【ガンプラ製作にあると便利!】意外と知らない? 用途別プラモデル用接着剤活用ガイド&おススメ接着剤6選!

こんにちは、カリヤスです!「The工具道!」第11回となる今回は、プラモデル用接着剤(スチロール樹脂用)をご紹介&レビューしたいと思います!

皆さん、プラモ用接着剤って使ったことありますか? ガンプラを筆頭に最近のロボ系、キャラ系キットの大半は接着剤不要のスナップフィットなので、一度も接着剤を使用したことがない、という方もきっと多いんじゃないでしょうか。しかし昔のロボ系、キャラ系キットに挑戦する場合はもちろん、戦車や飛行機、船などのいわゆるスケールモデルも、最新のキットであっても接着剤がないと製作できません(一部例外を除く)。

「接着剤不要のキットしか作ったことないけど、そろそろガンプラの旧キットに挑戦してみたい!」

「接着剤を買おうと思ってるけど、いろいろあってどれを買えばいいかわからない!」

「本当は戦車を作ってみたいけど、接着剤を使うのが難しそうだから保留にしている……」

そんな皆さんのために、今回はオススメのプラモデル用接着剤(スチロール樹脂用)とその活用法をご紹介します!

プラモデル用接着剤には、揮発性の高い有機溶剤などが含まれている。火気はもちろん厳禁、定期的に換気もするようにしよう

スチロール樹脂用接着剤って?

プラモデル製作で最も使用頻度の高い、基本の接着剤が「スチロール樹脂用接着剤」です。いわゆるプラモ専用接着剤で、プラスチック以外の素材には使用できません(金属などを接着する場合は、瞬間接着剤が必要)。そしてスチロール樹脂用接着剤には「樹脂成分が入ったゲル状タイプ(樹脂入りタイプ)」と「樹脂成分が入っていない液状タイプ(流し込みタイプ)」の2種類があり、それぞれの特徴をまとめると、

<樹脂入りタイプ>

・溶剤の中に樹脂が溶け込んでいて、プラパーツに塗った時に溶剤がプラを溶かす→プラパーツに含まれる樹脂と溶剤に含まれる樹脂が結合→乾燥すると溶剤のみ揮発するという仕組みで接着。先に接着面に塗ってからパーツを合わせるのが基本。

・乾燥までに時間がかかるので、ゆっくりと作業ができる。乾燥後はツルツルした樹脂の膜ができる。

・プラ同士を直接結合するわけではないので、強力に接着できない。その分、間違えて接着した際に取り外しやすい。

この樹脂入りタイプの成分表を見ると、10%の樹脂が含まれていることがわかる。製品によって多少の成分の差はあるが、ほぼどれも中身は同じだ

<流し込みタイプ>

・樹脂が入っておらず、溶剤でプラパーツを溶かして直接結合させて接着。パーツをはめてから隙間に流し込むのが基本。

・すぐ乾燥するので、作業効率がいい。乾燥後に膜などはできない。

・プラをしっかり溶かして一体化させるので、強力に固定できる。その分、間違えて接着した際に取り外しにくい(特に広い面積を接着した場合)

・毛細管現象でモールドに沿って接着剤が流れやすいので、便利な半面、慣れていないと意図せぬ個所が溶けたり、くっついたりする。

・プラの表面に塗った後にキズをつけ、ダメージ表現や鋳造表現をすることも可能(後述)。

といった具合です。

流し込みタイプの成分表を見ると、樹脂は全く入っていないことがわかる

どう使い分ければいい?

一番オススメなのは、樹脂入りタイプと流し込みタイプを、それぞれひとつずつ買っておくこと。作る模型の種類にもよりますが、基本はパーツを合わせた状態で流し込みタイプを使って接着、サクサクと作業を進めながら、パーツの奥まった部分や接着しづらい個所、微調整が必要な作業時にのみ、樹脂入りタイプを先にパーツに塗ってから接着するスタイルが効率的です!

ちなみにプラモ製作で活躍する接着剤には、スチロール樹脂用接着剤以外にも瞬間接着剤やエポキシ系接着剤、粘着剤など、多くの種類があります。これらについては、また別の機会にレビューする予定ですので、お楽しみに!

以下、オススメのプラモデル用接着剤をご紹介!

オススメの樹脂入りタイプ

・Mr.セメント徳用

メーカー:GSIクレオス

内容量 :40ml

公式価格:220円(税込)

25ml入りで165円(税込)のMr.セメントの増量版。徳用なだけあって、コスパは最強! 粘度はドロッとサラッの中間ぐらいで、使い心地もいいです。迷ったら、とりあえずこれを買っておけば問題なし!


・タミヤセメント(角びん)

メーカー:タミヤ

内容量 :40ml

公式価格:264円(税込)

Mr.セメントよりも少し粘度が高いですが、性能はほぼ同じ。私、カリヤスが初めて買った接着剤でもあります。ちなみに、中身が同じでキャップがオレンジ色の6角びんタイプも発売されていますが、こちらは内容量が20mlで価格が198円(税込)ですので、コスパ重視なら角びんタイプのほうがお得です!


・タミヤセメントABS用

内容量 :40ml

公式価格:330円(税込)

メカ系、キャラ系キットの関節部分や艦船模型のマストなど、強度と柔軟性が重視されたパーツは通常のプラスチックとは違う、ABSという素材でできていることが多いのですが、これは通常のスチロール樹脂用接着剤(ゲル状)だとうまく接着することができません。流し込みタイプの接着剤であれば、ある程度溶かして接着することは可能ですが、パーツを溶かさずにしっかりと接着させたい場合には、このABS専用セメントを使いましょう。ABS同士はもちろん、ABSと通常のプラを接着させることも可能です!



3つの樹脂入りタイプ接着剤を使って、プラとABSのジャンクパーツを接着してみました。どれも、30分後にはしっかりと硬化してました!

ここで紹介した以外にも、タミヤからは有機溶剤の代わりに、柑橘類から抽出したリモネンを使用したリモネン系接着剤が発売されています。通常のスチロール樹脂用接着剤に比べて、接着に少し時間はかかりますが、環境にやさしく、レモンのようないい香りがするので、家族で一緒にプラモ製作する際にオススメです!


オススメの樹脂入りタイプ

・タミヤセメント(流し込みタイプ)速乾

内容量 :40ml

公式価格:429円(税込)

流し込み接着剤の中でも、人気の高い速乾タイプ。タミヤの流し込み接着剤は付属のハケが細く、極小パーツの接着に向いています。ちなみに、速乾ではない通常のタミヤセメント(流し込みタイプ)もありますが、こちらは40ml入りで407円(税込)。ゆっくり作業したい場合はこちらを選ぶといいでしょう。



・Mr.セメントS(流し込みタイプ)

メーカー:GSIクレオス

内容量 :40ml

公式価格:275円(税込)

コスパにすぐれた流し込み接着剤と言えば、やはりこれ! 性能はタミヤセメントとほぼ同じですが、付属のハケが大きく、大きいパーツの接着や、広い範囲のプラの表面を溶かしてテクスチャーをつけるのにピッタリです。また、溶解力と速乾性がアップしたMr.セメントSP(スーパーパワー)も40ml入り330円(税込)で発売中ですので、サクサクと作業を進めたい場合はそちらを使うといいでしょう。


・Mr.セメントSPB(ブラック)

メーカー:GSIクレオス

内容量 :40ml

公式価格:352円(税込)

独特の臭いのする、Mr.セメントSPのブラックバージョン。接着剤が付着した部分が黒く視認できるので、乾く前にうっかり指でパーツを触って、指紋が刻印されてしまう悲劇を防げるのが嬉しいです! また、プラ板などの工作時には、合わせ目が黒く残ってアタリとなり、正確に寸法を出しやすくなるのでパーツをスクラッチする時にも活用できます。



3つの流し込みタイプを使って、プラのジャンクパーツを接着してみましたが、どれも、5分後にはしっかり硬化。 Mr.セメントSPBのみ、硬化後に剥がしやすいように凹凸のあるプラ板を使ったのですが、接着剤が流れ込んだ個所がよくわかりますね!

応用編~お手軽ダメージ表現に挑戦してみよう!

冒頭でも書いたように、流し込みタイプは溶解力が強いのでプラを溶かしてさまざまな加工を施すことが可能です。そこで、最後に誰でもできる、流し込み接着剤を使ったダメージ表現テクニックをご紹介します!


必要なのは流し込み接着剤と、デザインナイフや金属ヤスリなどの切削用ツールのみ。溶けてやわらかくなった部分をツールでえぐったり叩いたりするだけで、被弾痕やビームサーベルで斬られた痕を簡単に再現できるので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

さて、いかがでしたでしょうか? 他にも、鋳造表現をしたりパテの代わりに使ったりと、プラモデル用接着材にはいろいろな活用法があるので、うまく使いこなせるようになりましょう!

それでは、またお会いしましょう~♪

<ライター情報>

Kariyasu☆(カリヤス)

エンタメ、ホビー系ライター。模型、ジオラマ、フィギュアなどが大好物で、プラモデルやミニチュアの作例の他、工具レビューや各種取材を担当。最近、流し込み接着剤の飛沫が目に入ってしまったのですが、すぐに流水で洗い流したので事なきを得ました(眼科にも行きましたが大丈夫でした)。皆さんも、気をつけてくださいね!


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