【Steamオススメ】のんびり&ガッツリ遊べる! PC傑作経営シミュレーションゲーム3選!

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。突然ですが、生まれて初めて遊んだ経営シミュレーションゲームがなんだったか覚えていますか? 筆者は、スーパーファミコンの「テーマパーク」でして、自分の理想の遊園地が作れるというコンセプトにワクワクしながら遊んだ思い出があります。というわけで今回は、やめどきを見失ってどっぷりハマってしまう、Steamの経営シミュレーションゲームを特集していきます。

目次
1.動物園経営シミュレーション「Let's Build a Zoo」
2.王道の水族館経営シミュレーション「Megaquarium」
3.不動産経営シミュレーション「The Tenants」

のんびり&ガッツリ遊べる! PC傑作経営シミュレーションゲーム3選!

1.頭がゾウで体がキリン!?30万種以上の動物を生み出せる動物園経営シミュレーション「Let's Build a Zoo」

  • 「Let's Build a Zoo」(Springloaded)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2021年11月5日発売
  • 価格:2,050円(2022年1月14日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 Springloaded

皆さま、最後に動物園に行ったのはいつでしょうか? かく言う筆者もいつが最後だったか、恥ずかしながらよく覚えていません。小学生のときは、動物園は遠足の定番スポットでしたが、大人になってからはなかなか行かなくなってしまいました。行くと絶対楽しいんですけどね……。というわけで、ご紹介する「Let's Build a Zoo」は、そんな動物園がテーマの作品です。


本作は、その名のとおり、自分だけの動物園を築き上げることができる経営シミュレーションゲームです。ドットで描かれた美しくもポップなテイストのグラフィックが特徴的。好きな方は、このレトロゲームを思い出させるビジュアルだけでもワクワクしてしまうのではないでしょうか。



経営シミュレーションゲームというと、やれることが多いために、何をすればいいか、ゲーム序盤に露頭に迷ってしまう、といった問題が起こりがちなイメージがあります。その点について、本作は都度提示される「タスク」のクリアを目標にしてゲームを進められるという、いわゆるクエスト制システムが採用されているため、何をすればいいかで悩むことがありません。同ジャンルの中では比較的難度が低めで遊びやすいゲームであると言えるでしょう。



動物園の華といえば、言うまでもなくバラエティ豊かな動物たち。1匹も動物が展示されていなければ、それは動物園ではなくただの公園です。というわけで、さっそく展示用の動物の檻を作りましょう。まずぐるりと囲いを作って、そこに動物を配置するという、たったこれだけの簡単操作で動物が展示できてしまいます。動物を配置したあとは、水飲み場や環境エンリッチメント(飼育動物の“幸福な暮らし”を実現するための遊び道具など)の設置もお忘れなく。

ちなみに配置する動物は、「ワールドマップ」にある世界各地の動物園で取引をして手に入れたり、動物保護施設「アニマルシェルター」で購入して獲得していきます。妙にリアリティのある、ちょっと凝ったシステムです。



すばらしい動物園に欠かせないものは、動物の展示だけではありません。トイレやゴミ箱、ベンチといった来園者のためのさまざまな設備や、おみやげ屋さんやフードショップ、自動販売機などの商業施設・飲食施設もなくてはならない大切な要素。動物をここに置いて、お店をここに置いて、自販機はお店の隣に……といったふうに、あれこれ配置に悩むのも経営シミュレーションゲームの醍醐味です。

ちなみに、商業施設や飲食施設では、それぞれ個別に詳細の設定も可能。価格の設定はもちろん、ドリンクに含まれるカフェインの割合や、ホットドッグに含まれる化学調味料の割合なんかも細かく設定ができます。売れ行きや動物園の評価を左右する部分なので、じっくり考えながら吟味していきたいところです。

そして、園内に欠かせないスタッフの雇用も重要。清掃スタッフや各種商業施設の販売員など、必要に応じてリクルートし、よりよい動物園のためにしっかり働いてもらいましょう。



園内がある程度充実してくると、新たな施設や設備を作ってさらなる充実を追い求めたくなるのは、経営シミュレーションあるあるです。本作では、ゲームを進めると手に入る「研究ポイント」というものを消費することで、「低木」や「綿あめ売り場」といった新たな要素をアンロックしていくことができる仕組みになっています。このアンロックシステムは、いわゆるスキルツリーのような、段階的に解除されていく仕様になっており、やりこみ要素のひとつとしても楽しめます。



さて、ここまでご紹介してきた内容で、本作を「かなりオーソドックスな動物園経営シミュレーション」だと感じられたかもしれません。 確かに、動物の配置、施設や設備の設置、スタッフ雇用、新要素の段階的なアンロック……というところまでは、経営シミュレーションとして王道なシステムです。しかし、本作には王道とは大きくかけ離れた、とある驚異的な特徴があるのです。

それはずばり、新種の生物を生み出せる「DNA交配」。ゲームがある程度進行してDNA交配施設を建設すると、異なる種同士を交配させて、この世に存在しない摩訶不思議な新種の動物を生み出す事ができるようになるのです。たとえば頭がゾウで体がキリンな「キリンゾウ」や、頭がフクロウで体がブタの「ブタフクロウ」などなど、作れる動物はなんと驚きの30万種以上! 奇妙でヤバい動物を作り出すというこの要素こそが、本作最大の特徴であり唯一無二の魅力となっています。



ゾウとキリンをかけ合わせるようなヤバい動物を作って倫理的に大丈夫なのか? という心配がよぎる方もいるかもしれません。言うまでもなく、ゲーム上で描かれるフィクションの出来事なので大丈夫と言えば大丈夫なのですが、ゲーム内に存在する「モラル」というステータスに影響が出ます。この「モラル」の存在もまた、本作が他の経営シミュレーションゲームと一線を画する大きな特徴。モラルが善の状態か悪の状態かによって、解放できるアンロック要素が変わったり、起きるイベントが変わったりと、動物園経営を左右します。

ときどき来客に混ざって登場する闇の売人と取引を行ったり、ガチョウにニセモノのしっぽを付けてクジャクと偽って展示したりなど、利益と引き換えにモラルを「悪」の方向へ傾かせるイベントも多数存在します。いっそ「悪」に振り切ってしまうプレイというのも、ゲームならではということでおもしろいかもしれません。



異なる種の動物をかけ合わせて新生物を生み出せるDNA交配や、善にも悪にもなれるモラルのシステムなど、オーソドックスな経営シミュレーションゲームに、独自性の強いトガッた要素がブレンドされた「Let's Build a Zoo」。普通の経営シミュレーションゲームにちょっと飽きたな、という方にこそオススメしたいタイトルです。

2.色鮮やかな魚たちに癒やされる!王道の水族館経営シミュレーション「Megaquarium」

  • 「Megaquarium」(Twice Circled)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2018年9月13日発売
  • 価格:2,570円(2022年1月14日時点)
  • コピーライト:(C) 2018 Twice Circled

私事ですが、筆者、昨年東京から大阪へ引っ越しまして、大阪の有名な水族館「海遊館」に遊びに行きました。ジンベイザメの迫力に驚いたり、マンボウのユーモラスさに癒やされたりしたのですが、カワウソのかわいさがとにかく最高でした。また会いたい……。というわけで、ご紹介する「Megaquarium」は、そんな水族館が舞台のゲームです。


本作は、理想の水族館を作ることができる経営シミュレーションゲームです。タイトルの「Megaquarium(メガクアリウム)」は、「すごい、超」などを意味する“mega”と「水族館」を意味する“aquarium”をかけ合わせた造語。その名のとおり、ものすごい水族館を作っちゃおう!と意気込みつつ、ゲームスタート。

提示された目標をクリアしながらシナリオを進めていく「キャンペーンモード」と、制限なく自由に水族館づくりができる「サンドボックスモード」がありますが、まずはキャンペーンモードを進めてルールや操作を身につけていくことをオススメします。ちなみにキャンペーンモードは4段階の難易度を選択でき、シミュレーションゲーム初心者の方は「かんたん」、逆にハードなゲームに挑戦したいという方は「むずかしい」やさらにその上の「とんでもない」を選びましょう。難しいと感じたら途中で難易度を変更できるのもうれしいポイントです。



「キャンペーンモード」では、画面の右上に「目標」が表示されるので、それらの達成を目指してゲームを進めていきます。まず初めに操作の基本であるカメラの動かし方から教えてくれるというていねいっぷりで、もし何をすればわからなくなっても、目標にカーソルを合わせれば詳細を教えてくれる安心設計なので、普段ゲームであまり遊ばないという人でもプレイしやすい作りかと思います。

さて、操作方法を確認したらさっそく水族館づくりに取りかかりたいところですが、水族館になくてはならない設備といえば、言うまでもなくやはり水槽。位置と大きさを決めて水槽を配置したら、さっそく魚を投入……といきたいところですが、このままでは水質が悪く水温も低いため、魚が生きていくことができません。そこで登場するのがフィルターとヒーター。これらの装置を水槽に隣接するように配置することで、水槽の中の水質と温度がアップする仕組みになっています。



水の管理が整ったら、お待ちかねの魚の投入です。本作には、約100種類の海洋生物が用意されており、ゲーム内の研究を進めていくことで新たな生物がどんどんアンロックされていく仕組みになっています。研究と言ってもなにか面倒なことをやらされるわけではなく、来館者が水槽を鑑賞すると「生態研究ポイント」がたまって研究が進行するというお手軽なシステム。黄色やピンクなどの色鮮やかな魚や、それこそ水族館でしか見かけないような珍しい魚が目白押しなので、新たな魚が解放されていくたびにワクワク感が楽しめます。

また、魚ごとに管理方法や注意点が違うというリアリティのある作りになっているのもポイント。
たとえば
・キイロハギは「植物が好きなので水槽に水草などの植物を植える」
・ブラックバーソルジャーフィッシュは「夜行性なので、組み流木など洞窟効果のある装飾品を水槽に入れる必要がある」

などなど、実際の生態に基づいた細かい飼育条件が設定されていて、ちょっとした勉強にもなります。管理にはひと手間かかりますが、しかし、この手間こそが経営シミュレーションゲームならではの醍醐味です。



水槽も魚も準備できたらようやく開館……とその前に、魚の餌やりや壊れた機材の修理、館内の清掃などの仕事のためにスタッフを雇いましょう。スタッフにはそれぞれ資質や得意不得意があるので、館内の状況を見極めながら誰を採用するか決めていきます。

雇用したスタッフには「キミは館内のこっち側半分、そしてキミは逆側の半分で働いて!」というように、担当エリアを指定することもできます。当然、スタッフにはお給料を払わなければならないので、いかに少ない人数のスタッフに効率よく仕事をさせられるかという部分が重要。パズル的な感覚もあり、頭を悩ませながら経営者気分を楽しめます。



さて、先ほど水槽に近接するように設置したフィルターとヒーターですが、そのままではお客さんの目に見える場所(というか通り道)にむき出しの状態でした。これでは正直、見栄えがよくありません。そこで「壁面水槽」と「スタッフ通用口」を設置することで、スタッフだけが入れる水槽の裏側、いわゆるバックヤードを作ることが可能になります。

さらにゲームを進めると、水槽から離れたところにフィルターやヒーターを置けるようになる「ポンプ」も登場し、かなりリアルな水族館に近いものが作れるようになっていきます。このように、やればやるほどどんどん新たな要素がアンロックされ、洗練された水族館づくりができるようになっていく点も、ついついやめどきを失ってしまう本作の大きな魅力だと言えるでしょう。



水槽のレイアウト、魚の管理、スタッフ運用などなど、経営シミュレーションゲームならではの面白さが、遊びやすくシンプルな形でギュッと詰まった「Megaquarium」。カメラを最大までズームインすると、1人称視点で自分の水族館を歩き回れるというお楽しみ要素もあるので、本当に水族館に行ったような気分が味わえるかもしれません。経営シミュレーションゲーム初心者の方から熟練者まで、幅広くオススメできる作品です。


3.大家さんは大忙し!お部屋づくりが楽しい不動産経営シミュレーション「The Tenants」

  • 「The Tenants」(Ancient Forge Studio)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2021年3月25日発売 ※早期アクセス
  • 価格:2,050円(2022年1月14日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 Ancient Forge Studio

アパートやマンションにお住まいの皆さま、大家さんとの関係は良好でしょうか? 筆者が昔住んでいた物件は、窓から大家さんの家がすぐ近くに見える部屋でして、なんとなくちょっと緊張したものでした。ご紹介する「The Tenants」は、そんな大家さんがテーマの作品です。



本作は、プレイヤーが不動産のオーナーとなり、さまざまな物件を管理していく「不動産経営シミュレーション」。こう書くと、なんだか複雑な要素が多そうな印象を受けるかもしれませんが、やってみると意外とお手軽に遊べるゲームとなっているのでご安心を!

というわけで、さっそくゲームスタート。主人公が、新たな仕事を開始するために、ワンダーズビルという名の街へやってきたところから物語が始まります。主人公のおじさんである、白ヒゲとベレー帽が似合う老紳士から、「商売の手ほどき」という名のチュートリアルを受けていきましょう。



最初の仕事は、おじさんの友人であるペドロが住んでいるキャンピングカーの掃除。汚れている個所や壊れている部分にアイコンが表示されるので、それらをクリックして指示を出し、おじさんに片付けをしてもらいます。

掃き掃除から家具の修理まで、すべてこなしてくれる働き者のおじさんに感謝しつつ、清掃が完了したら次にリノベーションを実行。ちなみにリノベーションとは、「革新、刷新、修復」を意味する英語で、既存の建物に対して新たな機能や価値を付加する改装工事のこと。実際のリノベーションは大がかりなものですが、本作におけるリノベーションは、依頼人が希望する壁紙や家具などをリストから選んで、画面内に配置していくだけという簡単操作で行えます。必要なアイテムは画面の右側にリストアップされていて、その文字部分をクリックするだけで該当リストに飛べるという親切設計になっており、サクサク快適にプレイができます。



リノベーションの評価は、住人の好みに合う家具や、質のよい家具を選ぶことで上がります。評価が上がれば報酬もアップするので、高評価を積極的に狙っていきたいところ。さらに、アイテムには相性が存在するものもあり、好相性のアイテム同士を近くに設置することでボーナススコアが獲得できます。たとえばトイレの近くにトイレットペーパーを置き、シャワーの近くにタオルラックを置くと相性がいい、といった具合。部屋を使う人の気持ちを考えて配置することを心がければ、おのずと相性ボーナスが得られる仕組みになっていますが、逆に相性のよくない家具の組み合わせもあるので要注意。こういった要素によって、リノベーションが単なる作業ではないパズル感覚のミニゲームになっており、気付いたら延々と遊び続けてしまう中毒性を生み出しています。



次々とスマホに舞い込んでくるリノベーションの依頼でお金をある程度稼いで、おじさんからもらったアパートのライフラインを復旧させたら、ついに夢の大家さん生活がスタート。
まずはちゃちゃっと掃除をして(実際に掃除をするのはおじさんですが)、リノベーションを済ませたら、住宅見学会を開きます。すると、ほどなくして入居希望者がやってくるので、家賃交渉を行い契約完了! これでめでたくプレイヤーのアパートに、初めての住人が生まれました。自分が手間ひまかけてリノベーションした家を新生活の舞台に選んでもらえたという、このなんとも言えないうれしさは、大家さん冥利に尽きる感覚といったところでしょうか。



……が、しかし、ここで終わらないのが大家さんのお仕事。何かとトラブルがつきものなのは、現実もゲーム内の生活も同じです。
「部屋に“G”が大量発生!」「地震の影響で壁が崩れた!」など、住人からトラブル発生の連絡がくるので、プレイヤーはおじさんに対応をお願いするか、有料で業者に依頼するか、それとも無視するかを選択しなければなりません。おじさんを派遣した場合はプレイヤーが手動で作業をすることになりますが、業者に頼めば自動で完了してくれるので、別の場所でリノベーションなどほかの作業をしているときは業者の利用がオススメです。ちなみにトラブルを無事解決できれば住人からの評価がアップし、信頼を獲得できるので、着実に成功させていきたいところ。住人の対応に右往左往させられるこの忙しさも、本作の醍醐味のひとつです。



筆者的な本作の推しポイントは、リノベーションの楽しさです。現実でも部屋の模様替えが好きという方はいると思いますが、本作ではその感覚がゲームならではのお手軽さで存分に味わえます。依頼者の提示する条件さえ満たしていればゲーム的には問題ないので、かっこいい部屋や変な部屋など、感性のおもむくままに自由にお部屋づくりが楽しめるのがポイント。レベルが上がると新たに使えるアイテムがどんどん増えていくのもモチベーションが上がります。この「お部屋づくり」の要素は、人を選ぶ面白さではありますが、好きな人はたまらなくどっぷりハマってしまう部分だと思います。



リノベーションや住人対応といった、忙しくも楽しい要素が目白押しの「The Tenants」。本作は、本記事執筆時点で早期アクセスゲームとなっているため、正式リリース時にはさらなるクオリティアップやコンテンツの充実が期待できます。気になる方はぜひプレイして、大家さん体験を味わってみてください。

ゲームの中で、今日からあなたも敏腕経営者!

というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。

動物園、水族館、アパートと、経営できる施設は違っても、どれも時間泥棒の面白さがあるという点では3作共通です。現実世界では何かを経営する体験はなかなかできないものですが、今回ご紹介した中で気になるタイトルがあった方はぜひ、ゲームの中で思う存分、経営手腕を振るっちゃってください!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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