【インタビュー】淡く可憐な光に包まれた、新しい麻倉もも。ニューシングル「彩色硝子」を語る

2021年11月にソロ活動5周年を迎えた、麻倉もも。それを越えての10thシングル「彩色硝子(ステンドグラス)」が、2022年3月2日にリリースされる。ノンタイアップとなった今作は、「幸せいっぱい」をコンセプトに、自身の今の思いをファンに伝える楽曲に。温かくてやさしくて、今までよりもどこか大人っぽい、麻倉ももの歌声を感じてほしい。

幸せは、同じくらいのバランスで、与えたいし与えられたいんです


──麻倉さんは昨年11月にソロデビュー5周年を迎えられました。今回のシングルはそれを越えての最初の1枚ということになります。まずはソロ5周年を迎えての気持ちをお聞かせください。

麻倉 時間を意識せずに活動してきて、気づいたら5年経っていたという感じですね。CDリリースもライブも1つひとつの体験が濃密で、どれもすぐに思い出すことができるので、あまり時間が経った気がしないんです。それこそ、ソロデビューすることを初めて聞かされた瞬間のことも鮮明に記憶にあって、もう5年も前なんだと改めて思いました。

──5周年を越えてのニューシングル「彩色硝子」は、前作の「ピンキーフック」からがらりと雰囲気を変えて、大人っぽい曲になりました。

麻倉 はい。「ピンキーフック」はかわいいに全振りした曲でしたが、今回は方向性を変えて、落ち着きがありつつ、爽やかで伸びやかな曲になったと思います。

──新曲を作るにあたって、最初にどのようなことを考えたのでしょうか?

麻倉 ソロデビュー5周年の10thシングルということで、自分の言葉で「私は今、こういうふうに思っているよ」ということを歌いたいという思いがありました。それでスタッフさんと話し合って出てきたのが「幸せいっぱい」というコンセプトで、曲調的にはミディアムバラードでキラキラ感のあるものがいいんじゃないかということで、たくさんの候補曲の中からイメージにぴったりの曲を探していきました。

──作曲者は光増ハジメさんです。この曲を選んだポイントは、なんだったのですか?

麻倉 今回のコンセプトである「幸せいっぱい」感が楽曲全体から伝わってきましたし、サビの雰囲気もすてきで、未来への希望の光を浴びているような印象があって、この曲を選ばせていただきました。

──歌詞は、「さよなら観覧車」や「スマッシュ・ドロップ」といった楽曲で組んできた宮嶋淳子さんです。作詞にあたっては、どのようなやり取りがありましたか?

麻倉 「私が幸せを感じている瞬間を描いていただきたいんです」と、歌詞のおおまかなイメージをお伝えしたときに、幸せに対する考え方についてのアンケートをいただいたんです。「私にとっての幸せとは何か」とか、「どういうときに幸せを感じるか」という問いに答えていったことから、いろいろなことを汲み取って、歌詞を書いてくださいました。

──麻倉さんは、どういうときに幸せを感じるんですか?

麻倉 「お風呂に入って、ボーッとしているとき」とか「雨の日にお家にいるとき」と回答しました(笑)。日常の中のなんでもないことに幸せを感じるタイプなんです。それから、「幸せは与えたいほうですか、与えられたいほうですか?」という質問もありました。

──どうお答えしたのでしょうか?

麻倉 「同じくらいのバランスで、与えたいし与えられたい」とお答えしました。どちらかに偏っていたら、いつか相手に対するバランスがくずれてしまうんじゃないかと思うんです。

──今のお答えは、歌詞にうまく織り込まれているように感じます。

麻倉 私もそう思います。一番ストレートに出ているのは、2番の「“本当は愛し愛されたい”」と“”付きになっているところで、「あ、ここ、私がアンケートに書いたことだ」と思いました(笑)。

──その部分は、愛に対して受け身なだけじゃなく、自分からも愛したいという意思を感じて、聴いていても強く印象に残りました。

麻倉 やっぱり人との関係は、どんな場合でもフィフティフィフティがいいと思うんです。むしろ私は、そうじゃないとイヤだなと思ってしまうタイプですね。

──しっかりと意思のある歌詞なので、身の回りのことを歌っているのにメッセージ性を感じさせるんですよね。そこがすばらしいなと思いました。

麻倉 最初からノンタイアップで、私自身の思いを表現する曲として作らせていただいたうえに、宮嶋さんとアンケートでやり取りさせていただいたことで、私自身の言葉がしっかりと入っている曲になりました。

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