【Steam】5月24日はゴルフの日! おうちにいながらナイスショット! 変わり種系PCゴルフゲーム特集

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。来たる6月25日に、「マリオゴルフ」シリーズの最新作「マリオゴルフ スーパーラッシュ」が発売されるということで楽しみにしている筆者なのですが、その1か月と1日前である5月24日は、日本に初のゴルフ場がオープンしたことにちなんで制定された「ゴルフ場記念日」だそうです。ゴルフと言えば、アキバ総研では以前、PCスポーツゲーム特集にて正統派ゴルフゲーム「Golf It!」をご紹介しましたが、今回はちょっと変化球気味のSteamのゴルフゲームをご紹介していきます!

目次
1.異色のゴルフホラーアクション「Gone Golfing」
2.超高難易度ゴルフジャンプアクション「Time to GOLF」
3.じっくり思考型ゴルフパズル「Golf Peaks」

変わり種系PCゴルフゲーム3選!

1.怪物から逃げつつゴルフを満喫!?
異色のゴルフホラーアクション「Gone Golfing」

  • 「Gone Golfing」(Icehelm)
  • ジャンル:アクション
  • 2020年11月4日発売
  • 価格:520円(2021年5月15日時点)
  • コピーライト:(C) 2020 Icehelm

「バイオハザード」シリーズ最新作である「BIOHAZARD VILLAGE.」が先日発売され、ゲーム界が盛り上がりを見せている昨今。1人称視点タイプのホラーゲームは、恐怖の世界に入り込んだかのような没入感の高さが特徴ですが、ご紹介する「Gone Golfing」もまた、1人称視点で繰り広げられる異色のゴルフホラーゲームです。

なお、本作は本記事執筆時点では日本語非対応となっていますので、その点はあらかじめご注意ください。


本作は、仕事で最悪な1日を過ごしたプレイヤーが主人公。気晴らしにと新しくオープンしたミニゴルフリゾート「COZY COVE」へとやってきたプレイヤーは、「素敵でリラックスしたアフターワーク」を過ごすべくゴルフを楽しもうとするのですが、ミニゴルフ場には、なんだか不穏な雰囲気が漂います。ここで本当に素敵でリラックスした時間を過ごせるのでしょうか……?



ともあれ、主人公を操作して、さっそく1番ホールから回り始めます。


スタート位置にカーソルを合わせ、インタラクトキーを押してボールを置くと、いよいよゲームスタート。本作のゴルフプレイは、「みんなのゴルフ」や「マリオゴルフ」などでおなじみのパワーゲージをタイミングよく押すタイプではなく、マウスを動かしてパターを振るというアナログな操作が採用されています。ただ、パターを振ると必ずプレイヤーの目線が下を向いてしまうため、コースの先を確認しながら打つことができず、なかなか難易度は高めです。



坂道やジャンプ台などのあるアスレチック的なコースもこなしつつ、3番ホールまで回り終えましたが、どこにも次のホールが見当たりません。


パークをウロウロしていると、先ほどまで閉まっていた扉が開いているのを発見。中に入ると、そこには何やら不思議な雰囲気のもうひとつの扉が!その扉を越えてたどり着いた先は、薄暗く気味の悪い廃工場のような場所。



もう完全に主人公が思い描いていた「素敵でリラックスしたアフターワーク」とは一線を画すムードになってきました。


何をするべきか工場内をしばしウロウロしていると、どこからか足音と不気味な声が……。


そのとき、突然プレイヤーの目の前にゴルフボールの姿をしたモンスターが現れました! 


そして、手に持ったゴルフクラブでぶん殴られ、あわれプレイヤーの意識は、闇の中へと葬り去られてしまったのでした……。



というわけで、本作「Gone Golfing」は、何を隠そうゴルフとホラーアクションが合体した作品です。


先へと進むためのパズル的な謎解きをしながら、ゴルフボールモンスターこと「クレイジーゴルフマスコット」から逃げ隠れしつつ、さらにホールもきっちり回っていかなければならないという、欲張り(?)な構成になっています。


ここでポイントになってくるのが、「パターを振ると必ず下を向いてしまう」という要素。これにより、ゴルフに集中するとモンスターの姿を視認できず、逆にモンスターに怯えてキョロキョロしているとゴルフができないというジレンマが発生します。この、ほかのホラーゲームでは類を見ない緊張感こそが、本作の最大の魅力と言えるでしょう。


ホラーゲームとしての難易度は適度に高めな印象で、何度もクレイジーゴルフマスコットに殴られながら、マップや攻略手順を覚えていくという、いわゆる「死にゲー」的なプレイ感覚があります。


ストレスなく死にゲーを楽しむために必要なものは、リスタートのスムーズさですが、本作はゴルフでミスショットをしてしまった際もクレイジーゴルフマスコットにやられてしまった際も、サクサクッと素早いリトライが可能。ストレスなくトライ・アンド・エラーを繰り返すことができるのはうれしいポイントです。



ゴルフゲームとホラーアクション、そしてパズルアドベンチャーが絶妙に融合し、またとないゲーム体験を味わえる「Gone Golfing」。ホラーゲーム好きの人や斬新なゲームで遊んでみたいという人は、ぜひ本作をチェックして、恐怖のゴルフリゾート「COZY COVE」に遊びに行ってみてください。まあ、命の保証はできませんけどね……!

2.大切なのは集中力と精神力!
超高難易度ゴルフジャンプアクション「Time to GOLF」

  • 「Time to GOLF」(nattuhan)
  • ジャンル:アクション
  • 2021年2月19日発売
  • 価格:520円(2021年5月15日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 nattuhan

PS4とSwitchに移植された「Jump King」や“壺おじ”こと「Getting Over It with Bennett Foddy」などに代表される、ジャンプアクションゲームというジャンル。ゲーム実況との相性のよさから動画サイトを中心に盛り上がりを見せているジャンルですが、これからご紹介する「Time to GOLF」も、ジャンプアクションゲームに分類される作品です。



本作は、ゴルフをモチーフにした横スクロールのジャンプアクションゲームです。ストーリーやチュートリアルなどはなく、ゲームを開始するとすぐに、岩場の上に置かれたゴルフティーとゴルフボールが現れます。シンプルなローポリ風のグラフィックが特徴的で、BGMはなく、サウンドは環境音と効果音のみ、さらに操作はマウスの移動と左クリックのみという徹底したシンプルっぷり。険しい修行の始まりを感じさせるようなストイックにも思えるそのシンプルさに、なんとなく武者震いをしてしまいます。



ゲームの目的は「ゴルフボールを打って先へと進んでいくこと」と、実に単純明快です。


操作方法は、左クリックを長押ししたままマウスを動かして、打つ方向と強さを調節し、左クリックを離してショットするというもので、モンストこと「モンスターストライク」のような、ひっぱり系のアクションゲームを彷彿とさせる非常に直感的なプレイスタイルになっています。


また、ボールの動きが止まりきっていなくても、地面や壁に触れていれば立て続けにショットを打てるという、少々特殊な仕様になっており、長い坂道では転がり落ちてしまう前に連続でショットを打つ必要があるなど、場面によっては高いアクション性が求められます。



さて本作、実はゲームの内容紹介としては、なんとこれでおしまいです。


言ってしまえば、ボールを打って先に進んでいくということ以上の内容はありません。では一体、本作の魅力は何なのかと言うと、それはヒリヒリするようなその超高難易度っぷりにあります。本作のステージは、平坦に広がっているわけではありません。急勾配の坂道や背の高いオブジェクト、さらには空中に浮かぶ狭い足場など、バラエティ豊かな地形と障害物がゴルフボールの行く手をはばみます。



それらの障害物は、オーソドックスな横スクロールアクションゲームであればちょっとしたオジャマ程度の感覚で越えられるものですが、本作における障害物は、凶悪なモンスター同然かそれ以上の存在感を醸し出します。


苦労に苦労を積み重ねて進んできた道が、障害物にはばまれて、たった1度のミスで振り出しに戻ってしまったときの絶望感たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。プレイ中は正直言って、マウスを放り投げてしまいたくなる感情にしばしば襲われますが、その分、先に進めたときの達成感はひとしおで、魔界村やダークソウルなどに代表される「死にゲー」に似た中毒性があります。「先に進む」という、ゲームとしてきわめて当たり前のアクションで、これほどまでに脳汁が出るゲームはほかに類を見ないのではないでしょうか。



高難易度ゲームにチャレンジしてみたいという人はもちろん、動画のネタにするゲームを探している配信者の人にもオススメしたい「Time to GOLF」。


中断した場所から再開できるという、この手のゲームにしては少しぬるめの(?)親切設計もあるので、腕に自信のある人はぜひ挑戦してみてください。ちなみに筆者は、わりと序盤の連続空中リンゴ地帯で早くも挫折しかけています。突破できる日は来るのでしょうか……。

3.カードを使ってゴルフボールで山登り!?
じっくり思考型ゴルフパズル「Golf Peaks」

  • 「Golf Peaks」(Afterburn)
  • ジャンル:パズル
  • 2018年11月14日発売
  • 価格:520円(2021年5月15日時点)
  • コピーライト:(C) 2018 Afterburn

ここまでご紹介した2作はゴルフとアクションゲームを融合させたタイトルでしたが、次にご紹介する「Golf Peaks」は、ゴルフとパズルとカードゲームが融合した、変わり種なゲームです。



本作は、ゴルフをしながら山登りをするステージクリア型のパズルゲーム。ゲームを開始すると、斜め下を見下ろした視点で描かれた十字型の地形と、その中心に置かれたゴルフボール、そして旗の立ったホールカップがお目見えします。シンプルながらも味わい深いタッチのグラフィックが特徴的です。



ゴルフが題材のゲームということで、ボールをカップインさせることがステージクリアの条件となるわけですが、本作では従来のゴルフゲームのように自由にボールを打つことはできません。キーとなるのは、画面下部に表示されている数字と矢印の描かれたカード。これは、ボールが動く距離(マスの数)と、ボールの動きの種類を表しています。本作は、ステージ開始時に配られたこのカードを使って、ボールをカップのマスにぴったり合うように動かしていくという、独自性の強いシステムになっているのです。カードを使った、「すごろく」をイメージしてもらうと、わかりやすいかもしれません。



パズルゲームの常として、序盤はサクサク進める簡単なステージが続きますが、次第に坂や段差などが登場する、ひとクセあるステージが現れます。普通にショットを打つだけではカップに到達できないため、坂の傾斜を利用してボールを転がしたり、段差にボールを当てて跳ね返りを利用したりといった、地形を使った攻略を考える必要があり、思考する楽しさがどんどん増えていきます。



さらにステージが進むと、ボールを「転がす」カードに加えて、ボールを「打ち上げる」カードが出現します。これを使うと、段差や穴を飛び越えてボールを打つことが可能になるのですが、このあたりからが本作「Golf Peaks」の本番です。なかには「1マス打ち上げたあとに1マス転がす」のような複合型のカードもあり、パズルとしての深みと難易度は大きくアップ。


どのカードをどの順番で選び、どの方向に向かって打てばカップにたどり着けるのかという、詰め将棋的な思考を存分に楽しめます。失敗してしまった際の一手戻しやステージリスタートがワンボタンでサクッとできるのも、パズルゲームとしてはとてもうれしいポイントです。



本作の特徴は、ステージに用意された多彩なギミックです。
転がしショットを受け付けず、打ち上げて進まなければならないバンカーや、落ちると1マス前にボールが復活する池など、実際のゴルフ場にもあるおなじみのものから、ジャンプ台やワープゾーンといった、ゴルフの概念を超越した仕掛けまで、バラエティ豊かなギミックが登場し、プレイヤーの頭を悩ませます。


これらギミックの存在によって、どのステージに挑戦しても飽きることなく、常に新鮮な気持ちでパズルを楽しめるのが、本作の魅力と言えるでしょう。



ボールを打ってカップに入れるというゴルフのルールに、先を読みながらじっくり次の一手を考えるパズルの醍醐味が合体した、唯一無二のプレイ感覚が味わえる「Golf Peaks」。制限時間やゲームオーバーがないので、普段あまりゲームを遊ばないような人でもゆっくり楽しめるタイトルです。気になる人はぜひ、チェックしてみてください。

スポーツゲームにとどまらないゴルフの魅力は無限大!

というわけで、オススメの3作をご紹介しました。


ゴルフを題材にしていながらも、ホラーやパズルなどスポーツゲームにとどまらない遊び方を楽しめる作品を集めてみましたがいかがだったでしょうか。「そんな組み合わせ方があったのか!」という新鮮な驚きを楽しめるのは、Steamのインディーズゲームならではの魅力と言えるかもしれません。今後もジャンルとジャンルの意外な融合から生まれたゲームをご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
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