トム・クルーズと共演のマヤに夢中になっちゃった!?　「ウマ娘 プリティーダービー 3rd EVENT WINNING DREAM STAGE」DAY1レポート

「ウマ娘 プリティーダービー 3rd EVENT WINNING DREAM STAGE」が2021年8月28日・29日、東京ガーデンシアターにて開催された。今回は28日のDAY1をレポートする。

本イベントは、クロスメディアコンテンツ「ウマ娘 プリティーダービー」のライブ中心イベント。DAY1にはスペシャルウィーク役の和氣あず未さん、サイレンススズカ役の高野麻里佳さん、トウカイテイオー役のMachicoさん、オグリキャップ役の高柳知葉さん、ゴールドシップ役の上田瞳さん、ダイワスカーレット役の木村千咲さん、タイキシャトル役の大坪由佳さん、グラスワンダー役の前田玲奈さん、エルコンドルパサー役の髙橋ミナミさん、テイエムオペラオー役の徳井青空さん、ナリタブライアン役の衣川里佳さん、エアグルーヴ役の青木瑠璃子さん、ビワハヤヒデ役の近藤唯さん、マヤノトップガン役の星谷美緒さん、ウイニングチケット役の渡部優衣さん、サクラバクシンオー役の三澤紗千香さん、ナリタタイシン役の渡部恵子さん、ハルウララ役の首藤志奈さん、マチカネフクキタル役の新田ひよりさん、ナビゲーターとして駿川たづな役の藤井ゆきよさん、実況として明坂聡美さんが“出走”した。

開演直前には場内に“実況の赤坂さん”歌唱バージョンの「うまぴょい伝説」がフルサイズで流され、会場のテンションと期待感が高まる中、イベントはスタート。まずは駿川たづな役の藤井ゆきよさんが「トレーナー（「ウマ娘」におけるプレーヤーの呼称）の皆さん、こんにちは！」と登場し、開演前諸注意を行なった。

「やっと会えた」待望の3rdイベント出走！

オープニングとしてウマ娘たちがこのイベントにかける想いを伝えるメッセージムービーが上映され、その中には「─やっと会える─」の言葉が。それはウマ娘たちからトレーナーたちへの想いであると同時に、この作品をリリースしてこのイベントの開催に辿りつくまでに関わったすべての人の想いがこもっているようでもあった。

映像を映し出していたスクリーン越しに、出演者たちのシルエットがステージに浮かび上がる。ここで歌うべき楽曲はひとつしかない。勇ましい“Wow Wow”のリフレインと万感の想いを込めた“やっとみんな会えたね”の言葉から始まる、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」オープニングの「GIRLS' LEGEND U」だ。印象的な“君と勝ちたい”のフレーズあとであっと驚いたのは、ステージ下手上方の“実況席”で、明坂聡美さんによる楽曲中実況がはじまったことだ。明坂さんが「さぁついに始まりましたWINNING DREAM STAGE。栄えあるオープニングは「GIRLS' LEGEND U」！　今日の意気込みをトレーナーに伝えていただきましょう、先陣を切るのはスペシャルウィークです！」と実況すると、和氣さんが「トレーナーの皆さん、私たちが贈るウイニングライブ、最後まで一緒に走り続けてください！」と曲中メッセージを届ける驚きの演出だ。

歌い終わりには各演者から、キャラクターとしてにプラスして本人からのイベントに対する意気込みメッセージが届けられた。三澤紗千香さんの素の挨拶がサクラバクシンオーの口調に完全に引っ張られていたり、挨拶が少しメロメロになってしまった新田ひよりさんに続く青木瑠璃子さんが「少しかかってしまっているウマ娘もいるようだが」とアドリブでフォローしたりするのも楽しい。「ウマ娘」ナンバリングイベント初出走の渡部優衣さんがウイニングチケットそのもの！という感じの熱血演技から、少し緊張を感じさせる素の挨拶に切り替えると、見守っている大坪由佳さんがこぼれそうな満面の笑顔でうなずいているのが印象的だった。ナリタブライアン役の衣川里佳さんとビワハヤヒデ役の近藤唯さんの姉妹愛リレーがあったりと、開幕の挨拶から一瞬も見逃せない。

改めて久しぶりのイベントを迎えた感慨を聞かれた高野麻里佳さんは、ゲームリリース後に初めてナンバリングイベントが実現できた感慨を、和氣あず未さんは配信を含めて今まで以上にたくさんのトレーナーさんの前にみんなで立てる喜びを語った。イベントステージが「うまぴょい伝説」のゲーム内ステージを再現していることや、今日のために作られた衣装のポイント(飾りのリボンがキャラカラー！)について語られたところで、いよいよライブパートがスタートとなった。

本編オープニングナンバーは「winning the soul」。ゲームではクラシック三冠に参加し、勝利したウマ娘にしか歌唱が許されない超攻撃的なロックナンバーだ。和氣さんとMachicoさんがダブルフロントで、2列目を衣川里佳さん、首藤志奈さん、新田ひよりさん、大坪由佳さんが支える編成。ロック仕様のスタンドマイクがかっこよく、こういうアイテムを使わせるとMachicoさんはたまらなく絵になる。三冠とはあまり縁のないハルウララ役の首藤さんが参加しているのが面白く、声質的には衣川さんの低音ががつんと効いている感じだ。歌い終えた新田さんは「めちゃめちゃ燃え盛るようでした！」と興奮冷めやらぬ様子。

「彩 Phantasia」には、高柳知葉さん、徳井青空さん、青木瑠璃子さん、前田玲奈さん、木村千咲さん、上田瞳さんが参加。もうひとつの三冠とも言うべきティアラ路線のウイニングライブで歌われる楽曲だ。となれば女帝・エアグルーヴ役の青木さんや、ティアラ路線といえばこの人と言うべき、ダイワスカーレット役の木村さんがいるのは当然か。青木さんからも、木村さんと一緒に歌えた喜びが語られた。間奏では上田さんが「うぉぉ、面白くなってきたぜ！」と力強くアピールすると、木村さんが先陣を切って観客を盛り上げていく。ラストはトレーナーさんへの感謝をまっすぐに伝えると、優雅に舞うようなポーズで締めくくった。

高らかなファンファーレとともにウマ娘たちがステージに元気よく駆け出しスタンバイ。曲は「Make debut!」、ナンバリングイベント初出走となる近藤唯さん、大坪由佳さん、渡部恵子さん、星谷美緒さん、衣川里佳さん、渡部優衣さんによる歌唱だ。BNWトリオが初出走というのは少し意外にも感じる。メンバーの中でも特にフレッシュな星谷さんが、「トレーナーちゃん、いっくよ～！」と元気いっぱいに拳をつきあげて楽曲はスタート。大坪さんが「ハウディ！　トレーナーさん！　盛り上がってますか？」と観客を盛り上げていく。初出走の初々しさと実力派キャストの表現力の両方を感じるステージだった。

「よ～し、『恋はダービー☆』、行っちゃうよ～！」と宣言したMachicoさんは、リズミカルなロッタッタの響きに乗せて軽快なダンスを披露。ハニーボイスと超歌唱力のバランスはMachicoさんならではだ。“変化気づけ！” “こっち見てよ”の弾けるような歌い方や、感情表現を織り込んだ歌唱は、見ているだけでも楽しくキュンとする。終盤のロッタッタでは観客席に手元の「Ｌ」サインを呼びかけた。のびやかに歌声を響かせる転調部、終盤のたたみかけと、変化に富んだレース展開に魅せられた。

「L’s Surprise!!」で髙橋ミナミさんは、なんとマスカレードタイプの仮面をつけて登場し、エルコンドルパサーのマスク姿を表現。“澄ました横顔”のフレーズで頬を指す仕草と仮面のギャップが面白い。イントロ部を歌い終わるとくるっと後ろを向き、正面に向き直ったときには（素顔の）不敵な笑顔がそこにあった。それにしても髙橋さんは歌がうまく、情熱的でいたずらっぽいエルらしさを巧みに表現していく。間奏ではダンサーと一体になったダンスでも魅せると、「トレーナーさん！　世界最強の応援、エルにください！」と叫ぶと、客席の盛り上がりに「ブエノ！」。圧巻のパフォーマンスを、真っ赤なライトとさざなみのような拍手が讃えていた。

「はじめようか、最高のスクールライフ！」と凛々しい声が響き、6人のダンサーを引き連れて力強い足取りで歩むのは徳井青空さん。「帝笑歌劇～讃えよ永久に～」だ。再現度の高いキリッとした髪型と不敵な笑顔はまさに王子様。自信にあふれた所作はこれぞテイエムオペラオーという感じ。観客が王を称える歓声を上げられない分を、自身とダンサーの存在感で満たしていくようなパフォーマンスだ。ダンサーがひざまずいて王を称えるような振り付けはなかなか見ることがない見せ方だった。オンライン配信の中継カメラで確認すると、歌い終えた徳井さんがアウトロの余韻で、まばゆい黄金の光を後光のように背負っているのが印象的だった。

ここで徳井さんから「さあ次は我らが学級委員長の登場だ！」と呼び込まれ、「サクラバクシンオーのバクシンお悩み相談！」のコーナーへ。Web上の人気コーナーをステージで再現する趣向で、三澤紗千香さんが「バクシンバクシンバクシーン！」と登場。続いてステージに登場するのは、ライブに緊張するスペシャルウィーク（和氣あず未さん）とサイレンススズカ（高野麻里佳さん）の2人だ。三澤さんの大丈夫の太鼓判に最初は心配そうだった2人だったが、会場のトレーナーたちのサイリウムと拍手の後押しで自信を取り戻した様子だ。さらに、もうひとつの相談としてお誕生日のお祝いをしたいということで、急遽、ダイワスカーレット役の木村千咲さんを祝うことに。本当にサプライズだったお祝いに木村さんが涙ぐむ中、キャスト陣のハッピーバースデーの歌と会場の拍手で誕生日が祝われ、会場はあたたかいムードに包まれた。

三澤さんの「バクシンバクシン！」の声の余韻の残るステージでは、しっとりした空気の中、新田ひよりさん、星谷美緒さん、青木瑠璃子さんの「ENDLESS DREAM!!」がスタート。星谷さんと新田さんの初々しい一生懸命な歌声を、青木さんの少し大人な余裕のある歌声が包みこむ感じがキャラクターのイメージに重なる。右手を大きく振る振り付けに応えて、客席も想いを乗せて手を振りかえしていた。MCコーナーでこの曲を振り返った新田さんが、青木さんと星谷さんがどんなにかわいかったかを全身の身振り手振りをまじえてハイテンションで語っていたのがマチカネフクキタルっぽかった。

「涙ひかって明日になれ！」は、近藤唯さん、渡部優衣さん、渡部恵子さんのBNWトリオが歌唱。この曲がフル尺で披露されるのはこれが初だ。センターの渡部優衣さんの歌い出しが少年感あふれており、絆創膏といった小道具もあいまってウイニングチケットがそこにいる！という再現具合い。近藤唯さんの抑えた低音や渡部恵子さんのきっぱりとした歌唱もイメージ通りだ。間奏のジャンプもそれぞれの動きに個性が出ていて楽しい。天を指した指先の向こうに、輝かしい明日を感じさせるステージだった。