タカラ製1/100「巨神ゴーグ」を組み立てて、“甲冑ロボ”の極意を学ぼう【80年代B級アニメプラモ博物誌】第15回
タカラ製のロボットプラモを取り上げるのは、「機甲界ガリアン」のウィンガル(#)以来である。今回の「巨神ゴーグ」(1984年)は、アニメーターの安彦良和氏の原作・監督。その前年に、安彦氏は劇場アニメ「クラッシャージョウ」(1983年)を監督しており、その「ジョウ」のプラモデル化もタカラが担当していた。つまり、当時のタカラは安彦作品と相性がよかったとも言えるし、富野由悠季作品とは、ほとんど縁がなかったのだなあ……などと思い当たるのである。
さて、この「巨神ゴーグ」。主役ロボットに主人公が搭乗しないところが渋かったのだが、後半では胸にコクピットがあることが判明し、「あれれ?」ととまどった記憶がある。このキットの箱を見てみると……
▲ そして、ゴーグの頭にも、悠宇が乗っている。こうして箱絵の中に主人公がロボットと一体化して描かれるのは、なかなか珍しいのではないだろうか?
「フィギュアとのからみを大事にする」、これは「太陽の牙ダグラム」(1981年)、「装甲騎兵ボトムズ」(1983年)から受け継がれたタカラの基本姿勢という気がする。コクピット内にパイロットが座っていた「ダグラム」、スケール感の演出に立ちポーズのフィギュアを付属させていた「ボトムズ」……人間とロボットを、なるべく同時に見せようと試みていたのが、タカラ製ロボプラモの特徴ではないだろうか。
それでは、気になる悠宇のフィギュアのパーツを見てみよう。
先走って悠宇のパーツだけ見てしまったが、このキットは2色で成型されている。悠宇のパーツが配置されている緑色っぽい色のランナーから見ていこう。
▲ 頭、胸、肩、そして銃などのパーツが成型されている。この色で成型した理由を考えると、さほどの必然性はないような……ゴーグは全身が1色だからね。成型工場の都合なのか、無塗装でもアクセントがつくよう考慮したのか?
この緑色のランナーのほか、青味の強い樹脂で成型されたランナーが2枚ある。そっちも見てみよう。
▲ この2つのランナーは、ひとつの金型から抜いたものを2つに折って箱に収めているね。腰・足・腕の側面に、エングレーブ状のスジボリが入っている。これらの部分はセルでは黒く塗られているのだが、模型的には精密感を出すポイントと言えるだろう
やや遅れて放送の始まった「機甲界ガリアン」(1984年)といい、この時期のタカラは甲冑っぽいロボットを集中的に手がけていたことになる。また、ロボットのデザインがガンダム的な兵器系だけでなく、装飾的なファンタジー世界へも進んでいく、そのライン上に「ゴーグ」も位置してるんだなあ……と実感できる。
▲ 金色のエングレーブ部、胸の赤い部分のためにデカールが付属している。どこに貼るかは箱絵などを見ればわかるが、説明書にも塗装指示にもどこに貼るか明示してない。おそらく、使う塗料の数を少しでも減らすために、デカールを付属させたんじゃないかな?
ランナー状態で見たかぎり、かなりいいラインを描いているこのキット。果たして、組み上げると、どうなるのか? そして、悠宇のフィギュアはどうゴーグ本体とからむのか? まず、何はともあれ組み立ててみよう! もちろん、今回も未塗装で!!
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