【秋アニメ】佐倉綾音は敵(ヴィラン)堕ち寸前!? 「僕のヒーローアカデミア」第6期スタート記念! 岡本信彦×佐倉綾音2ショットインタビュー前編

2022年10月1日より「僕のヒーローアカデミア」(以下、「ヒロアカ」)第6期の放送がスタート! 

“個性”と呼ばれる超常能力を持つ人々の存在が当たり前の世界を舞台に、主人公のデクこと緑谷出久(CV:山下大輝)が、社会を守り、“個性”を悪用する犯罪者“敵<ヴィラン>”に立ち向かう“ヒーロー”になるべく、ヒーロー育成の名門・雄英高校で仲間たちとともに成長する物語が展開する本作。

今回の第6期では、ヒーローvs敵(ヴィラン)のいまだかつてない激闘「全面戦争編」が描かれるという。

過去の記憶を取り戻し覚醒した死柄木弔(CV:内山昂輝)率いる、敵(ヴィラン)の巨大勢力“超常解放戦線”が決起。その情報をNo.2ヒーローのホークス(CV:中村悠一)の内偵により入手した警察と、No.1ヒーローのエンデヴァー(CV:稲田徹)をはじめとするプロヒーローたちは、総力をあげた大規模作戦を展開する。その作戦にデクたち雄英高校ヒーロー科の生徒も参加し、壮絶な戦いへと挑む。

アキバ総研では、本作に登場する爆豪勝己役の岡本信彦さんと麗日お茶子役の佐倉綾音さんにインタビュー! 前編ではかつてない壮絶な戦いが描かれる第6期への思い、第5期までを振り返り、印象深いシーンやキャラクターについて、さらにアフレコや作品に対する気持ちの変化についてうかがった。

── いよいよ「全面戦争編」に突入です。第6期を控えた今の心境を教えてください。

岡本 爆豪でいうと仮免試験を突破して、ひとつ成長できた中でようやく敵(ヴィラン)たちと戦えるという段階ですが、岡本個人としてはずっと言ってきた“強さのインフレ”にどこまでかっちゃんが耐えられるのかという点がすごく心配です。本音を言えばあまり戦ってほしくないんです(笑)。デクが強くなりすぎていることもあり、かっちゃん少しキツそうだなと思っています。今のデクに本気を出されたら正直ちょっと勝てないような気がしていて。どこまで戦闘力が持続できるのか……。

もちろんかっちゃんもとても強いのですが、チートクラスの敵が多くて、「爆破」というストレートな“個性”が勝ち続けるのは難しい気がしています。

それこそ劇場版2作目「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」での爆豪の爆破はすごかったけれど、あそこまでの力が出せないシーンでは、ちょっときつい印象があります

佐倉 技巧派が増えてきているから、技巧派VS真っ直ぐとなったときには、確かにちょっと不利な気はしますよね。

岡本 そうなのよ。それこそ第5期の最後のほうで、敵(ヴィラン)の死柄木の覚醒なんて「あんなのどうやって倒すの?」というレベルだから「ムリじゃん」と思ってしまう自分がいます。

佐倉 初期メンバーの私たちの“個性”ってシンプルだから(笑)。

岡本 そうそう。人命救助とかなら空を飛んでいって助けたりできるから、全然活躍できるしイケるって思うけれど、戦いとなったら「どうすればいいの?」という気持ちは出てきちゃうんだよね、正直。

佐倉 わかります。 お茶子の場合は、出番がポツポツ飛び石のようになっているので、気持ちが途切れないようにというのは意識しています。画面に出ていない時にも、どういう気持ちで過ごしていたのかと想像力を働かせながら緊張感を切らさないというのは、第6期でも引き続き、気にしながら演じています。全面戦争となったときに、プロヒーローに混ざって生徒たちがどこまで戦えるのかも気になりますし、きっとまだビビっている子たちもいる。それは想像を絶するものだろうなとか、いろいろな立場から全面戦争に参加する思いを考えると、どんどん物語にのめり込んでしまいますね。

岡本 まだ10代なのにね、彼ら。

佐倉 そうなんですよ。私たちの半分くらいの年齢なのにあんな環境に置かれて……。やっぱり選ばれた人たちとなると、想像を絶する経験をするんだなと。

岡本 雄英(高校)ってすごいんだなって分かるよね。

佐倉 それを引っ張っているのがデクくん。その頼もしさは、アフレコでの(山下)大輝くんにも感じています。平静を装いながら先に行ってる感じというのかな。大輝くん自身はいつも通りだけど、マイク前に立った時の気迫が明らかに第1期の時とは違う感じがして、すごく頼もしいなと思います。

岡本 確かにそうだね。

── デクをはじめ、さまざまなキャラクターが第1期から変化・成長しています。お2人にとっての印象深いキャラクターとその変化についてお話しください。

岡本 僕、ほんとみんな好きなんだけど……。やっぱり第5期の死柄木の成長の度合いって特にラストシーンを観た時に「すごい!」と思いました。ウッチー(内山昂輝)の持つ声質って、ダーティーで色気もあってどこか寂しげでと、とても魅力的な声だと思っていたのですが、それと死柄木の状況がマッチしまくっていて。キャラクターと声とお芝居の相性がすごくいいと思いました。果てしなく底が見えない感じというのかな。人間って未知なものはすごく怖いと思うのですが、それに近しい感覚がどんどん増えてきた気がします。第1期、第2期のときは、まだ悪者っぽい感じだったのですが、今はもうなんか果てしないという印象です。

佐倉 私自身の変化になるのですが、敵(ヴィラン)のことがどんどん好きになっています。こんなヒューマンドラマを見せられたら……(笑)。

岡本 わかる! (6期3話目 第116話)トゥワイスのところとか……すごくよくて。

佐倉 私もそのシーンを思い出してました!

岡本 よかったよね……(しみじみ)。

佐倉 ヒロアカって最初は勧善懲悪だと思っていたけれど……。

岡本 そうそう。「ホークス、トゥワイスはやめて~」って思っちゃってるもんね。

佐倉 本当にそう。淡々としているから、なんかとても容赦なく見える。逆に敵(ヴィラン)が精いっぱい全力で生きているところを目の当たりにしてしまうと、なにが正義でなにが悪なのか。全面戦争の怖さってここにもあるんだと思いました。トゥワイスもどんどんかわいく見えてきて……。今まで、ヒーロー側でヒーローたちばかりに目がいってたけれど、新鮮な驚きの連続で明らかに心が敵(ヴィラン)に傾いている自分がいます。こんな変化が訪れるとは思ってなくて、とまどいました。人生観が変わってしまう感じかな。悪いと思っていたものがなんかそうでもない、むしろこっちのほうが自分に近いところがあるんじゃないかと、敵(ヴィラン)に対して思ったりしています。みんな最初は違ったんじゃないかなとか……、なんか闇堕ち寸前ですか?

岡本 やばい(笑)、堕ちちゃってる?

佐倉 敵(ヴィラン)にそういう感情はやばいですか?


── いると思いますよ。実際、私は「きっと理由があったに違いない」という目で敵(ヴィラン)を観ていましたし、好きなキャラは敵(ヴィラン)に多いです。

佐倉 そういう人もいるんですね。でも大丈夫ですか? 最初からそういう目線で敵(ヴィラン)を見ているって(笑)。

岡本 「ダメないい男」を見つけてしまう感じかな。「彼にはきっといいところがあるはず!」って。

── 敵(ヴィラン)はダメ男じゃないですよ(笑)。

佐倉 あ────、堕ちてる。

岡本 やばいやばい、堕ちていることに気づかないタイプかも(笑)。気をつけて!

── では話題を切り替えて(笑)。キャラクターの成長や変化にともない、演じるうえで、第6期で特に意識したこと、大事にしていたことなどはありますか?

岡本 爆豪は第4期、第5期での変化、相手のことを認めるという大きな成長がありました。内面的だけでなく“個性”も成長はしているけれど、そっちの成長速度はやっぱり遅く感じている自分がいます。爆豪がそれを良しとしているかは分からないけれど、全面戦争においてどこまでできるのか、そしてなにが足りないのかを自分の中で見定めたいと思っていると感じています。

彼自身、すごく頭がいいので戦闘をすれば成長できるとも思っています。それは過信ではなく自分の中の自信としておそらくあると思うので、早く戦いたいという思いは強くあるのかなと感じています。どれだけ自分ができるのか、そしてなにができないのかを見定めたい、爆豪にとってはそんな第6期、全面戦争になるんじゃないかなという思いを大切にしていました。全面戦争は死と隣り合わせなので、試合のように見定めて次に生かすとは簡単には考えられないから、これまでとは挑み方が違う気もしています。

佐倉 お茶子は、だいぶがんばらなきゃいけないところがやってくるので、それまではのぶさんと同じように「死んだら終わり」という緊張感が根底に流れていることを意識していました。今までは不慮で巻き込まれる生徒たちだったけれど、最近は意図的に戦闘員として戦場に放り込まれている、しっかりヒーローたちから任されているという緊張感は、これまで以上にある気がしています。ちょっとピリッとした命のやりとりのようなものは大事に演じたいと思っています。

インタビュー後編に続く!

(取材・文・撮影/タナカシノブ)

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