【インタビュー】今までの物語、これからの物語──fhánaが5周年を記念し、ベストアルバム「STORIES」をリリース!
2013年8月に、TVアニメ「有頂天家族」のエンディングテーマ「ケセラセラ」をリリースし、メジャーデビューを果たしたfhána。デビュー5周年となる今年最後の12月に、ベストアルバム「STORIES」をリリースする。
今までにリリースしてきた13枚のシングルと、5周年を記念した新曲を収録。さらに初回限定盤には、ライブのベストテイクを集めたCDと、2018年6月24日に開催されたライブの模様を完全収録したBlu-rayも同梱され、5周年を祝うにふさわしいボリューム感満点の作品となった!
メンバーは5周年をどのように感じているのか。リーダーの佐藤純一さんに話を聞いた。
5年やってきて、fhánaはバンドらしくなったと思います
──デビュー5周年、おめでとうございます。どのような心境ですか?
佐藤 あっという間に5年経っていたという感じですね。自分たちより後にデビューしたバンドやアーティストがたくさん出てきて、もう新人じゃないんだと、ふと気づくという(笑)。fhána結成から数えると7、8年ということで、長い時間が経ったんだなと思います。
──5周年アルバム「STORIES」を作るにあたって、どんなことを考えましたか?
佐藤 もともとベスト盤の企画が持ち上がる前から、5周年の新曲を作りたいと思っていたんですよ。だからベスト盤を出すなら、そこに収録すればちょうどいいかなと。
──初回限定盤は2CD+1BDというボリュームです。
佐藤 towanaがライブ盤を作りたいと以前から言ってたし、僕も僕で先日の「World Atlas Tour 2018」のファイナルはすごく手応えを感じたのでパッケージとして残したいなと思っていて、これも全部ベスト盤に入れられちゃうなと。それに、fhánaのファンの方々は、シングル曲はほぼ入手していると思うんです。新曲と、ライブ盤と、さらに完全版のライブ映像があることで、ベスト盤をより楽しんでいただけるんじゃないかなと。もちろん、fhánaを初めて聴いてみようと思った方にも、シングル表題曲が全部入っているし、ライブの様子もわかるということで、いい入門編になっていると思います。
──シングル曲は発表順に収録されているので、1曲目から通して聴くとfhánaの歴史が一望できます。佐藤さんはこの5年で、fhánaはどのように変わってきたと感じていますか?
佐藤 音楽性は確実に変化してきたと思います。アニメ主題歌は自分たちの内側から出てくるものだけでなく、作品とのコラボによって生まれるものなので、その掛け合わせによって新しい世界が開いていきましたし、日本だけでなく海外の音楽シーンを俯瞰して、その時々のサウンド感を取り入れながら作っていったというのもあります。また、音楽性だけでなく、バンドとして、メンバーも僕も成長したのかなという気がしますね。
──バンドとしての変化というのは、どういうことでしょうか?
佐藤 スキル的な部分もそうなんですけど、ライブを重ねてきたということもあって、メンバーの顔つきが変わってきたように思います。いい顔してるじゃんという(笑)。ライブのリハーサルをしていて、ふとメンバーの顔を見るとアーティストっぽくなったなと感じることがあります。
──ボーカルtowanaさんの成長は、どのように感じていますか?
佐藤 歌はナマモノなので、そのときそのときの魅力があって、昔より今の方がよくなったと直線的には語れないと思うんです。1stシングル「ケセラセラ」などの初期の曲を聴き直すと、その時ならではのよさがあって、それはもう今では出さないもので。逆に今、「ケセラセラ」を歌えば、今のよさがあるんですね。ただ、初期と比較すると、今のほうが明るい歌声になった気がします。いっぽう、ステージ上のパフォーマンスに関しては、すごく成長したなと思います。
──メジャーデビュー当時のfhánaを振り返ると、どんな感じでしたか?
佐藤 僕は最初、FLEETとしてランティスからデビューして、そこから別のレーベルに行ったりした後、新しくfhánaを結成して。towanaがメンバーに加わったと思いきや、昔から繋がりがあった佐藤純之介プロデューサーからアニメ主題歌の話が来て。タイアップの話が来ちゃったよと(笑)。そもそも、アニメソングを狙って結成したわけではなかったので、驚きが先でした。メンバー全員、「本当?」って感じでふわふわしてましたね(笑)。
──はははは(笑)。でも、「有頂天家族」のエンディングテーマとして作られた「ケセラセラ」以降、たくさんのアニメ主題歌を途切れずに作り続けてきたわけで。アニメ主題歌の作り方の勘どころみたいなものをつかんだと思った瞬間ってあったのでしょうか?
佐藤 勘どころと言われると、どうなんでしょうね。でも、「ケセラセラ」を作ったときに、むしろ作りやすいなと思いましたね。曲だけでなく創作物はなんでもそうだと思うんですけど、ゼロから1にするときが一番辛いんです。今回は何をやろうかというところを考えるのが、一番難しいんですね。それがアニメの場合、まず作品があって、具体的にこういう曲にしてくださいという要望がある場合もあって、かなり楽曲の方向性が見えている状態からスタートできるんです。そういう意味では、逆に完全なオリジナルよりも作りやすいですね。
──最初から、それを感じたということですね。
佐藤 そうですね。作品の雰囲気と、制作当時の自分のやりたいことを掛け合わせることで、曲は自然にバラエティ豊かになっていきました。
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