【THE合体マイトガイン】これぞ決定版! メカスマが放つ究極の合体トイを泰勇気&田中ヒロ (グッドスマイルカンパニー)が大検証!

時代を超えて我らの心を熱くさせるロボット、メカ、ヒーローを立体化するグッドスマイルカンパニーのホビーブランド「メカスマ」。そのメカスマが放つ「THE合体 勇者シリーズ」の最新作「THE合体 マイトガイン」の予約がスタートした。

マイトガインは、1993年にTV放送されたアニメ「勇者特急マイトガイン」に登場する主役ロボ。2種の新幹線と大型機関車が合体するという鉄道要素満点のマイトガインは、今もなお高い人気を誇るロボットだ。

ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズへの出演が実現するなど、近年は再評価の機運が高まりつつあるが、そんな中、放送30周年のメモリアルイヤーの今年、マイトガインの合体変形を完全に再現した究極のトイ「THE合体 マイトガイン」の発売に、ついに青信号が灯った。

合体変形、プロポーション、可動といったあらゆる要素を高い次元で実現した本商品を、ロボット大好き声優・泰勇気と、開発を手がけたグッドスマイルカンパニーの田中ヒロさんが大検証! その魅力を徹底的に語り合った。

※本記事で使用されている「THE合体マイトガイン」は試作モデル、未塗装モデルです。実際の製品とは異なる点もありますので、ご了承ください。

※画像は塗装を施したイメージのCG。 実際の商品とは異なります。

先の勇者シリーズを見据えて挑戦したマイトガイン

──「THE合体 マイトガイン」が開発された経緯を教えてください。前回が「伝説の勇者ダ・ガーン」ということで、ユーザーとしては順当な流れかなとも思えるのですが。

田中 作品の放映順から見ても順当のように感じますよね。ただ作品の年代順にやったというより、もともとは設計を手がけたGOD BRAVE STUDIOさんに「何か作りたいものはある?」と聞いたところ「ダ・ガーンXを作りたい!」とのことから「THE合体勇者シリーズ」企画がスタートしたんです(笑)。

 人の思いがまずあったと。

田中 それで、「じゃあ次は僕らの希望も聞いて」ということで、今回の「マイトガイン」に繋がっています。いずれも人気の勇者作品ということでGOD BRAVE STUDIOさんも断る理由はないんですけど、難易度の高いお題なので、当然、言ってるこっちも覚悟のいる仕事だなと腹をくくりました。どちらかというと「グレートダ・ガーンGX」はゴールが見えやすかったんですが、はたして「グレートマイトガイン」はどうまとめたものか……と。

田中ヒロさん

──企画スタートの決め手は何だったのでしょうか。

田中 「勇者シリーズ」の中でも注目度の高い「勇者特急マイトガイン」であると同時に、「グレートマイトガイン」、「グレートマイトガイン・パーフェクトモード」を見据えた時に、トップクラスの難易度であるこのロボットを攻略できれば、先の勇者も見えてくるだろうということで先に高い山を登ろうという思いですね。

 マイトガインは分解した状態でもそれぞれメカ単体としても成立しているし、アニメだとそれがほとんど形を変えないまま合体している。当時のおもちゃでもそれが再現されているので、すごいボリュームになっていました。

田中 そうですね。トップヘビーなロボットでした。

 それも含めて、今回20数年ぶりに昇華していこうと。

田中 はい。ちょっとチャレンジしようということで、思い切って「勇者シリーズ」第2弾に「マイトガイン」を持ってきました。実際、設計の過程は難題の連続で、数えきれないくらいリテイクを重ねました。それこそ構造を思い切り作り替えちゃうくらいのことを何回もやっています。

泰勇気さん

アニメの演出すらギミックで再現したガイン

※画像は塗装を施したイメージのCG。 実際の商品とは異なります。


──そんな高い難易度を誇った「THE合体 マイトガイン」をさっそく拝見しましょう!

田中 先ほどはグレートマイトガインが大変という話をしましたが、じゃあマイトガインは簡単なのかというとそんなことはなくて、まずはガインから難産でしたね。

 この小ささの中に、新幹線、ロボ、腕の三段変形ですからね。

田中 前回のダ・ガーンもまあまあ小さくて、自動車とコア形態を両立させるのはかなり大変だったんですが、今回はそれを超える難易度でしたね。小さいのもさることながら、マイトガインの腕となり、かつ拳を内蔵している。さらに肘と肩の可動も入れるとなると、なかなかこれは半端ないつめ込みだなと。

 ガインの脚部がおおむねマイトガインの腕になってるんですが、マイトガインの肩の付け根の可動部とガインの腰の位置ってアニメの映像だと少し違うんですよね。そこが同じ位置だったら、まだ楽なのかもしれないかなと想像しちゃいました。

田中 注目していただきたいポイントが、謎の部分でもある手首の赤ラインですね。アニメでは、いつの間にか赤くなっているこの部分をどうするというところで、とんちをきかせることになりました。板状のパーツを折りたたんで、赤色を見せるんです。

 膝を打つような答えを出していますね。 そのほか、新幹線の形状がちゃんと残っていたり窓が残っているのが嬉しいですよね。

田中 情報量を増やしつつアニメのラインも残す、というところです。赤い帯のほかにも旧玩具では腕の前面に露出してしまっていた車輪をどう隠すか、同時にガインの膝の青が合体時には白くなっているのはどう処理するか、といったところも難所でしたね。

これが問題の膝パーツ。ガインのロボット形態ではこのような形状だが……

マイトガインへの合体時は膝を反対側に折りたたむことで、白い面が表になるうえに、車輪が隠れてしまう!

 これは一石二鳥なアイデアですよね。膝パーツを畳めば裏側が白になるし、車輪も隠れる。

田中 ここはうまくいきましたね。最初の設計段階では車輪は露出していたので、これをどうしようかとかなり悩みました。

 パネル系パーツもぐらつくことなく、パタパタと回転していきますね。そして変形用拳は指も可動するんですね。

田中 変形用拳の指は、収納のために可動すると言っても過言ではありません。拳を折りたたんで収納している感じですね。

(泰勇気、実際に変形させてみる)

わー、カッコいい! こんなにスタイルがいいガインは見たことありません。これだけで欲しいという人もいそうですね。

──ガインがハの字で立ちながらも、合体時にはまっすぐな二の腕になるところがすごいと思いました。

田中 ここは自分で言うのもなんですが、すごいと思います(笑)。何とかやり切ったという感じですね。近しいところでいうと「ゴッドマーズ」の「ウラヌス」や「タイタン」に近い難しさがあるんですが、あちらは腕とロボだけの変形なのに対し、今回は腕とロボと新幹線なので、もうひとつ難度が上がってます。また、新幹線というモチーフがあるからこそ、フォルムを崩せないという縛りもあります。むやみに形状をゴテゴテさせてもいいというわけではなく、新幹線形態は新幹線らしいシルエットにしないといけないという制約がある中で、腕になり、ロボになりという点が難度を上げているポイントです。

 デザインをアレンジする方向もあったとは思いますが、今回は新幹線をそのまま落とし込んでくれているので、そこは嬉しいですね。

スペース確保に苦心したマイトウイング

※画像は塗装を施したイメージのCG。 実際の商品とは異なります。


 続いてマイトウイングを見てみましょう。ガインに比べたら、こちらのほうがまだ難易度が低かったのではないかと思うのですが。

田中 そうですね。一段階変形が少ないという点で……と思いきや、そんなことはなくて、本来手首を収めるスペースがあるところに主翼を2回畳んで入れないといけないということで、非常にタイトな設計になりました。ある程度の強度を持たせないといけないといけないんですが、翼を薄くしないと手首が収まらないということで、これもギリギリのところを攻めています。本当に「拳を収めるところに翼をつけないでくれーっ!」て思ったんですけど、でもそういうデザインなんだから仕方がないですね。

設計の苦労が凝縮したマイトウイング後部。細かい可動パーツが集中している
※画像の垂直尾翼は形状重視パーツを取り付けています。

 山形新幹線が空を飛ぶ、というビジュアルが、かなりインパクト大でした。垂直尾翼は形状重視パーツに差し替え可能なんですね。今のお話をうかがったら、無理に変形させずにパーツ差し替えでも許せちゃうんですが(笑)。

田中 いえ、あくまでも完全変形を目指した以上、そこはこだわりました。ギリギリの寸法の中で、何ができるかを模索したのがマイトウイングでしたね。

 固定スタンドがオプションとしてついてくるんですね。これも嬉しいですね。

ロコモライザーからマイトガインへ変形合体!


 さあ、「ロコモライザー」も見てみます。大きさは当時の玩具に近いサイズですね。

田中 そうですね。ただ今回、ロコモライザーに「マイトウイング」と「ガイン」を収納するギミックはありません。なぜかというと、ガインとマイトウイングがちょっと大きめに作られているからです。ロコモライザーがコンパクトになって、マイトウイングとガインが大きくなることによって、合体時のバランスをアニメのイメージに近づけることができたということです。

 そして、転がし走行ができますね。劇中歌を歌いながら合体させられる感じですか?

田中 できますよ(笑)。今回特筆したいのは、マイトガイン時に車輪を隠すギミックです。素直に作ると車輪そのままの背中になるところですが、今回はわざわざ隠すギミックを用意しました。

 車体の一部が背中にまわって車輪を隠してますね。パーツを裏返したところの色がまた違っているという細かさ!

田中 ここもこだわりどころです。

この円筒形のパーツが……

グルリと反転して、車輪を隠すパーツになるのです!

──大胆に上半身が回転するのが気持ちいいですね。

 アニメでも最後のバコン!は印象的ですからね。

田中 ガインのように緻密な変形と、ロコモライザーのように大胆な変形のメリハリというか、緩急があるのが、勇者ロボの面白さだと思うんですよね。

 このニュアンスは、後の「ジェイデッカー」、「ゴルドラン」にも引き継がれている要素ですよね。

田中 そうですね。

 お~~! アニメに出てきたマイトガインが立っている。当時の玩具の時は脳内で補完していたディテールが、きちんと彫られている。マイトガインの、このいかり肩がいいですね。

田中 この肩のV字ラインが、マイトガインの魅力なんですよね。

 太もものエッジの落としてあるところや、膝から下の、ストンとしてるけど単調ではないラインなんて、いかにも勇者ロボっぽいですよね。

田中 そこが勇者ロボの色気というか、魅力ですよね。箱ロボットと言わせないパワーがあります。逆に言うと、変形合体ロボにするうえでの難度が上がるわけでもあるのですが。このフォルムを保ちつつ変形合体させるのが、今回の難度を上げている要因のひとつです。

──ビスなどの金属パーツが見えないところに配置されていますね。

田中 そこは非常にこだわってもらっています。

 フロントスカート、サイドスカートがすごく動くことを考えると、どこまで広いポージングができるのか、製品版で試したいところですね。早く遊びたーい! 動輪剣は、通常時と必殺技時の2種類があるんですね。

田中 はい。実際は剣の長さが変わっているかはわからないのですが、アニメの映像ではボリュームが増している感があるので、必殺技時の剣の刃は大きめに作っています。


 うわっ! こんなポーズまで!

田中 合体変形トイでここまでポーズがとれるものはあまりないと思います。

※画像は塗装を施したイメージのCG。 実際の商品とは異なります。

意地で完成させた合体ギミック

 先ほど触れましたが、拳の指が動くんですよね。

田中 そうですね。中から出てくる感じが楽しいです。面白いのが、収納するために手を平べったくする必要があるのですが、そのための指可動というところです。ただマイトガインは人差し指の指差しが重要ということで、ここだけ独立可動します。これはGOD BRAVE STUDIOさんのこだわりですね。「そこまでやらんでも(笑)」と思いましたが、その気持ちもわかるからそのまま残しました。太い指の形状重視拳もついてくるんですけど、変形拳でもできちゃうというところにこだわりを感じます。

 やっぱりどうしてもパーツを差し替えず、完全変形にこだわりたいという方もいらっしゃいますからね。

田中 そういう方に向けての意地のようなものが、今回はありますね。とにかく完全変形させようと。マイトガインを愛している人たちへの思いに応えて、GOD BRAVE STUDIOさんも無理難題に応えてくれたので、こうなったら量産プロダクトとしてもいけるところまで付き合おうという気持ちになりました。「グレート」、「パーフェクト」含めてスマートに考えたら、遊びやすさも含めてここは差し替えにしようという考え方も間違いではないと思います。ただ今回、「完全変形合体でやり通す」というお題を出されているようにも思えたので、最後まで執念でやってしまったというのはあります。

 2023年に出せる最高の答えをというところですね。もうVer.2なんか出さなくてもいいくらいの。

田中 それは考えたくないですね(笑)。というか、ここに来るまでに、すでにVer.4くらいまで作り直しているんですよ。たとえばマイトガインだけ見ても、最初はガインが腕になった時に車輪がむき出しになっていましたし、赤い部分の処理もどうするか決まっていない時期もありました。さらにですね、今回の商品自体には全く関係がないんですが……。

 脚が太くなった!

田中 のちのち、太ましさが欲しくなる何かのために、今回の合体には関係のない何かのギミックが入っていたりもします。あとは、脇腹もサイドに広がったりします。

 そうか。グレートになると肩幅が広がるから……。

田中 そういう細々したギミックが、毎トライごとに盛り込まれていきました。

写真は、2月12日開催の「ワンダーフェスティバル2023冬」で公開された「グレートマイトガインパーフェクトモード」。腹部や両脚がビルドアップしている点に注目!

 最初にここまでやってくれるということは、もう最後まで付き合うしかないですね。今回作ってきた人の話を聞いて、国境を超えて作ってくださった方がいることを思うと(GOD BRAVE STUDIOは韓国の制作スタジオ)、まずは手にして、そして遊んでほしいですね。作る側が出してくれた答えに我々も応えないと。飾るんじゃなくて、遊んでほしい! あとね、手で持った時にちょうどいい収まり方をするんですよ。僕にとって、超気持ちのいい仕上がりになっている「THE合体マイトガイン」、発売が楽しみです!

【商品情報】

■THE合体 マイトガイン

作品名:勇者特急マイトガイン

発売日:2023年9月予定

価格:27,900 円(税込)

仕様:プラスチック製塗装済み可動フィギュア・ノンスケール

全高:約260mm

原型制作:Mr.田(GOD BRAVE STUDIO)

発売元:グッドスマイルカンパニー

販売元:グッドスマイルカンパニー

<セット内容>

・ガイン

・マイトウイング

・ロコモライザー

・動輪剣

・動輪剣(必殺技状態)

・ガインショット

・マイトウイング用形状重視尾翼

・交換用手首

・マイトウイング用台座

<特設ページ>

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<商品詳細ページ>

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<グッドスマイルオンラインショップ購入ページ>

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<グッドスマイルオンラインショップ予約受付期間>

2023年1月17日(火)12:00~2023年3月29日(水)21:00

※商品の塗装は彩色行程が手作業になるため、商品個々に多少の差異があります。

(C)サンライズ

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