【インタビュー】鈴木みのり、TVアニメ「勇者、辞めます」のOP「BROKEN IDENTITY」で新境地を開拓! ニューシングルのすべてを語る

現在放送中のTVアニメ「勇者、辞めます」のオープニングテーマ「BROKEN IDENTITY」を歌っている鈴木みのり。同曲を表題曲にした通算6枚目のシングルが、2022年6月1日にリリースされる。
主人公レオの今までとこれからを歌った、アップテンポかつシリアスな楽曲で、かっこよさを追及したボーカルに。ミュージックビデオ(MV)でもアグレッシブなパフォーマンスを披露している。
カップリングの2曲も含め、今回のシングルの収録曲はすべて、初タッグとなるクリエイターからの提供曲。ジャケット写真も大人っぽいたたずまいで、新たな鈴木みのりを感じさせる1枚になった。
さらに、初回限定盤AにはアニソンカバーBlu-ray、初回限定盤Bには去年のライブを収めたCDと特典も豪華。注目せずにはいられない6thシングルだ!

「BROKEN IDENTITY」は、100%アニメに寄せた曲になりました


──今回のシングルは、いつごろレコーディングしたんですか?

鈴木 表題曲の「BROKEN IDENTITY」が一番早くて去年の11月くらいです。ひとつ前のシングルの「サイハテ」をリリースしてすぐくらいに録ったんじゃないかな。カップリングの2曲はちょっと時間が空いて今年の3月にレコーディングしました。

──アニメタイアップがついている表題曲のみ先行して録ったという感じですね。「勇者、辞めます」は4月から放送がスタートしました。主人公はちょっとクセがある青年なんですけど、周りにいる魔族のみんながいい人たちで、ストーリー的にも爽やかですね。

鈴木 みんな一生懸命に生きているのがいいですよね。物語が進むと「BROKEN IDENTITY」の歌詞の意味が、より伝わるんじゃないかと思います。

──今回の歌詞は一人称も「僕」ですし、主人公レオの心情にかなり寄り添っていますよね。

鈴木 今までのアニメタイアップの曲は、鈴木みのり像もまじえつつアニメにもシンクロしつつという、いろいろな面から曲を楽しめるような作り方だったんですけど、今回は100%アニメに寄せてという意識が強く出た曲になったなと思います。ディレクターさんが総監督の信田ユウさんと何度も打ち合わせをして、作詞のnana hatoriさんも何度も書き直しをしてくださったんだそうです。

──かなり綿密にアニメ制作サイドと話し合いながら、作詞をしていったんですね。

鈴木 そうですね。いつも、ある程度曲ができあがったところで仮歌のレコーディングをするんですけど、今回だけはそれが2回あったんです。さらに本番のレコーディングの日にも歌詞が変わるという。私も、頭の中にひとつ前の歌詞が残っていて、そっちを歌ってしまったりしました(笑)。

──今までとは違うご苦労があったと。

鈴木 でも、その分、言葉がしっかり音にはまっていますし、内容的にもステキで、覚えてしまえばすごく歌いやすかったです。

──歌詞には、今後の展開がいろいろと盛り込まれているように感じました。

鈴木 物語を知れば知るほど意味がわかってくる歌詞になっているので、アニメから入った方と原作を読んでいる方とでは、最初はとらえ方が違ったんじゃないかと思います。私も原作を読ませていただくまでは日常系のほんわかとした作品だと思っていて。やさしい感じの曲が来るのかなと思っていたら全然違ったので、びっくりするあまり「この曲、私で合ってますか?」って聞いてしまいました(笑)。


──作曲・編曲はMao Yamamotoさんですね。

鈴木 ヘビーメタル、ハードロック系がお得意な方なんです。そこもまた私にとっては新鮮でした。Maoさんも作詞のnanaさんもレコーディングに立ち会ってくださって、こういう楽曲ならではのリズムの取り方、歌い方をアドバイスしてくださいました。それから監督さんとやり取りしたことを踏まえて、どう作品に寄り添って歌うかという点についても教えていただきました。それもあって、最終的に楽曲を自分のものにできたと思います。

──作詞、作曲のお2人とも密なコミュニケーションが取れたんですね。

鈴木 お2人とも私よりは年上ですがお若い方で、アニメ主題歌を作ることがひとつの夢だったとおっしゃっていて。この曲にかける想いを感じました。Maoさんのことは、以前からディレクターさんに「メタルサウンドでかっこいい曲を書く方がいる」と聞かされていて、今回初めてご一緒できたのでうれしかったです。

──この曲の鈴木さんのボーカルは、いつもより凜々しさを感じました。

鈴木 本当ですか? キャラクターソングではかっこいい曲を歌わせていただく機会がいくつかあって、そこで得た引き出しを引っ張り出したり、学生のころにLiSAさんの歌が好きで何度も歌っていたので、そういうときの自分を思い出して歌いました。

──MVも拝見しました。YouTubeでは、1コーラスバージョンが公開中ですね。

鈴木 映像もかっこよくしていただいて。でも「サイハテ」「BROKEN IDENTITY」とデビュー当初のポップな感じとは違ったシングルが続いたので、少しだけ楽しい要素も入れていただきました。

──それは1コーラスバージョンでは見られない、間奏部分のことですよね。

鈴木 あれは映っていないところにメイクさんや衣装さんがいて、休憩中に雑談しているところを、こっそり撮られていたんです。それからカットがかかった後、かっこいい表情から素に戻ったときの映像も撮られていて(笑)。完成したMVを見て、私がびっくりしました。

──ああいう映像がさりげなく入ってくるのが、鈴木みのりのMVという感じがしました(笑)。

鈴木 でも、「これは大丈夫なんでしょうか?」ということで、1回、議論になったんです(笑)。監督さんから「これは絶対に譲れないから。これは僕のこだわりだから」とめちゃめちゃ力説されて、私が折れました。CDリリース以降はフルバージョンが公開されるので、ぜひ楽しみにしていてください。

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