【2022冬アニメ】アニメ版は冒頭からびっくりするかも!? 待望のTVアニメ放送開始の「ドールズフロントライン」M4A1役・戸松遥インタビュー

2022年1月7日からスタートするTVアニメ「ドールズフロントライン」(略称「ドルフロ」)。

全世界を巻き込んだ第三次世界大戦後の荒廃しきった世界では、戦争とそれに伴う労働力不足から生み出された機械生命体の技術が発展し、戦術人形があらゆる軍事組織で採用されるようになった。

その後、軍需企業「鉄血工造」のAIが人類に反旗をひるがえすと、民間軍事会社「グリフィン」の戦術人形たちがこれを調査阻止すべく立ち向かう。

その「グリフィン」に所属する最高級の戦術人形で構成された「AR小隊」のリーダーであり、人間の指揮官が不在でも、ほかの人形に作戦行動を指示することができるM4A1(エムフォーエーワン)を演じる戸松遥さんに、作品の魅力などを聞いた。

M4A1の魅力は、激しさと繊細さのギャップ

ーーアニメ化されると知ったときの心境はいかがでしたか?

戸松 私自身付き合いが長いキャラクターでしたし、ミニアニメはあったのですが、あれはまた別ものという感じはあったので、これまで知ってくださっていた方に見ていただけるうれしさはもちろん、アニメ化をきっかけに「この作品、面白そうだな」と思った方に知っていただける機会が作れたことが、すごく嬉しかったです。

ーーゲームからアニメ化というところで喜びもひとしおですね。

戸松 そうですね。魅力的なゲームがたくさんある中で、「ドルフロ」のゲームが長く続いていることもすごいことだと思いますし、同じ業界の中でもやっている人とお会いすることもあるので、本当にたくさんの人が遊んでくれているおかげだと思います。

ーーやはりミリタリーファンが多いのですか?

戸松 多いと思います! 近い人でもバトルもののゲームが好きだったり、サバゲーが好きだったりして、「ゲームが出たからやってみたら、とまっちゃんだった」みたいなこともあったので。あとは、キャラクターの名前とかは魅力的かもしれないですね。

ーーキャラクターが銃の名前だったりしますからね。読み方が、ミリタリー好きでないと難しかったりしますよね。数字で読めばいいのか英語で読めばいいのかなど。

戸松 確かに! “じゅうご”だったり“いちろく”だったり。私もこの作品を通して(軍事用語を)知っていく感じでした。

ーーアニメ化となると、ミリタリー初心者でもわかりやすく楽しめるのかなと思ったのですが、PVや映像を見た感想を教えてください。

戸松 収録自体は1年くらい前だったので、こういう風になったんだ!という感動はありました。戦いがあるとキャラの動きが忙しいので、収録のときも、ここで着地して、ここで振り返って避ける、というのを忙しくやっていたんです。だからできあがった映像を見ると、なるほど! こういうアニメーションになって、こんなに銃の音が飛び交っていたんだという新たな発見がありました。

ーーバトルシーンの収録は、映像が完全にできているわけではないので難しそうですね。

戸松 アフレコでは距離感も考えつつ、通信だと逆に距離は考えず、モノローグと普通のセリフの切り替えも多いので、今はどういう状況でしゃべっているのかを想像しました。戦術人形ならではの会話の仕方、コミュニケーションの仕方があったので難しさはありました。

ーーミリタリーなところ以外ではキャラクターがやはり魅力的で、かわいかったと思うので、戸松さんの演じるM4A1について教えてください。

戸松 M4A1の性格をざっくり言うと、控えめなタイプだと思うのですが、リーダーシップがあるんです。でも、自分のとっている指揮という面では責任感が強いので、どうしても「これでいいんだろうか?」って考えてしまうんですよね。やはり戦いの中では犠牲が出てしまったり誰かが傷ついてしまうので。なのでM4A1は、リーダーシップがあって強くて、オレについて来い!というタイプかと言ったら、そうではなく繊細な一面もあるんです。

ただ、戦うと決めたときの勢いはすごいんですよ! 戦闘スイッチがオンになったときのたくましさはさすがだなと。優秀な戦術人形だし、周りからも腕を買われている存在なんですけど、仲間が傷ついたりやられたりしたときの、敵に対する絶対に許さないから!っていう、ある意味冷徹さや残酷さがすごいんです。その差は、アニメ化してより感じるようになりました。

ーーリーダーとして指揮をするところでの繊細さと、個人での激しさのギャップは確かに感じました。

戸松 物語が進むと「だまれ!」って言ったり、ブチンと切れる瞬間があって、その激昂するところと冷静なところとやさしいところ……アニメでは、すごくいろんな面をはっきりと持っている子になりましたね。

ーー大変なポジションですからね。

戸松 ジャンシアーヌ(CV.小松未可子)が登場して変わっていくところもあるのですが、M4のポジションってすごく責任があるんですよね。人形たちとはいえ、傷ついたり壊れたりするわけで、もちろん直せはしますが、そこに関しては感情がすごくある子なので……。

だから私は、板挟みだろうなと思っています(笑)。下もまとめなければいけないし、自分より上の指示もあるしっていう。現場で動くのは彼女たちなので、現場での選択のミスがやられてしまうことに直接つながるから、緊張感もずっと持っていないといけない。すごく大変な立ち位置だなと思います。

ーー今の戸松さんも同じような立ち位置ではないですか? 後輩がいて、先輩とも近い距離で話せるみたいな。

戸松 そうですかねぇ(笑)。私は自分がめっちゃ楽しんでしまうタイプですし、リーダーシップの“リ”の字もないくらいなんですよね……。後輩の子と一緒に、わーって遊んじゃったり、基本ヘラヘラしているのでダメだと思います(笑)。だから、頼りになります!と言われるのが夢です。言われたことないなぁ……。

ーー安心感はありますよ。

戸松 私がですか? 全然(ない)ですよ! リーダーシップのあるM4とは全然違います(笑)。

ーー逆に共通しているところはありますか?

戸松 私もどちらかというと喜怒哀楽がはっきりしているタイプで、ゲラゲラ笑っていたのに、急に泣き出すみたいな感じなので、M4もカットが変わったり演出的なところもありますけど、さっきまで指示を出していたけど、急に申し訳ないという感じになっていたり。戦場だと息をつく暇がないので、落ち込んでいる間に次の襲撃が来たり、気持ちの切り替えがパパパパと変わることが多かったので、そこは通じるところがあるのかなと思いました。

ーーお芝居をするうえで、言われたことや大事にしていることはありますか?

戸松 お芝居で言われたことだと、走りの芝居でも息切れすることがないというところで、そこはみんな意識をして演じていました。

戦術人形だからこその自分の立ち位置、自分がどういたらいいのかというのがそれぞれあるのですが、みんなの考え方が違っていて、それが話が進んでいくと「ドールズフロントライン」全体のテーマのひとつでもあるところにつながるんですよね。

つまり傷を修復して、記憶もバックアップして、もう一度リセットして直ったよ、って戻ってくることは物理的にできるんですけど、それが前に一緒に戦っていたときと同じ関係を築けるのかというとわからないところもあるんです。それをよしとしている子もいれば、なんだかなぁという子もいる。

ーー後者がM4A1なんですね。

戸松 そうです。M4はどちらかというと人間っぽくて、その時の人形の人生を大事したいタイプだったりするんです。その考え方の違いとか、個性を見ると面白いかもしれないです。

ーーほかのキャラクターで、注目してほしい、もしくは好きなキャラクターはいますか?

戸松 みんな見た目とか性格もかわいいのですが、ただ女の子たちが仲良く戦うものではないというか、結構エグい描写もあるんですよね。かわいい見た目をしている子たちが吹っ飛んだりするので(笑)。人形だから血が出たりとかはないんですけど……。

でも、味方でいうとM4 SOPMOD II(エムフォーソップモッドツー:CV.田村ゆかり)が好きですね。すごく癒やされているというか。戦いになるとみんな真面目に戦うシーンが多いのですが、ソップツーはその中でも明るく戦っていたり、終わったあとも自分の功績を褒めて褒めてってきゃっきゃしてくれるので、ほかの人もそれで救われる感じはあると思います。

戸松さんがサバゲーをしたら、強い? 弱い?

ーー戦闘描写は、おっしゃる通りハードでしたね。

戸松 ハードです! 戦闘がない回はないと思うので、それも見どころだと思います。それに肉体的な戦いもそうなのですが、頭脳戦というか、作戦もしっかり立てるんです。それも場合によっては裏をかかれたり、かと思いきやこちらも……みたいなところもあるので、実際のアクションシーンだけでなく、罠の張り合いみたいなところもあるもすごく楽しいと思います。

ーーちょっとでも目を離すと何が起こったのか!?みたいになりそうですね。

戸松 なので、グッと集中して見ていただきたいです!

ゲームだとプレイヤーが指揮官になるのですが、アニメではジャンシアーヌが指揮官になるので、彼女と出会うまではM4がなんとなく指揮をしてまとめていて、ジャンシアーヌというまとめてくれる人が来たことで、M4の立ち回りや考え方も変わったので、指揮官がいるっていいなと思いました(笑)。

ーー指揮できる人が多数存在する難しさみたいなものもありそうですが

戸松 それが結構リアルで、M4はやさしいのですが、戦いの考え方によって譲れない時があるんです。現場にいるのは彼女たちなので、それはどうなんですか?みたいに食いついたりするところもあったりして。

でもそこでジャンシアーヌの考え方のオトナさみたいなのがわかるんですよね。現場はこういう状況なんですっていうのも受け止めて、そうだよね、でもね!ってまとめてくれる貫禄はすごいなと。まだ若いでしょうに。

ーー私の命令が絶対だからやれと言われたらやりたくはないですけど、そう言ってくれたらいいかもしれないですね。

戸松 伝え方というのもすごく大事ですよね。ジャンシアーヌとは基本的に一緒に収録することができたのでよかったです。すごくやり取りが多いので。

通信越しが多かったのですが、現場にいる戦術人形の緊迫感とジャンシアーヌ側の緊迫感はまた違うものがあるので、それを通信を通して感じることができました。そのときのM4は激昂していることが多かったのですが、ジャンシアーヌのひと言で冷静になれたりもしたので、かけ合えたからこそのリアル感は出たのかなと思います。

ーー気になった敵はいましたか?

戸松 エクスキューショナー役を伊藤静さんがやられていたんですけど、その戦いが忘れられなくて! 台本をチェックしたときに容赦ないな!みたいな。

勝ちは決まっているのに撃ち続ける、M4の怖い一面を見たところでもあったので忘れられないシーンです。静さんとも一緒に収録ができたので嬉しかったですね。

ーー少し作品から離れますが、戸松さんは、サバゲーをしたことはありますか?

戸松 したことがないんですよ! なので2022年の目標にしようかなと思っています(笑)。みかこし(小松未可子)から室内でもできるところがあると聞いたので、行きたいですね。

たぶん、いきなり山で本気のやつをやったら「サバゲー舐めんな」って言われると思うんです。なので、初心者大歓迎のところからやってみたいです。みかこしは、詳しくはないけどやったことはあるみたいなので、これはお仕事でやりに行くしかないなと(笑)。

ーー声優さんで好きな方も多いですよね。

戸松 意外といますよね。サバゲー好きと脱出ゲーム好きが多いですね。ただ、「ドルフロ」の現場でいるのかはわからないです。

ーー戸松さんは自分で強いと思いますか?

戸松 意外と弱いと思います。たぶん私、撃つときに情が入るというか、痛いんじゃないかなとか思っちゃうので、撃てない気がするんですよ。その迷っているうちに自分が撃たれて終わるパターンだと思います(笑)。

ーー確かに向いていないですね(笑)。では最後に、作品のファンへメッセージをお願いします。

戸松 ついに皆さんにアニメーションとして見ていただける機会が来たので、放送が楽しみです。「ドルフロ」を知っている方には、メインどころに限らずどの子たちにも愛情がある方がたくさんいると思うんです。アニメも話が進むごとにキャラクターがどんどん増えていって、そういう意味でも毎週見ていて飽きないというか、出てきた! 出てきた!って楽しみがあると思います。

そして、まだ見たことがない方は冒頭でまずびっくりされると思います。「どういう状況?」って。でも、話を進むごとに知っていけるので、いろんな子の気持ちに寄り添いながら見ていただけるとすごく楽しいんじゃないかなと思います。戦術人形ならではの考え方それぞれあって、それが楽しいので最後まで見ていただければと思います!



(取材・文・撮影/塚越淳一)


【アニメ情報】

■TVアニメ「ドールズフロントライン」

2022年1月7日(金)よりTVアニメ放送&配信スタート!

<放送情報>

TOKYO MX:1月7日(金)25:00~

ABEMA:1月7日(金)25:00~

BS11:1月7日(金)25:30~

AT-X:1月10日(月)23:30~ [※リピート放送:毎週(水)11:30~/毎週(金)17:30~]

<配信情報>

1月8日(土)正午12:00より随時配信スタート

ABEMA/Amazon Prime Video/dアニメストア/Hulu/U-NEXT 他

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