【インタビュー】表現の幅を広げていく内田真礼。心に溜めた思いを吐き出すエモーショナルな新曲「ストロボメモリー」をリリース!
2021年4月から放送が始まったTVアニメ「SSSS.DYNAZENON」のエンディングテーマ「ストロボメモリー」を内田真礼が5月12日にリリース。「youthful beautiful」と同じシンガーソングライターRIRIKOが作詞・作曲・編曲を手がけたエモーショナルなナンバーで、レコーディングでは、あえて感情を抑える歌い方にも挑戦したという。
また、カップリング曲の「カナリア」や「ストロボメモリー」のミュージックビデオ(MV)など、女性クリエーターが多く参加したシングルでもあり、今までと違う表現が随所でできたと語る。いつも自然体の内田真礼に、話を聞いた。
「ストロボメモリー」は、心の中の思いを素直に吐き出した曲です
──表題曲「ストロボメモリー」は、4月からスタートしたTVアニメ「SSSS.DYNAZENON」のエンディングテーマです。作詞・作曲・編曲はシンガーソングライターのRIRIKOさん。「SSSS.GRIDMAN」のエンディングテーマ「youthful beautiful」を作詞・作曲・編曲された方ですね。
内田 はい、「youthful beautiful」からの流れで、今回もRIRIKOさんに楽曲提供していただきました。ピアノと歌だけで静かに始まるんですけど、サビに向かって開けていく曲で、感情が自然に流れていく感じがすごく気持ちいいんです。歌詞は言葉数は多くないんですけど、心の中で思っていることを素直に吐き出していて、青春らしさがあって。歌っていて、すごく好きな曲だなと思いました。
──歌詞もサウンドも、青春感がたっぷりなんですよね。疾走系のピアノもすごくよくて。
内田 きれいですよね。レコーディングしたときはまだ、「SSSS.DYNAZENON」を見てない状態だったので、作品と切り離して「ストロボメモリー」を聴いて、なんだかひとりぼっちな印象を受けたんです。ひとりで部屋にいて、思いを巡らせている私という感じで、どうしたらいいのか悩む日々の中で、なかなか動き出すことができない主人公の姿が描かれているなと。それでも、手を伸ばしてつかみたいものに対して思いを強くすることは、すごく尊いことなんだということが、歌詞から伝わってきました。
──街灯とか信号とか空の色とか、普段の毎日の中で光り輝いているものに、自分の思いを投影しているような歌詞ですよね。たしかに、光に手を伸ばそうとしている主人公の姿が、思い浮かんできました。
内田 世の中にはきれいなものや華やかなものがたくさんあって、それをただ心の中で求めているだけでなく、ちゃんと走って、つかみにいくことが大事なんだと思うんです。私は自分の曲を歌っている中でそれを感じることが多いので、この歌詞にはすごく共感できました。
──ずっと悩んでいたり、きれいだった過去を思い出していた主人公が、走り出す瞬間が曲の後半にやって来ますよね。そこは歌詞もメロディも解放感があって、心に刺さりました。
内田 心にずっと溜めてきたものが解放されて、ここで報われた感じがありますよね。自分の思う場所にたどり着けたのか、それとも諦めてしまったのか、どちらにしても、曲の雰囲気ががらりと変わるんですよね。
──アニメのオープニングの90秒サイズでは流れない部分ですよね。
内田 そうなんです。だから、フルで聴かないとたどり着けない部分で、この歌詞が「SSSS.DYNAZENON」の今後のストーリーと、どれくらい結びついているのか楽しみです。
──レコーディングはいかがでしたか?
内田 どうやって歌うのが正解なのか、すごく悩みました。今までの私の曲には、好きだとか会いたいとかみんなと一緒にいたいよとか、思いをストレートに直接伝える曲が多かったんですけど、この曲は白黒はっきりしない気持ちが描かれているんです。だから、感じたままに声を出すのではなく、ずっと溜めて溜めて、サビですら抑えて歌うほうが合っているような気がして、そういう歌い方になっていきました。
──何度も歌いながら、内田さんにとっての新しい歌い方を探していったという感じだったんですか?
内田 そうですね。ここはこのくらいの歌い方がいいかなと。いつもの自分の7割くらいの力で歌うという感じになっていって、それが難しかったです。
──声を抑えている中に、いろいろな感情が渦巻いているボーカルになっているんですよね。
内田 そう! だから歌っていて、気持ちいい表情にはなっていかないんですよね(笑)。「うー」と眉間にシワが寄っている感じで、全然さわやかじゃないんです。曲調はさわやかなんですけどね(笑)。感情表現は、本当にひと筋縄ではいかない曲でした。
──エモーショナルさが内側に向かっているという意味で、この曲はロックだなと思いました。
内田 はい、ロックだと私も思います。前のシングルの「ハートビートシティ/いつか雲が晴れたなら」は音楽的には自分にスッとなじむ曲だったんですけど、内面の泥臭さで言ったら、今回の曲のほうが自分らしいのかもしれません(笑)。私は、自分のことを地に這いつくばるタイプだと思っているんですよ。気持ちの面でも、楽しいとかうれしいがずっと続いているわけではないし、曲を作っているときは“なにくそ根性”みたいなものがあって。だから、こういう楽曲のほうが実は自分の心情に近いような気がします。
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