「未来少年コナン」の帆船バラクーダ号を2メートル越えの超大型模型で作りつづける理由:宮崎メカ模型クラブ、かのー会長インタビュー【ホビー業界インサイド第76回】
漫画から劇場アニメへと至った「風の谷のナウシカ」(1984年)、スタジオジブリ初の制作作品「天空の城ラピュタ」(1986年)――。宮崎駿監督の作品に登場するメカニックは古くからモデラーたちに愛され、1980年代にはマニア向けのガレージキットの題材ともなった。
そんな宮崎監督の描くメカニックを、メジャー/マイナー問わずに自作しつづける模型サークルが、「宮崎メカ模型クラブ」だ。今年で結成から20周年記念を迎えた同サークルの目玉は、会長のかのーさんが製作した1/24スケールのバラクーダ号。「未来少年コナン」の全編にわたって活躍するレトロ調の帆船で、かのーさんは「宮崎メカ模型クラブ」の仲間、ノウミソアキラさんにフィギュアを依頼して、「未来少年コナン」の名場面の数々を再現した。いくら好きだと言っても、趣味で2メートルを超える巨大な模型を作り続けられるものだろうか? 20周年記念の展示会を終えたばかりのかのーさん、ノウミソアキラさんのお2人にお話をうかがった。
かつて見た「未来少年コナン」の感動を、大塚康生さんとの出会いで思い出す
──「宮崎メカ模型クラブ」は、何人ぐらいの会員がいるのですか?
かのー 今は、25人ぐらいです。
──サークルを作ったのは、いつ頃でしょう?
かのー 2001年です。大阪のモデラーで「風の谷のナウシカ」のトルメキア軍の自走砲をフルスクラッチ(完全自作)していた人がいて、「宮崎駿さんのメカだけスクラッチする模型クラブでも結成しましょうか」と、冗談まじりに話したことがキッカケです。2004年からは毎年、静岡ホビーショーの合同作品展に参加していて、2012年には島ブースで展示させていただきました。島ブースというのは、ひとつのクラブ専用の島のように独立した展示スペースのことです。「宮崎メカ模型クラブさんは広い客層に人気があるから」ということで、以来毎年、島ブースで展示させてもらっています。
ノウミソ だけど、静岡ホビーショー合同作品展に参加してるサークルなのに、僕たちは市販のプラモデルをほとんど使っていないんですよね。フルスクラッチが主体だから、使っているのはプラ板ばかり。
かのー 静岡ホビーショーの開催側は、来場してくれたお客さんが作品展を見て、プラモデルを作りたくなるような効果も期待しているわけです。それなのに、僕たちの作品で使っているのはプラ板とプラ棒、あとはパテぐらい。宮崎作品、スタジオジブリ作品のおかげで人気を保っているサークルなので、各方面に申し訳なく思っています。
──今日は「宮崎メカ模型クラブ」結成20周年の展示会ですが、やはりジブリ作品のファンが多く来たのですか?
かのー 模型ファンとジブリファン、男性のお客さんは両方で、女性のお客さんはジブリファンが多かったように思います。
ノウミソ 長野県のイオンモールでの展示会に参加させてもらったときは、模型に興味がない人たちも見てくれましたね。
かのー 通りすがりのおばちゃんに「これ、ぜんぶ自分で作ったの?」「いい趣味してるねえ」と誉めてもらったり(笑)。小中学校のころに「未来少年コナン」を見ていたお母さん・お父さんたちが喜んでくれましたね。その親たちに「コナン」を見せてもらった子どもたちは「あっ、ジムシーがいる!」と、模型を覗き込みながら、キャラクターの名前を当ててくれました。
──かのーさんは、かなり作りこむモデラーだと思うのですが?
かのー いいえ、そうでもないんです。どちらかというと、いいかげんなほうです。AFV(戦車や装甲車)のキットも作るのですが、最近はどれも塗装する手前で止まってしまっています。船の模型のことも、まったく知識がありませんでした。
──「未来少年コナン」では、巨大な空中要塞「ギガント」が人気ですよね。どうして地味なバラクーダ号を作ることにしたのですか?
かのー 僕が「コナン」を見たのは、大学受験を控えた多感な時期でした。友人に薦められて最初に見たのが、第4話「バラクーダ号」からなんです。もし第1話から見ていたら、バラクーダ号は作らなかったかもしれません。それぐらい、第4話でバラクーダ号が出港するシーンは素晴らしかったんです。「錨をあげろ」と船員たちが忙しく走り回って働くのですが、船が沖に出てからは、風の音とヤードのきしむ音しか聞こえない。動と静のコントラストを使い分けて、コナンたちが船で旅立っていくシーンを感動的に演出している。何てカッコいいんだろうと思いました。大人になってから、「コナン」でキャラクターデザインと作画監督を担当した大塚康生さんとお近づきになったとき、あのバラクーダ号の素晴らしい演出を思い出したんです。
──大塚さんはジープに詳しくて模型界との関連も深い方ですが、どういう経緯で出会ったのですか?
かのー 戦車運搬車のレジンキットを作っていた頃、ソフトスキン(装甲されていない軍用車両)だけを模型で作るサークルに誘われたんです。1999年ごろの話です。大塚さんを中心にして発足した模型サークルで、「ホイールナッツ」といいます。「NUTS」には、ねじのナットと英語のスラングで「馬鹿」「オタク」という意味も込められていました。だけど、バラクーダ号を作ったのは大塚さんに見せようと思ったからというんじゃなくて、大塚さんに出会って、未来少年コナンの感動を思い出し、だんだん模型にしてみたいという思いが強くなっていった……という感じです。
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