【サンライズフェスティバル2021】Blu-ray BOXの発売と期間限定劇場公開決定の嬉しい知らせも!「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 ー再会―」上映イベントレポート

アニメ「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 ー再会―」上映イベントが2021年10月31日(日)、東京・グランドシネマサンシャイン池袋にて開催され、上映後のトークショーに神志那弘志監督、サンライズの制作担当・池谷浩臣さんが登壇した。

本イベントは、2021年10月1日~31日に開催された上映イベント「サンライズフェスティバル2021 REGENERATION」の一環として行なわれた。

「魔神英雄伝ワタル」は1988年に制作されたTVアニメで、ごく普通の小学4年生・戦部ワタルが救世主として“神部界”に召喚され、守護龍の力を持ったロボット・龍神丸や仲間たちとともに、創界山の平和を取り戻す物語を描いた冒険活劇だ。「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」は、同シリーズの完全新作として2020年4月より配信されたWEBアニメ(全9話)。今回のイベントでは全9話を再編集し、新作パートを加えた「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 ー再会―」として上映が行なわれた。

神志那弘志監督

上映が終了すると万雷の拍手の中、神志那監督と池谷さんが登壇した。特別編集版の制作について神志那監督は「配信版の『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』を9本作っている時、早い段階から1本の(長編)アニメにしましょうという話はあったんです。だからどうまとめるか、ということは考えながらの制作でした。一番厳しかったのは特別編集版を120分の尺にどう収めるかで、元の9本のアニメの合計が120分以上あるのをつないで、削って、新作パートも入れないといけないので大変でした」と語った。どう編集するかのポイントとしては、「最後のところを僕のほうで虎王視点に変えているんです。虎王はドバズダーを倒したところで翔龍子に戻ってしまうので、今回のシリーズを引っ張ってきた虎王を締めくくるシーンがないじゃないか!と思ったんです。ただ、全部を虎王視点にすると新作パートが増えすぎるのと、シリーズ構成の永井(真吾)さんからやっぱりメインは龍神丸視点がいいのではないかと提案されて、こういう構成になりました」とのことだった。

池谷浩臣さん

ラスト近くが虎王視点になっていたことは池谷さんも驚いたそうで、「絵コンテを見てこう来たかとびっくりしました。こちらから神志那さんにお願いした点としては、配信版で絵にできなかった2つのワールドにも物語があることをなんとか表現してほしいと伝えました」。

「再会」での新規カットについて監督は、「配信版ではワタルとドバズダーのバトルのクライマックスから始まっているんです。でも1本にまとめるにあたっては、ドバズダーとはなんぞやという導入がやはり必要だと考えました。そこで導入部にかなり尺を使ったので、本当はココやドロロンパのお話をもうちょっと入れたかったです」とのことだった。冒頭の新作カットに人間の姿の渡部クラマが登場したことに話が及ぶと、会場からは拍手が起こっていた。池谷さんからは、本当は剣部シバラクが別世界に飛ばされるシーンの構想もあったという裏話や、もう少し新キャラクターを掘り下げてあげたかったという想いが語られていた。これらの新キャラクターの物語などは、「矢立文庫」で連載中の小説で読むことができるとのことだ。

制作上の苦労話を聞かれた池谷さんが「この形で完成したのは金曜日(イベント2日前)です。完成してよかったです」と明かすと、会場からは笑いと拍手が起こった。監督からは、シナリオにないおやじギャグをついコンテに入れてしまい、スタッフに怒られるというエピソードも語られていた。上映を改めて見た感想を聞かれた池谷さんは「最後に龍神丸がワタルに問いかけるシーンが、『七魂』のテーマなのかな、と改めて感じました」と語った。

龍神丸からワタルへの問いかけのシーンについて神志那監督は「みずから乗るにせよ、巻き込まれるにせよ、メカがあっての主人公という存在なので、メカがいなくなった主人公というモチーフは一度やってみたかったんです。だから『七魂』に関しては自分がやりたいことがやれたという満足感があります」とのことだった。

そして今回のイベントでは、重大発表のコーナーが。まずは「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸」Blu-ray BOXの発売決定が発表された。配信版全9話に加え、特別編集版「ー再会―」も同時収録した豪華仕様となっている。さらに、「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 ー再会―」の期間限定劇場上映が決定! 2022年1月7日から3週間、全国34館で限定上映されるとのことだ。詳細は後日発表される。

発表後には来場者向けのフォトセッションなども行なわれ、「七魂の龍神丸」の嬉しいニュースを来場者と一緒に喜びあっていた。

ラストでは、池谷さんが「去年配信された『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』がBD-BOX、劇場公開という形で展開していきます。30年以上前に『ワタル』を観始めていただいた頃から、とても長い月日がたっていますが、作品の中で動いているワタルは何も変わっていないと思います。これからも皆さんの中でワタルが動き続けてくれると嬉しいです、本日は本当にありがとうございました」と挨拶。

最後は神志那監督が「今日は満員の劇場で開催することができました。本当にありがとうございます。こういった形で劇場作品化できたのは、ずっと応援してくれたファンの皆さんのおかげです。これから先もどういった形になるかはわかりませんが、きっと『ワタル』という作品は続いていきます。変わらぬ応援をよろしくお願いします」と締めくくった。

(取材・文/中里キリ)

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