【「彼女、お借りします(2期)」特集!vol.1】「1期では嫌いだった和也のことが好きになりました」水原千鶴役・雨宮天インタビュー&撮りおろしグラビア!【前編】

TVアニメ「彼女、お借りします」第2期が、現在、絶賛放送・配信中だ。今回は、ヒロイン・水原千鶴を演じる雨宮天さんにインタビューを行なった。

「彼女、お借りします」は、宮島礼吏さんによる「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の大人気ラブコメ作品。主人公・木ノ下和也の理想の彼女・水原千鶴は実はレンタル彼女=レンカノで……? という秘密をもった2人と周囲の人々の物語が描かれている。2020年7月にアニメ第1期が放送されて人気を博すと、今夏より待望の第2期の放送が決定した。

今回は魅力的な「かのかり」ヒロインの先陣を切って、水原千鶴役の雨宮天さんのインタビューをお届けする。1期ではあまり和也のことが好きではなかったという雨宮さん。その心境の変化について、じっくりとお話をうかがった。

雨宮天が語る千鶴の魅力

──TVアニメ「彼女、お借りします」の第1期がもう2年前になります。改めて第1期の感想と周囲の反応などがあれば教えてください。

雨宮 もう2年前になるんですね! 1期はアフレコ含めてすごく楽しかった印象が強いです。作品自体がとても面白くて好きでしたし、キャストさんもすごく個性的な方々で、ご一緒するたびに楽しい話を聞けたりもしました。スタッフ、キャストともに仲がよくて、現場の雰囲気も和気あいあいとした感じですごくよかったです。放送後は、ほかの現場のスタッフさんからも「『かのかり』見ましたよ!」とよく言われました。あとは海外での支持がすごく高かったんです。まさに日本という空間での日常や恋愛を描いた作品だと思っていたので、海外からの反響は意外でした。理想の女性像って日本でも海外でもあまり変わらないのかな? 世界共通なのかなと思ったりしました。

──海外ではだれが人気なんでしょうか?

雨宮 千鶴じゃないんですか!? 私は千鶴だと思ってました(笑)。

──雨宮さん自身が和也の立場に置かれたら、ヒロインの誰を選びますか?

雨宮 それならやっぱり千鶴だと思います(笑)。大学が一緒で、しかも部屋もお隣さん。そうなるともう意識せずにはいられないと思いますし、たぶんあっという間に好きになっちゃうと思います。

──改めて作品の魅力を改めて教えてください。

雨宮 完全にいち読者の感想のようになってしまうのですが、好きなのはずっとハラハラさせてくれるところ。ひとつちょっとうまくいったと思ったらこんどはこっちがしっちゃかめっちゃかになったりして、ドキドキ要素が絶え間なくあるんです。2期でさらに思うのは、しっかりした人間ドラマがあることですね。キャラクターたちを掘り下げていくと、どのキャラもみんな好きで、どのキャラも一生懸命。そこから生まれるドラマでたくさん泣きました。和也と千鶴の関係もそうですし、おばあちゃんたち家族との関係も含めた人間ドラマが素敵です。

──水原千鶴という女の子の魅力はどういうところだと思いますか?

雨宮 千鶴の魅力は、レンカノモードの水原千鶴としての見た目や対応を含めた完璧なところがまずあると思います。それが一ノ瀬ちづる(千鶴の本名)になると、和也に対してツンとしながらも、ほっておけないところがあったりして、そういうお人好しなところがすごく魅力的だと思います。どちらの千鶴も、すごく強い芯があることは変わらないと思うんですけど、意外と和也に振り回されちゃうところがあって、そういう人間らしいところが魅力だと思います。

──演技を通じて、千鶴の新しい魅力を発見することはありますか?

雨宮 私は千鶴が和也と会った後に、自分の部屋に戻って見せる表情が好きなんです。そういう時のふとした独り言とかがすごくかわいらしいなと思います。

──雨宮さん自身が千鶴に共感したり、親近感を覚えたりするポイントはありますか?

雨宮 基本的にはとても共感できる存在です。自分がこうなりたい、こうありたいというものがあって、そこに向けてしっかり進んでいく姿勢にはとても共感できます。1期の和也の……なんて言ったらいいのかな(笑)。もう大丈夫、次こそは!という割に、言葉通りにはならずにぐでぐでっと状況に流されてしまう、情けないところにイラっときたり、怒ったりという感情にはひたすら共感できます(笑)。



雨宮天、実は和也が嫌いだった!?

──2期を迎えて、演じる心境などに変化はありましたか?

雨宮 2期では千鶴の置かれている状況や抱えているもの、彼女の気持ちがより深く描かれているので、それにともなって千鶴がちょっと弱さを見せるシーンがあるんです。そこのいつも強がってはいられない、ついこぼれてしまう弱さのようなものは大事に、繊細に演じたいなと思っていました。だから1期との違いというと、弱さを演じたことだと思います。

──千鶴の弱さを演じるうえで意識したポイントがあれば教えてください。

雨宮 千鶴が持っている弱さって、千鶴自身の弱さから出ているものではないと思うんですよね。物事に対して本気で、抱えているものの大きさから出てしまうものだと思うんです。だから、自分でも抑えたいんだけどどうにもならないんだ、という感じを出したいなと思っています。涙の中にもどうしたらいいかわからないような悲痛さがあるのを、抑えた演技の中でも出せたらいいなと思っていました。

──お話しできる範囲で、2期における和也の言動にときめいたりキュンとしたシーンなどはありますか?

雨宮 観劇後のシーン──千鶴の舞台を見終わったあとの、和也の全力の励ましですね。周りが見えないぐらい想いをぶつけてくれていました。私自身が千鶴に深く共感しているからこそ刺さったというか、台本も涙なしには読めませんでした。そこで和也の印象も変わって、1期では嫌いだった和也のことが好きになりました。すごく心に来たシーンですね。

──1期で和也が嫌いだったという理由と、ここを見直したというポイントを教えてください。

雨宮 千鶴が本当の彼女じゃなくてレンカノであることとか、おばあちゃんに対してついている嘘が多いじゃないですか。それで本当のことを言う!と決意するんだけど、状況に流されていって、しかもそれに千鶴を巻きこんでいくところが、かっこ悪いなと思って(笑)。自分で言ったならちゃんとしなさいよって思っちゃいましたね。見栄を張ったり大きなことを言うけど行動がともなわないところが好きになれませんでした。

でも2期になって、千鶴がキツい状況に置かれることが多いんですが、そこで和也が寄り添ってくれるんです。ちゃんと千鶴のために行動したり、まっすぐ想いを伝えてくれることが増えて、力になってくれるんですよ。そういうところを見ると和也いい奴だなと思って、好きになりましたね。

後編に続く!

(取材・文/中里キリ、撮影/金澤正平)

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