「機甲創世記モスピーダ」のレギオス・アーモダイバー(イマイ)を組み立てたら、“中間形態”ゆえの不安定さにクラクラした!【80年代B級アニメプラモ博物誌第21回】

「機甲創世記モスピーダ」(1983年)のプラモデルって、なかなか扱いづらい。というのはイマイ、エルエス、学研の3社から同時展開されていた割には、味方側のメカが2種類しか発売されていないから。この言い方では大雑把すぎるので説明すると、味方側のメカであるライドアーマー(タイトルになっているモスピーダもこの一種)と戦闘機からロボットに変形するレギオス、この2種類だけ。ライドアーマーの中でもバイクから変形可能なキットや非変形で少し形状の違うタイプも出ていたり、レギオスも可変キット、頭と色の違うタイプ……など、かなり細分化してはいる。そのくせ、ちょっと見ただけだと、「どこがどう違うの?」「なんで色が違うの?」ととまどってしまうのだ。
今回とりあげたキットは、イマイ製の「レギオス・アーモダイバー〈エータ〉」。過去のインタビューで、デザインした荒牧伸志さん自身が「それじゃあ、バルキリーの後追いだなぁ」(#)と回顧しているように、ロボット形態から戦闘機形態への変形途中、「超時空要塞マクロス」のバルキリーで言うところのガウォーク形態なのである。

▲ 「TVアニメでは、アーモダイバーがアーモソルジャーに変形します。キットはアーモダイバーを再現してあります」と、ていねいな説明が箱に書かれている。可変キットと間違われるのを防いだんだろうけど、確かに変わったキットだとは思う)

▲ 箱の側面に「TOY PLANET」という店舗さんの値札シールが貼ってあり、「¥320」だったらしい。しかし、このページの最上段の写真を見ればわかるように「BOOK OFF」さんが「¥600」に値上げして、マジックで消してある? 発売当時の定価は300円でした

イマイ製の「モスピーダ」シリーズは何度か再販され、アオシマからも復刻されているので、手にした人も多いと思う。今回のアーモダイバーも、イマイから再販されたものらしい。なぜなら、説明図では頭部パーツがレギオスの中の「エータ」のもの1種類しか印刷されていないのに、このキットの中には「イオタ」「ゼータ」の頭部パーツも入っているのだ。

▲ タグには「1/72ダイバーI」「1/72ダイバーH」「1/72ダイバーZ」と刻印されており、それぞれイオタ、エータ、ゼータの3種類の頭部パーツがひとつのランナーに収まっている。初回の発売時は、このランナーを3色で成型して、わざわざパーツを切り離していたのだろうか?

▲ このランナーは各タイプ共通なので、タグには「1/72アーモダイバー」とだけ刻印されている。ちゃんと設定どおりにライディングスーツを着用したパイロットが付属している。手首の造形もスマートだし。イマイらしい清潔感のある雰囲気に、早くもメロメロ

▲ よく見てほしいのが、翼の斜め上に位置するパーツ。丸い穴に、1本だけラインが走っている。洒落たデザインの胸のインテークなのだが、ちゃんと向こう側まで穴が抜けているのが素晴らしい……目立たない個所なのに、すごくていねいに成型してある

い、いかん、美しいランナーを眺めているだけで陶酔してしまう。もう、ヘトヘト。なんというか、こんないい材料を揃えておいて、まずいカレーができるわけがない。こんなシャープに成型されたパーツから、カッコ悪いプラモデルができるわけがない。いや、そこまで断言してしまうと不安になる。そんな時の選択肢は、いつでもひとつ。パーツを切り離して、組み立てるだけさ!

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