【インタビュー】麻倉ももがニューシングル「ピンキーフック」をリリース。かわいらしさの中に潜む女の子の複雑さとは?

TVアニメ「カノジョも彼女」のエンディングテーマ「ピンキーフック」を、9枚目のシングルとしてリリースする麻倉もも。ヒットメーカー渡辺翔の作詞・作曲によるポップなナンバーで、かわいらしさの中に、ある種の重さや攻撃性をも匂わせた、聴きごたえのある楽曲となった。
ミュージックビデオ(MV)では、そんな楽曲の世界観に合わせて、麻倉ももがまったくタイプの異なる4人の女の子を演じ分けることに。遠距離恋愛をテーマにしたカップリング曲「ふたりシグナル」や、スタイリッシュなジャケット写真も合わせて、女の子のいろいろな面が表現された魅力的なシングルだ!

女の子のまっすぐな想いと小悪魔な一面が入って、どこを取ってもかわいい曲になりました


──新曲「ピンキーフック」は、TVアニメ「カノジョも彼女」のエンディングテーマです。「カノジョも彼女」は、主人公の男の子が複数の女の子を彼女にして、しかも女の子たちもそれを認め合っているという、ある意味、ぶっ飛んだお話ですね。

麻倉 現実にはあり得そうもないシチュエーションなんですけど、ギャグタッチで進んでいく作品なので、嫌味がないのがいいところだと思います。主人公の男の子も周りの女の子たちもまっすぐ過ぎる性格で、それゆえにお話が面白い方向に進んでいくというか(笑)。こういう内容のハーレム物は見たことがなくて、新しいなと思いました。

──どのキャラクターも、心で思っていることを全部、口に出しちゃうタイプなんですよね。みんなの考えがダダ漏れになっているところが、この作品のかわいいところなのでしょうね(笑)。

麻倉 そうなんです、そこがかわいいんですよね。そのせいで、どんどん人間関係がこじれていくんですけど(笑)。

──なぜか見ていて微笑ましいんですよね。エンディングテーマの「ピンキーフック」も、とてもかわいい曲でした。作詞・作曲は渡辺翔さんですが、どのようにして生まれた曲だったのでしょうか?

麻倉 翔さんがまず、候補曲を2曲作ってくださって、そこから選ばせていただきました。「ピンキーフック」になったほうの曲は、出だしがちょっと小悪魔的だったりして作品の世界観にも合っていましたし、とてもオシャレな、私が今まで歌ったことがなかった曲調だったので、挑戦してみたいなと思いました。歌詞に関しても私から要望をお伝えして、いろいろとアイデアを取り入れていただきました。

──でき上がった歌詞については、どのような印象を持ちましたか?

麻倉 登場人物の女の子たちの言いたいことや思っていることを代弁しているんですけど、誰かひとりにフォーカスしているのではなくて、女の子たちみんなの、主人公のことが好きという気持ちの総意なんだろうなと思いました。本当にまっすぐで、でも小悪魔っぽい感じもあって、どこを取ってもかわいい歌詞です。

──「想い? 重い? 主に愛情」とか言葉遊びもたくさん入っていて、楽曲のノリに合ったポップな歌詞になっていますよね。

麻倉 テンポ感がいいですし、同じ音の繰り返しで韻を踏んでいるところがいろいろあって、耳なじみのいい歌詞なんです。歌っていても、すごく気持ちよくて、普段もつい口ずさみたくなってしまうくらいです。

──「ピンキーフック」というタイトルは、どういう意味なのでしょうか?

麻倉 最初は、ピンキーリングみたいなかわいいアクセサリーをイメージしているのかな、と思ったんです。翔さんにうかがったら、そういう意味もありつつ、フックという言葉を合わせて女の子の攻撃的な一面も表しているということで、「なるほど!」と思いました。もちろん、物理的に男の子を攻撃するということではなくて、まっすぐ過ぎるがゆえに重い気持ちをぶつけるというか(笑)。明るく描かれてはいても、やっぱり恋する男の子を取り合うという面もあるわけですし、この作品の女の子たちの複雑な感情を表現しているタイトルだなと思いました。

──レコーディングはいかがでしたか?

麻倉 高校生くらいの年齢感のかわいいラブソングなので、これをキュートに振り切って歌ってしまうと、キャラクターソングに近い印象になってしまうんじゃないかなという懸念が、最初は自分の中にあったんです。かと言って大人っぽく歌ってしまうと作品の世界観と離れてしまうので、歌ってみては、それを聴いて、スタッフさんと意見交換をして、この曲に一番バランスが合ったボーカルを探していきました。結果的には、セリフのようなニュアンスをところどころにつけて、どちらかと言うと、かわいい寄りの歌い方になりました。

──渡辺翔さんとは、レコーディング現場で、どんなやり取りがあったんですか?

麻倉 いつもやさしくて、基本的に誉めてくださるんです。私の気持ちをうまく乗せてくださって、感謝しています。たとえば、Bメロの「こんな好きってズルイ」は同じ言葉が3度繰り返されるので、それぞれにニュアンスを変えて歌ってみたら「いいねー」と喜んでくださって。それから、サビの最後の「ねぇ」も、「さすがですね」って誉めてくださいました。

──こういう曲は歌うときのノリが大切なので、渡辺翔さんの言葉は力になりますね。

麻倉 そうですね。私は気持ちがダイレクトに歌に乗るタイプなので、レコーディングの前には好きな物を食べてテンションを上げたりしているんです(笑)。特に今回は、レコーディングにあたって自分の中に迷いがあったということもあって、周りの方の助けを得てていねいにレコーディングしていきました。実は1コーラス目は全部のレコーディングが終わった後に、もう一度録らせていただいたんです。

──完成した曲はグルーヴ感がたっぷりで遊び心があり、ボーカルは爽やかで、「カノジョも彼女」に合っているなと思いました。エンディングの映像では、「ピンキーフック」に乗って、女の子たちのかわいい姿が次から次へと出てくるんですよね。ちょっと楽曲から外れた質問になってしまいますが、麻倉さんが一番感情移入できたキャラクターは誰ですか?

麻倉 感情移入ですか!? 難しいなあ~(笑) あえて言えば、みんなぶっ飛び過ぎていて、(佐木)咲ちゃんに同情しちゃうというか(笑)。たぶん咲ちゃんが私たち見ている側の立場に一番近い子だと思うんですよね。付き合っているはずの直也の前に、次々に女の子が現れるんですけど、それを楽しんでいるところがあって、彼女がいつも明るいからこそ、私たちも作品を楽しめるんだと思うんです。

──(水瀬)渚の印象はいかがですか?

麻倉 渚ちゃんはシンプルに、視聴者の誰もが好きなんじゃないかなと思います(笑)。かわいいし、料理ができるし、一歩引いている感じもありつつ、ぶ っ飛んでいるところもあって。ほかの子もみんなかわいいですし、理詰めで考えずに、登場人物たちのドタバタを楽しく見つめるのが、一番この作品に合っていると思います。

──では、問題の主人公・(向井)直也の印象はどうでしょう?

麻倉 「現実にいたら、ちょっとどうなの?」って思わなくはないですけど(笑)、あんなに女の子に対してストレートな男の子って、なかなかいないじゃないですか。そういう部分は素敵だなと思いました。嘘をつかない子ですからね。

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