【Steam】寒い冬はおうちでガッツリ大冒険! PCで遊べる探索型アクションゲーム

アキバ総研をご覧のみなさま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。Nintendo Switchで発売された「メトロイド ドレッド」はプレイされましたでしょうか。昨今のインディーズゲームの定番ジャンルである「メトロイドヴァニア」こと探索型アクションゲームの元祖である「メトロイド」の新作が登場したというのは、2021年のゲーム界の大ニュースのひとつだったと言えるのではないかと思います。というわけで今回は、寒い冬の日におうちで腰を据えて遊びたい、オススメの探索型アクションゲームをご紹介していきます。

項目
無限に遊べる傑作2Dアクション「Dead Cells」
高難易度の本格派メトロイドヴァニア「Hollow Knight」
ドット絵で描かれた2Dアクションアドベンチャー「フェノトピア」

寒い冬はおうちでガッツリ大冒険! PCで遊べる探索型アクションゲーム


1.ドハマリ必至!“死”を繰り返して強くなる無限に遊べる傑作2Dアクション「Dead Cells」


Dead Cells」(Motion Twin)
ジャンル:アクション
発売:2018/8/7
価格:2,480円(2022/1/6まで1,488円)
コピーライト:(C) 2018 Motion Twin



何を隠そう、筆者はランダム生成要素や何度も繰り返し遊べる要素のあるゲームが大好物です。遊ぶたびに異なる展開になるスリルもさることながら、やはり“何度も遊べる”というお得さに惹かれてしまいます。ご紹介する「Dead Cells」は、そんな“何度も遊べる”タイプの作品です。



本作は、2D横スクロールタイプのアクションゲームです。ドットで描かれた鮮やかなグラフィックが特徴的で、レトロゲーム好きの方はこのビジュアルだけでもワクワクしてしまうのではないでしょうか。

さて、そんな本作の主人公はスライムのような形状の「細胞」。この細胞は、死者の体に乗り移ることでその体を意のままに操るという性質を持っており、こうして誕生した“戦士”をプレイヤーが操作することとなります。ちなみに本作のタイトル「Dead Cells」とは「死んだ細胞」という意味であり、主人公のことそのものを表しているというわけです。



プレイヤーの目的は、細胞が乗り移った戦士を操作して、舞台となる謎の牢獄から脱出すること。基本の操作は、攻撃、ジャンプ、そしてクルッと前転するロールとなっており、アクションゲームとしてはオーソドックスと言える作りです。

攻撃は武器とスキルの2種類があり、道中、敵や宝箱からドロップしたものや、店で購入したものをそれぞれ2つずつ装備できます。武器は近距離武器、遠距離武器、そして盾といった種類があり、スキルは投げると爆発するグレネードや、設置すると敵を自動的に攻撃するトラップなどがあります。武器は連続使用ができますが、スキルは再使用可能になるまでのクールタイムが発生するので注意が必要です。ロールは基本的に回避用ですが、狭い通路を進んだり、ドアをロールで開けてドア付近の敵を攻撃したりといった使い方もあり、何かと役立つアクションになっています。



本作のステージの構造は、プレイするたびに変わる、いわゆる「ローグライク」のシステムが採用されています。ステージ構造だけではなく、出現する武器やスキル、敵の配置もすべて毎回変わるので、遊ぶたびにまったく違うゲーム展開が楽しめるのが魅力。飽きることなく何度も繰り返してプレイすることができます。



「何度も繰り返してプレイすることができる」と書きましたが、本作、そもそも繰り返してプレイすること前提の高い難易度で作られています。敵は数が多くて攻撃も激しく、道中にはダメージトラップも多数設置されており、さらに回復の機会はゲーム序盤ではかなり少ないため、スタート直後にあっさりやられてしまうなんてこともしばしば。しかも、ゲームオーバーになるとそれまでに獲得したアイテムやお金はすべてなくなり、進んだマップの進捗もリセットされ、問答無用でスタート地点からやり直しになってしまいます。これもまた「ローグライク」ならではのシステムです。



しかし、何もかもすべてを失うわけではありません。道中、特定のNPCに「セル」と呼ばれる専用の通貨を渡すことで「回復薬を使える回数を増やす」「死亡時に所持ゴールドの一部を引き継げる」などの探索を有利にする要素や、ステージ中にドロップする新たな武器やスキルをアンロックできるのですが、これらの要素は一度アンロックすればゲームオーバーになっても失うことはありません。つまり、コツコツ繰り返しプレイをすればするほど徐々に攻略が楽になっていき、クリアがどんどん近づいてくるという仕組み。「遊べば遊ぶほど次の周回が楽しくなる」というこの“沼”なゲームデザインこそが、本作最大の魅力と言えるでしょう。ちなみにアンロックしたアイテムやスキルはスタート地点にたくさんぶら下がっているフラスコの中に飾られていきます。コレクター魂をかき立てるこの演出もニクいポイントです。



遊べば遊ぶほど蓄積されていくのは、アンロックした要素だけではありません。目に見えないものではありますが、何度も繰り返しプレイしていく中で、プレイヤーは自分の腕前に着実に経験値が蓄積されているのを感じるはずです。本作のアクションの手触りは、とにかくスタイリッシュでスピーディー。だからこそ、やられるときはあっさりやられてしまうわけですが、うまくアクションがキマってスイスイと先に進むことができたときの爽快感はひとしおです。「キャラクターを操作することが気持ちいい」というアクションゲームの根源的な快感が存分に味わえることもまた、本作を語るうえで欠かせないポイントと言えるでしょう。



爽快なアクション、さまざまなランダム要素、そして高難易度でありながら理不尽ではない絶妙なゲームバランスで構成された「Dead Cells」。1度ハマるとひたすら繰り返し遊び続けてしまう魅力、もとい“魔力”にあふれたゲームなので、気になる方はぜひぜひ遊んで、沼にハマってみてください。

2.美しくもダークな世界観に酔いしれる! 高難易度の本格派メトロイドヴァニア「Hollow Knight」


Hollow Knight」(Team Cherry)
ジャンル:アクション
発売:2017/2/25
価格:1,480円(2022/1/6まで740円)
コピーライト:(C) 2017 Team Cherry


突然ですが皆様、「ムシ」は得意でしょうか? 筆者は子供の頃は特になんともなかったのですが、大人になるにしたがって、あのムシ特有の“何を考えているかわからない感じ”が不気味に感じられるようになり、ムシ全般がなんとなく苦手になってしまいました。これからご紹介する「Hollow Knight」は、そんな「ムシ」たちが登場する作品です。



本作は、2D横スクロールタイプのアクションゲームです。美しくもダークなムードが漂う独特のグラフィックが特徴的。どことなく海外の絵本のような幻想的な雰囲気で、好きな方には刺さりまくるビジュアルではないでしょうか。

そんな本作の舞台は、かつて栄華を極めた地下の王国「ハロウネスト」。そんなハロウネストの中枢に秘められた太古の秘密を解き明かすために、主人公が冒険の旅に出る……というのが本作のストーリーです。地下世界にはさまざまなムシたちが暮らしていますが、登場するムシは皆、どことなくユーモラスでかわいらしく、ムシ特有の気持ち悪さや不気味さのようなものは感じられません。なので、筆者のようにムシが苦手な人でも安心してプレイできると思います!



本作の基本操作はジャンプ、攻撃、そして回復というシンプルな構成になっています。

攻撃は剣の代わりに釘を振り回す近距離攻撃。この「釘」という武器のチョイス、主人公および敵たちのサイズ感が「なるほど、ムシなんだな」とよくわかるうまい設定だなと筆者は感じました。

回復は、敵を倒した際などに手に入る「ソウル」を消費して行います。ソウルさえあれば回数制限なくいつでも好きなタイミングで好きなだけ回復できるというシステムなのですが、ソウルを手に入れるためには敵と戦わなければならず、当然敵と戦うとライフを失う危険がともなってしまうということで、常にリスク&リターンが発生する、実に絶妙なゲームデザインになっています。



そんな本作の最大の魅力は、ずばり「探索の面白さ」です。メトロイドヴァニアの特徴と言えば、新たなアイテムや能力を獲得することでだんだん進める範囲が広がっていくというゲーム性にあります。本作「Hollow Knight」はその特徴をしっか押おさえつつ、ゲーム自体の難易度の高さによって探索をさらにスリリングで面白いものへと昇華することに成功しています。さらっと書きましたが、本作はぶっちゃけかなりの高難易度ゲームです。

そもそもソウルを使っていつでも回復できるということは、「いつでも回復できないと厳しい難易度」であるということの裏返しと言えます。本作では、マップを買ったり、探索に役立つ機能を解放するためなどに「ジオ」と呼ばれるお金が必要となりますが、ライフをすべて失ってゲームオーバーになると、せっかくコツコツ集めたジオは全額没収。見るも無残な一文無しになってしまうので、敵とのバトルも探索も、常にハラハラドキドキの連続です。



本作は高難易度であるがゆえに、能力や便利な機能を何も持っていない序盤が1番キツいステージになっています。ジオをためてようやくマップを購入しても、それだけでは自分がどこにいるのかがわかりません。

さらに、発見済みのセーブポイントや回復場所がどこにあったかも地図に記されないという不親切な仕様!というのも、実はそれらをマップに表示するためには、地図の機能拡張をジオで購入しなければならないのです。しかし、先述した通り、お店にたどり着くまでの間に敵にやられてしまうとジオをすべて失います。なかなか鬼畜気味なシステムに思えますが、その分、機能拡張に成功してだんだんと探索が快適になってきたときの楽しさはひとしお。ゲーム的にはちょっとした前進であったとしても、高難易度であるがゆえの大きな達成感を得られる作りになっています。



冒険の途中では、さまざまなスキルを習得することができます。このスキルこそ、ゲームの攻略を大きく前進させるとともに、これまで行けなかったエリアを新たに開拓できる「メトロイドヴァニア」の真骨頂。たとえば、ソウルを使って弾を放つことができる「復讐の魂」というスキルは、遠距離攻撃に使えるので、道をふさぐ、近接攻撃を受け付けない敵を撃破することが可能になり、新エリアへの道が開けるといった具合。
ほかにも、「チャーム」と呼ばれる、装備することでさまざまな恩恵を得られるアイテムも存在します。「敵を攻撃した際に得られるソウルの量を増やす」「散らばったジオを自動的に回収する」など、探索を快適にするものばかりですが、一度にセットできるチャームの量は限られているため、プレイヤーはどれを装備するか、冒険中、常に頭をひねることになります。

このように、「Hollow Knight」には道中獲得できるパワーアップ要素が数多く用意されており、プレイヤーに常に新しい刺激を与えて探索を飽きさせない作りになっているのです。



巨大なボスとの戦闘も、本作を語るうえでは欠かせません。「Hollow Knight」には見た目も攻撃方法も異なる、個性豊かな30種類以上のボスが登場し、プレイヤーの行く手に立ちはだかります。言うまでもなくボスの攻撃は激しく、気を抜くとあっという間にやられてしまいます。攻略のための重要なポイントは、相手の攻撃パターンを覚えることと、相手の動きをよく見ること。高難易度アクションの代名詞「ダークソウル」シリーズを思わせるようなこのヒリヒリしたプレイ感覚もまた、本作を面白くしている要素のひとつです。



雰囲気抜群のグラフィック、高難易度なアクション、そして遊びごたえのある探索要素が組み合わさった、極上のメトロイドヴァニアが楽しめる「Hollow Knight」。このジャンルが好きな方や腕に自信のあるゲーマーの方はぜひ、挑戦してみてください。

3.レトロゲーマーがグッとくる要素満載! ドット絵で描かれた2Dアクションアドベンチャー「フェノトピア」


フェノトピア」(Cape Cosmic)
ジャンル:アクション
発売:2021/ 1/21
価格:2,000円(2022/1/6まで1,400円)
コピーライト:(C) 2021 Cape Cosmic


ファミコン世代であってもそうでなくても、ドット絵で描かれたゲームに魅力を感じるという方は多いのではないでしょうか。かく言う筆者もそのひとりですが、ご紹介する「フェノトピア」はまさにそういった方々に、どストライクの作品です。



本作は、2Dスタイルのアクションアドベンチャーゲームです。まず目を引くのは、やはりなんと言ってもドットで描かれた鮮やかなグラフィック。キャラクターも背景もすべてが美しいドット絵で描かれており、思わずうっとりしてしまうハイクオリティぶり。キャラクターの細かな表情の変化も見事にドット絵で表現されています。さらに、本作はアニメーションのクオリティもとても高く、ぬるぬると動いてプレイヤーの目を楽しませてくれます。残念ながら画面写真では伝わらないため、ぜひ、動画などを検索してご自分の目で確かめてみていただきたいところです。



本作の主人公は、ゲイルという名のひとりの少女。ゲイルはパンセロという小さな村で暮らしていましたが、彼女が子供たちとともに村のはずれへと出かけたある夜、突然空に大きな宇宙船が現れて、村人たちが誘拐されてしまうのです。残された子供たちのリーダーとして、ゲイルは村人たちを救うために冒険に出るのでした……というのが本作のストーリー。田舎の農村から始まる牧歌的な雰囲気のゲームなのかと思いきや、意外にも謎に満ちた壮大な物語へ発展していき、プレイヤーの心をグッと引きつけます。



本作は、基本的にサイドビュースタイルで進行しますが、村やダンジョンを出ると、見下ろし型視点のワールドマップ画面へと移行します。

これこそが、「フェノトピア」の特徴のひとつ。美しくも懐かしいドットで描かれたグラフィックに加えて、古きよきRPGをほうふつとさせるこのワールドマップが、いやが上にもレトロゲーマーの心をくすぐります。次に探索する場所を自分の操作で決められるこのシステムは、時間と手間はかかるかもしれませんが、「広大な世界を冒険している!」というワクワクする気持ちをプレイヤーに与えてくれること間違いなしです。



本作のアクションは、武器を使っての攻撃、ジャンプ、ダッシュ、物をつかんで投げる、装備したアイテムを使うなど、アクションゲームとしては基本を押さえています。ただし、操作のクセは結構強め。攻撃やダッシュにはスタミナの消費があり、むやみな連続使用はできません。ダッシュジャンプはジャンプ中の方向転換ができず、ブレーキも効きにくくなっています。これらの、慣れるまでやや時間がかかるアクションの数々もまたレトロゲームの操作感をほうふつとさせるため、難しさとともになつかしさを覚えるプレイヤーもいるかもしれません。

ちなみに、オプションから「通常攻撃でスタミナを消費しない」「スタミナ回復スピードアップ」などが設定可能なので、難しすぎると感じた場合はこれらのオプションをオンにすることをオススメします。



本作の大きな特徴として、豊富な謎解き要素があげられます。先に進むための鍵を手に入れなければならない場面や、仕掛けの動き方を把握しなければ進めない場面、アイテムを駆使して進む場面や正確でスピーディーなジャンプスキルが試される場面などなど、「フェノトピア」の世界ではバラエティに富んだ謎の数々がプレイヤーを待ち構えます。指を動かし頭を使って試行錯誤謎した末にようやく謎が解けたときの快感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。このあたりの手触りは、「ゼルダの伝説」シリーズのようなレトロゲーム風の謎解きを思わせるものがあり、好きな人にはたまらない魅力になっていると筆者は感じました。



なつかしさを感じる美麗なドット絵、クセが強い分うまく操作できたときの爽快感が抜群のアクション、そしてボリューム盛りだくさんの謎解き要素と、「あの頃夢中になったアクションアドベンチャーゲーム」をほうふつとさせる「フェノトピア」。レトロゲーマーの方にもそうでない方にも遊んでいただきたい、オススメの作品です。

探索が面白すぎて休日が消し飛ぶ危険性も……!?


というわけで、オススメの3作をご紹介しました。

サクッと遊べるカジュアルゲームやスマホゲームも楽しいですが、寒い冬だからこそ、家で腰を据えて探索型アクションゲームをどっぷりプレイするというのもオツなものです。今回ご紹介したタイトルの中で気になるものが合った方は、お休みの日のおともにして、ゆっくりと遊んでみてください。ただし、あまりの面白さに、気付いたら休日が消し飛んでしまっていても筆者は責任をとりませんのであしからず。

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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