【インタビュー】「なおぼう」こと東山奈央のニューシングル「冷めない魔法」には、心を温める幸せソングがいっぱい!
東山奈央のニューシングルは、TVアニメ「異世界食堂2」のエンディングテーマ「冷めない魔法」。軽快で楽しく、幸せが詰まったお料理ソングで、包丁がまな板を叩く音やコンロに火をつけるときの音などが、効果音として使われている。カップリング曲も幸福感にあふれた曲ばかりで、これからの寒い季節を、なおぼうのやさしいボーカルが温めてくれる1枚になった。
また、初回限定盤のBlu-rayやスペシャルアニメ盤のDVDには、バラエティに富んだ特典映像を収録。ビジュアル面も充実の5thシングルについて、たっぷりと語ってもらった。
「冷めない魔法」は、人のぬくもりを感じる、かなりのエモ曲です!
──「異世界食堂2」はすでに放送が始まっていて、東山さんが演じるヒルダは、第1話から登場していましたね。
東山 いきなりのお当番回でした。ヒルダは私が思い描いていた以上にクールなキャラクターになって。テストでは年相応のかわいらしい感じも出していんですけど、ゴブリンの群れをひとりで倒してしまう百戦錬磨の傭兵ということで、現場のディレクションによって、クールな一面がぐっと強まりました。
──そんな彼女が「洋食のねこや」のチーズケーキに首ったけになるんですよね。クールな傭兵から一気に女の子らしくなって、ギャップが魅力的でした。
東山 戦いでは隙のない強さを発揮していたヒルダが、チーズケーキをひとくち食べた途端、すごくかわいい笑顔を浮かべるんですよね。実は、私は少し前までは、チーズケーキがあまり得意ではなくて(笑)。ピザとかグラタンとか燻製チーズとか、塩っ気があって食事やおつまみに最適なチーズのほうが好きだったんです。でも最近は、チーズが甘さと融合しているのもいいかもと思うようになって。そんなときにチーズケーキのお話に出演させていただけたので、「今ならよさがわかる!」って思いました。ヒルダも、チーズがお菓子になっているなんて! と言っていたり、砂糖が白いことに驚いていたりして、異世界と現実世界の食文化の違いも感じられたのがおもしろかったですね。
──いいタイミングでヒルダの役が来て、共感できたということですね。ヒルダもねこやの常連となって、今後の出番が楽しみです。そして、エンディングテーマの「冷めない魔法」。作品に合った、お料理の要素がふんだんに盛り込まれた曲になりましたね。
東山 出だしの「手慣れた調理のリズム」でトントンと包丁がまな板を叩く音がして、「食材達の大変身」でコンロがカチカチいって火がつくんですよね。銀食器がシャララと鳴る音も入っていて、効果音でも「異世界食堂」の世界を表現しているんです。みんなで食卓を囲んでご飯を食べているときの多幸感や温かさが楽曲全体に表れていると思いました。ご機嫌なポップソングだなというのが第一印象だったんですが、聴き込むごとに人と人とのぬくもりを感じて、「かなりのエモ曲なのでは?」という気持ちになりました。
──実際に歌ってみて、どのような印象を受けましたか?
東山 聴いてくださったみなさんからは、キャッチーで耳に残る曲、聴いていて心地よい曲といううれしい反応をいただいているんですけど、実はテクニカルな楽曲で歌うのは難しかったです。まず低い音から高い音までレンジ(音域)がすごく広いんですよ。私が歌ってきた楽曲の中で一番かもしれないくらいで。私自身の音域は高めのほうなので、サビのあたりの高音も地声で歌うことはできるのですが、今回はあえてビブラートを効かせたファルセットに挑戦して、より印象に残るボーカルにしてみました。今までやったことがなかった歌い方で、この曲の中で新しい引き出しを作っていくことができたのではないかと思っています。
──ファルセットは、いきなり挑戦してうまくいったという感じだったんですか?
東山 いえ、最初はやっぱりぎこちなかったですね(笑)。「やろうとしている気持ちは伝わってくる。もう何回かやってみよう」とディレクターさんに勇気づけられながらテイクを重ねて、自分のものにしていったという感じでした。
──でも最終的には自分のものにして、新しい引き出しができたと。
東山 はい、うまくできたと思います。今回のシングルは全曲がそういう感じで、自分の経験値だけで安心して歌える曲がなかったんです。だから、歌う中で新しい自分を見つけていくレコーディングが続きました。
──東山さんはYouTubeの「なおぼうチャンネル」にお料理のコンテンツをアップされていますが、料理をする立場から、「冷めない魔法」の歌詞をどう思いましたか?
東山 え、それはまさか皮肉でおっしゃってますか?(笑)まあ、た、たしなみ程度にするくらいでしょうか(笑)。
──いえいえ、料理にも果敢にチャレンジされているなと思って見ています。
東山 おうち時間が増えたことでたまに料理をすることがあって、仕事から帰ってきた母にお夕飯を作ったりするとすごく喜んでくれるんです。私はまだまだ料理が苦手ですけど、がんばって作った料理を冷めないうちに大切な人に食べてもらうのはこんなにうれしいことなんだなというのは、歌詞の通りだと思います。それに解釈を広げると、誰かのために真心をこめて作る「料理」というのは、声優や歌手である私にとっては「作品」「歌」なんです。
──何かを作って、人に喜びを与えるという意味では、料理も声優や歌手のお仕事も一緒ですよね。
東山 はい、だからこそ心をこめて歌えたと思います。
──「冷めない魔法」はミュージックビデオ(MV)も力作なんですよね。
東山 がんばりました! YouTubeでフルサイズが公開されているので、多くの方に「見て、見てー!」って伝えたいです(笑)。
──カメラの長回しで、ずっとひとつのカットが続いているんですよね。途中で1回だけカットが切り替わるので、トータル2カットのMVになります。それをあの出演人数でやったというのがすごいですよね。
東山 1回ミスしたら最初からやり直しなのでドキドキしました。しかもダンサーさんと一緒に踊ったところ以外の動きは完全フリーだったので、アドリブで演技をし続けるというのも緊張しました。
──それは大変でしたね。どの動きもすごく自然になっていて、さすがです。
東山 ありがとうございます! 私がたくさんのお客様をお家に招いて、一緒に食事をしたりパーティーをするというコンセプトなんですけど、「ねこや」に集まる異世界の人たちをイメージして、登場する役者さんは年齢性別だけでなく、国籍もバラバラになっているんです。途中でバイオリンを弾く男性が出てきますが、あの方は本物のバイオリニストさんで、私と一緒に踊ってくださった女性ダンサーの方々は、ライブツアーを回ってくれたお馴染みのメンバーなんです。そして後半には「冷めない魔法」を作詞・作曲してくださったRIRIKOさんが、ギターを抱えてサプライズゲストとして登場します。
──楽曲のクリエーターさんまで出演されているというのは、大きな見どころですね。にこやかにギターを弾かれていました。
東山 RIRIKOさんとはこの撮影を通して、さらに仲よくなれました。笑顔がかわいらしい方なんですよね。長回しということで、いつも以上に出演者、スタッフみんなの力を合わせた撮影になり、最後に監督さんから「カット!」の声がかかったときは、全員で拍手喝采したんです。本当に楽しい撮影現場でした。
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