14世紀のパンデミックを体験!コロナ時代だからこそ遊びたい、「A Plague Tale: Innocence」PCゲームレビュー

現在、新型コロナウイルスは社会に大きな影響を与え続けています。

少しずつワクチンの接種が進んでいるとはいえ、いま一層の警戒が求められる今日この語。

ただ、ステイホームを徹底して自宅にこもると、どうしても時間を持て余しがちです。

こんな時こそゲームで時間を潰しましょう!

そんなわけで今回オススメしたいのが、病気の存在感が大きい今だからこそ遊びたいゲーム「A Plague Tale: Innocence」です。

緻密なグラフィックで再現された暗黒期ヨーロッパのおどろおどろしくも荘厳な雰囲気、死とネズミの大群、人口の3分の1から3分の2を死に追いやった黒死病(ペスト)の恐怖。そして、なによりも人間の恐ろしさが現代の最先端技術で、ゲームとして表現されているのです。

そこで、本記事では「A Plague Tale: Innocence」の序盤をプレーしながら、本作の魅力をご紹介していきます。

ようこそ!美しきフランスへ!

本作の舞台は1349年のフランス。プレイヤーは主人公である15歳の少女アミシアを操作します。

ゲームは、フランスの小領主である父と犬と共に狩りをする場面から始まります。

狩りでは父からスリングの使い方を学びつつ、イノシシを追っていきます。しかし逃げた先を追うと、無残にも先ほど追いかけていたイノシシが死んでいるばかりか、不自然に体が食い荒らされています。

先に追っていた犬を探すためにさらに進むと、なんと犬も謎の存在に襲われてしまいます。この謎の存在は一体……? 実はこれ、物語に深く関わってくるのです。

災いは続けてやって来ます。弟のフーゴを狙う宗教裁判官の騎士が家を襲撃。突然父と母を殺されてしまいます。

圧倒的な力を持つと思われる宗教裁判官の騎士たちとて、大量のネズミの前では無力です。姉弟は辛くも脱出。錬金術の教養もあった母の遺言に従って、医師であり錬金術師でもあるローレンティウスを訪ねるため、力を合わせて病気やネズミ、大人たちの魔の手から逃れつつ旅立ちます。

本作で特筆すべきは美麗で説得力のあるグラフィック。14世紀のフランスを実際に見たことはありませんが、色鮮やかで美しい自然だけでなく、当時の住居や風俗をCGで完璧に再現しており、細部までていねいに仕上げられています。

積み重なる家畜や人の死骸、大挙して押し寄せるネズミ、宗教裁判官による大量虐殺や理不尽な宗教裁判など恐ろしくグロテスクな描写も多く、フィクションやゲームの世界ではタブーとされがちな子供への暴力も容赦なく描かれます。本作は当時の厳しさと汚さがしっかり描写された、非常にハードなゲームでもあるのです。

ちなみに1340年ごろの日本といえば、「建武の新政」が崩壊し、足利尊氏や後醍醐天皇が争った室町時代。こちらも混乱していますね。

姉と弟、力を合わせて生き残ろう!

本作はステルスアクションゲームですが、特徴的なのが姉のアミシアを操作しつつ弟のフーゴもステルスさせなければならない点。弟は5歳の幼児のうえ、病弱。手を繋いでいないと愚図りだしてしまいます。

これだけ聞くと足手まといのように感じてしまいますが、体の小ささを活かして穴を通り抜けるなど、弟の助けを借りて進む必要のある場面もあります、姉弟で力をあわせることが重要なのです。

本作の敵兵は「メタルギアソリッド」などのように、頭上に表示されるインジケーターを備えており、インジケーターが赤くさえならなければ無事に通り抜けることができます。

また、石や壺を使った陽動には素直に反応してくれるため、敵をやり過ごすのも容易。純粋なステルスゲームとしてみた場合、かなり易しいゲームだと思います。

ただ、前述した弟・フーゴの要素やネズミの大群の要素も加わることで、ステルスゲームの要素だけでなく、パズルゲーム的な要素も色濃くなっています。

もちろんアクションゲームらしく、スリングを使用した投石や直接手を使う投石を使う場面もあり、これらの使い分けが重要になってきます。スリングを振り回すと音が出て敵に気づかれてしまうため、戦闘を決意した時に。手での投石はステルスで敵をやり過ごす時に、とそれぞれの投石を使い分けることでプレイヤーが能動的に行動を選択する緊張感を与えてくれます。

ちなみに本作にはクラフト要素もあり、マップ上に落ちているさまざまな素材を拾い集めれば各所に存在する作業台でスリングやバッグなどの装備アップグレードに加え、兵士を眠らせる睡眠薬や、ネズミの大群を一網打尽にする爆薬など、多彩な消費アイテムをクラフトできます。

また、やりこみ要素として当時の風俗を紹介してくれる収集アイテムも存在しています。ゲームを通じて中世ヨーロッパを知りたい方は、収集アイテムを探して楽しむのもオススメです。

プレイ時間は約10時間。お盆休みに最適!

本作のプレイ時間は10時間程度。(のんびりプレイしても20時間はかからないでしょう。)大作オープンワールドゲームやオンライン対戦ゲームに比べると、コンパクトなプレイ時間となっています。

しかし、プレイ時間の長さがゲームの良し悪しを決定するわけではありません。大事なのはプレイした時に感じる「体験の質」ではないでしょうか?

その点、本作の体験の質は一級品。14世紀のフランスにタイムスリップしたかのようなフィールドの描写、姉弟を操作する特徴的なステルスアクション、ネズミや人間など、さまざまな種類の脅威……。「A Plague Tale: Innocence」をプレイすれば、本作でしか味わえない魅力的なサバイバル体験ができます。

繰り返しになってしまいますが、本作は13日までEpic Gamesストアにて完全無料で配信されていますので、とりあえずダウンロードしておくことをオススメします。ちなみに、Epic Gamesストアでは月替わりで無料のゲームを配信しており、今月は記事で紹介した「A Plague Tale: Innocence」に加え、1プレイ1分で楽しめるアクションアドベンチャーゲーム「Minit」も配信されています。「Minit」は1分で死ぬ呪いからの解放を目指す主人公を操作し、限られた時間で試行錯誤するゲーム。もちろん日本語にも対応しています。こちらもクリアまで5時間ほどとお手軽に楽しめるボリューム感なので、お盆休みなどの限られた期間にサクッと楽しむのに最適です。

ちなみに、8月13日から20日までは宇宙を舞台に宇宙戦艦での戦闘、探索、発見、取引、異星人との交渉まで体験できるゲーム「Rebel Galaxy」も登場。こちらも日本語にローカライズされているので、忘れずにチェックしておきましょう。


【ゲーム情報】

A Plague Tale: Innocence
ジャンル:アドベンチャー
・発売中
・価格:4,880円(2021年8月13日0時まで無料)

・ログインにはEpicGamesアカウントが必要です

<最小スペック>
・OS:OSWindows 7/8/10(64ビット)
・プロセッサー:Intel Core i3-2120(3.3 GHz)/ AMD FX-4100 X4(3.6 GHz)
メモリー:8 GB
・ストレージ:50 GB
グラフィックス:2 GB、GeForce GTX 660 / Radeon HD 7870

<推奨スペック>
・OS:Windows 7/8/10(64ビット)
プロセッサー:Intel Core i5-4690(3.5 GHz)/ AMD FX-8300(3.3 GHz)
メモリー:16ギガバイト
ストレージ:50 GB
・グラフィックス:4 GB、GeForce GTX 970 / Radeon RX 480

・サポートされている言語:
英語、フランス語、ドイツ語|テキスト:英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、チェコ語、スペイン語-スペイン語、日本語、中国語-簡略化、中国語-伝統的、ポーランド語、ポルトガル語、スペイン語-ラテンアメリカ、韓国語、ロシア語

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