【本日発売】「キャノンダンサー -OSMAN-」プレイレビュー! 26年前にアーケードを騒がせた、あの伝説のゲームが我々の前に帰ってきた!

2023 年4月13日にININ GamesからPlayStation4、Nintendo Switch向けに発売予定の「キャノンダンサー -OSMAN-」。そのPlayStation4版のレビューをお届け!


本作は、ミッチェルが開発し1996年にアトラスから発売されたアーケード向けゲームで、今回初めて家庭用ゲーム機向けに発売された。当時、日本国内では「キャノンダンサー」、国外では「OSMAN」というタイトル名でリリースされていたが、当時のアーケードゲーマーからは、本作のゲームシステムやアクション、ステージ構成、敵キャラクターのデザインなどに、1989年にカプコンから発売された「ストライダー飛竜」との類似性が見られるとされていた。それもそのはず。本作の開発は「ストライダー飛竜」のプロデューサー・四井浩一氏をはじめとする「ストライダー飛竜」メインスタッフが中心となっていたのである。

狄(テキ)の戦士麒麟を操り世界を救う!


ゲームは21世紀後半の近未来が舞台になっており、連邦政府が支配する世界に「スレイヴァー」と名乗る世界征服を企む悪女が現れ人々を混乱と恐怖に陥れる。そこで最悪の事態を恐れた連邦法務長官ジャック・レイソンは、刺客「麒麟」を呼び寄せた。というストーリーではじまる。

プレイヤーが操る「麒麟」は、並外れた身体能力から繰り出す徒手空拳で戦う狄(テキ)の戦士であるキャノンダンサーで、スレイヴァーや連邦政府のみならず、個人的な理由から「麒麟」の息の根を止めようと画策するかつての同胞であるほかの狄(テキ)の戦士たちとも対峙することになる!

極めろ投げ技!惜しむな大殺陣!


操作に関しては、Aボタン(□ボタン)で攻撃、Bボタン(×ボタン)でジャンプ、スティックを下に入れた状態でBボタンでスライディング、Cボタン(△ボタン)は無敵の大技「大殺陣」となる。当時のインストラクションカードでは「大殺陣」ではなく「キリン星祭り」となっていた記憶があるのだが、本移植版では「大殺陣」とだけ書いてあるので、このあたりは海外移植されたものを再度翻訳したせいかもしれない。そしてBボタンでジャンプ中、もしくはスライディング中にもう一度Bボタンをタイミングよく入れることで、投げ技を出すことができる。

移動関係では、壁を登ったり、天井や崖につかまれるなど、アクロバティックな操作感を楽しむことができる。



「大殺陣」は、シューティングゲームで言うところのボムと同じ効果があり、使用中は無敵となるため、緊急回避技として使える非常に有用なアクションである。さらに、うまく当てればボスの体力を半分以上奪うことができるという攻撃力を誇る。その半面、ゲーム中に再入手する方法が、ミスしてステージをやり直すしかないので当時は使いどころを悩んだものだ。このゲームはステージ1からかなり殺意の高い難易度のため、「大殺陣」を使い切らずにゲームオーバーになるのはもったいない。、危なくなったら惜しまずバンバン使っていこう。

また一見地味な「投げ技」は、非常に使い勝手のよい攻撃手段である。投げの効果中は当たり判定がなくなったり、投げた敵に攻撃判定があるため、敵集団に囲まれた時などに役立つ。しかも人間大の敵キャラクターであればステージボスすら投げることができるので、投げのタイミングをしっかり把握して攻略に活用しよう。



なお本作では、アーケードからの完全移植だけでなく、セーブ・ロード機能の搭載や、プレイ中にL2を押すことでゲームプレイの巻き戻しを行ったり、R2で早送りをすることができる。これらの機能を上手に活用することで、自力でのクリアを目指してみよう。

アイテムでパワーアップ!


ゲーム内では「P」と書かれたカプセルが配置されており、これを破壊することでパワーアップアイテムが出現する。パワーアップアイテムには「赤」「黄」「青」「緑」が存在し、「赤」以外は体力回復アイテムである。 なお、「赤」を取得することで麒麟をパワーアップすることができ、現在のパワーアップ状況はズボンの色でわかる仕様となっている。ズボンの色は初期状態で青、そこからアイテムを取るごとに紫→赤→白→黒と変化していく。パワーアップ最強の状態ではオプションのような使い方ができる残像が4体に増え、攻撃モーションに虹色のオーラをまとうようになり攻撃範囲も広くなる。しかしダメージをくらうとパワーダウンしてしまうので、極力ダメージをくらわないようにボスまでたどり着けるようにしたい。


エキセントリックなストーリーを楽しもう!


なにしろストーリーがエキセントリックに急展開するので、当時本作をプレイしたことがある人でも、きちんとストーリーを追えている人は少ないと思われる。



世界征服を企む組織「スレイヴァー」を壊滅させるための刺客「麒麟」を送り込んだ連邦法務長官ジャック・レイソンはオープニングからパンツ一丁で登場するし、どう見ても悪人顔。そして次に登場した時には全身黒のスーツに黒のフェドーラ帽という、冒頭からあまりの怪しさにストーリーがまったく頭に入ってこない。



ステージ1は「湾岸都市グラン」から始まり、敵の容赦ない攻撃をかわしつつ先に進むと、ステージボスのGAMRANと戦うことになる。ちなみに1発ダメージをもらっても問題ないのであれば、スライディングでふところに飛び込むことで簡単に倒せるのは、当時のゲーマーにはよく知られた話だった。



ステージ2はGAMRANを倒したところからスタートし、壁を走る列車に追われつつ先に進むと、ステージボスHERIOと戦うことになるのだが、問題はこの「壁を走る列車」。「ガハハハハ!死にたくなければ思い切り駆けおりてギリギリで飛んでみせろ!」と、かなり親切にアドバイスをくれる敵である。しかも言われた通りに回避に成功すると、列車は壁に衝突してボロボロになって飛んでいくので、何をしたかったのか理解に苦しむ展開になる。




そして「ごくろうだった麒麟たっぷり褒美をくれてやる」と言いながら、容赦ない攻撃をしてくる始末。



そんな急展開からのステージ3は「炎の砂漠バフア」にて、鎖で繋がれた状態からはじまる。


サソリが鎖を切ってくれたことで、なんとか解放され、命からがら砂漠を進み、地下洞窟へ降りることになるのだが、ここで再びジャック・レイソンが登場し「地獄のリゾートを楽しむがいい」と言い出す。


この人が一体どこで見てるのか、逃げられるのも織り込み済みなら、わざわざ鎖で縛らなくてもいいのになど、ツッコミどころが多すぎて、ゲームに集中できないのだが、そういうエキセントリックな展開を楽しむゲームだと思うので存分に心の中でツッコんでよいのだと思う。



その後も、戦闘集団で同期?だった「狄(テキ)のウィリフ」と戦ったり、海賊と友達になったりと、さらなる急展開が続き、そろそろツッコミが追い付かなくなったり。



見るからに中二病が治らないまま大人になってしまった兄弟子「カノンス」や、敵の紅一点であり麒麟と過去に何かしらあったらしい「ティアノン」と戦うことになるのだが、このあたりはご自身でプレイして存分にツッコんでほしい。


公式チートで無双プレイ!?


なんとこのゲーム、公式にチート機能が搭載されているのである。
設定画面から、ジャンプ中だけ無敵になる「無敵ジャンプ」や、攻撃中は無敵になる「無敵アタック」などを選ぶことができるだけでなく、「チート」という項目から、そのものズバリの「無敵」や、大殺陣を無限に使える「無制限フェイタルアタック」などを選ぶことができるので、当時プレイしたけどあまりの難しさにクリアでき来なかったという人でも簡単にエンディングまで遊ぶことができるのはうれしい。



もちろん普通にプレイしてクリアできればよいのだが、このゲームは当時、筆者の周辺でクリアできた人が皆無だったほどの高難度。同じようにクリアができなかった方々は、ぜひ本作を購入して、無双プレイで当時見られなかったエンディングを、そして世界征服を企む悪女「スレイヴァー」とは何者だったのかを、その目で確かめてほしい。



というわけで、「キャノンダンサー -OSMAN-」をプレイさせていただいたのだが、アーケードに登場してから26年が経過した現在、まさか再び「キャノンダンサー」をプレイできるとは感動するばかり。しかも非常に完成度の高い移植ということで、当時リアルタイムでプレイしたファンのひとりとして楽しくプレイすることができた。 当時アーケードでプレイした人はもちろん、当時を知らない人も、家庭用コンソールへの移植は史上初となる本作、そのスピード感と流麗なキャラクター動作が高く評価されたクラシックレトロゲーム「キャノンダンサー -OSMAN-」をこの機会にぜひプレイしてみてほしい。

  • ■タイトル情報
  • タイトル:キャノンダンサー -OSMAN-
  • 対応機種: PlayStation4/Nintendo Switch
  • 発売日:2023/4/3
  • 価格:4,378円(税込)
  • ジャンル:アクション
  • CERO:B

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