【インタビュー】テーマは思春期。鹿乃が、オリジナルとカバーの2枚組による3rdアルバム「rye」をリリース

動画サイト出身で、数々のアニメ、ゲーム主題歌を歌ってきたシンガー・鹿乃が、3rdアルバム「rye」をリリースする。アルバムのテーマは、「思春期」。タイトルの「rye」とはライ麦のことで、永遠の青春小説「ライ麦畑でつかまえて」から取られているという。特筆すべきは、TVアニメ主題歌2曲を含む最新オリジナル7曲を収録した〈Side-A〉と、かつて自身が歌ってきたボカロ曲をアコースティックセットでカバーした〈Side-B〉の2枚組であるということ。鹿乃のやさしい歌声が、たっぷりと味わえる作品となった。
2018年11月25日には、生配信による「お披露目記者会見」で、カメラの前に姿を現した鹿乃。その姿は、なんと着ぐるみ! 今回の取材は、“ばんびちゃん”の着ぐるみを初めて着用する寸前に行われたもの。まずは、その感想から聞いてみた。

今後はばんびちゃんの着ぐるみで、みなさんの前に出ます!


──ばんびちゃんの着ぐるみ、11月25日生配信の「お披露目記者会見」で世間に公開されましたが、それより早く、拝見させていただきました。鹿乃さんが着ていない状態でしたけど。

鹿乃 今日これから初めて着てみるんです。説明書を読むと「めちゃめちゃ暑いし重いけど、がんばって」って書いてありました(笑)。でも、すごくかわいかったので、着るのが楽しみです。

──着ぐるみのアイデアは、どなたから出たんですか?

鹿乃 スタッフさんです。私は最初冗談かと思ってて、へらへらしてたんですけど、あ、本気だったんだと思って。でも、狙い目ではあったのかなと。歌い手さんで着ぐるみってほかにいないですよね。

──鹿耳にテントウムシが止まっていて。

鹿乃 あれ、かわいいですよね。デザインしてくださった方がアドリブで付けてくださいました。後からリボンとかも付けられるので、季節ごとにアクセサリーを変えていきたいと思います。

──今後のばんびちゃんの稼働が楽しみです(笑)。さて、今日の本題は、3rdアルバム「rye」についてです。オリジナルとカバー合わせてCD2枚組、全14曲というボリュームで、とっても聴き応えがありました。

鹿乃 もともとの私のファンの方や自分の活動を、今改めて大事にしようという原点回帰の気持ちがありました。それと同時に、アルバムのテーマが「思春期」だったんです。鹿乃として活動し始めてからの思春期って、いつかな? と考えたら、じんさんやkemuさんの曲を歌っていた頃かなと。そういう意味で〈Side-A〉オリジナル盤と〈Side-B〉カバー盤の2枚組にさせていただくことになりました。

──ファンのみなさんにとっても、あの頃のカバー曲をもう一度聴けるというのはうれしいですよね。

鹿乃 今の私が歌ったら、こうなるよって知っていただきたいと思いました。音楽活動を通して、いろいろなことを吸収して、今はこんな感情表現ができるようになったよと。違いを感じていただけたら、うれしいなと思いました。

──カバー盤は、全曲アコースティックバージョンなんですよね。それもよかったです。

鹿乃 ありがとうございます。自分の希望として、今後はライブでもアコースティック系をやってみたいなと。そういう意味でも、まずは音源にさせていただきました。

──オリジナル盤の内容については、どう感じていますか?

鹿乃 まず、どうしてもじんさんに書き下ろしていただきたくて。リードの曲の「「Q」&「A」」は念願がかなった曲です。ほかの楽曲も、私の希望したクリエイターの方々に書いていただけて、まとまりのある1枚になりました。激しい曲も、テンションが上がる爽やか系の曲もあるんですけど、全体的には落ち着いて聴けるアルバムになったかなって思います。

──「rye」というタイトルには、どんな意味があるのですか?

鹿乃 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の「rye」なんです。思春期の葛藤を歌いたいということで、このタイトルに決めました。

──なるほど、ライ麦畑の「rye」なんですね。

鹿乃 そうなんです。それから綴りは違うんですけど、「lie(嘘)」にも引っかけて。こうなりたい、こうありたいという思いを強がって言い続けていれば、いつかは嘘も本当に変わるのかなって。そういういろいろな意味をこめて、このタイトルにしました。

おすすめ記事