「レインボーシックス エクストラクション」先行レビュー! 3人1組でチームを組み、未知の生命体「アーキエン」に立ち向かえ!
2022年1月20日(木)に、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S、PC向けとして「レインボーシックス エクストラクション」が発売される。FPSとしてはもちろん、eスポーツの種目としても世界的な人気を誇る「レインボーシックス」シリーズの最新作だ。今回は製品版をひと足早く遊ぶ機会を得たので、そのレビューをお届けしよう。
3つのサブゾーンで未知の生命体「アーキエン」と戦う
ある時、アメリカのニューメキシコ州に隕石が落下したことで、原因不明のアウトブレイクが発生する。その後、感染拡大の原因となった「キメラパラサイト」が各地に出現し、全米を揺るがす大事件に発展してしまう。プレイヤーは「REACT」と呼ばれる部隊の一員として現地に向かい、事態を収束させるための戦いに臨む。というのが今回の物語となる。
対人戦がメインの前作から打って変わり、本作は「アーキエン」という生命体との戦いが軸になっている。プレイヤーが作中の敵と戦うことを主眼にした、いわゆる「PvE」(Player vs. Environment)というジャンルだ。ひとり、あるいは2~3人でチームを組み、アーキエンがはびこる現地でさまざまなミッションを遂行していく。
ステージは3つの「サブゾーン」というエリアに分かれており、ひとつのサブゾーンにつき目標がひとつ。合計3つの目標を達成することが目的となる。対象の爆破や捕獲、情報の収集など、目標の種類はさまざまで、同じステージでも挑むたびに内容が変化する。とはいえ、各目標を達成するかどうかは任意なので、必要に応じて脱出地点からいつでもミッションを中断できる。
ミッション中に気を付けなくてはならないのは体力管理。プレイヤーが操作するオペレーターは、体力が自動回復しない。「医療キット」を始めとする一部アイテムや、後述のオペレーターのアビリティを使えば補うことはできるが、それもあくまで体力を一時的に伸ばすだけ。敵の攻撃も基本的に厳しく、いかにダメージを受けずにミッションをこなせるかが重要になる。
体力がゼロになったオペレーターは敵に捕まり、現在進めているミッションは失敗になってしまう。敵の撃破や目標の遂行などで手に入れた経験値も消える。特に重要なのは、敵に捕まったオペレーターは救出するまで使うことができないという点だ。仲間を助けるため、今度は別のオペレーターを使ってミッションに挑むわけだが、当然敵にやられるリスクがつきまとう。
マルチプレイの際に体力がゼロになると、対象のオペレーターは「ダウン」状態になる。このあいだに味方が蘇生すれば、ダウンしたオペレーターはその場で復帰可能だ。ただし、2度目はダウンではなく「気絶」状態になり、この場合の蘇生は不可能。脱出地点にある回収装置まで、誰かが担いでいかなくてはならない。体力がゼロになることは、自分はもちろんチームにとっても致命的になる。
ゾーンの合間には「エアロック」という空間がある。内部には弾薬を始めとする補給用のアイテムが配置されていて、体勢を立て直せる
オペレーターを欠けさせないためにも、体力をできるだけ保ったままミッションをこなせるような、慎重な立ち回りが求められる。アーキエンはプレイヤーが立てた音に敏感に反応するため、銃声を抑える「サプレッサー」を装備したり、ゆっくり移動して足音を消したりすれば、こちらが気付かれることなく一方的に攻撃できる。弱点を撃てば基本的に1発で倒せるので、反撃される心配はなく、弾の節約にもつながる。アーキエンを攻撃する際は、なるべく弱点に狙いを絞ったほうがいいだろう。
多彩な能力を持ったオペレーターたち
本作のオペレーターは全18名。各国のスペシャリストで構成されており、攻撃向けや支援向けなど、さまざまな役割を持つ。最初は9人しか使えないが、「マイルストーン」のレベルを上げていくにつれて少しずつ解放されていく。
オペレーターはメインとサブの武器がひとつずつと、「REACTテック」と呼ばれる、地雷や手りゅう弾などの装備品がひとつずつ、さらに固有の装備である「アビリティ」を使える。アビリティには、味方の体力を一時的に増やす、周囲の敵を探知する、壁を破壊して通路を作るといった能力があり、ミッションをこなすうえで欠かせない。
とくに回復や索敵が可能なアビリティは、ミッション中何度もお世話になった。一撃が致命傷にすらなる本作では、先制攻撃するためには索敵が欠かせないし、オペレーターのダウンや気絶を防ぐためには回復が不可欠だ。ただ、こうした強力なアビリティは使用制限があり、回数そのものが制限されているものや、再使用までに時間がかかるものもあり、メリットとデメリットのバランスがうまく取られている。
経験値をためてレベルを上げると、オペレーターの装備可能な武器やREACTテックが増えるとともに、「スピード」と「アーマー」も上昇する。スピードは移動速度、アーマーは防御力のことで、とくにアーマーが上がれば敵から受けるダメージも減る。最初はもろかったオペレーターもそれなりに打たれ強くなるので、プレイ技術がつたなくてもステータスである程度補うことは可能だ。
全18名となるとレベル上げも大変だが、本作ではなるべく多くのオペレーターを使ったほうがいいような場合もある。先ほど述べた「オペレーターの体力は自動回復しない」という点は、ミッション外にも適用される。厳密に言うと、ミッションから帰ってきても、オペレーターの減った体力は回復しない。回復させるには、別のオペレーターを使っていくつかミッションをこなす必要がある。
オペレーターをそのまま使い続けることは可能だが、初期の体力が低いだけでも十分危ない。結果、プレイヤーは負傷した仲間を回復させるために代わりのオペレーターで出撃せざるを得なくなる。一見するとデメリットだが、これは同時に、さまざまなオペレーターを使う機会が増えるということでもある。
協力プレイが推奨されるゲームで気に入ったひとりをずっと使い続けている場合、そのキャラクターをほかのプレイヤーが選んでしまうと、こちらには代わりがいないので困ったことになる。だが、本作では自然と複数のオペレーターを使うようになっているため、対応できる幅が広くなるのだ。ひと通り試す中で、いままで食わず嫌いで使わなかったオペレーターを好きになるかもしれない。そういう点では、本作の仕組みはプレイヤーとオペレーターの相性検査のような面もある。
体力が自動で回復しないことで緊張感を生むと同時に、その難しさがプレイヤーの適性を確かめるきっかけとしても機能している点はとても巧妙に思える。ミッションが1回20分ほどで終わるという手軽さもあって、短時間で複数のオペレーターを満遍なく試すことができた。
遊ぶときは3人+ボイスチャットが理想
今回のレビューにあたり、FPS経験者の2人を加えた3人パーティーで挑んだが、最低難易度の「中」でさえ難しく、最初は目標を2つクリアするのがせいぜいだった。数時間遊ぶとさすがに慣れてきて、難易度「高」のミッションも最後までこなせるようになったが、それでも安定はしなかった。
今回は試さなかったが、2人で挑む場合はひとりよりも難易度が高くなるとも感じた。2人のうちどちらかが倒れた場合、片方が負傷者を援護しなくてはならないため、2人とも自由に動けなくなる。また、本作のミッションは参加人数に応じて難易度に細かい補正がかかるのも大きい。ひとりがダウンか気絶状態になると、残ったひとりが2人分の補正を受け止めなくてはならないので、ミッションがかえって難しくなる。これが3人であれば、手が空いているひとりがほかの仲間を支援できる。
ただ、こうした難しさがチームプレイを面白くしているのも事実だ。仲間がひとり欠けた状態で任務を続行するか、落ちている回復アイテムを誰が取るのかといった作戦会議は、まさに自分たちが特殊部隊員になったようで臨場感もグッと増す。すでに述べたように、本作はオペレーターを代わる代わる使うように作られており、毎回異なる構成のチームで挑めるので、その都度戦術を組み立てていくのもおもしろい。
チーム同士で連携を取るならボイスチャットがオススメ。定型文による簡易的なチャットが実装されているので、無作為に選ばれた人を遊ぶ「クイックプレイ」でもある程度の連携はできる。とはいえ、数体の敵に攻撃されただけで一気に不利になる可能性を持つ本作では、定型文によるコミュニケーションだけではやや不十分だ。少なくとも慣れないうちはボイスチャットを使って適宜連絡を取るほうがいい。
難易度の高い硬派な作風で、敵の大群をなぎ倒すような爽快感こそ薄いが、「レインボーシックス エクストラクション」は仲間との連携と作戦を立てて動く戦術性が醍醐味になっている。また、対人戦から「PvE」になったことで、ゲームに対するハードルの高さもだいぶ低くなった。FPSに興味はあるが対人戦が苦手という人でも楽しめるタイトルと言えるだろう。本作は定額サービスの「Xbox Game Pass」にも対応予定なので、加入している人はまず試しに触れてみるのもいいかもしれない。
(文・夏無内好)
【ゲーム情報】
■レインボーシックス エクストラクション
発売日:2022年1月20日
プラットフォーム:Xbox Series X|S、Xbox One、PS5、PS4、PC
価格:
・通常版 6,600円(税込)
・デラックスエディション 7,920円(税込)
ジャンル:協力型タクティカル・ファーストパーソン・シューター
プレイ人数:オンライン1~3人
CERO:C
【注意事項】
※PlayStation4版からPlayStation5版へのアップグレードについて
PlayStation4版の「レインボーシックス エクストラクション」(パッケージ版及びデジタル版)をお持ちの方は、100円(税込)にてPS5版にアップグレードが可能です。
PS5でアップグレードされた「レインボーシックス エクストラクション」のPS5版デジタル版をプレイする際には、ご購入いただいた「レインボーシックス エクストラクション」のPS4版ディスクをPS5に入れておく必要があります。
ディスク版からのアップグレードを行うにはPS5が必要です。PS5デジタルエディションではアップグレードを行うことはできません。デジタル版はPS4ダウンロード版とPS5ダウンロード版の両方をダウンロードできます。また、PlayStation Networkへの登録、十分なストレージ容量、高速インターネット接続とその接続料金が必要となります。
※Xbox One版からXbox Series Xへのアップグレードについて
「レインボーシックス エクストラクション」は「スマートデリバリー(Smart Delivery)」に対応。ゲームを一度購入すれば、Xbox OneとXbox Series X版「レインボーシックス エクストラクション」をどちらのゲーム機でもプレイできます。
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