハルウララは大器晩成をイメージしているのか、デビュー後最初のミッション期限までに25ターンもあって、かなりスケジュールに余裕が取られています。時間に余裕があると、トライアンドエラーができるんですね。芝のレースに出て痛い目にあったり、休養を取り忘れてウマ娘が体調を崩したりしても、なんとかリカバーして進行できるようになっています。

僕も初回は貧弱デッキで育成だから初戦のメイクデビュー戦で負けちゃったりもしたんですけど、初戦で負けると次戦以降の初勝利の時に「がんばれ、ハルウララ!」と実況さんが完全にハルウララに肩入れしちゃう特殊実況が聞けるんです。これが本当に胸を打つ名実況。こういう遊びが散りばめられているので、できれば攻略法的正解を見る前に自分でトライアンドエラーをしたいし、それが楽しいゲームだと思いますね。

ゲーム的にはデビュー戦から勝ったり負けたりです。ずっと負けていた実際のハルウララ本人や関係者の大変さには遠く及びませんが、やはり担当ウマ娘がしょんぼりしたり元気がないのはつらいです。とはいえ、オープン戦ではいくつかの勝ち星を上げてハルウララ基準では(?)上々のすべりだし。ここは有馬記念の前哨戦ということで、同じ中山競馬場で年末に開催される中距離戦G1レースである「ホープフルステークス」でも走ってみたのですが……結果は当然ながらダントツのビリ。翌年以降の有馬記念の光景を予感させるようで、山の高さ厳しさを知った思いでした。

結局、初回のハルウララ育成はG1レース・フェブラリーステークスで力尽きる結果になりました。



10戦足らずの戦歴となりましたが、現実のハルウララは113戦0勝を最後まで駆け抜けました。それも、怪我をしないで彼女が頑張れるように気を使いながら、毎回勝利を目指しての113戦だったはずです。飽きっぽい性格だという彼女が、なんでそんなにがんばれたんでしょうか。知りたくなったので会いに行きました。

編集A:え?

中里:ウマ娘は推しに会いに行ける、こともあるコンテンツなんですよ。

高知競馬で負け組の星と呼ばれたハルウララですが、引退後は紆余曲折あって、現在は千葉県御宿の「マァサファーム」でのんびり生活しています。オタクにはわりとおなじみの新木場駅から京葉線に乗り、上総一ノ宮駅で外房線に乗り換えます。ウサミン星より遠い。駅からは地図では3kmということで歩こうかとも思いましたが、山あり森ありトンネルありの田舎道、途中でギブアップしてタクシーを拾いました。

中里:今から行く牧場にハルウララがいるって知ってます?

運転手:ええもちろん。この週末は他にもお客さんを乗せましたよ。

中里:週末は満員で、まったく見学予約が取れませんでした。

運転手:ハルウララは15年ぐらい前は勝浦の「ブルーベリーヒル」というところにいましてね。私その頃そのあたりにいたんですよ。

降りる前に気になる話を展開するのやめてもらってもいいですか。馬に歴史あり、人に歴史ありといった感じですが、ハルウララと「ウマ娘」は地域経済にも貢献しているようです。

4月の山中ではうぐいすをはじめとした野鳥が猛烈に鳴いており、風が森林と堆肥の香りを運んできます。畝の向こうは牛の放牧場になっているようで、ここは「シン・エヴァンゲリオン」の第三村かな? と思う牧歌的な光景です。そして、数頭の馬が草を食む厩舎が並ぶ中にハルウララはいました。入口ではヤギがガンを飛ばしてきて、奥の犬舎から猛烈に犬が吠えてくるのが「ムツゴロウ動物王国」感がありますが、馬たちは意外と犬のことは気にしないそうです。

ハルウララ、御年25歳の妙齢でいらっしゃいますが、元気です。男性オタク100%の客層にややテンションが上がらない様子でしたが、ニンジンの入ったバケツを見るととたんに瞳が輝きます。マァサファームさんでは、500円でニンジンバケツを売ってくれるので、ハルウララのテンションも上げ放題です。見学中はオタクたちが「ゲームのガチャよりもいい」と話しながらニンジンやおみやげ用のガチャガチャに課金しまくっていました。

さて、普通にエンジョイしてしまいましたが、遠方まで来たのは、ハルウララは何故あんなに頑張れたのかを知るためです。ここは直接、ハルウララ本人にインタビューを行ないたいと思います。

中里:ウララ、いや、うーちゃん。うーちゃんはなんであんなにがんばれたんですか?

ハルウララ:ウララはね、根性値がわりと高かったとおもうよ!

中里:メタいね。ご自身はどうやったら有馬記念に勝てたと思いますか?

ハルウララ:芝適性と長距離適性がほしいかな?

中里:ウララは賢いなぁ!

さあ、因子の厳選をはじめよう

「ウマ娘」をある程度遊びこんでいくと、このゲームはかなり練りこまれた因子ゲーであることがわかってきます。「ウマ娘」的には“運命的なつながりにより因子を継承したふたりのウマ娘”となりますが、ようは父ウマと母ウマから継承できる特性を「因子」と呼ぶのです。マァサファームにはヒシアマゾンの仔もいましたが、バッキバキのエロ強そうな肉体をしていてこれが因子継承か……と思いました。

長距離:G(最低) 芝:G(適性なし)

上記の通り、有馬記念出場には絶望的なハルウララの基本適性ですが、ここに両親から継承する因子を加えて適性値を向上させることができるのです。普段は「スピード」や「スタミナ」といったメジャー因子の星数に一喜一憂している我々ですが、今回重要になってくるのはその隣、「長距離」や「芝」の因子です。理想を言えば、お父さんが長距離因子3、父方のおじいさんとおばあさんも長距離因子3の「長距離因子9」家系と、お母さんが芝因子3、母方のおじいさんとおばあさんも芝因子3の「芝因子9」家系を組み合わせるのがベストであると考えました。

長距離因子特化ウマ娘に関しては、幸いゲーム内のフレンドさんのウマ娘をレンタルで借りてくるあてがあったので、自前で芝因子8~9ぐらいのウマ娘を作るのが当面のミッションになりそうです。正直長い旅を覚悟していましたが……。

……周回一周目でゴールドシップが芝2(☆☆)因子をくわえて帰ってきました。父母はレンタルにも頼りつつ芝☆☆☆持ちを選んでいたので、芝因子8があっさり用意できました。どうせなら☆をもうひとつと言いたくなりますが、狙った☆3を出すのは大変困難ですし、これでもできすぎでしょう。レンタルに一日3回の制限がある以上、少しでもハルウララの有馬記念チャレンジ本番に試行回数を回したいと考えました。

最後に、因子厳選に入る前にできることは済ませておきたかったので、育成対象のハルウララのスペックを少しでも底上げしておくことにしました。まずは、手持ちの女神像を注ぎこんでハルウララを☆3に才能開花させます。体操服にジャージというハルウララらしい勝負衣装が解放されました。ひざこぞうは絆創膏だらけなのが彼女の頑張りを感じさせますね。

続いて、覚醒LVを4まで上げて、基本スキルを解放していきます。


「ペースキープ」「鋼の意志」「伏兵○」を育成開始時点から取れるようになりました。

LV4まで上げたのは、「伏兵○」というスキルを試してみたかったからです。“4番人気以下のレースで能力を少し発揮しやすい”というスキルですが、ハルウララが有馬記念に挑戦する時は高確率で4番人気以下になると思われたからです。実際に使ってみると、「良バ場○」などと同様に条件を満たすと若干のステータス補正があるスキルなようで、思ったほど劇的な効果はなく、これは少し期待はずれでした。

なお、「覚醒LVを4まで上げて、基本スキルを解放していきます。」と簡単に言っていますが、この一行の間にはひたすらタイキシャトルがダート路線を周回し続けていました。

編集A:ハルウララは何してたんですか?(スマホ治った)

中里:ちょうちょでもおいかけてたんじゃないですかね。

才能開花による能力上昇は平均すると各能力値10↑ぐらいですが、育成序盤の勝率を考えると意外と馬鹿にならない気がします。ステータスが200を切るような能力値の穴があると、とたんにレースでの事故的な敗北が増える印象があるからです。一番事故が起こりやすいのは育成が不十分なメイクデビュー戦で、差しウマのハルウララは結構な確率で馬群に沈んで負けてしまいます。ただし後に山ほど周回した結果、初戦のメイクデビュー戦をはじめとする短距離~マイル戦に関しては、適性を無視して逃げにする方が勝率が高いという結論になりました。ハルウララを逃げさせると、中盤まで普通に逃げたあと、追いつかれたり抜かれそうになると自分が差しウマであることを思い出したように再加速して差し返すことがあり、意外に粘りがあるのです。

さて、準備はできました。いよいよ次回はハルウララ、有馬記念チャレンジ本番です。地獄の釜の蓋が開きます。

第3回につづく!

(文/中里キリ)

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