【秋アニメ】声優業界は特殊な“個性”持ちが集う業界だった!? 「僕のヒーローアカデミア」第6期スタート記念! 岡本信彦×佐倉綾音2ショットインタビュー後編
2022年10月1日より「僕のヒーローアカデミア」(以下、「ヒロアカ」)第6期の放送がスタート!
“個性”と呼ばれる超常能力を持つ人々の存在が当たり前の世界を舞台に、主人公のデクこと緑谷出久(CV:山下大輝)が社会を守り、“個性”を悪用する犯罪者“敵(ヴィラン)”に立ち向かう“ヒーロー”になるべく、ヒーロー育成の名門・雄英高校で仲間たちとともに成長する物語が展開する本作。
今回の第6期ではヒーローvs敵(ヴィラン)のいまだかつてない激闘「全面戦争編」が描かれるという。
過去の記憶を取り戻し覚醒した死柄木弔(CV:内山昂輝)率いる、敵(ヴィラン)の巨大勢力“超常解放戦線”が決起。その情報をNo.2ヒーローのホークス(CV:中村悠一)の内偵により入手した警察と、No.1ヒーローのエンデヴァー(CV:稲田徹)をはじめとするプロヒーローたちは、総力をあげた大規模作戦を展開する。その作戦にデクたち雄英高校ヒーロー科の生徒も参加し、壮絶な戦いへと挑む。
アキバ総研では、本作に登場する爆豪勝己役の岡本信彦さんと麗日お茶子役の佐倉綾音さんにインタビュー! 後編では2016年の放送スタートから6年が経過した今、岡本さん、佐倉さんが感じている自身の変化について、さらに互いの芝居について感じていることをうかがった。
⇒【秋アニメ】佐倉綾音は敵(ヴィラン)堕ち寸前!? 「僕のヒーローアカデミア」第6期スタート記念! 岡本信彦×佐倉綾音2ショットインタビュー前編
── 全面戦争に突入する第6期は、アフレコもより熱が入りそうですが、収録はいかがですか? ディレクションにもより力が入っていたりするのでしょうか?
岡本 音響監督の三間さんはめちゃくちゃ耳がいいから、すぐバレるよね。そういった意味での緊張感は第1期の時からあります。ご本人いわく「心の針」が触れるらしいんです。頭じゃなく、心でわかるそうなんです(笑)。
佐倉 「ヒロアカ」の現場は、ちょっとしたセリフでも気を抜いたらすぐにバレます。「ヒロアカ」の現場で緊張感を切らす人っていない気がしますね。結構、みんなパキっとスイッチを切り替えている印象です。
岡本 確かに。分散収録でも緊張感はしっかりあるイメージがあります。疲労は感じないけれど、エネルギーは使う気がします。疲れを感じたのは、この前の朗読劇(7月24日開催の「ヒーローフェス」内でのオリジナル朗読劇)のときかな。オリジナルだったこともあったし。
佐倉 大変でしたが、すごく新鮮ではあった気がします。なにより強く感じたのは(演じる)私たちは(アフレコが始まってから)7年分歳をとっているということ。
岡本 本当にそれだよね。
佐倉 老いとの戦いが……。
岡本 老いって止められないんだね、ってわかったよね。
佐倉 あっという間の7年間だったけれど、肉体はしっかり老いてると感じました。だって、昔はイベント2回まわしとか余裕だったのに、あの日は家に帰ったらメイクも落とさずソファで寝るというのを数年ぶりにやりました。とりあえずメイクを落として、明日のチェックをしてから寝るというのがルーティンなのに、帰ってすぐにソファで動けなくなって、起きたら夜中の3時でした(笑)。
岡本 僕は逆に全然寝れなかった。疲れすぎて、寝る体力が残っていなかったみたいで、「あれ? まだ3時? まだ4時?」って何度も繰り返してきつかった……。
佐倉 おじいちゃんのよう……(笑)。でも本当に久しぶりにすごく体力を消耗しました。やっぱり作品として絶対にミスできない。そういう思いがすごく強くなる作品だから、「ヒロアカ」のイベントでは気の張り方が段違いなんですよね。
岡本 キャラクターを求めているファンの方の気持ちに応えたいから、ミスはできればしたくないしね。もちろん、気持ちが入っていれば多少のミスもカバーできるくらい役は染み付いているけれど、でも、できることならミスりたくない。ファンの方のキャラクターへの愛が強いのもすごくわかるし。
佐倉 ファンの方の熱も、シンプルに業界トップクラスだと感じています。特にあの日のイベントはびっしり人が入っていたから、キャストも自然と力が入っちゃって。
岡本 (エンデヴァー役の)稲田(徹)さんとかもすごく楽しそうだったよね。
佐倉 先輩が楽しそうにしている姿は、気合もはいるけれどすごくうれしくなります!
── ここからはお互いの印象についてお話しいただきます。お互いの声や芝居をどのように感じていますか?
岡本 ヒロインボイスと言われている声優さんっていっぱいいると思うのですが、個人的にヒロインボイスのことを考えるときに頭に浮かぶのは、なぜかあやねる(佐倉さんの愛称)の声質だったりする…
佐倉 え゛──―っ!? 意外です!!
岡本 ヒロインとヒーローのかけ合わさった声の質が、あやねるにはすごく強くあると思っています。少し前のヒロイン、特に学生の頃のヒロインのイメージってどちらかというとかわいい声という印象が強いけれど、今のヒロインはヒーローの側面もとらえているキャラクターが多いですよね。強い女性、芯の強い女性、しっかりした女性のイメージを体現した声質の真ん中にいるのがあやねるというイメージが僕の中にあります。
その理由を考えたときに思ったのは、必死なお芝居の時に心を揺さぶるものを持っていて、その声質に芯があるんです。それは「夢喰いメリー」(2011年放送のアニメ。岡本さんと佐倉さんがダブル主演していた)の頃からあると感じていました。数年前に、透明感のある声質がはやった時期もあったけれど、今は、またちゃんとしっかりマイクに乗る声が好まれている印象があります。その真ん中にあやねるがいると思っています。似た声質の人も浮かばないけれど、誰かに似てるって言われることある?
佐倉 言われたことないかもしれないです。
岡本 だよね。不思議な声質だと思っています。いろいろ考えたけれど、本人がアイドルをやっていないというのも理由なのかなと思ったりもして。
佐倉 我ながら今やちょっと珍しい声優だと思っています(笑)。
岡本 そう。でも、声質ってそういうことだと思うんだよね。
佐倉 まあ、シンプルに私がアイドル系をできないというか、ずっと逃げ続けていたというか……。だから怪我の功名、みたいなところはあると思います(笑)。アイドルの印象がついていない人にお願いしたいというオーディションに参加しやすいのはかなりラッキーかもしれません。
岡本 でも、やろうと思えばちゃんとアイドルの声もできるでしょ。ぶっちゃけ、ちゃんとかわいいいと言われる声だと思ってるし。
佐倉 本当ですか? うれしいです!
岡本 凛としたというよりも、かわいらしい少女の声質の側面も持っていると思うよ。
佐倉 人の声の研究をするのがすごく好きだったので「この人の声質が欲しい」と思ったら、発声を真似したり、口の中がどうなっているのかを想像しながら研究していた成果かもしれません(笑)。自分では特に特徴のない声だと思っていましたが、モブでもバレるとはよく言われます。でもあまり好きじゃない自分の声を、そんな風にのぶさんに言っていただけるとすごくうれしいです。私も主人公の声となると、のぶさんが真っ先に浮かびます。
岡本 え? 本当に?
佐倉 なんでもできると思っているけれど、とにかくビックリするのは喉の強さ。のぶさんが喉を痛めているのを見たことがないです。
── 「ヒロアカ」でもですか?
岡本 いや、でも劇場版2作目「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」のときは血が出たよ。
佐倉 え? 血が出たんですか?
岡本 あの時は数時間かけて叫びまくってたから、トイレでぺって吐いたら(「ドラゴンボール」の)悟空もびっくりの血が出てて……。でも、大輝くんも「血が出た」って言ってたから、「僕ら血出しながら戦ってるんだね」って笑って終わった(笑)。
佐倉 いや、「ヒロアカ」の現場では当たり前、のように話されても(笑)。そんな現場聞いたことないですよ。
岡本 収録後にディレクターさんに焼肉おごってもらって、すごくおいしかったっていう楽しい記憶しか残ってないな。実際に声帯を傷つけていたわけじゃなく、多分、喉と鼻の間に空気が当たりすぎてそこから出血したのかな、なんて話していたけれど。
佐倉 でも、明らかに負担はかかっていますよね。爆豪の声をずっと出し続けるのは、正直普通の人だったら喉壊していると思います。すごく強靭だし、才能だと思います。
── 確かに、観ているほうも喉は気になっていました。
岡本 「ヒロアカ」の収録週にソロライブとかあると、喉大丈夫かなってドキドキすることはあるかも。でも、喉は本当に強かったみたいで。2020年にきれいにしたけれど、実は声帯が爪の材質になっているって言われて……。
佐倉 はい? どういうことですか?
岡本 ポリープではなく硝子変性といって、爪の硬さを持った声帯になっていたらしく、それをきれいにしたから今は普通の声帯になっていると思う。
── 「ヒロアカ」仕様の強い声帯になっていたのですね。
佐倉 でも、「ヒロアカ」またいだ時期の除去だから……。
岡本 そうそう。結果またいでるから、どっちが「ヒロアカ」仕様なのかわからないけれど(笑)。ちゃんと調べてみたら、声優は変わった声帯持っている人、多いかもしれないよね。ちなみに浪川(大輔)さんは声帯が真っ黒になっているらしいし、関智(一)さんは声帯結節取ろうとすると、声帯がなくなってしまう状態になっているらしい。研ぎ澄まされた刃じゃないけれど、その中で発声するなんて尋常じゃない。先輩たちの声帯とかちょっと気になります。
佐倉 そういう特殊能力持ちが、なにかと多い業界なんです(笑)。
── まさに“個性”ですね。
佐倉 そうなんです。でも今思うと、最初に爆豪をのぶさんがやると聞いた時、とてもびっくりしたかも。そのときはまだ好青年の声質のイメージしかなかったから。「のぶさんが?」と驚いたけれど、今となってはかっちゃんに耐えられる声優って多分、のぶさんしかいないと思います、喉的にも(笑)。
岡本 メンタル的にもね。
佐倉 そうですね(笑)!
岡本 叫ぶとメンタルが明日のことを考え出してしまうけれど、それはそれでと置いておける性格でよかったと思います。
佐倉 そういうポジティブさも爆豪向きで、ピッタリです!
(取材・文/タナカシノブ)
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