【編集部レビュー】12月5日(日)「鬼滅の刃 遊廓編」放送開始直前企画! 5分でざっくり振り返るアニメ「鬼滅の刃」講座【アキバ総研ライターが選ぶ、アニメ三昧セレクション第15回】

いよいよ今週末2021年12月5日(日)より「鬼滅の刃 遊廓編」の放送がスタートする。

9月の怒涛の総集編ラッシュからの劇場版「無限列車編」の初地上波放送。そして待望の「遊廓編」が──! と思ったら、まさかの「無限列車編」のTV版の放送がスタート! 新規カットもあったので、それはそれで嬉しかったけど、やっぱり早く続きが観たいよ~!

そんなほしがりやさんの鬼滅キッズたちも、ニコニコだね!

でも、なかには「そういえば『鬼滅の刃』ってどんな話だったっけ……?」と、これまでのお話を忘れちゃってる人もいるのではないだろうか?

そこで、アキバ総研編集部では、5分でざっくり振り返る「鬼滅の刃」講座を急遽開講! 「遊廓編」視聴前にぜひご一読いただきたい。

■講義1 人間と仲良しの鬼・竈門禰豆子、爆誕!(第1話~第5話)

時は大正時代。山奥の炭竃で炭を作って生計を立てて家族を養っていた少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)は、ある日、何者かに家族を惨殺されてしまう。唯一生き残った妹の禰豆子(ねづこ)とともに下山しようとするも、禰豆子は突如凶暴な「鬼」へと変貌してしまう。

そこに通りがかった鬼殺隊の隊士・富岡義勇に救われ、禰豆子を救う手段として鬼殺隊の訓練を勧められた炭治郎は、鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)のもとで修業を開始。最初の鬼化以降、眠り続ける禰豆子を鱗滝のもとにあずけ、鬼殺隊の隊士となるべく最終選別におもむく。

見事選別に生き残った炭治郎は、鬼殺隊の隊士となる。そして禰豆子も長い眠りから目覚め、2人はともに鬼との戦いに身を投じることになる。

物語の始まりは吹雪の中から。あまりに美しくも寒々しい雪景色は必見。「さすがufotable!」と目を奪われること必至だ。

最終選別に出てきた鬼の名台詞「年号が変わっている!」は、ちょうど世間的にも「平成」から「令和」に年号が切り替わったタイミングということで、偶然にもタイムリーなネタとなった。

■講義2 鬼舞辻無惨との邂逅(第6話~第10話)

なんとか最初の任務をこなした炭治郎と禰豆子は、次の指令を受け東京・浅草へとおもむく。

そこで鱗滝より教えてもらった鬼の首魁(しゅかい)にして、家族の仇であり、禰豆子を人間に戻す方法を知っていると思われる鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)と偶然に出会ってしまう。

その後、無惨と敵対する鬼の女性・珠世さんと出会った炭治郎。新たな協力者の出現に安どする間もなく、無惨の刺客である鬼が珠世邸を襲撃。見事撃退するするも、禰豆子を安全な場所に隠すために珠代は、禰豆子を預かることを提案する。

しかし、禰豆子はみずからの意志で炭治郎とともに行動することを決意する。

これまで山奥や田舎中心のエピソードが続いたため、いきなり都会が舞台となって面食らった視聴者も多かったのではないだろうか。ある意味、炭治郎と視聴者の気持ちがシンクロするところが面白かった。

またこのあたりから禰豆子も参戦するようになり、一風変わったバディ感が出て、バトルアニメとしても面白いエピソードが続く。

■講義3 かまぼこ隊集結!(第11話~第14話)

次の任務についた炭治郎。今度は屋敷に潜む鼓鬼を倒すことが目的。

ここで同期の新人隊士・我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)と嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)と出会う。

任務中は好き勝手な行動をとり、バラバラだった3人だが、任務終了後に藤の家で一緒に療養する中で、妙な友情が芽生えたような……?

ここで善逸は禰豆子と初対面し、ひとめぼれしてしまう。

「かまぼこ隊」とは、炭治郎、善逸、伊之助、禰豆子のチームの非公式な呼び名で、ファンの間で使われている。伊之助が炭治郎を「かまぼこ権八郎!」と間違って呼んだのが、その由来である。

このかけ合いは、第14話の藤の家に向かうシーンで描かれている。

■講義4 那田蜘蛛山での死闘(第15話~第21話)

かまぼこ隊は、次の目的地・那田蜘蛛山(なたぐもやま)へと向かう。この山に潜む鬼を倒すべく何人もの隊士が送り込まれているが、連絡が絶たれてしまっているのだ。

蜘蛛の糸に操られて同士討ちで全滅してしまった隊士たちを目の当たりにし、息をのむ炭治郎達。その前に姿を現したのが、幹部級の鬼「十二鬼月」のひとり・累。彼は人間たちを鬼に変え、疑似家族を形成していた。

累によって支配される鬼たちの猛攻に、炭治郎達は窮地に追い込まれる。そこに鬼殺隊の幹部「柱」の胡蝶しのぶ、富岡義勇も参戦。鬼殺隊と鬼が入り乱れて戦闘を繰り広げる中、炭治郎に神楽舞を踊る父の記憶がよみがえる。そして、新たな技「ヒノカミ神楽・円舞」を放つ。

さらに累にとらえられていた禰豆子も、母の記憶とともに「血鬼術・爆血」を放つ。

兄妹の新たな力の前に、那田蜘蛛山の鬼は討伐された。

TVシリーズ第1期のクライマックスというべき、激アツエピソード満載なのが那田蜘蛛山編である。

かまぼこ隊それぞれに見せ場があり、かつ敵も幹部クラスの十二鬼月が参戦。鬼殺隊からも、柱が参戦。そして、炭治郎と禰豆子が新たな技に覚醒。そのシーンに流れた挿入歌「竈門炭治郎の歌」は、屈指の名曲としてファンの間で高い人気を誇っている。

■講義5 全集中の呼吸と柱合会議とパワハラ会議と(第22話~第26話)

那田蜘蛛山での任務を終えた炭治郎は、禰豆子とともに鬼殺隊本部へと連行される。そこでは鬼殺隊の当主・お館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)のもと、鬼殺隊の幹部級隊士「柱」による柱合会議が行われる。

議題は、鬼殺隊でありながら鬼(禰豆子)と行動をともし、その鬼をかばうという隊律違反を犯した炭治郎の処遇である。柱たちから、激しく糾弾される兄妹だが、禰豆子が人を襲わないことが証明されたことでお館様より許しを得る。

その後、炭治郎、善逸、伊之助は胡蝶しのぶの「蝶屋敷」にてリハビリ生活に突入する。そこで炭治郎は「全集中の呼吸」を体得したほか、胡蝶しのぶや栗花落(つゆり)カナヲらほかの隊士との交流を深める。

いっぽう、鬼舞辻無惨は一向に鬼殺隊に痛手を与えることのできない十二鬼月の下弦を招集。激しく叱責したのち、次々と処刑していく。

しかし、最後まで生き残った厭夢(えんむ)は無惨に心酔しており、その姿を見た無惨はみずからの血を注入するのだった。

本エピソードをもって、TVシリーズ第1期は幕を閉じた。

これまで今ひとつ全貌の見えなかった鬼殺隊という組織の一端が見える柱合会議、キャラクター同士の交流やバックボーンが掘り下げられる蝶屋敷のエピソードなどが描かれ、隊士たちの日常と素顔を覗くことができる。

アニメ版ならではのポイントとしては、原作では読み切りの「番外編」として描かれた栗花落カナヲの幼少期エピソードが、違和感なくアニメ本編に組み込まれていることである。原作コミックをうまい具合に補完している。

いっぽう、無惨様のパワハラ会議シーンも印象的だ。怒り狂う無惨様は、使えない下弦の鬼を皆殺しにする気満々だし、言い訳しようものなら「言い訳するな」と殺されるし、「あなたの血を分けてくれたら、もっとがんばります!」とやる気を見せても「なんでお前の指図で血を与えなければならんのだ。私に命令するな」とやっぱり殺される……と、ブラック企業も真っ青のハラスメントぶりを発揮。圧倒的な恐怖政治で鬼は統率されているのである。穏やかな口ぶりで、隊士の言葉に耳を傾けるお館様とはえらい違いだ。

対立する2大勢力のトップの在り方を描くことで、それぞれどのような組織なのかを浮き彫りにする見事な構成である。

■無限列車編(劇場版、TV版「無限列車編」第1話~第7話)

無事快復し、修行を終えたかまぼこ隊の4人は、炎柱・煉獄杏寿郎の後を追って無限列車に乗り込む。無限列車は、鬼がらみの事件にかかわりがあるということで、列車内で鬼たちの襲撃を受ける炭治郎たち。

いったんは鬼を撃退した一行だが、厭夢の術にはまって夢の中に閉じ込められる。炭治郎は夢の中で亡き家族と再会するものの、思いを断ち切り覚醒。同じく覚醒した仲間や禰豆子とともに、乗客を守りつつ厭夢を撃破する。

その直後に上弦の鬼・猗窩座(あかざ)が登場。煉獄杏寿郎と死闘を繰り広げ、杏寿郎は討ち死にしてしまう。夜明けが近づいてきたということで猗窩座は逃亡。仇を取り逃した炭治郎たちは、杏寿郎を思って慟哭するのだった。

日本の映画興行収入の記録を塗り替えた、歴史的大ヒット作となった劇場版「無限列車編」。TVシリーズ第1期の盛り上がりを受けて、全編クライマックスと言ってもよい内容だった。

見どころは何と言っても、人気キャラクター・煉獄杏寿郎の活躍である。彼の熱い生きざまと気持ちのいい人柄は、炭治郎達の今後にも大きな影響を及ぼした。

個人的には杏寿郎の死に悲しむ一行に対し、それまでまさしく獣のように猪突猛進だった伊之助が涙を流しながら鼓舞するシーンに、グッとくるものを感じずにはいられなかった。

2021年秋クールに放送されたTVシリーズ「無限列車編」では、映画を6話のTVシリーズに再構成したほか、TVシリーズオリジナルの第1話を追加。追加エピソードでは、無限列車に乗り込む前の煉獄杏寿郎の活躍が描かれている。彼の男ぶりと強さが存分に味わえる、必見のエピソードだ。

映画版で一気に物語を駆け抜けるもよし、TVシリーズで第1期と同じテンポでじっくり楽しむもよし。好みのスタイルで楽しもう。

というわけで、駆け足でアニメ「鬼滅の刃」を振り返ってみた。

12月5日(日)放送の「遊廓編」では、音柱・宇随天元がかまぼこ隊と行動をともにする。杏寿郎とはまた違ったタイプの兄貴分キャラであり、同時に美人のくノ一妻を3人も持つ色男でもある。

彼がどんな戦いを見せてくれるのか……? 今から楽しみである!

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