妖怪の魔の手から子どもたちを守る妖怪ヒーロー・マツバライザーK、参上!【ご当地ヒーロー超大全 第10回】
記念すべき連載10回目に登場するヒーローは!?
九州地方・佐賀県を守っているご当地ヒーロー「マツバライザーK」だ!
第10回マツバライザーK 九州地方 佐賀県
今回は現在、日本で最もご当地ヒーロー熱が高まっている九州は佐賀県を中心に活動しているマツバライザーKをご紹介します。
今や関東、関西のヒーローファンがわざわざ足を運ぶほど、九州で行われる有料ヒーローイベントは大盛況。「九州に詣でる」なんて言葉が一部のご当地ヒーローファンの間で流行するほどです。
そんな激アツな九州ヒーローシーンの中でも、いぶし銀の存在感を発揮しているマツバライザーKは、かなり古参のご当地ヒーロー。初登場は2007年、佐賀県佐賀市にある松原神社の「ひゃあらんさん祭」の守り手として考案されました。初登場時は地元のメディア紙にも取り上げられ話題を呼び、その後はご当地ヒーローとして活躍していきます。
まずはマツバライザーKのホームタウン・佐賀県の紹介をしたいと思います。
九州地方・佐賀県
九州地方の北西部にある佐賀県の人口は819,110人人(推計人口、2018年10月1日)。
県の木は「クスノキ」、県の花は「クスの花」、県の鳥は「カササギ(カチガラス)」、県庁所在地は佐賀市。
東に福岡県、西に長崎県、北に玄界灘、南に有明海が位置しており、温暖な気候と肥沃な土地のため、全国でも有数の農耕地帯となっています。県内を見渡せば、南部から東部に広大な佐賀平野が広がり、東部には九州一の一級河川・筑後川が流れています。また先述のとおり南部は有明海に接し、北部は脊振山地という具合に、風水でおなじみの四神相応の図のような地形をしています。地脈の影響なのか、稲作農耕を基盤とした古代国家が栄えた地域でもあり、吉野ケ里遺跡をはじめとする弥生時代の遺跡も数多く発見されています。
中世には佐賀藩主・鍋島直茂のもと勢力を伸ばしました。この頃、鍋島藩のお家騒動が起こり、これが後に「化け猫騒動」と形を変え語り継がれることになります。この「化け猫騒動」は歌舞伎の演目、歌川国芳の浮世絵を通じて知っているという方も多いのではないでしょうか。ほかにも佐賀城の城下町を流れる松原川の「河童伝説」も有名です。
幕末は戊辰戦争に参加し、明治維新に尽力する重要な人物を多く輩出しました。
早稲田大学の創始者・大隈重信、初の国際裁判で勝利し称賛された外務卿(外務大臣)・副島種臣、二代目東京府知事・大木喬任、首都を京都から東京へ遷都することを提言した人物のひとり・江藤新平、日本赤十字社の創始者・佐野常民、北海道の開拓の父・島義勇。そして上記の6名を育てた幕末の名君・鍋島直正。彼らは「佐賀の七賢人」として今も郷土の人達に尊敬されています。
名産品は唐津、伊万里、有田などの陶磁器、佐賀牛や海苔のほか、呼子のイカ、白石町の玉ねぎ、太良町の牡蠣、嬉野茶などおいしい食べ物も充実しています。
観光スポットも多く点在し、吉野ケ里歴史公園、祐徳稲荷神社、唐津城、佐賀県立宇宙科学館、御船山楽園、日本三大松原のひとつである虹の松原もあります。
子供たちの守護者
次にマツバライザーKのストーリーを紹介します。
むかしむかし、そのむかし。日本の中世時代のこと、肥前の国に「兵主部(ひょうすべ)」(以下、ひょうすべ)といわれる河童の一族が松原川に住んでいました。ひょうすべ達は、川で遊ぶ子供たちを川に引きずり込むなどの悪事を働いたために、時の権力者である佐賀城藩主・鍋島直茂はひょうすべ討伐を決定します。そこで、ひょうすべ達は、自分達の悪事を反省し、川で遊ぶ子供たちを永遠に守り続けるという、石よりも固い約束を交わし、その証として河童の石像を建立してもらうことになりました。
そして時代は流れ、現代。
先祖が交わした約束は、マツバライザーKが継承していました。ですが、松原川は人間達の環境汚染で汚れ、川に住めなくなったマツバライザーKは武者修行の旅にでました。その後、地元の人々の手によって川がきれいに再生されたことを聞きつけ、マツバライザーKが松原川に戻ってきたのは2007年のこと。
ところが、川に戻ってきたのはマツバライザーKだけではありませんでした。人間に恨みをもった妖怪や、きれいな川を目当てに侵略してくる他地域の妖怪も、次々と姿を現し始めます。マツバライザーKは人間たち、子供たちを守るため戦い続けることを決意します。
妖怪ヒーローただ今参上
マツバライザーKは、その設定も秀逸です。一部をここで紹介すると、ひょうすべ一族はマツバライザーK、マツバランサーQ、マツバライナーA、マツバライガーJという四天王が治めるいっぽう、同族からは水虎という強力なヴィランが出現しマツバライザーKを苦しめます。ほかにも、山の妖怪・大天狗や部下の三羽烏(鴉天狗)など、ライバル妖怪がストーリー華を添え、盛り上げてくれます。特撮ファンならずとも、妖怪ファン、子供から大人まで楽しめる設定なのです。
ショー自体も非常にクオリティの高いアクションで構成されています。
というのも、この企画を運営しているPROJECT-Kの代表はもともと第一線で活躍していたアクション俳優なのです。地元・佐賀県に戻ってきた後も、地元の子供たちに本格的なアクションに触れてもらうために、地元密着型のヒーローをクリエイトしたのです。
その活動は積水成淵(せきすいせいえん)のごとく、いち早くインターネットを活用しイベントに多数出演。地元での知名度を上げ、人々から応援され、愛され、そして佐賀県を代表するヒーローとして成長していきます。
2010年代に入ると各メディアがご当地ヒーローをこぞって取り上げるようになり、マツバライザーKも佐賀県のヒーローとして全国区のヒーローになっていきました。
現在も新設定が追加され、その世界を拡張しています。2013年には新設定として忍者の人間体の姿が公開され話題を呼びました。今後も、さらなる活躍が期待できるヒーローとして、目が離せないひとりです。ちなみに、河童はキュウリが好物ですが、ひょうすべはナスが好物らしいです。
マツバライザーKのスペックはこちら
左「マツバライザーK」ヒーロー
スペック
・身長:コンプレックス
・体重:それなり
・必殺技:松原旋風脚(まつばらせんぷうきゃく)葉隠疾風斬(はがくれしっぷうざん)
・特殊能力:妖力・人間体に変身できる(人間体の時は疾風丸という忍者)
・武器:妖刀ハガクレ丸
・変身前:ひょうすべ
・職業:忍者
先祖の交わした人間を守るという約束を果たすため、そして人間と妖怪の共存を目指して戦う河童の戦士。
右「水虎(すいこ)」ヴィラン
スペック
・印象より小柄
・体重:不明
・必殺技:猛虎爆砕撃(もうこばくさいげき)
・特殊能力:妖怪召喚
・武器:牙虎髯(がこぜん)
・変身前:水虎 職業:マツバランサーQの祖先の家臣
永き封印より目覚めし破壊の化身。元々はマツバライザーKと同じくひょうすべ一族だったが、禁断の妖力を手に入れ、暗黒の力に心を囚われた。
次回は大分県を守っている「パワーシティオーイタ」をご紹介します!
こうご期待!
(文/ヒセキGFX)
© 2007 PROJECT-K
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