「ガンプラ作りの気分転換にガンプラを作る」日本人がグランプリ!「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP2018」世界大会決勝戦レポート!!
バンダイ公式のガンプラ製作世界一決定戦「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP 2018」。世界大会決勝戦の表彰式が2018年12月9日(日)、東京・お台場「THE GUNDAM BASE TOKYO」にて開催された。
当日はジュニアコース(14歳以下)12作品、オープンコース(15歳以上)16作品の計28作品が本会場に勢ぞろい。全世界からファイナリストが集結し、結果を見守った。
審査は「ホビージャパン」編集部の木村学編集長、「モデルグラフィックス」編集部の関口巌さん、株式会社BANDAI SPIRITSホビー事業部の安永克彦さん、川口克己さんという4名の審査員により行なわれ、「工作」「塗装」「アイデア」の3つのポイントによる総合点で競われた。
この日は特別審査員として「ガンダムビルドファイターズ バトローグ」で監督を務め、そのほかにも数多くのロボットアニメのメカニックデザイン等を務めてきた大張正己さんが登壇。「世界レベルのガンプラのすごさを感じました。こういう場に立ち会えて光栄です」とコメントした。
最初は特別賞の発表。「THE GUNDAM BASE賞」は香港のマンソン・ンーさん製作「オリジン オブ シャア」。
「取り合わせ、アイデアの面白さが際立っていて、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観にこだわっている」と評価された。
「メンズビゲン賞」はカナダのロウ・ライアンさん製作の「クシャトリア ベッセルング」。「全体の構成が見事、深い愛情が込められていて、努力の跡も見られる。効果的な追加パーツと効果的な表現で、新たな個性を出していて、外見だけにとどまらない美しさを感じる」と評された。
そして大張さんが選考した「特別審査員賞」はタイのヴィチャユス・エイアム・オンさん製作の「ウィー アー ガンダム」。
「装甲への映り込み、塗装など、すべてが僕の好みです」と絶賛された本作には、副賞として大張さん直筆のイラストが描かれた色紙もあわせてプレゼントされた。
ここからは各コースのチャンピオンを発表。まずはジュニアコースの上位3名が発表された。
3位は、この日残念ながら来場がかなわなかったベトナムのヌグヤン・ホンー・ロン君製作の「ザ ホワイト ゴーレム」。
「1/144サイズのモデルですが、細かい作り方に好感が持てます。バックパックやメタルパーツを作り込めばさらに上位を狙えるかもしれません」と評価された。
2位は台湾のウ・シ・エン君製作の「ワンス アゲイン」。
「一見地味に見えますが、目を凝らすと工作、塗装ともに非常に高いレベルでまとめられています。高さの変化をつけてみるとさらによくなると思います」と評価。
そして1位はインドネシアのマーク・アレクサンダー・イルワント君製作の「ビルドダイバーズ ファンタジー」。
「空間構成能力の高さに驚かされました。一番驚かされたのがカラーリングで、メッキの塗装もきれいで、満場一致で決まりました」と評された。
【イルワント君 コメント】
「私の芸術はまだまだ完成ではないと思っています。ありがとうございました!」
続いてオープンコースのチャンピオンの発表。
3位は「特別審査員賞」に続き、タイのヴィチャユス・エイアム・オンさん製作の「ウィー アー ガンダム」。
「各装甲への映り込みの方法に驚かされました。本体に目が行きがちですが、足元の細かい再現も見ていて楽しくなりました」と評価された。
2位はフィリピンのジェームズ・マーク・アル・クインサットさん製作の「エヴリシング スターツ ウィズ ア プロトタイプ」。
「1/60スケールの作品を1/12に見立てるアイデアがすごいです。3Dプリンターを使っているのに違和感がなく、塗装力の高さにも驚かされました。いつまでも観ていたいような、細かい部分の作りも素晴らしいです」と評された。
そして第1位は日本の佐藤祐介さん製作の「ガンダムエクシアリペアII ‐胎動‐」。
「ボックスタイプジオラマは、ある1方向から観ることが多いのですが、よく見ると側面に窓があり、窓からもジオラマを楽しめます。また細かい造形があり、遊び心も感じられます。どこから切り取っても高いレベルでアイデアも素晴らしく、チャンピオンにふさわしい作品です」と評価された。
【佐藤さん コメント】
「こんな賞をいただき、感無量です。ありがとうございました」
最後に大張さんは「ガンプラだからこその無限の可能性を見せつけられました。このインスピレーションを現場に持ち帰り、アニメを作っていきたいです」と総評した。
なお、佐藤さんは「ガンプラ製作に行き詰まったら、気分転換に別のガンプラを作る」ほどのガンプラフリーク。次回作の構想は「まだ未定」とのことだが、ディフェンディングチャンピオンとして力作を期待したい。
なお、そのほかの受賞者の情報や作品の写真は、現在公式サイトで公開中だ。
#そのほかの受賞作は以下。
(取材・文・写真/佐伯敦史)
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