3つの名作シューティングを遊びつくせ!「コットン ガーディアンフォース サターントリビュート」の巻【つみゲ部! 第14話】

ここは積木橋(つみきばし)大学ゲーム研究部。略して「つみゲ部」の部室。

研究とは名ばかりで、部員たちが各々ゲームを持ち寄り、ただひたすら遊ぶだけの部活動である……。

◆つみゲ部 部員紹介◆
紺ノ下ゆま(こんのした ゆま) 主人公。19歳の大学一年生。明るく素直で礼儀正しいがちょっと天然な性格。ゲームは雑多に、カジュアルに、興味があるものをいろいろとやるタイプで、どんなジャンルのゲームでも毛嫌いせずに楽しむ。
駅丘沙遊里(えきおか さゆり) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の部長。語りだしたら止まらない熱血ゲーマーで、ゲームの知識が豊富。昔のゲーム(ファミコン以前のマニアックなものもカバー!)から最新のゲームまで幅広い知識を持ち、話題作からマニアックなものまで気になるゲームはなんでも買う。でも、ゲームの腕前はイマイチらしい。
切島スイ(きりしま すい) 大学二年生の20歳で、つみゲ部の副部長。沙遊里とは大学一年の春に出会った。沙遊里の影響でゲームにハマり、今ではすっかりゲーマーになったギャル系女子。どんなジャンルのゲームでもちょっと触ったらコツを掴んですぐにうまくなる天才肌ゲーマー。


ある日の夕方。今日も今日とてゲームで遊ぼうと、一年生の部員・紺ノ下(こんのした)ゆまが部室へとやってきて、そのドアを開けた。

お疲れ様ですー♪

部室では、部長の二年生・駅丘沙遊里(えきおか さゆり)が、頭を抱えてなにやら悩んでいた。

今日は何からプレイするかな……。「コットン2」から遊ぶか、それとも「コットンブーメラン」を遊ぶか……。いや、ここは「ガーディアンフォース」を最初にプレイするというのもアリだな……ううむ……!

そんな沙遊里を呆れたような表情で眺めているのは、副部長の二年生・切島(きりしま)スイだ。

あのさ~沙遊里、せっかくだし、3つとも全部遊んじゃえばいいんじゃないかなって思うんだけど……。

ハッ! その手があったか!! さすがはスイだな……よ~し、じゃあ今日は3つのゲームをすべて遊ぶぞっ!

いや、沙遊里、さては最初っから3つとも全部遊ぶつもりだったでしょ……。

ギクッ!!

ギクッて声に出して言う人初めて見たよ!?

(なんだか2人とも楽しそうだな~……♪)

2人のやりとりを見ながら部屋に入り、席に座るゆま。これでつみゲ部の部員3人、全員勢揃いとなった。

あの、今日はたくさんのゲームで遊ぶんですか?

おお、ゆまっ! そのとおり、今日は1本で3作のシューティングゲームが遊べてしまう、「コットン ガーディアンフォース サターントリビュート」をプレイするぞ!

えっ! これひとつで3つもゲームが遊べちゃうんですかっ!? お、お得ですねっ……!

ね、めっちゃお得だし、ワクワクするよね♪

うむ。このワクワク感は、たとえるなら、3種類のクッキーが楽しめる詰め合わせセット、3種類のフルーツが入ったミックスジュース、3種類のチョコが味わえるスペシャルアソートパック、3種類の……。

いやどんだけ、たとえ出てくんの!? もうわかったからっ!

あ、あはは……。

3つの名作シューティングが現代によみがえる!

それではさっそく、まずは『コットン ガーディアンフォース サターントリビュート』について説明をしよう。

はい、お願いしますっ♪

そもそもこの『コットン ガーディアンフォース サターントリビュート』だが、タイトルに“サターン”という文字が入っていることからもわかるとおり……。

「セガサターン」のゲームってことでしょ!

先に言われた~っ!!

声でかっ! ごめんごめん!

……コホン。まあ、そのとおりだ。本作は、1997年、1998年にサクセスがセガサターン用にリリースした3作のゲームを収録したタイトルとなっている。

なるほど~♪

セガサターンのゲームが現代に復活って、レトロゲーマーにはたまらない感じだね♪

うむ。しかも、本作に収録されている3作はもともとアーケードゲームで、ゲームセンターで人気を博していたものなんだ。

ということは、アーケードゲーマーの人にとってもたまらない作品ってことですね!

まさにそのとおりっ! 昔懐かしいゲームセンターの気分も思い出せるかも知れないな♪ というわけで、まずは本作に収録されている中から「コットン」シリーズについて紹介をしよう。「コットン」シリーズは、1991年に生まれた2D横スクロールシューティングゲームだ。

1991年ってことは……去年、2021年で30周年だったんだ!

歴史があるシリーズなんですね~!!

うむ。1991年当時、シューティングゲームシーンでは、SFチックな設定や、メカや戦闘機といった硬派なムードの作品が主流だったのだが、そこに女の子のキャラクターを自機として操作する、ポップでかわいいビジュアルと世界観の作品を投じたのがこの「コットン」シリーズだったんだ。

今でこそ、かわいいシューティングゲームってメジャーだけど、「コットン」がその先駆け的な作品だったってことだね。それってスゴいね~♪

さらに、「コットン」シリーズは、ステージ間にキャラクター同士のコミカルなかけ合いが見られる点も話題を呼んだんだ。シューティングゲームにそういったシナリオの要素を取り込んだのも「コットン」が元祖だと言えるだろう。そんな「コットン」の主人公は、本名は「ナタ・デ・コットン」と言い、お茶と甘味が大好きな食いしん坊の魔女なんだ。特に、妖精が作る幻のお菓子「ウィロー」に目がないぞ♪

コットンちゃん、見た目も設定もかわいいですね……♪

食いしん坊なところも、なんだか共感できちゃうね~♪

ですね~♪ 私もウィロー食べてみたいですもん♪

いっぽう、本作に収録されている「ガーディアンフォース」は、サイバー戦車が大活躍するメカメカしいSFシューティングゲームだ!

おお~っ、カッコいい! こっちは「コットン」とはガラッと変わって硬派な感じ♪

うむ! ハンマーボルト帝国の野望を打ち砕くために、フォースの力を持つ秘密結社ガーディアンの戦車が立ち向かうという、壮大な物語になっているぞ。

「ガーディアンフォース」はどういうシューティングなんですか?

2D見下ろし型視点の、多方向強制スクロールシューティングだ。360°を攻撃できるというのが特徴だな。

「コットン」シリーズとは、見た目とか雰囲気だけじゃなくてゲーム性もガラッと違うんだね~。

そんな「コットン」シリーズ2作と「ガーディアンフォース」の、合わせて3作が1本で遊べちゃうのが「コットン ガーディアンフォース サターントリビュート」ってことですね♪

言いたいことを全部言われたっ!! もとい、言いたいことを全方位撃ち抜かれたっ!!

いや、わざわざシューティングっぽく言い直さなくていいから!

……コホン。とにもかくにも、今日は本作に収録されている3つのゲームをすべて遊んでもらうぞ! ゆま、スイ、準備はいいかっ!

はいっ♪

遊ぶぞ~♪

ハッ!! 「準備はいいか」じゃなくて「出撃準備は万端か」って言えばよかった……!!

だから、無理にシューティングっぽくしなくても……。

あ、あはは……。

「コットン2」をプレイ! コマンドショットやキャッチを駆使して大空を駆け回れ!

ではさっそく、まずは「コットン2」を、ゆまにプレイしてもらおう!

はいっ♪

と、その前に、まずは操作方法の確認をしておこう。「コットン2」の基本的な操作は、ショット、キャッチ、そして魔法の3種類だ。ちなみにショットはボタン押しっぱなしで連射にはならないので、連射がしたければボタンを連打するんだぞ!

おお~、その感じ、古きよきゲーセンシューティングって感じだね!

とは言いつつ、実は本作には連射やコマンドをボタンに割り当てて設定できる機能も搭載されているぞ。自分の好みのプレイスタイルで自由に遊べるのは嬉しいポイントだな!

あの、部長さん、ショットと魔法はなんとなくわかるんですけど「キャッチ」っていうのはいったい……?

ふっふっふ、それはプレイしてみてのお楽しみだ……! さあ、それではスタートだっ!

はい、がんばりますっ! ……って、ステージじゃなくてお話が始まりましたよ!?

うむ、これぞ「コットン」の真骨頂! ステージスタートの前に、まずはストーリーをじっくりと堪能するんだっ!

ふむふむ、「アプリ」って子が秘宝の水ウィローをお城から持ち出しちゃったんだね。それで、水ウィローをなくしちゃって、コットンと出会ったわけだ。

うむ、すると、ウィローが大好きなコットンがすかさず食いついてきたというわけだ!

アプリちゃんもコットンちゃんも、かわいいですね~♪

では改めて、ゆま、行くんだっ!

行きますっ! ……じゃなくて、いっくぽ~ん♪

あ、コットンのマネだ♪

えへへ、マネしてみました~♪ よ~し、とりあえずショットをガンガン撃っていきますよ~!

自機も敵もサイズが大きめで、マンガチックな雰囲気だね~♪

うむ、見ているだけで楽しくなってしまうような、この独特のグラフィックが「コットン」シリーズの味だな♪

ねえねえ沙遊里、もしかしてこのゲーム、ライフ制になってる?

そのとおりだ、よく気づいたなスイっ! シューティングでは、一度敵の攻撃を受けると残機が減っていく「残機制」の作品があるが、本作はライフ制が採用されているため、何度か敵の攻撃に耐えられるようになっているんだ。とは言え、ライフがなくなってしまえばゲームオーバーなので、気を引き締めるんだぞっ!

は、はいっ! あっ、敵を倒したらなんだかカラフルなアイテムが出てきましたよっ!

これはクリスタルだな。敵編隊や特定の敵を通常ショットで倒すと出現するぞ。ショットを当てると色が変わり、黄色を取ると経験値と得点が入り、赤・青・緑ならショットの属性が変化して、さらに使える魔法も変わるんだ。ちなみに、色はほかにも存在するぞ!

へ~、経験値とか属性の要素があるんだ! RPGみたいで面白いね♪

せっかくのご説明であれなんですが、敵の攻撃を避けるのに精いっぱいで、きちんと聞いてるヒマが……! って、あれ!? な、なんかコットンちゃんが敵をつかみましたよっ!?

ずばり、それが「キャッチ」だっ!! もう一度ボタンを押すことで、つかんだものを投げて攻撃できるぞっ!

て、敵をつかんで投げられちゃうのっ!? なんかシューティングの常識を打ち破られた感じがするっ!

ふっふっふ、甘いぞスイっ! 本作には、もっとシューティングの常識を超えた要素が存在する! それが「コマンドショット」だっ!!

特殊なコマンドを入力することによって、通常のショットよりも強力なショットを放てるのが「コマンドショット」なんだ。この「コットン2」には4種類のコマンドショットが存在するぞ!

わ~面白いっ! 格ゲーみたいじゃん!!

さらに、このコマンドショットを敵に当てると、敵を「封印」することができる。封印された敵に追い打ちするとライフを回復する「回復ウィロー」が出現するぞ! また、封印された敵をつかんで投げて周りの敵を巻き込んで爆発させる「連爆」も狙えるんだっ!

敵をぶつけて連鎖を起こすってこと!? これは確かに、シューティングの常識を超えまくってるね……!

とかなんとか私達がしゃべっている間に、ゆまは中盤を越えているぞ!

おお~、ゆまっち、順調じゃん♪

敵をつかんで投げてぶつけるのが楽しいんですよ~♪ でもライフがかなりギリギリで……って、あっ! やられちゃいました……!

案ずるな、ゆまっ! 本作は、コンティニューができるのだ!

ゲーセンだったらお金を入れなきゃいけない場面だね♪ あきらめずにコンティニューして再チャレンジだ、ゆまっち~♪

はいっ!!

それからしばらくして、ゆまは、ついにボスへとたどり着いた……。

ぼ、ボス、おっきいですよ~っ!?

うむ! インパクト抜群のボス戦も「コットン」の特徴だっ!

「WEAK POINT」って出たところが弱点だね! ゆまっち、撃ちまくれ~っ!!

は、はいっ! でも結構、危ないかもしれません~!

そんなときは「魔法」の出番だっ!

ゆまっち、いけ~っ!!

はい! 魔法を発動しますっ!!



こうして激戦の末、ゆまはボスに勝利した!

やった~、勝ちましたよ~っ! って、あれ? 「TEA TIME」って出ましたけど……?

わ~っ、湯のみがめちゃくちゃ降ってくるよ~!?

ボス戦のあとに始まるボーナスタイム、「ティータイム」はコットンの名物だ! 取ったお茶の数に応じてボーナススコアが手に入るぞ! 稼ぎまくれ~っ!!

は、はい~っ!!

ちなみに、これはナイショの話だが……お茶をひとつも取らずにティータイムを終えればシークレットボーナスもあるぞ~……。

いや、ナイショの話の割に、めちゃくちゃハッキリ聞こえてるよ!?

そんなこんなで、「コットン2」のステージ1を無事クリアしたゆまなのだった……。

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