【最終話放送直前インタビュー!】「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」ヴィヴィ役・種﨑敦美が振り返る100年の旅と、その結末とは……?

WIT STUDIOがアニメーション制作、長月達平さんと梅原英司さんがシリーズ構成・脚本を務めるオリジナルTVアニメ「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」(以下、「Vivy」)。

「ヴィヴィと共に歴史を修正し、100年後に起こるAIと人間との戦争を止めること」を使命としたAI・マツモトと、AIの「歌姫」ヴィヴィの百年にわたる長き旅も、いよいよ佳境。大きな謎も明らかとなり、どんな結末となるのか目が離せない展開となっている。

最終回を目前に控えた今回は、主人公・ヴィヴィを演じる種崎敦美さんにインタビューを行った。

100年にわたって人間とAIをめぐる出来事に干渉し続け、人間とAIによる戦争という最悪の事態を回避すべく「シンギュラリティ計画」を遂行してきたヴィヴィ。しかしその結末は、あまりにも残酷なものだった……。

最終話直前に衝撃的な展開を迎えた本作だが、一体どんな結末を迎えるのだろうか?

このインタビューを読んで、はやる気持ちを抑えつつ6月19日放送(配信は6月22日スタート)の最終話を迎えていただきたい。

【最終話目前】「AIも人間も、触れ合うことって大事なんでしょうね」──話題の2021春アニメ「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」第3~4話登場のエステラ役・日笠陽子インタビュー!

──アキバ総研で実施している「2021春アニメOPテーマ人気投票」にて、ヴィヴィ(Vo.八木海莉)の「Sing My Pleasure」が上位にランクインしました。本作では演者とシンガーを別の方が担当されていますが、この結果を聞いていかがですか?

種崎 八木さんの歌声も、曲も本当に素敵なので「そうでしょうそうでしょう」と思いますし、結果は純粋に嬉しいです。けど上位ってことは1位ではないということですよね? 「心をこめるってどういうことか」を、ヴィヴィがわかったあかつきにはぶっちぎりの1位ですかね……! 伸びしろがあるっていいですね!

──実際に「Sing My Pleasure」をはじめとするヴィヴィ(Vo.八木海莉)の楽曲を聴いた感想を教えてください。

種崎 スッと引き込まれる歌声で、CD音源を聴いた時にも、ライブ映像で歌っている姿を拝見した時にも「こんな風に歌えたら気持ちいいだろうな……」と何度も思いました。ヴィヴィと一緒に成長、変化していく様子が曲からも感じられるのがたまらないです。個人的には「My Code」という曲が一番好きです。最初にレコーディングされた曲でもあるそうです。

──ほかの歌姫AIたちの楽曲で特にお気に入り、印象的なものがあれば教えてください。

種崎 曲が流れたシチュエーション、映像の力も相まって忘れられないのが、4話のエンディングでエステラとエリザベスが歌っていた「Ensemble for Polaris」という曲です。

登る太陽、落ちていくサンライズ。その中で聴こえてくる2人の歌声はグッと心にしみました。

──いよいよ最終話を迎えるわけですが、ここまでの物語を読まれた感想をお聞かせください。(読んで考えさせられたこと、などもありましたらお願いします)

種崎 全部知っているはずなのに、毎話想像以上にズシッと心にきます。1話で松本博士が言った「重たすぎる100年だ、むごすぎる役割だ」は、話数が進むごとに実感をともなってくる感覚です。原案小説から始まり、長い時間をかけて作られてきただけあって本当に1話1話が濃く、見ながらたくさんのことを考えましたが……使命のためにどこまでも一途で純粋なAIたちのことを思うと、心が垣谷さんみたいに荒ぶってきそうです!

──美麗な映像やアクションシーンも話題となっていますね。

種崎 言語化能力がとぼしくて、この感動を的確な言葉で表せないのが悔しいです。迫力あるアクションシーン、繊細なキャラクターの表情……視聴者として見ている時には物語にグッと引き込こんでくれて、見終えたあとに演者としてその映像を作った方々への感謝が止まらなくなります。毎話それを感じられるこの作品は、とても幸せな作品だと思います。携わることができて本当に光栄です。

──特に印象深かったシーンやセリフをあげるならどこでしょうか?

種崎 6話の、冴木博士に向かって言う「幸せになってください」というセリフが一番に浮かんできました。6話は台本を読んだ時から頭痛がしそうなほど頭も心もずっとキューっとしていて、本当に収録直前まで「これちゃんと言えるかな……」と不安だったのですが、小野賢章さんが演じられる冴木の声を聞いた瞬間、スッとセリフが出てきました。なので、いろんな意味で印象に残っています。

──その時代(エピソード)によって、ヴィヴィ(ディーヴァ)の表情や演じ方も変わってきたと感じました。それぞれで意識した点や難しかった点などを教えて下さい。

種崎 特別意識をしていた自覚はないのですが、最初の頃は音として発するAIヴィヴィの幅はこのあたり……というのは無意識に自分の中にあったと思います。ヴィヴィの変化とともにそれは段々薄くなっていきました。難しかったのは力の入れ具合を想像することで、基本戦闘シーンや走るときなどは無音で「"予期せぬとき"以外は声に出さない」というのは意識してやっていました。

──ほかのキャストの演技ですごいと感じたシーンや、キャスト同士の裏話的なエピソードがあればお聞かせください。

種崎 ヴィヴィと同じく、マツモトもさりげなく変化しています。加えて毎話の絶妙なアドリブ──福山さんのマツモトのお芝居は、最初から最後まで本当に気持ちがよくて、ヴィヴィを演じるうえで、そのマツモトっぷりにはたくさん助けていただきました。そのほか、各キャスト1人ひとりのすごいと感じたところは語りだすときりがないほど、本当に皆さんからたくさんのものをいただきました。それはヴィヴィの中にも積み重なっています。

──物語は佳境を迎えています。終盤の見どころをお聞かせください。

種崎 物語の終盤……そろそろ旅も終わりです。その見どころは、これまでの100年の旅の中にあります。歌でみんなを幸せにすることが使命のヴィヴィが考え続けた、「心を込める」とは……。その答えを一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。

(取材/千葉研一)

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