旧キットの金型改修で爆誕した1/144ザク・マリナーを組み立てたら、「機動戦士ガンダムZZ」の混沌ワールドに溺れかけた!【80年代B級アニメプラモ博物誌第20回】

「この連載、半年に1度はガンプラを投入しないと、本当に誰にも読んでもらえなくなるのでは?」と、いつものように担当編集氏に不安を訴えたところ、「それはわかるんですけど、廣田さんの持ってくるガンプラって『Z』か『ZZ』ばかりですよね……」との鋭い指摘を受けた。
「機動戦士Zガンダム」(1985年)~「機動戦士ガンダムZZ」(1986年)の時代って、模型雑誌は熱心に読んでいたけど、大学生だったし「もうガンプラじゃねえだろ?」という覚めた気持ちだったので、いま作ると新鮮なんだよね。なので、今回は「ZZ」に出てきた「ザク・マリナー」です。

▲ 初代ガンプラのフォーマットを受け継いで、あいかわらず無名のパイロットが印刷されている。この機体、「機動戦士ガンダムUC」にも出て来たみたいだけど、「マリン・ハイザック」とどう役割が違うのか、今ひとつ存在意義のわからないモビルスーツだよね

で、このキットの面白いところは1983年に発売されたMSVシリーズの第1弾、「MS-06RザクII」の金型を改修して新しいキットにしている点。これは、06Rを設計した村松正敏さんから直接聞いた話で、ランナーを足しただけではなく金型を改造したとのこと。村松さんと言えば、前に取り上げたサイコガンダム(#)も村松さんの設計とのこと。この情報もご本人の自己申告なので、間違いないよ!

▲ この青いランナーは、ザク・マリナーのために新しく作られたもの。左上のタグに「1/144ザクマリナー」(ナカグロなし)との表記が見える

▲ ヤバいのが、この緑色のランナー。本来は06Rの複雑なスネの彫られていた部分に、ザク・マリナーの肩パーツが新しく彫られている。胴体のパーツは部分的に改修されているが、06Rの肩につく板状のシールドとトゲのついたアーマーが丸ごと残っている

▲ この細長いランナーは、ほとんど06Rのまま。06Rでしか使わないバーニア周辺の小さなフィン類が、たくさん残っている。「1/144ザク06R」と彫られていたタグは、きれいになくなっている。プラが流れないよう、溶接してせき止めると聞いた

面白いよねえ。ランナーを増やしてバリエーションを作ってしまう発想がスケールモデルっぽい。同じように旧キットの金型改修を前提にデザインされたモビルスーツは「ドワッジ」、「ディザートザク」、「アイザック」、「リゲルグ」、「ガズアル」と「ガズエル」だっけ。金型の改修ってそれなりに面倒だそうだけど、ちゃんとコスト節約になったんだろうか? その辺は、どんぶり勘定だったのかな。
でも、いいんですよ。プラモデルなんて、どんぶり勘定で。アバウトに行きましょうや、アバウトに! なので、ニッパーと接着剤だけで、今日も適当に! 気軽に! 素組みしますよ!

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