ゆま、ついにゲームクリエイターデビュー!? 「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」の巻【つみゲ部! 第12話】

ここは積木橋(つみきばし)大学ゲーム研究部。略して「つみゲ部」の部室。

研究とは名ばかりで、部員たちが各々ゲームを持ち寄り、ただひたすら遊ぶだけの部活動である……。

そんな「つみゲ部」の日常をゆったりまったり描く、ラノベ風ゲームレビュー連載!

◆つみゲ部 部員紹介◆
紺ノ下ゆま(こんのした ゆま) 主人公。19歳の大学一年生。明るく素直で礼儀正しいがちょっと天然な性格。ゲームは雑多に、カジュアルに、興味があるものをいろいろとやるタイプで、どんなジャンルのゲームでも毛嫌いせずに楽しむ。
駅丘沙遊里(えきおか さゆり) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の部長。語りだしたら止まらない熱血ゲーマーで、ゲームの知識が豊富。昔のゲーム(ファミコン以前のマニアックなものもカバー!)から最新のゲームまで幅広い知識を持ち、話題作からマニアックなものまで気になるゲームはなんでも買う。でも、ゲームの腕前はイマイチらしい。
切島スイ(きりしま すい) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の副部長。沙遊里とは大学一年の春に出会った。沙遊里の影響でゲームにハマり、今ではすっかりゲーマーになったギャル系女子。どんなジャンルのゲームでもちょっと触ったらコツを掴んですぐにうまくなる天才肌ゲーマー。


ある日の夕方。今日も今日とてゲームで遊ぼうと、一年生の部員・紺ノ下(こんのした)ゆまが部室へとやってきて、そのドアを開けた。

お疲れ様ですー♪

部室では、部長の二年生・駅丘沙遊里(えきおか さゆり)と、副部長の二年生・切島(きりしま)スイが、何やらしゃべっていた。

……というわけで、身の回りのさまざまなものが“プログラム”で動いているんだ。

ふむふむ。

たとえば自動ドアは、「ドアの前に人が来たらドアを開ける」「ドアの前に人がいなくなって5秒経過したらドアを閉じる」といったプログラミングがされているわけだな。

うん、なるほどね。

そして私は、「スイが目の前に来たらゲームについて語り出す」というプログラミングがされているんだ!

いやいや、沙遊里はプログラムで動いてないでしょ!

(何の話をしてるんだろう……?)

2人を見ながら部屋に入るゆま。これでつみゲ部の部員3人が勢揃いとなった。

お2人とも、今日は何をやってるんですか?

あ、ゆまっちじゃん♪ 今日はね、沙遊里が持ってきたNintendo Switchの「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」を遊んでみようってことで、それに先駆けて「プログラミングってなんだ?」って話をしてたんだよ。

あっ、「はじめてゲームプログラミング」知ってます! ゲームを作って遊べるソフトですよね♪

うむ♪ しかし、ただそれだけじゃないぞ。ゲームを作るために必要な“プログラミング”についての基礎や考え方を、実践しながら学んでいくことができるんだ!

ぶっちゃけプログラムって理系な感じっていうか、かなり難しそうだな~と思ってさ、この「はじめてゲームプログラミング」のことは知ってたんだけど、なんとな~く手が出せずにいたんだよね~……。

正直、私もそうなんです~……。

ふっふっふ……大丈夫だ、安心してくれ。実際にプレイしてみれば、2人ともプログラミングの面白さにきっとハマるはずだ! というわけで今日は、「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」についてたっぷり語らせてもらいつつ、実際に遊んでいくぞ♪

はいっ♪

ちなみに私は、「二人が部室に揃ったら『はじめてゲームプログラミング』について語りだす」というプログラミングがされているんだっ! どうだっ!

いや、だから沙遊里はプログラムで動いてないでしょ。「どうだっ!」って言われてもなあ……。

任天堂の開発室から生まれたプログラミングソフト! 不思議な生き物「ノードン」をつなげてレッツ・プログラミング!

では、「はじめてゲームプログラミング」を紹介する前に、まずは「プログラミングとは何か」という点から語っていくとしよう。

プログラミングって正直、あたしは漠然としたイメージしかなくて、どういうものなのかちゃんと説明できないな~。

ですね……! なんとなく、英語をいっぱい打ち込んで何かを動かすことってイメージです。

うむうむ、では説明しよう。ずばりプログラミングとは、「コンピューターにしてもらいたいことを実現するために、命令を組み立てること」なんだ。

なるほど~、コンピューターに対する命令が「プログラム」で、それを組み立てることを「プログラミング」って呼ぶわけだね。

たとえば町の自動販売機や普段私たちが使っている携帯電話など、プログラムは日常生活のあらゆるものに使われている。そしてもちろん、ゲームもプログラムで動いているんだ。たとえばスティックを右に傾けると右方向へと進むアクションゲームの主人公や、Aボタンを押すとショットを撃つシューティングゲームの自機なども、すべてプログラミングによって動いているわけだな。

なるほど~。その「ゲームのプログラミング」を体験できるのが、このソフトってわけだね。

ちなみに、実は私もプログラミングで動いているんだっ! そしてこれがプログラミングされた私の動きだっ! ウィーンガシャッ! ウィーンガシャッ!

いや沙遊里、今日はずっとその「プログラミングで動いている謎の人間」設定でいくつもり……? てか「ウィーンガシャ」ってめちゃくちゃレトロなロボットだな~。

あ、あはは……。それであの、部長さん、このソフトでプログラミングをするためには、やっぱり英語の文章を書く必要があるんですか……?

いや、「はじめてゲームプログラミング」では、ゆまの言う英語の文章、つまりコードを書く必要はない。その代わりに、「ノードン」と呼ばれる不思議な生き物たちを使ってプログラミングをしていくんだ。というわけで、これを見てくれ。

わ~、いろんな顔の子がいてかわいいですね♪

このカラフルな子たちがノードンか~♪ で、この子たちをどう使うの?

ずばり、このノードン同士をワイヤーでつないでプログラミングを行うんだ! たとえば、「ボタンノードン」のBボタンのポートと「ヒトノードン」のジャンプポートをつなげば、「Bボタンを押すとヒトがジャンプする」というプログラムが完成するといった具合だな。

なるほど~、ノードンちゃんたちをどう組み合わせるかによって、何が起こるかが変わるんですね♪

ゆまっち、さっそくノードンに「ちゃん」付けしてるな……! って、まあそれはいいとして、沙遊里、ノードンたちにはどんな種類がいるの?

うむ。ノードンは「入力・中間・出力・モノ」の4つに分類され、さまざまな種類が存在していてそれぞれがまったく異なる機能を持っている。一例をあげると「ボタンノードン」「スティックノードン」「かたむきノードン」「ヒトノードン」「モノノードン」「ゲーム画面ノードン」「BGMノードン」「タッチしたらノードン」「タイマーノードン」「けいさんノードン」「エフェクトノードン」「しんどうノードン」「回転速度ノードン」……。

★ゆま驚

そ、そんなにたくさんいるんですか!?

いやいや、まだこれはほんの一部に過ぎないぞ。本作には、なんと総勢85種類のノードンが登場するんだっ! しかも皆、それぞれ顔も個性も違っていて、しゃべり方やキャラクター性もまったく違っている。個性豊かなノードンたちのおしゃべりは、見ているだけでも楽しいぞ♪

なんだか話を聞いてるだけでワクワクしてきちゃいました……♪ プレイしてると、どんどんノードンちゃんたちに愛着が湧きそうですね♪

ちなみに本作のパッケージ版には、いつでもノードンたちの機能や使い方を確認できる「ノードンふりかえりカード」が付いてくるので要チェックだ!

とは言っても、そんなにたくさんのノードン、いきなり全部の使い方は覚えられないよね~。なにかレッスン的なものが用意されてたりするのかな?

そのとおりだっ!!

声でかっ!

「はじめてゲームプログラミング」には2つのゲームモードがあるんだが、そのうちのひとつである「ナビつきレッスン」で、じっくりノードンたちの使い方を覚えながらプログラミングを体験できるんだ。

レッスンでは、2人で遊ぶ対戦おにごっこや王道の横スクロールアクションゲーム、クルマを走らせるレースゲームなど、7種類のゲームを作ることになる。すべてのレッスンを体験することでプログラミングの基礎が身につくようになっているぞ♪

いろんなジャンルのゲームを作れるんだね、面白そ~♪

でも正直、私、ちゃんとゲームを作れるか少し不安があります……。

大丈夫だっ!!

またしても声でかっ!

私は「たまに大声を出す」というプログラミングがされているからな! まいったか!

「たまに」ってずいぶんアバウトなプログラムだな~。

それはともかく、本作のレッスンは「ナビつきレッスン」と銘打たれているとおり、始まりから完成までしっかりナビゲーションがついていて、指示に従って動かしていくことで誰でもゲームを作り上げられるようになっているんだ。ちなみにプレイヤーをナビゲートしてくれるのは、動いてしゃべる青色の丸、その名も「ボブ」だ!

このボブくんが、いろいろ教えてくれるんですね♪

うむ! レッスンは、ボブとノードンたちが繰り広げる対話形式で進んでいくんだ。レッスンは複数のステップで構成されていて、ひとつのレッスンは40分~90分ほどで完了するようになっているぞ。

いくつかのステップに分かれてるなら、レッスン全部をまるごと一気に終わらせる必要はなくて、「今日はこのステップまで進めよっと♪」みたいな感じで空いた時間にプレイする、みたいなやりかたもできるね♪

それで部長さん、このゲームには2つのモードがあるって言ってましたけど……「ナビつきレッスン」と、もうひとつはなんですか?

それはずばり、「フリープログラミング」だ!

このモードはその名の通り、自由にプログラミングができるモードだ。レッスンで覚えたノードンたちを使って、自由な発想でオリジナルのゲームをプログラミングできるぞ♪

おお~! このモードでじゃんじゃんゲームを作れるようになるために、レッスンでしっかりプログラミングを身につけていこうってことだね♪ 作ったゲームは何個ぐらい保存できるの?

作ったゲームともらったゲームは、合わせて最大64個保存することが可能だ。

え? “もらったゲーム”っていうのは……?

うむ、フリープログラミングモードで作ったゲームは、ローカル通信やインターネットで公開ができるんだ。そしてインターネットで公開したゲームは、「ゲームID」を教えることで世界中のプレイヤーや周りの人に遊んでもらうことができるぞ!(※編注:作ったゲームをインターネットで公開する際は、Nintendo Switch Onlineへの加入(有料)が必要となります)

なるほど~、ってことは「ゲームID」を教えてもらえば、ほかの人が作ったゲームも遊べるわけだね♪

この「はじめてゲームプログラミング」ひとつで、いろんなゲームが作れて、いろんなゲームが遊べちゃうってことですね♪ 部長さん、私、ゲームづくりを体験してみたいです!

うむ! では、ゆまには「ナビつきレッスン」をプレイしてもらおう♪ ボブとノードンたちと一緒にしっかり学んで、プログラミングの基礎を身につけるんだっ!

はいっ♪

ちなみに私は「ゆまにプログラミングの基礎を身につけさせる」というプログラミングがされているんだっ! どうだっ!

はい、ナイスプログラミングだと思いますっ!

ナイスプログラミングなんだ!? 素直だな~、ゆまっち……。

ナビつきレッスンにチャレンジ! 2人で遊ぶ対戦おにごっこをマスターアップさせよ!

というわけで、ゆまにはナビつきレッスンのレッスン1「二人対戦!おにごっこバトル」の最初のステップを体験してもらうぞ。このレッスンは7つのステップで構成されていて、所要時間の目安は約40分となっている。

へえ~、ひとりで遊ぶゲームだけじゃなくて、対戦ゲームも作れちゃうんだね!

ちなみに、本作はすべての操作がタッチに対応している。Switchの携帯モードなら、タッチのみで直感的にプログラミングを行うことができるんだ。もちろんスティックやボタン操作にも対応しているので、自分の好みの操作でプレイができるぞ♪

私はコントローラーを使ってやってみようと思います♪

うむ♪ ちなみに、Switchのテレビモードなら、ドックに市販のUSBマウスを接続してマウス操作を行うこともできる。なかなか快適かつ便利なので、マウスを持っているならぜひ試してみてほしい! と、前置きはこのへんにして、ゆま、さっそくレッスンスタートだ!

はいっ♪

がんばれ、ゆまっち~♪

レッスンを始めたら、さっそくボブくんがしゃべりかけてくれましたよ♪

レッスンは対話形式になっているので、ストーリーを読み進めるような感覚でプレイできるんだ。

いかにも「お勉強」って雰囲気じゃなくて、ゲーム感覚で学んでいけるのがいい感じだね~♪

ボブくんの話によると“キケンな球が転がる中、逃げるヒトと追いかけるオニで追いかけっこするゲーム”を作るみたいですよ!

面白そう♪ でも、ちょっと作るのは難しそうな予感もするけど……?

が、がんばります……! あ、さっそくプログラム画面に行くみたいですよ!

へえ~、これがプログラム画面か~。ここにノードンを配置していくんだね。

まずはヒトノードンちゃんを呼び出すみたいです。え~っと、ボブくんの指示に従って、画面左下の「モノ」を選んで、「キャラクター」「ヒト」で……出ましたっ!

ヒトノードンだ! これがプレイヤーキャラになるんだね~♪

ちなみにノードンの機能などを詳しく見たい場合は、ポーズメニューの「リファレンス」からいつでも確認できるので、覚えておくと便利だぞ♪

ヒトノードンちゃんとボブくんが会話してますよ♪ 読んでるだけで癒やされます~……♪

それでそれで、ヒトノードンをプログラム画面に置いて、ゲーム画面を確認すると……?

あっ、ゲーム画面にヒトが登場しました!

そう、何を隠そう、ゲーム画面のウラガワことプログラム画面は、オモテのゲーム画面と連動しているんだ。たとえばヒトノードンをプログラム画面で右のほうへ動かすと、ゲーム画面のヒトも右のほうに出てくる。このシステムによって、ゲーム画面をイメージしながら直感的なプログラミングが可能になっているわけだな。

おっ、次はプログラミングでこのヒトを操作できるようにするみたいだよ?

「Lスティックでヒトを動かせるか試してもらえますか?」ってボブくんに言われたのでやってみましたけど……確かにこのままじゃ、どんなにLスティックをカチャカチャしてもヒトを動かせません!

なるほど~、まず最初に“できない状態”をちゃんと見せてくれるんだね。

うむ。これによって、「プログラミングをしたことで、何がどう変わって、何ができるようになったか」をプレイヤーは実感できるわけだな。

次は、ボブくんの指示に従って「入力」「スティックをたおしたら」「Lスティック」「左右」の順番に選択して、スティックノードンちゃんを呼び出しました~!

このスティックノードンの出力ポートとヒトノードンの左右ポートをつなぐんだって~。

「ココとココをこうつなぐんだよ」っていうのもボブくんが動いて教えてくれますね♪

うむ。テキストで指示をしてくれるだけでなく、こうして視覚的にもわかりやすくナビゲートしてくれる親切ていねいな作りによって、本作はまさに「誰でもプログラミングを体験できる」ソフトになっているというわけだな。

ノードン同士をつないでゲーム画面に戻ったら、ちゃんとヒトを動かせるようになったね。

これで「Lスティックを左右にたおしたらヒトが左右に動く」プログラムが完成したってことですね♪ 次は「ボタンを押したらヒトがジャンプする仕組み」をプログラミングするみたいです!

おお~、だんだんゲームっぽくなっていくね~♪

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