【Epic Games】ライトゲーマーもヘビーゲーマーも楽しめる! 血と鋼鉄の3Dメカアクション「DAEMON X MACHINA」レビュー
アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買い過ぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。突然ですが、「メカ」はお好きでしょうか? 以前、筆者はアキバ総研で「メカが主役のPCゲーム3選!」という記事を書きましたが、ゲームとメカは相性バツグンであり、切っても切り離せない濃密な関係である、と断言してしまってもよいのではと考えている今日このごろです。というわけで今回は、そんな「メカ」が堂々たる主役の作品、「DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)」をご紹介していきます。
「DAEMON X MACHINA」の物語と世界観を紹介! 月の落下により人類存亡の危機を迎えた世界で繰り広げられる、熱き鋼鉄の戦い……!
「DAEMON X MACHINA」は、マーベラスから発売されたメカアクションゲームです。2019年にNintendo Switch版にてリリースされ、その後、2020年にSteam版、2022年にはEpic Games版がリリースされました。今回はEpic Games版をプレイしてのレビューをお送り致します。
さて、「メカのゲーム」というと、どんなジャンルの作品であっても、システム・世界観・グラフィック・音楽のすべてがゴリゴリに硬派なゲームである、という固定観念を強く持っている筆者なのですが、本作「DAEMON X MACHINA」のひと目見てわかる大きな特徴は、トゥーンシェーダーで描かれたやわらかなアニメ調のグラフィック。これによって、どちらかと言えば「ガチゲーマー向け」なモチーフとしてイメージされることの多いメカをメインに据えた作品でありながら、ライトで親しみやすい印象をプレイヤーに与えてくれます。
それではまずは、本作のストーリーからご紹介していきましょう。
物語の舞台となるのは、月の落下により人類存亡の危機を迎えた世界。のちの時代に「目覚めの日/THE FIRST DAY」と呼ばれることとなる厄災によって、輝く赤い光とともに月が崩壊し、月の半分は静止軌道上にとどまり、半分は地上に落下してしまいました。この出来事により文明は崩壊し、月から放出された新たなエネルギー資源「フェムト」が、世界に恩恵と驚異をもたらしたのです。
そんな中、世界では、復興用のAIたちが突如、人類の制御下から離れ、人類を排除する行動パターンを持つ「イモータル」と化します。いっぽう、時を同じくして、フェムトの影響を受けて特殊な能力を持つようになった「アウター」と呼ばれる新たな人類が誕生。戦闘用に開発された外部装甲「アーセナル」を起動させることができるアウターたちは、傭兵集団「解放旅団」を結成し、自己増産を続けるイモータルたちと一進一退の攻防を繰り返していきます。新人の傭兵として混迷極まる戦場の中を生き抜く主人公が、戦いの果てに目にするものとは……? というのが、本作のあらすじ。
「月の落下」や「文明の崩壊」といったハードな要素に、「イモータル」「アウター」「アーセナル」といった独自のSF用語がからみ合い、大作映画やオリジナルアニメを思わせる壮大なストーリーが生み出されています。個人的には「月が落下して文明が崩壊してしまった世界」や「月から放出された新たなエネルギー」といった設定には、思わずグッとひきつけられる魅力を感じました。
本作は、「オファーオーダー」と呼ばれるミッションをクリアしていくことで物語が進んでいく、ミッション制が採用されています。
オーダーをクリアすることで報酬を獲得し、傭兵としてのランクが上がることでさらなるオーダーを受けられるシステムは、無機質に提示されるミッションをただ単にこなしていくのとは違い、「物語の世界の傭兵として、自分の意志で、組織から与えられた任務にあたっている」という、没入感のあるプレイが楽しめる仕掛けになっています。
筆者的には、ゲームを開始して最初にプレイするチュートリアル的なオーダーが、「アウター適性検査」と銘打たれている点に「おおっ」と思いました。いきなり大きな任務を与えられるよりも、「まずは適性検査をして、合格すれば傭兵として登録される」という流れのほうが、新人という主人公の設定的にもリアリティがありますし、プレイヤー側としても「右も左もわからないけど、とにかくなんとしても合格しなければ……!」という緊張感が味わえました。(と言いつつ実際は、適性検査ミッションの難易度は低めなので、アクションが苦手な方でも安心ですよ!)
「DAEMON X MACHINA」のバトルシステムを紹介! さまざまな武装を駆使してスピーディーで爽快感あふれるバトルを楽しもう!
それではいよいよ、メインとなるアクション部分のご紹介をしていきましょう。
オーダーと呼ばれるミッションをクリアすることで、物語が進むシステムについては前述のとおりですが、そのオーダーの内容は「敵性AIの殲滅」や「区域の調査」など、さまざまな種類が用意されています。
プレイヤーはこれらのオーダーの達成を目指して、外部装甲「アーセナル」を操作し、3Dで描かれた戦場を駆け回っていくこととなります。3人称視点の画面上には、レーダーや照準、武器の残弾数や自身の各種パラメーターなど、数多くの情報がHUD(ヘッドアップディスプレイ)風に表示されます。この情報量の多さが「コックピットでメカを操縦している感」があり、グッとくるポイントのひとつではありますが、情報が多すぎると感じた場合は、表示のオン/オフや表示位置など、細かく自由にカスタマイズできるので安心です。
さて、「メカの操縦」と聞くと、筆者なんかはどうしてもハードルが高そうな印象を抱いてしまうのですが、実際のアーセナルの基本操作は、大きく分けて「攻撃」と「ジャンプ」、そして「ブースト(加速)」という、3Dアクションとしては比較的オーソドックスなラインアップになっています。
「ジャンプ」はその名のとおり、地面から空中へと跳び上がる動作ですが、アーセナルはジャンプからそのまま「飛行」へと移行することが可能となっています。筆者個人的には、陸を駆け回るよりも飛行状態で空を飛び回るほうが、快適で気持ちよく感じました。
「ブースト」は、スタミナを消費して一時的に加速できるアクションです。敵の攻撃の回避、ターゲットである敵への接近、そしてスピーディーな移動と、何かと使うことの多い便利なアクションになっています。
これら飛行とブーストをうまく使いこなすことで、陸も空も境界なく、360°を自由自在に駆け巡ることができるのが「DAEMON X MACHINA」の魅力のひとつ。「移動するだけでも気持ちいい」という、アクションゲームの理想形のような、爽快感バツグンの操作感が楽しめます。
「攻撃」は、主に両手に装備した「レフトアーム装備」と「ライトアーム装備」を用いて行います。
たとえば「レフトアームに盾、ライトアームに銃」というように、種類の異なる武器を装備することができるので、それぞれを状況に応じて使い分けていくという特徴的な戦い方が求められます。逆に、両アームにまったく同じ武器を装備して弾切れの際にもういっぽうを使う、というような立ち回りもアリ。自分にあった戦略を考え出せる奥深さが魅力です。
武器はレフトアームとライトアームだけではなく、レフトパイロン、ライトパイロン、ショルダー、オーグジュアリの4つをプラスし、なんと計6つも装備することが可能となっています。
左右のパイロンは、予備の武器を装備できる個所で、戦闘中にいつでもリアルタイムで付け替えることができ、ショルダーとオーグジュアリにも、それぞれ専用の武装を装備可能。当然、装備できる個所が多いと、その分、覚えることも多くなってしまいます。とは言え、機体の各部位にさまざまな武器を装備して自在にカスタマイズできるという本システムは、「メカゲームで遊んでいる!」というリアリティと充実感をプレイヤーに与えてくれるプラス要素であるように筆者は感じました。
攻撃における注意点としては、銃やミサイルなど一部の武器は、敵をロックオンにしなければ攻撃を与えることができません。6つの武装を使いわけつつ、ロックオンとなると、かなり複雑そうに思えますが、実際は画面中央の照準の中に一定時間敵を捉えるだけで自動的にロックオンしてくれるシステムになっているため、比較的簡単に操作できる印象でした。
さて、あらすじの中で、月から放出された新たなエネルギー資源「フェムト」のことをご紹介しましたが、実は、この「フェムト」は物語だけではなく、バトルにも密接に関わってきます。
まず前提として、主人公が戦うフィールドにはフェムトが漂っており、アーセナルは自然とフェムトを吸収していく仕組みになっています。そのたまったフェムトを用いて、アーセナルは戦闘能力を向上させることができるのです。
そんなフェムトの使いみちのひとつが「粒子兵装」。なんともSFチックな名前ですが、この粒子兵装には、アームウェポンの攻撃力をアップさせる「アサルト」、アーセナルのブースト移動中のスピードをアップさせる「ウイング」、そして粒子の壁で敵からの攻撃を防ぐ「シールド」の3種類の形態があり、それぞれ好きなタイミングでいつでも切り替えられます。とは言え、フェムトが一定量以上ないと発動できないので要注意ですが、フェムトは自然回復のほかにも、撃破した敵が残した残留フェムトを吸収したり、フィールド上に点在する濃度の高いフェムトエリアでより早い回復もできるので、深刻なフェムト不足にはならない印象でした。
もうひとつのフェムトの使いみちは「ミラージュ」。蜃気楼を意味する言葉ですが、これは発動することで質量を持った自分の分身を生み出すことができるという驚きの能力です。分身は自動的に動いて戦ってくれるので、戦力にもなり、かつ囮にもなるというスグレモノ。粒子兵装同様、こちらも戦闘がグッと楽になる能力なので、アクションが苦手な方は特に積極的に活用していきたいところです。
最後にもうひとつ、攻撃における特徴的な要素をご紹介しましょう。それは、ズバリ「つかみ技」。アーセナルは、ステージ中に置かれた一見ただの飾りに見えるオブジェクトのいくつかをつかんで、攻撃アイテムとして使用することができるんです。道路標識を引っこ抜いて近接武器のように振り回したり、自動車を持ち上げて投げつけたりと、巨大メカならではの豪快さで敵を撃破! 直感的で気持ちいいアクションとなっています。
6つの武装、フェムト、オブジェクトのつかみ投げなど、バトルに関する操作は少々覚えることが多めではありますが、ロックオンの操作が簡単だったり、敵を自動的に攻撃してくれる武器があったり、NPCがオートで戦闘を手伝ってくれたりと、アクションの難易度を下げる要素が多数用意されているので、かなりカジュアルにプレイすることができます。アクションゲームがあまり得意ではないという人でも、安心して爽快なバトルを楽しむことができる作りになっていると筆者は感じました。
ココがスゴい!「DAEMON X MACHINA」の筆者的推しポイント
本作の推しポイントとして筆者がまずあげたいのは、なんと言っても「バトルの気持ちよさ」です。空を飛び360°を自在に動き回る気持ちよさ、ブーストで戦場をスピーディーに駆け抜ける気持ちよさ、ロックオンした敵を次々に撃墜していく気持ちよさと、とにかく本作にはプレイしていて気持ちいいポイントが数多く用意されています。さらに、派手なエフェクトや小気味よい効果音の相乗効果によって、その気持ちよさは倍増。ついついやめどきを見失ってしまう中毒性があります。
敵を倒して装備を獲得する、いわゆる「ハック&スラッシュ」的な要素も、見逃せないポイントのひとつです。
本作では、バトル中、撃破した敵のアーセナルに近寄って回収を行うことで、アーマーやウェポンなどをひとつ獲得することが可能となっており、獲得した武装はその場で即換装もできます。倒れた相手の装備を剥がしてその場で自機を強化するというこの弱肉強食的なシステムは、まさに“戦場”を感じさせますが、とにもかくにも、より強い装備を手に入れるための周回が、はかどること間違いなしのこのハクスラ要素によって、本作はハマると戻れなくなる「沼」ゲームになっているのです。
さらにもうひとつ筆者が推しておきたいのは、豊富に用意されたカスタマイズ要素。ウェポンやアーマーといった機体の性能に関わる部分のカスタマイズのボリュームはもちろんのこと、本作は、見た目に関するカスタマイズもたっぷり楽しむことができるんです。
プレイヤーが操作するアーセナルは、ヘッド/ボディ/ライトアーム/レフトアーム/レッグといった、それぞれの部位のカラーリングを自由に変更したり、デカールを貼ってドレスアップしたりとカスタマイズが可能。好きな方なら、この見た目のカスタマイズだけでも時間を忘れて遊び続けてしまいそうな充実っぷり。さらに、本作はオンラインマルチプレイにも対応しているので、カスタマイズした自慢の機体をほかのプレイヤーにお披露目するという楽しみもあります。これもまた、ハクスラ要素とは別の意味での「沼」ですね……!
「DAEMON X MACHINA」は、メカゲームに苦手意識を持つ人にこそ遊んでほしい作品!
というわけで、「DAEMON X MACHINA」をご紹介しました。
「硬派な世界観」と「豊富なカスタマイズ要素」、そして「遊びやすいゲームシステム」が融合し、ヘビーゲーマーからライトゲーマーまで誰でも幅広く楽しむことができるメカゲームに仕上がっている「DAEMON X MACHINA」。正直なところ、筆者はこれまでメカを操作するアクションゲームに対して「難しそう」「複雑そう」という先入観と若干の苦手意識を持っていたのですが、本作をプレイしたことによって、そういった苦手意識が見事に払拭されました。メカやSFが好きな方はもちろんですが、3Dアクションゲームをあまりプレイしたことがない方にもオススメできる作品です。興味が湧いた方はぜひ、傭兵となってアーセナルに乗り込み、“信念と血と鋼鉄の物語”を体験してみてください。
- タイトル情報
- 「DAEMON X MACHINA」(Marvelous Inc.)
- ジャンル:アクション
- 2022年1月28日発売(Epic Games版) 価格:6,578円(2022年2月21日時点)
- コピーライト:(C)2021 Marvelous Inc. Licensed to and published by XSEED Game
- 筆者:百壁ネロ
- ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
- Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
- Twitch:https://www.twitch.tv/nero100kabe
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