この夏はアニメでもスポーツ観戦しよう! 熱いドラマが展開する「スポーツアニメ」4選!【アキバ総研ライターが選ぶ、アニメ三昧セレクション 第13回】

いよいよ「2020年東京オリンピック競技大会(通称「東京オリンピック2020」)」も開幕。本来ならば世界中がスポーツの熱気に包まれているはずだったと思われるが、新型コロナウイルスの影響や噴出するさまざまな問題などから、複雑な気持ちで開幕を迎えたというスポーツファンも多いと思われる。

そして昨年に続いて今夏も、大型イベントやライブの中止や縮小が続々と発表され、アニメファン、声優ファンなどにとっても厳しい夏を迎えることとなってしまった。

こうなったらクーラーを効かせた室内で、スポーツアニメを堪能してスカッとしようではないか! ということで、この夏に楽しみたいスポーツアニメ作品4本をご紹介しよう。

SK∞ エスケーエイト

2021年1~3月放送

「スケートボード」を題材にした、オリジナルアニメ作品。最近は期待の若手スケートボードプレイヤーがスポーツニュースで取り上げられることも増え、にわかに注目が集まっている競技だ。

本作では「決闘(ビーフ)」と呼ばれる架空のルールでバトルが繰り広げられるのだが、“原作”(※実在するスケートボード競技)をベースに、ていねいに描かれているのがポイント。

さらに、主人公のレキとランガを中心に、個性豊かなキャラクターたちがそれぞれの思わくを持って「決闘」に臨むという、クオリティの高い物語も白熱のバトルに華を添えている。

なお、筆者は7月4日に開催された「SK∞ エスケーエイト 愛の仮面舞踏会(マスカレード)」の模様をオンライン取材した。「名シーンの紹介」コーナーで、濃いキャラクターたちのからみを堪能し「続編が観たい!」……と思っていたら、イベント最後に新作アニメプロジェクトの始動が発表! 今後も目が離せない作品だ。

ライフル・イズ・ビューティフル

2019年10月~20年1月放送


「ビームライフル射撃」を題材にしたアニメ。ライフル射撃が大好きな高校1年生の主人公・小倉ひかりが、射撃部のある高校に入学し、知り合った射撃経験者の女の子たちと全国を目指す……というストーリー。

日本ではまだまだマイナーなビームライフル射撃という競技に、全力で取り組む女子高生たちの活躍は観ていてほのぼのする……と思いきや、実は本格的。

集中力の持続が大事な競技であること、夏場の大会の大敵「身体にまとわりつく汗」、そしてマイナースポーツならではの悲哀などがリアルに描かれており、ライフル射撃を始めたいと思っている人への「入門書」としてもおすすめだ、

もちろん、女の子たちが楽しそうに絡み合う、秘密の花園(部室)をのぞいちゃうノリもバッチリ。死角のない出来と言えよう。

なお、主題歌を歌ったメインキャスト4人によるユニット「ライフリング4」は、公益社団法人日本ライフル射撃協会公認の「宣伝大使」に任命されるなど、ライフル射撃を盛り上げる旗手となった。

灼熱の卓球娘

2016年10月~12月放送


市立雀が原中学校のエース・上矢あがりとスーパー転校生・旋風こよりが全国制覇を目指す、卓球アニメ。

登場キャラクターたちは、かわいい見た目とは裏腹に、男子顔負けのスマッシュやキレッキレの回転球をどんどん打ち込み、迫力満点! チーム内での争いもし烈で、対外試合が行われれば数多の難敵が立ちはだかる。また、キャラクターたちの使用ラケットにも実際のモデルがあるなど、かなりの本格派卓球アニメだ。

ちなみに2016年11月に、東京・秋葉原にある卓球ラウンジ「Akiba卓球スタイル」で行われた「灼熱の卓球娘杯」を取材したのだが、本イベントには、腕に自信のあるファンが集結。トーナメント戦が行われた。そして頂点に立った優勝者には、なんとメインキャストの今村彩夏さん、東城日沙子さんと卓球対戦できるという特典が与えられた!

「ピンポン」(松本大洋先生)と「行け!稲中卓球部」(古谷実先生)をこよなく愛し、2つのサーブを操る筆者(シェークハンド使い)の実力を見せられる機会を、いまかいまかと待ち構えていたのだが、あえなく途中敗退でその願いはかなわず……。

ちなみに、同じく取材に来ていた卓球の某専門誌の記者がトーナメントに参加していたのだが、これがものすごい腕前の持ち主で、「どちらにせよ、自分の出る幕はなかったな……」と痛感させられたのだった。

ホイッスル!

2002年5月~2003年2月

2016年12月~(ボイスリメイク版)

サッカーの名門校・武蔵森学園で、「背が低い」というだけで3軍に落とされてしまうという挫折を味わった風祭将が、転校先の桜上水中学校で出会った仲間たちと切磋琢磨するストーリー。

原作コミックが連載されていた「週刊少年ジャンプ」では、サッカー漫画の金字塔「キャプテン翼」が今もなお圧倒的な存在感を放っているが、本作には読者の“ツボ”を突くような魅力的なキャラクターがたくさん登場し、多数の女性ファンを獲得した。その点では、本作の功績も、決して偉大なる先達にも引けを取らないと思う。筆者はバリバリの「キャプテン翼」世代だが、本作の登場により、サッカー漫画新時代の幕開けを感じたものだ。

その根強い人気を裏付けるように、2002年のTVアニメ放送後、2016年には「ボイスリメイク版」として“再放送”されるという、異例の試みが行われた。映像はそのままに、主人公・風祭将のCVが当時グラビアアイドルとして活躍していた小向美奈子さんから堀江瞬さんに。不破大地役のCVが喜安浩平さんから江口拓也さんに。小島由紀のCVが鈴木真仁さんから牧野由依さんに、といった具合にキャストのみ世代交代が行われている。機会があれば、ぜひ両バージョンを聴き比べて、それぞれのキャストの魅力を味わっていただきたい。

さらに2017年から2021年にかけて、続編「ホイッスル!W」が連載され、全5巻のコミックスが発売。その完結を記念して今年6月~7月上旬にかけて、桜上水中学校とライバル校の駒を使ったオリジナルリバーシ(オセロ)などが当たる「『ホイッスル!W』完結記念 ホイッスル!オールスターくじ」も開催。大きな反響を呼んだ。

今も、そしてこれからも愛され続けていく作品となりそうだ。

<ライター紹介>

佐伯 敦史

さえき あつし

アニメ・声優・ゲーム・アイドルなどの情報をご紹介するポータルサイト「れポたま!」で編集・ライターを務める。

「ピーチボーイリバーサイド」「ダンベル何キロ持てる?」ほか、各種作品でオフィシャルライター/カメラマンを担当。

いま流行りの「競馬」好き。馬券は買わないが、重賞レースは常にチェックしている。ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」では(弱小)サークル主も務める。以前、旅行先の高知競馬場で買った「ハルウララの『当たらない(交通安全)』お守り」が宝物。

右投右打で四半世紀来の広島東洋カープファン。前半戦は4連勝といい形で終わり、後半の巻き返しと若手のさらなる成長を期待! また草野球歴は18年。先日、若手俳優たちが本気で野球とエンタメの融合を提唱する「ACTORS☆LEAGUE」の試合を東京ドームで観覧、好プレーの数々に感動し、モチベーションが高まっている。

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