アニメライターが選ぶ、2022年秋アニメ注目の5作品を紹介!【アニメコラム】
2022年秋の新作アニメはアキバ総研調べで60本以上。その中から注目作を紹介します。ガンダムシリーズ最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」、フジテレビ「ノイタミナ」にて放送の「うる星やつら」、「週刊少年ジャンプ」連載の話題作「チェンソーマン」、「まんがタイムきららMAX」原作の「ぼっち・ざ・ろっく!」、ブシロードとブロッコリーがおくるミニアニメ「令和のデ・ジ・キャラット」の5本をピックアップしました。
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ガンダムシリーズ7年ぶりのテレビアニメは初の女性主人公を採用。アスティカシア高等専門学園を舞台に、水星からやってきた転入生スレッタ・マーキュリーと搭乗機ガンダム・エアリアルの活躍を描く。ガンダムでは珍しく学園もの要素を取り入れたいっぽう、学園はモビルスーツ産業最大手の巨大グループが運営しており、多くの企業によって経済圏が構築されているというバックボーンも見逃せない。組織再編によってブランド名となったサンライズが送る新たなガンダムに注目だ。
放送に先駆けて、本編の前日譚「PROLOGUE」が配信中。ガンダムシリーズの主人公は、初撃破の瞬間がいつ、どのように訪れるのかに好奇の視線が注がれる宿命にあるが、スレッタは4歳の誕生日に3機も撃墜しているのだから恐ろしい。魔女の名にふさわしい呪われた過去を持つ彼女はどのような未来をつかむのだろうか。
高橋留美子のデビュー作が小学館創業100周年記念として完全新作アニメ化。恋多き高校生・諸星あたると鬼族の宇宙人・ラムが全4クールにわたって再び騒動を巻き起こす。
第2弾PVは主題歌に乗せてキャラクターたちが叫びまくるという「うる星」らしい騒がしくもにぎやかな出来映え。あたる役の神谷浩史と、ラム役の上坂すみれをはじめ、新キャストによる芝居は前作の声優陣にリスペクトを捧げながらもオリジナリティが感じられ、声を聞いているだけで放送が待ち遠しくなってしまうほど。新しい世代のファンを巻き込んで話題を呼ぶだろう。また今回は原作からセレクトしたエピソードを映像化すると明かされているが、前作でオリジナル要素が追加されて異様な存在感を発揮したメガネの扱いがどうなるのかも気になるところ。
借金を返済するために悪魔を狩るデビルハンターとして過酷な日々を過ごす少年デンジ。裏切りによって命を落した彼はチェンソーの悪魔ポチタと契約し、悪魔の心臓を持つチェンソーマンとしてよみがえる。公安デビルハンターの戦いを描いたダークアクションの映像化は、「呪術廻戦」の大ヒットも記憶に新しいMAPPAが担当。複数の企業が出資する製作委員会方式ではなくMAPPAが100%出資している点からも、同社が本作にかける意気込みが伝わってくる。
メイントレーラーでは、両手と頭にチェンソーが付いた異形のヒーローが、空を駆けながら踊るように悪魔を刻む迫力のシーンが確認できた。キャラクターの目が次々と映し出される中、瞳を持たないチェンソーマンの異様さが際立っている。さらにEDテーマに毎回異なるアーティストを起用するなど、規定外の豪華な作りで全12話を駆け抜けていく。
「まんがタイムきららMAX」連載のバンドマンガが原作。バンド活動に憧れてギターを始めたものの、極度の人見知りゆえに友だちのいないぼっちちゃん=後藤ひとりが、とあるきっかけからガールズバンド・結束バンドのメンバーになり、新たな日常を歩み出す。第1弾PVでは、ぼっちちゃん役の青山吉能によるモノローグを中心に、ライブハウスでの演奏に挑む心境がていねいに映し出された。「現実は怖い。でもこれから楽しいことがたくさん待っている気がする」というセリフが青春ストーリーを予感させる。
物語の舞台はバンドマンの聖地とも言われる下北沢。ライブシーンはもちろん、壁に貼られた大量のステッカーや狭くて急な階段を下りた先にある暗い入口など、ライブハウス独特の雰囲気も味わえそうだ。先行上映会をタワーレコードで行うなど、バンドアニメならではのプロモーションもうれしい一作。
1998年生まれの「デ・ジ・キャラット」が令和の世に新プロジェクトを始動。ホビーショップ「ゲーマーズ」のマスコットキャラとして活動し、ネコ耳やメイド服などの萌え要素を散りばめたデザインや、語尾の「にょ」という口癖で一世を風靡した「でじこ」が、またまた大暴れする。「デ・ジ・キャラット」のアニメは複数制作されたが、今回は深夜バラエティ番組内で放送された通称「ワンダフル版」に準ずる内容だと明言。暴れん坊なる正体不明のハイテンションキャラが登場したり、納豆が実写で出てきて秋葉原を壊滅させたりと、かつてのシリーズで見せたカオスな展開にも期待がかかる。
プロジェクトを告知する「でじこのYouTube部屋」も配信中。第13回ではでじこ自身が桜井弘明監督に直撃取材を敢行。「監督にとって『デ・ジ・キャラット』とは何ですかにょ?」と、インタビュアーが一番してはいけないド直球の質問をためらいなく発するところに、でじこのライターとしての才能を感じさせる。この度胸が自分にも備わっていれば……と思わず嫉妬に駆られるインタビュー映像だ。
(文・高橋克則)
(C) 創通・サンライズ・MBS
(C) 高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA
(C) はまじあき/芳文社・アニプレックス
(C) BROCCOLI illustration:Koge-Donbo*
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