あの特徴的なフトモモがさらに成長して帰ってきた!「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」30時間やりこみレビュー

2023年3月23日にコーエーテクモゲームスからPlayStation4、PlayStation5、Nintendo Switch、Steam(Steamは3月24日発売)向けに発売された「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」。ここではそのSteam版のレビューをお届けする。

「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」とは?



主人公ライザの冒険を描く「秘密」シリーズは、1作目と2作目の世界累計出荷本数が160万本を超えた大ヒットシリーズだ。また、フィギュアやグッズなども多数発売されており、1作目は今夏にアニメ化が決定するなど、その盛り上がりは一向に衰えることがない。


本作は「秘密」シリーズ最新作で、キャッチコピーは「最後の夏、最後の秘密――」。1作目が「ばいばいアトリエ。この冒険を、ずっと忘れない。」、2作目が「君を離さない。たとえ、この力を失っても――」ときて、「最後の夏、最後の秘密――」! これは既存のファンはもちろん、新規に3作目から始める人にとっても、かなり気になるキャッチコピーなのではないだろうか。 システム面では、キャラクターグラフィックが刷新されたり、広大なフィールドで各地方内のマップ間をロードを挟まずにシームレスに移動できるようになったり、パーティーメンバーはおなじみのライザ、クラウディア、レント、タオ、パトリツィア、アンペル、リラに加え、新規参入キャラクター「ボオス」「フェデリーカ」「ディアン」「カラ」を交えた総勢11人とシリーズ最大級の人数になったりと、大きな進化を遂げている。

再び冒険の夏がやってきた!


今回の物語は2作目から1年後の夏が舞台となっており、ライザたちが暮らすクーケン島の近くに、のちに「カーク群島」と名付けられる謎の群島が出現したとの知らせが飛び込み、ライザたちがカーク群島の調査を開始するところから物語が始まる。 調査を進めていくうちに、カーク群島がクーケン島に悪影響があることがわかり、その原因や解決方法を探るライザたち。やがて、カーク群島で見つけた謎の遺跡の奥で、見上げるほど巨大な謎の扉を見つける。


この扉の先に何があるのか、ライザの頭に響く謎の声の正体や、島を救う術を求めて、ライザたちは「鍵」と「錬金術の根源」をめぐる壮大な冒険へと旅立つ。


より爽快に進化したバトル!


RPGでも重要な要素であるバトルシーンは、今作からの新要素「鍵」の出現により、さらに戦略性が上がっている。 ボタンをタイミングよく入力することで連撃できる「通常攻撃」、そしてAP(アクションポイント)を消費して行う「スキル攻撃」、敵の攻撃にタイミングをあわせて防御を行う「ガード」など、ここまでは前作と変わらないのだが、さらに新要素の「鍵」が加わることでバトルの幅が広がった。



鍵はバトル中に使用することで一定時間、通常攻撃やスキルが連続使用できるうえ、その種類によって発現する効果が変わる。なお、鍵はランドマークから生成したり、バトル中に敵から生成したりとさまざまな方法で入手できるので、より強い効果を持つ鍵を入手する方法を探すのも、このゲームの醍醐味と言える。


さらに進化した調合システム


「アトリエ」シリーズの醍醐味と言えば「調合」だろう。「アトリエ」シリーズでは武器や道具をほとんど調合で作らなければならず、調合は避けて通ることができない要素だ。そのため「アトリエ」シリーズを本作から始める人は、まずその複雑な調合システムを理解するのに時間がかかるかもしれない。



調合を行うためには、まず材料となる素材を集める必要がある。 素材はクエストやバトルで入手することもできるが、ほとんどはフィールドに点在するポイントから採取することになる。しかし特定の素材の採取には「ハンマー」や「鎌」、「釣り竿」など、専用の採取道具が必要な場合もあり、その道具も調合で作らねばならない。またそれら道具のできばえや特性により採取量などが変わっていくので、ある程度調合に慣れないと必要な素材が取れずよい道具が作れない、ひいてはよい武器を作れないといった状況になってしまう。



ゲームを進めていくと、調合で作成したアイテムは「アイテムリビルド」が可能になり、一度完成させた調合アイテムを再度調合して強化できるようになるので、失敗をおそれずどんどん調合をおこなっていこう。


調合の利点はほかにもある。調合を行うとSP(スキルポイント)が溜まっていくので、これを消費して「スキルツリー」で役立つ能力やレシピの習得も可能。「採取量アップ」や「調合レシピ」など、調合に役立つスキルや採取に役立つスキルなど、さまざまなスキルを習得することができるので、早めにスキルツリーを成長させると冒険がさらに楽になるはずだ。



さらに新要素の「鍵」は、調合においてはレシピレベルを上げることができ、アイテムの品質上昇や作成個数の増加などの恩恵を受けられる。また、「リンクコール」はスキルツリーから取得することで使用可能。効果はアイテム効果の書き換えといったような内容なっており、上手に使うことで通常の調合では火属性の効果がつく攻撃アイテムを、氷属性の効果に変更できたりする。そしてさらに「超特性」は、素材から1一度しか引き継ぐことしかできない代わりに、本来用意されている特性3枠以外に超特性の1枠を追加できる超特性ためも、こちらもうまく使いこなせれば非常に強力な要素といえるなる。これらの新要素が加わりったことで、調合システムはやや複雑さを増しているので、既存シリーズはすべてプレイしている筆者でも戸惑う場面もややとまどった。この辺あたりは実際に調合をやってみて慣れていくしかないので、序盤は素材集めと調合に時間を費やすことになるかもしれない。ただ調合の基本は、特定のマスに材料を入れるだけ、だ。「おまかせ材料投入」など、自動で材料を入れてくれる機能もあるので、難しいことは考えずに気軽にチャレンジするのもがいいだろう。

誰と旅をする? 推しを見つける旅に出よう!


先述の通り、今回はパーティーメンバーが最大で11人となり、その中から最大5人のバトルメンバーを選んでパーティーを組むことになる。

物語が進むにつれて新たなキャラクターが参入してくるので、推しのキャラクターがまだ参入していないのであれば、どんどん物語を進めていこう。

キャラクターごとの能力差は、「物理戦闘に強い」「魔法戦闘に強い」などの違いはあるが、戦闘能力などの点ではそれほどの差がないのが本作の特徴。装備などは充実させる必要はあるが、特性を無視して好きなキャラクターだけでパーティーを組んでもそれほど苦労することはないだろう。また、パーティーは組むメンバーによって、バトル中の会話が変わったりするので、いろんな組み合わせでパーティーを組んでみるのも面白い。


ちなみに筆者は「クラウディア」が1推しで、「パトリツィア」が2番目、そして「リラ」が3番目の推しである。もし同じ人がいればおいしい酒が飲めそうだ。



謎の扉? 鍵? ボス? 俺たちの戦いはこれからだ!


システムの話がほとんどになってしまったが、ストーリーも見ごたえ十分。文字通り本作の鍵となる「鍵」にまつわる話や、それに呼応する「謎の扉」、そしてそれを守る巨大なゴーレム、新たな都市で繰り広げられる「ガラス派」や「魔石派」の対立など、さまざまなキャラクターたちが織りなすストーリーは本稿だけではとても書ききれないボリューム。既存のファンはもちろん、ライザのフトモモに惹かれた紳士な人達にもおすすめの仕上がりだ。



というわけで、「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」を30時間ほどプレイした。 「アトリエ」シリーズとしては、1997年発売の「マリーのアトリエ」から数えて24作目となる本作だが、システム・シナリオ・ビジュアルは進化し続けており、完成度の高い調合システムや、安定したストーリーの面白さ、そして毎回何かしらの新要素を盛り込んでくるチャレンジ精神には脱帽だ。


「秘密」シリーズ1作目から、シリーズを追うごとに心も身体も成長する主人公「ライザ」の魅力はもちろん、脇を固めるキャラクターたちにはしっかりとしたバックストーリーがあり、彼ら(彼女ら)が繰り広げる物語や成長にも注目したい。  定番の、経験値を稼いでキャラクターを強くして話を進めるようなRPGとは、ひと味もふた味も違った本作「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」をぜひプレイしてほしい。


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