TVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」小市眞琴(ラヴィアン・ウィンスレット役)インタビュー──「(内山昂輝演じる)リィンさんは英雄感がありました!」
2023年1月8日(日)より、TOKYO MXほかにてTVアニメ「The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War」が放送スタートする。
本作は、世界中で人気のストーリーRPG「英雄伝説 閃(せん)の軌跡」シリーズ初のアニメ化プロジェクト。監督は佐藤英一氏、アニメーション制作はタツノコプロが担当し、“北の猟兵”としてノーザンブリアを守るため戦うヒロイン・ラヴィ(ラヴィアン・ウィンスレット)の視点で、オリジナルストーリーがつむがれる。
その放送を目前に控え、主人公・ラヴィを演じる小市眞琴さんに本作の見どころや、ラヴィを演じるうえで意識したことなど、いろいろとお話をうかがった。
この世界で過去になにがあったのか、歴史を勉強して臨みました
――「英雄伝説 閃の軌跡」シリーズは、もともとご存知でしたか?
小市 長い歴史のある有名なシリーズなので、名前は知っていましたが,実際に遊んだことはなかったんです。
――そのアニメ化プロジェクトである本作に携わってみて、どのような印象を受けたのか教えてください。
小市 現実の歴史と同じぐらい細かい設定があってびっくりしました! また、今回のアニメにもたくさんのキャラクターが登場しますけど、名前を見て「これはオリジナルのキャラなのか? それとも過去作に出ているのか?」となることも多かったですね。
――そういったほかのキャラクターやシリーズの詳細に関してはどのように?
小市 他のキャラクターや作品の世界観については自分で調べてみたのですが、「○○大戦」や「××事件」など、こんなことが過去にあったのか! って。
――この世界の歴史をまず勉強したと。
小市 はい、勉強させていただきました。
――歴史の勉強をして社会背景も理解したうえで、ラヴィというキャラクターにはどのような印象を持ちましたか?
小市 本作のテーマのひとつに「英雄」があるように、ラヴィもすごく「英雄」に縛られながら生きている女の子だなと感じました。それに、年齢は15歳なんですけど、戦いの中で育ってきたこともあって、大人っぽい部分もたくさんある印象を受けましたね。
――ちなみに、長いシリーズ作品ということで、オーディションを受ける際にプレッシャーはありましたか?
小市 アニメオリジナルのキャラクターということもあり、オーディションではどういう人物なのか想像しながら演じさせていただいていたので、そういった点でも不安やプレッシャーはありましたね。
――小市さんが思うラヴィの魅力を教えてください。
小市 成長スピードがすさまじいことですね。1クール作品ということもあり、1話1話ですごく成長するので、第1話と最終話とではキャラクターの印象ががらりと変わりました。最初は大人っぽさもあるけど、15歳の年相応の姿がかなりあったんです。それが最終話では10歳ぐらい年齢を重ねたのでは? というぐらい精神的にすごく大人になっていて。そういうところは魅力だなって思います。
ラヴィを演じる際に意識したことや難しかったことは?
――成長するとはいえ、やはり15歳の女の子ということで、年齢感は結構意識して演じたのでしょうか?
小市 最初はすごく意識しました。15歳の女の子ならこれぐらいのかわいさや幼さもあるだろうな……と演じたんですけど、監督から「ラヴィはヒロインじゃなくてヒーローなので、あんまりかわいさや幼さは出さなくていいです」と言っていただけて。その時に、だから私を選んでいただけたんだ! としっくりきたんです。その後はあまり15歳だからこうしよう、とは考えずにやりました。
――現実の世界での15歳とあの世界の15歳でも、ちょっと違うでしょうし。
小市 そうですね。
――そういうことは、この作品に限らずかなり意識して演じるのですか?
小市 めちゃめちゃ意識します。たとえば「12歳の男の子」と言われても、現代の12歳なのか、江戸時代の12歳なのかによって精神年齢は絶対に違うと思いますから。
――年齢感を意識することも含め、今回難しいと感じたところはありましたか?
小市 ラヴィってポツポツしゃべるというか、基本的に聞く専門で自分のことはあまり人に言わないんです。セリフも「う、うん」とか「わかった」といった感じで、あまり長々としゃべる子じゃないんですね。だからこそひと言ひと言が重要で、かつあまり感情を表に出さないので、どうやって見てくださる方に届けたらいいのかすごく悩みました。
――そういう内に秘めた思いは、後半になると爆発的に表に出すこともあるのですか?
小市 いえ、むしろ前半はあまりしゃべらないけど、15歳なりのかわいさのある返事をしていたのに、後半はしゃべるけど大人びていて。芯のある状態でしっかりと「私はこうです」と言う子になるんです。だから、後半になるにつれてどんどん難しくなっていくなと感じました。
――小市さんはこれまで、ラヴィのような戦うヒロインを演じるのは少なかったですよね。
小市 そうですね。ラヴィのように静かに攻撃するキャラクターは演じたことはなかったです。
――キャリアでも新しいキャラクターになったといいますか、自分自身でも挑戦になったところがあったと。
小市 はい。なので、音響監督さんに「これぐらい抑えめで大丈夫ですか?」「あとは絵で見せられるから大丈夫」などと相談しながらやらせていただきました。
――ご自身は殺陣(たて)の経験もありますが、戦うキャラクターを演じる際はその経験が生きることもあるのでしょうか?
小市 それはあまり意識しなかったのですが、距離感とか、殴られたときにどこがどう動くのかとか、そういったところはもしかしたら役に立っていたかもしれないですね。
リィンに対して、○○にならないように気をつけました
――共演者の方との印象的なエピソードがあれば教えてください。
小市 収録は園崎未恵さん(ジェイナ・ストーム役)と一緒になることが多かったんですけど、園崎さんは毎回持ってくるイヤホンに(服などに留めるための)おにぎりのクリップをつけていて、それがめちゃめちゃかわいかったんです!(笑) 「おにぎりついてますね」と言ったら、「え? よく気づいたね。これ売ってないんですよ」って。そんな話で盛り上がっていました。
――作中でチームを組む“北の猟兵”のキャスト陣とはいかがでしたか?
小市 小野さん(タリオン・ドレイク役の小野友樹さん)は同じ事務所にいた時にすごくよくしていただいたので、「最近どう?」と気にかけてくださいました。ブリドカットさん(イセリア・フロスト役のブリドカット・セーラ・恵美さん)も以前共演したことがあって、「久しぶり〜」って感じで声をかけてくださって。特にイセリアとラヴィは一緒に行動することが多く、結構収録が一緒だったんです。
――中村悠一さん(マーティン・S・ロビンソン役)とはどんな話を?
小市 中村さんともいろいろ話はしたんですけど、あまり内容を覚えていなくて。たわいのない話で盛り上がっていたんだと思います(笑)。
――“北の猟兵”は和気あいあいと。
小市 序盤はひとつのチームになるところを描いているので、和気あいあいとしていることが多かったです。でも、後半はそれぞれ自分たちで行動しだすので、収録も別だったんです。
――ゲームに登場するキャラクターも、アニメに出てくるそうですね。ゲームからのキャストと一緒の収録もありましたか?
小市 はい。内山さん(リィン・シュバルツァー役の内山昂輝さん)と一緒に収録することがありました。
――内山さんと「閃の軌跡」シリーズについてはなにか話しましたか?
小市 「閃の軌跡」シリーズってどんな感じなのか聞いてみたんです。そうしたら「(前作の収録から)間が開くじゃないですか。そうだ、前作はこうだったなと思いながら収録してるよ」って小さい声で(笑)。
――内山さんも思い出しつつやられていたのですね。
小市 そうは言っていましたけど、長くやられているだけあって、初っ端から「あ、リィンさんだ」って感じで英雄感がありましたね。
リィンさんは天然で女たらしなところがあるんですけど、ラヴィを演じるときは「リィンに対して『あ、好き……』とならないでね」と言われたんです。助けてもらったときの息遣いとかで、フラグを立てないでほしいと。なので、恋愛にはならない距離感を保ちつつ演じました。
でも確かにあれだけ強くて無償で助けてくれるし、あの包容力は好きになるよなぁ、って思いました。
2023年の目標は、事務所の社長であるあの人に関すること
――いよいよ放送が目前に迫ってきた、第1話の見どころを教えてください。
小市 第1話は、福島(潤)さん演じるイバーノと木島(隆一)さん演じるタックがひたすらしゃべっていますので、そこは見どころですね。ラヴィは基本的に相槌役をしています(笑)。この2人って世界を明るくするというか、お話が重いな〜となるときに、いい感じで持ち上げてくれるんです。この作品はリアルな頭身で絵も落ち着いて見えるのに、お芝居がぶっ飛んでいて、キャラクターがしっかり立っているのがすごいなって思います。
――アニメで見るからこその魅力もありますね。
小市 そうですね。立ち絵だけだとこの2人の魅力は伝わらないと思います。
――ラヴィ以外で気になるキャラクターや注目してほしいキャラクターはいますか?
小市 イバーノとタックはめちゃめちゃ注目してほしいですけど、先ほど話したリィンさんとラヴィがどういう風に絡むのかも楽しみにしていただきたいです。私も台本を読んで「出会った!」となったので、やっぱりゲームのキャラクターとの関わりは見どころですね。
――では、演じていて楽しかったシーンを言える範囲で教えてください。
小市 みんなで温泉に入るところですね。そういうちょっとコメディなシーンも前半にはたくさんあって、ラヴィはあまり表に出すタイプではないけど結構楽しんでいるんです。私自身も演じていて楽しかったですし、ぜひ注目して見ていただけたら嬉しいです。
――最後に個人的なことで構いませんので、小市さんが2023年に挑戦してみたいことをお聞かせください。
小市 挑戦と言っていいのかわからないですが、事務所の社長の浪川(大輔)さんとゆっくりお話ししてみたいです!(笑)
――番組などでは浪川さんはよくいじられていますし、大丈夫な気もしますが……(笑)。
小市 事務所の先輩方は浪川さんをいじっているんですけど、私がいじっていいのかわからなくて……。そうだ! 2023年の目標はそれですね。浪川さんを一度いじる!(笑)
――いじることができた報告を楽しみにしています! では、楽しみにしている読者の皆さんへメッセージをお願いします。
小市 この作品ではアニメオリジナルのストーリーが描かれつつ、今までゲームに出てきたキャラクターも出てきます。原作をプレイして、ここにたどり着くまでにどういうストーリーがノーザンブリアであったのか知っている人はもちろん、序盤でいろいろ紹介しているので原作を知らない方も見やすい内容になっていると思います。アニメからゲームに入っていただけるのも嬉しいですし、ゲームをやっていた方もアニメを楽しんでいただけたら嬉しいです。
(取材・文・撮影/千葉研一)
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