「The Game Awards 2021」、“Game of the Year”「it takes two」プレイレビュー! 体験してほしい10の魅力とは!
突然ですがみなさまは、「It takes two」というゲームをご存じでしょうか? 知らない? それはもったいない。
本作「It takes two」は、その年の優秀なゲームタイトルを決める祭典「The Game Awards 2021」でアワードを受賞した、正真正銘の「今年最高のゲーム」です。
ただ、Game of the Yearを受賞したと言っても日本での知名度はまだまだ低め。でも、本当によいゲームなのでぜひプレイしてほしい! ということで、本記事では本作を実際にプレイしたレポートとともに、その魅力を10個にまとめてお伝えしていきます。
魅力1:友達を誘いやすい!
本作の特徴は「2人協力プレイ専用」と言う点です。最近のゲームは、ひとりで遊ぶシングルプレイ専用タイトルから大人数で対戦する大規模マルチプレイタイトルまで幅広くそろっていますが、2人協力プレイ専用というのは意外に珍しいと言えるでしょう。
ただ、2人協力プレイ専用タイトルで問題になってくるのが、一緒にプレイしてくれるフレンドを誘いにくい、という点です。2人協力プレイ、つまりは自分のために「それなりの値段のゲームソフトを買ってくれ」と言うのはハードルが高いのではないでしょうか。その点、本作の場合は「フレンドパス」という機能が用意されており、どちらかいっぽうがソフトを所持していれば2人でプレイすることが可能。友達を誘いやすいのです。
友人がPS4やPS5、PCといった対応するゲーム機を持っていない場合も心配ありません。コントローラーが2人分あれば家に集まってプレイ可能です。本作は友達を誘いやすい作品なのです。
今回はいつも一緒にゲームを楽しんでいる筆者の友人に協力を頼み、「It takes two」に挑戦していきます!
ゲームを開始すると意外にリアルなグラフィックでお出迎え。何やら2人の男女が言い争っています。話を聞くとこの2人、離婚を決めたのに娘に言い出せていないようです。
娘は娘で、2人の仲が悪くなっていることに気が付いているようで、人形とともに古い恋愛自己啓発本「Book Of Love」を読んでは仲の修復を願っています。本を読みながら娘の目からは涙が……
すると何ということでしょう、2人の夫婦は人形になってしまいました。離婚直前の2人ですが、人間に戻るには協力しなければなりません。2人の協力アクションが始まるのです! ちなみに、プレイ開始時はゲームデータをすべてダウンロードしていなくても大丈夫。起動できる状態になった状態で、序盤のステージは進行可能でした。
魅力2: シンプルで快適な操作性
ゲームを開始し、キャラクターを操作してまず感じるのが、操作の快適さです。ゲームの触り心地がよい、と言うべきでしょうか。キャラクターが思ったとおりに動き、ギリギリ崖に届かない場合などは、ゲーム側がさりげなく操作を助けてくれる場面も多くなっています。
射撃にはかなり強いエイムアシストがかかっており、FPSやTPSといったシューティングゲームに慣れていない方も安心です。ただし、操作に慣れた頃にはより素早い反応が求められることも。このバランスが絶妙で、本作の楽しさにつながっています。
魅力3:豊富なギミック
「It takes two」には、さまざまな、数え切れないほどのギミックが満載です。
基本的には3人称視点でのアクションですが、横スクロール視点になることもあるし、シューティングゲームになったり、音ゲーになったりもします。
果ては格闘ゲームになることも!? 2人で数えきれないギミックに挑戦していると、テーマパークでアトラクションを楽しんでいるような気分になってきます。
魅力4:相手の考えを察しやすい画面構成
実は本作、オンラインでお互いが個別のディスプレイでプレイするような場合でも、相手の視点が見えるよう、分割された画面構成となっています。1人ひとりが異なるディスプレイでプレイするオンラインでの協力プレイで、このような分割画面構成となっているのは非常に珍しく、異例と言っても過言ではありません。ただ、本作は、この画面分割のおかげで相手の考えを察しやすく、スムーズな協力プレイが行えました。
たとえば、樹液をかけて、その重さで回転させた足場を通るギミックでは、画面が分割されていることで相手がどこを狙っているのか見て、お互いが会話しつつ進んでいけます。
魅力5:会話を盛り上げる要素
先ほど、本作の豊富なギミックを紹介しましたが、こうしたギミックでは、それぞれが協力して自身の役割を果たさなければ先に進めません。そのため、自然と何をする必要があるのか、相手に何をしてほしいのか、どのようにすべきなのかを話し合わざるを得ない状況になっているのです。
本作には会話しなければクリアできない多種多様なギミックが用意されているのですが、いっぽうで、しっかり意思疎通ができれば詰まってしまうことはない程度の難易度のバランスがすばらしいです。
たとえば、シューティングの場面でも会話が欠かせません。樹液を相手にかぶせて火をつける場面では、どのタイミングで攻撃を仕掛けていくかで会話が盛り上がります。
タイミングを声がけしながら空気のスイッチを切り替える場面も会話が重要です。このように、本作には2人の息を合わせ、会話を盛り上げるギミックが盛りだくさんなのです。
魅力6:飽きさせない緩急
本作は本当に目まぐるしい勢いでゲームの内容自体が変化していきます。少し前まで釘を投げていたと思ったら、今は樹液を敵に浴びせ、次には飛行機を操縦している。といった具合です。
それでいて、2度同じギミックがゲーム内で登場することはありません。ものすごい種類のコース料理が次から次に供給されていきます。絶対に飽きることはありません。
ストーリーを進めていると、会えるコミカルなキャラクターやド派手な爆発、美しい風景も飽きさせない要素と言えるでしょう。
随所にミニゲームがあり、協力だけではなく、たまには対戦できるのもよい要素です。
魅力7:常に協力する喜びを味わえる
現実世界でもゲームの中でも、「協力」が難しくなるのは、どのように協力すればよいのかわからなくなった場合でしょう。しかし本作には、説明されずとも、直感的に協力できるギミックが数多く存在します。
たとえばグライダーで移動する場面では、お互いがキャラクターを操作して左右の舵取りをしていきます。
樽のふたを船にして移動する際も、障害物を撃つ役割と舵取りする役割で協力。フラストレーションをためることなく、常に直感的に協力でき、喜びを分かち合えるのです。
また、本作には理不尽さがありません。わかっているのに、操作が難しくて詰まってしまう、というギミックや敵からの攻撃はありませんでした。
魅力8:美しいグラフィック
こうしたカジュアルパーティーゲームはグラフィックのクオリティがそれほど高くないことが多いのですが、本作はとても美しいグラフィックに彩られています。
人形の木の感じや金属の鈍い輝きもバッチリです。
また、基本的には画面が分割されて進んでいく本作ですが、要所では一体の画面となり、美しい風景を同じ視点で共有することができます。普段は分割され、違う画面を見ているからこそ、ひとつの画面になった時の特別感が、すばらしいのです。
魅力9:ゲームプレイに結びついたストーリー
魅力的なギミックや強力要素が注目されがちな本作ですが、ストーリーがゲームプレイに結びついている点も大きな魅力と言えるでしょう。
離婚直前の夫婦が協力していくことで仲を回復させていく、というストーリーはゲームプレイに合致しており、その協力内容が娘の読む恋愛自己啓発本に沿っている、というのもなかなか面白い要素です。
ステージが家族で暮らしていた家というのも、考えさせられます。
魅力10:クリアまでちょうどよいプレイ時間
実は本作のクリアまでの時間はそれほど多くありません。詳細はネタバレになってしまうので記載しませんが、映画10本分くらいでした。
ひとりで遊ぶなら長時間遊べるゲームもうれしいのですが、2人だけで遊ぶとなると、お互いの時間を長い間合わせるのは難しいものです。短すぎず、長すぎない、クリアまでのプレイ時間は、地味ながらもとてもうれしい魅力です。
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以上、「It takes two」をプレイしていて気が付いた10の魅力をお伝えしてきました。これらの魅力とあわせて、本作の驚くべき点は、何よりも「欠点がない」という点です。プレイしていて、これといった欠点が皆目見つからないというのは驚嘆に値します。<
豊富なギミック、会話を盛り上げる要素、ストーリーやグラフィックに至るまで、こだわりぬかれています。本作はひとりでも、3人以上でもない、2人でプレイするからこその楽しさを突き詰めた作品として、まさにGame of the Yearにふさわしい珠玉の作品となっているのです。
さて、ここまで見てくださった人ならおわかりででしょうが、筆者と友人の、男2人でむさ苦しくプレイしていたこのゲーム、間違いなく恋人や家族といった、普段一緒にゲームをプレイしない大切な人とプレイするとより楽しめるはずです。新たに登場したオミクロン株の脅威も不安視され、外出しづらい状況も続いている今だからこそ、「It takes two」の世界でデートするのもいいのかもしれません。
- It Takes Two
- 対応機種:PS5/PS 4Xbox One/Xbox Series X/S/ Steam
- 価格:4,298円(税込)
- ジャンル アクションアドベンチャー
- メーカー:エレクトロニック・アーツ
- © 2021 Electronic Arts Inc.
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