【インタビュー】制作担当者に聞く! 「勇者シリーズ」への愛があふれる30周年記念BOXセット「DX BRAVEST」は、どのようにして生まれたか?

'90年代に放送され、今なおファンに愛され続ける「勇者シリーズ」30周年を記念してリリースされるのが、「OP&ED Blu-ray & オールソングCD-BOX『DX BRAVEST』」だ。Blu-ray1枚+CD7枚組というボリュームで、シリーズ全8作のOP&ED映像と挿入歌などを含む全楽曲の音源を網羅。148ページという分厚いブックレットも同梱され、「勇者シリーズ」の魅力をさまざまな角度から堪能できるアイテムとなっている。
今回はBOXセットの制作に携わったフライングドッグの尾留川宏之、サンライズの金子治憲、大竹克章の三氏にインタビュー。「勇者シリーズ」を今に伝える、熱い想いを語ってもらった!

現時点で収録可能なものをすべて詰め込んだ、30周年記念BOXです


──「勇者シリーズ」20周年のとき(2011年)も、フライングドッグから「More BRAVEST」「HARVEST」「GREATEST」という記念商品がリリースされました。これらはいずれも音楽CD中心のアイテムだったんですけど、今回の「DX BRAVEST」は趣旨が違いますね。

尾留川 「DX BRAVEST」は映像が主体の商品だということが一番の違いです。僕は映像制作部なので、特に映像の立場から、また勇者シリーズにずっと携わってきた立場から、現時点で収録可能なものをすべて収録したいと思って企画しました。結果的には、映像だけでなく音楽も凄いボリュームになりましたが(笑)。

──尾留川さんと「勇者シリーズ」の関わりについて、まず最初に教えていただけますか?

尾留川 '85年に日本ビクター(当時)に入社して以来、アニメーションの制作畑をずっと歩んでいます。勇者シリーズは第2作「太陽の勇者ファイバード」から関わって、そこから全作ではないんですけど、最後の「勇者王ガオガイガー」まで担当してきました。30年前の担当者が30周年記念商品に当時の思い入れを持ったまま関わっているという意味でも、「DX BRAVEST」はまれな商品だと思います。

──「勇者シリーズ」は、1990年2月にスタートした「勇者エクスカイザー」から、1997年2月スタートの第8作「勇者王ガオガイガー」まで、各作品1年ずつ、途切れずにTV放送されてきました。「勇者エクスカイザー」「太陽の勇者ファイバード」「伝説の勇者ダ・ガーン」という初期の3作が谷田部勝義監督で、第4作「勇者特急マイトガイン」から「勇者警察ジェイデッカー」「黄金勇者ゴルドラン」が高松信司監督、第7作「勇者指令ダグオン」が望月智充監督、そして「勇者王ガオガイガー」が米たにヨシトモ監督と、バトンが受け継がれました。

尾留川 僕にとっては、サンライズの吉井孝幸プロデューサー(当時)が立ち上げたシリーズだということも、大きな意味を持っているんです。僕が学生時代に、吉井プロデューサーが制作された「巨神ゴーグ」(安彦良和監督/'84年に全26話がTV放送された)を見てさまざまな面で感銘を受けてから、ずっと尊敬し目標としてきた方で、社会人になって吉井さんの作品に関わることができて、すごくうれしかったのを覚えています。

──「DX BRAVEST」のブックレットも、まずは吉井プロデューサーのご挨拶から始まっていました。リアルロボットアニメの全盛期だった'90年当時に、子どもに向けた“王道”のヒーローロボット作品を目指したという言葉があり、「勇者シリーズ」のコンセプトが端的に語られていました。

金子 吉井は「勇者シリーズ」が継続中の'94年にサンライズの第4代社長となりました。私は'97年に入社したので、すでに社長だった時代ですね。

──金子さんと大竹さんは、「勇者シリーズ」とはどのように関わってきたのでしょうか?

金子 私は入社して間もなく、「勇者王ガオガイガー」に制作進行として参加しました。尾留川さんとの出会いも、そのときです。

大竹 私は'13年入社なので、「勇者シリーズ」の制作には直接関わってはいないんです。2016年12月に発売された「勇者王ガオガイガーFINAL&GGG Blu-ray BOX」でリマスター作業に携わって、そこから尾留川さんや金子との仕事が始まりました。

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