【2023年冬アニメおススメ3選】「お兄ちゃんはおしまい!」──このアニメをリアタイで観れたことを永遠に誇りに思うことだろう!【EXILE/FANTASTICS世界が語るアニメの世界!第1回】
人気ダンス&ボーカルグループ・EXILE/FANTASTICSにおいて、アニメ好きを公言するパフォーマー・世界が、毎シーズンのアニメからオススメアニメを3作品チョイスする新連載。
第1回は2023年1~3月の冬クールのアニメ。熱いアニメ愛ほとばしるレビューをご一読あれ!
REVENGER
時代はおそらく江戸時代らへん(明確にはされていない)、僕らが知る歴史とは異なる長崎が舞台の時代劇アニメ。笠間淳さん演じる元薩摩藩士・繰馬雷蔵は、第1話からいきなり悲惨な運命を辿ることになります。この第1話を見た瞬間から、とても大好きな作品になりました。
ニトロプラスさん×松竹さんという、歴史ものや登場人物達の心の機微が描かれる物語が好きな僕にとっては、まさに大好物と大好物のかけ合わせのようなタッグが企画した本作。アニメーション制作は「忍たま乱太郎」「かいけつゾロリ」、昨今では「かくしごと」で有名な亜細亜堂さん。これまた作画に大変定評のあるチームだと思います。カメラワークや演出など至る部分に、藤森雅也監督の手腕がめちゃくちゃ光ってるとも感じました。
物語の注目すべき点は冒頭で述べた通り、まず僕らが知っている歴史とは異なった長崎が舞台ということ。とはいえ、もちろん知っている名前や事物もたくさん出てきます。時代劇に強い松竹さんならではの考証や時代背景を踏まえた設定をふんだんに盛り込みつつ、登場人物達のセリフの端々にいたるまで魅力がたっぷりと詰まってます。
そこで描かれるのは、ニトロプラスさんによる“新時代劇”というか、もしかしたら本当にこんなことがあってもおかしくはなかったのではないか、と観てる僕らにそう思わせるような儚くも人の心の深淵をえぐるような、すばらしい物語の数々……。
そして、個人的にものすごくブッ刺さったのが、劇伴です。
音楽が兎にも角にも素晴らしい。Jun Futamaさんによる楽曲は、和の楽器を大切にしながらも、「REVENGER」の世界の持つトリッキーで妖艶、かつ不気味な世界をとんでもなく鮮やかに彩っています。
多彩な人種が出入りする長崎が舞台ということもあってか、さまざまな音楽ジャンルが入り混じってるのもめちゃくちゃ好みでした。
キャストのみなさんのハマり具合も、最高によかったです。“恨噛み小判”を介して「利便事」の依頼を受ける、“リベンジャー”の面々を演じる声優さんたちが魅力的で、曲者揃いのメンバー個人を立たせる演技もチームとして会話している時の演技も、どちらも最高でした。
笠間淳さん演じる主人公・繰馬雷蔵(くりまらいぞう)は元薩摩藩士の刀の達人ということから、気合いの入ったかけ声がとにかくすごい。あれは示現流(じげんりゅう)特有の猿叫(えんきょう)だと思うのですが、そういう細かいところまで作り込まれており、そこが非常に楽しいです。ビジュアルだけでなく、轟音とともに気迫が伝わってくるようで、特に第1話の描写が最高でした。笠間さんの声の響き方が、最高に素晴らしかったです。
梅原裕一郎さん演じるリーダーの碓水幽烟(うすいゆうえん)は、落ち着きがあり、強い信仰心をみせながらもどこか秘密を隠しているような演技が印象的。いっぽう戦う時には、冷静沈着な態度が頼りになる、まさにリーダーというべき演技が素晴らしかったです。どんな局面でも、彼のひと声で利便事屋全員が冷静になるのですが、それも納得といった感じです。金箔で相手を殺すのも、めちゃくちゃカッコいい。アニメならではの技という感じで、スタイリッシュ仕事人!!
鳰(にお)を演じるは金元寿子さん!! 演じるのがとても難しいキャラかも、というのが第一印象でした。というのも鳰には、他人とのいわゆる共感性がないキャラだったためです。それゆえに、きっと彼にはなにか過去があるのかなと思って観ていたのですが、第5話で描かれた鳰の過去が非常にエグく、それでいてていねいに鳰の心を見せてくれたので、非常に好きなキャラになりました。この回は、金元さんの演技がすごく光っていましたね! あと猛烈にかわいいし、かっこいいです! 凧糸で相手を殺すスタイルは、鳰のキャラとハマっててこれまたすごくスタイリッシュ!! 鳰、本当にいいキャラでした。
続いて業上徹破(むらかみてっぱ)を演じるは、武内駿輔!! 文字からもわかる本当の「破!!」な人。武器は馬鹿でかい弓で、どんなに離れたところからも建物ごと射抜く超剛腕の持ち主の町医者です。
徹破は医者ということもあり、最初は常識人だと思って観ていたのですが、話が進むにつれてこの人もどこかが壊れている人なのかな、と思うようになってきました。
徹破は碓水とニコイチで行動することが多く、サブリーダー的なポジションの、とても頼りになる男です。本気を出した時には、発熱のせいか全身が赤くなり、蒸気のように汗を出す姿がとても好きでした!
惣二を演じるのは葉山翔太さん! めちゃくちゃ好きなキャラでした! 物語を観ていくとわかるのですが、めちゃくちゃ人情味あふれるいい大人少年って感じがして、個人的には一番頼りたくなってしまいそうなリベンジャーです。葉山さんの演技が、きっとそう思わせるんだと思います。
惣二は花札を使って戦うんですが、その性格とは裏腹な、繊細な戦い方がすごく好きでした! 惣二については、ついいろいろと話したくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
いつ誰が誰を殺る状態かわからない。あの人は本当に味方なのか、それとも敵なのか……。メインキャラクター以外にも、そんな魅力的な人物が多数登場します。利便事屋にからんでくる漁澤(いさりざわ)や嘉納、貞らはとってもいいキャラクターでしたし、宍戸なんかは、まー見てて憎々しさと愛らしさが入り混ざった感情になるキャラでした。
平川大輔さん演ずる瀏(りゅう)という中国人がいるのですが(作中では唐人街に出てきます)、平川さんの中国語は半端なかったです。自然過ぎる。
……という具合に、キャラを語るだけで終わっちゃいそうなので、ストーリーについても語りたいと思います!
まず、脚本がめちゃくちゃ素晴らしかったと思います! 会話劇がとてもすごい。あの人にこれを言われたら……、と想像すると、自分の心にもヌプッと言葉が入ってきたり、グサッときたり。そんなとても素晴らしいセリフの数々が出てきます。虚淵玄さんをはじめとするニトロプラスさんによる脚本は、本当に鳥肌もんでした。
アクションシーンも、勢いがあってスタイリッシュかつ大胆。バトルものが好きな僕としては、大満足でした。
みなさんも、ぜひ観てみてください!
魔入りました!入間くん(第3シリーズ)
やっぱり「入間くん」は外せません!!
第3シリーズは第1話から飛ばしてて最高でした。こんなに派手で癖のある生徒ばかりの学校があったらいいですよね。さすが悪魔といったところですね! 全員主役級!!
第3シリーズは「収穫祭編」がメインに描かれていましたが、個人的に大好きだったのが、何と言ってもバチコと入間の修行でした。前シーズンとは打って変わって少年漫画っぽくなってくるのが、第3シリーズ魅力だと思います! バチコを演じる竹内順子さんの演技も、ハチャメチャでよかったですよね。入間くんにしっかり魅了されているというか、入間くんをしっかり弟子と認めるシーンなんか、「入間くんこそが本当の小悪魔だなー」と思いましたね。
入間くんが、クララを助けるために弓を構えるところなんかも、最高にカッコよかったです!
クラスメイト全員の家系能力を使って、互いにライバルとして意識しあう展開もまたそれぞれの個性が爆発していてよかったです! なかでも、オロバス・ココの心の声の圧が強すぎてめちゃくちゃ笑いました。安元洋貴さんの演技と声圧が、ばっちりハマりすぎて最強に面白かったです!
そんな「収穫祭編」ですが、時系列がいろいろと変わっていくのも特徴。ミステリー要素もあり、各キャラの能力と時系列がぴったりハマっている展開も、アニメだとさらにドキドキしました!
その代表は、シュナイダーでした。悪魔ならではの賢さ、もとい、ずる賢しこさ。「うわ、ズル!!!!!!」なんて普段は思ってしまいそうですが、それは人間界での話。悪魔界では悪魔ならではのカッコよさ、戦い方があるのです。全てが悪魔らしいんですよね。そこがとてもカッコよく描かれているのが収穫祭かな、ということが観ていて感じました。
つまり、「魔入りました!入間くん」という作品の魅力が、特に伝わってくるのが第3シリーズなのではないかな、と個人的には強く思いました。
そんな本作ですが、好きな悪魔をあげ出したらキリがなくなるんですよね、本当に。
最終話、サリバンがバチコとの会話で、サラッと重大なことを言ってしまうところなんか「さすがサリバン」と思いました。「入間くーん」の言い方、最高ですよね!!
アズアズ君の母上、アスモデウスアムリリスさんも、なんて素敵な方なのでしょうか。入間くんは人間なので、悪魔界で生きていくうえでの考え方や友達との関係などで葛藤して、悩むことも少なくないんですよね。そんな中で、アムリリスさんから「友達とは何か」を教えてもらうシーンは、本当にジーンときます。
第3シリーズは、一貫してアブノーマルクラス1人ひとりの考え方や生き方が少しづつ見えてきて、とても素敵なシリーズだったなと思います。早く第4シリーズが観たいですね!!
個人的にプルソン君のエピソードがとても好きなので、それが楽しみです!! この後に描かれる「音楽祭編」もまたいろいろと思うことがあると思います。
というわけで、みなさんもぜひ「魔入りました!入間くん」をご覧ください!
お兄ちゃんはおしまい!
天才的な作品とは、まさにこの作品のこと。僕は、このアニメをリアタイで観れたことを永遠に誇りに思うことだろう。
あぁ……、こんな最高な作品が今、生まれたんだ。この時代に生きてることを幸せに感じる瞬間が、久々に訪れた……。
これが、第1話放送時の僕の心の中です。まず初めに、キャストの皆様、スタッフの皆様に多大なる感謝の念をお伝えしたくなりました。
第12話のあのEDも泣いてしまいました。ずるいですね。
そんな「お兄ちゃんはおしまい!」ですが、まずカメラワークと空間の使い方が半端なく素晴らしかったと思います。
キャラクターの日常が描かれる作品なので、家の中や学校、本屋など僕らにとって身近な環境が描かれるのですが、アニメと現実の狭間の絶妙な空間を、めちゃくちゃ素晴らしい作画とカメラワークで描いていてテレビの前で拍手してしまうほどでした。
上記シーン以外も、とんでもない作画力と動き、演出1つひとつが最高のバランスで襲ってきました。特にキャラクター全員が引きの画で映ってる時に、まひろだけが少しモジモジしてる微妙な空気感などは、本当に彼女たちの日常を観ている感覚に一瞬でさせられたように思えて、まさに神業だと思いました。
またOPとEDのアニメーションも本当に素晴らしいと思いました。アニメーター・渡辺明夫先生が手がけた、まひろやみはりたちの動き、ダンス、表情……全てにおいて最高のアニメーションでした。
スタッフの皆様はもちろん、キャストの皆様の熱量がアニメとしてひしひしと伝わってきた気がしました。
少しだけストーリーの部分もお話します。
妹・みはりが開発した飲み薬によって女性になってしまうお兄ちゃん・まひろ。これをきっかけに妹の引きこもりのお兄ちゃんへの思いやりや、学校の友達1人ひとりとの感情の交換、思いやりや友達の大切さが描かれます。
中でも突如現れる妹・みはりと、めちゃくちゃ面倒見がいい同級生・かえでちゃんというお姉ちゃんギャル──彼女の女神様感がとてもいいスパイスになっていて、個人的にとても好きでした。
女の子になってしまったことで、今まで自分が避けてきていたことや、しなかったことも、みはりちゃんのおかげで気付くことがあったり、みはりちゃんへのお兄ちゃんとしての思いや自覚が生まれたり……。「お兄ちゃんはおしまい!」って、そんな兄妹(姉妹)のお話でもあるんですよね。
全ての回がツボを突いてくる作品だったので、毎話本当に感謝しながら観てました。
特に第12話は温泉旅行が本当に楽しそうで、観ていていろんな気持ちが満たされるエピソードでした。
そのほか、女の子って大変なんだな……と思わせられる数々のシーン。と同時に楽しそうだなーと感じる数々のシーン……。天才的な作品──まさにTS作品です。
素晴らしい作画の数々。素晴らしい声優のみなさんの演技。久々に、全てにおいて撃ち抜かれた気分になる作品でした。本作は、この12話で本当に「おしまい」なんでしょうか。第2期がとても観たい作品です。
本当にありがとうございました!
(撮影/金澤正平)
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