「ファイナルファンタジーXVI」体験版インプレッション! 序盤のストーリーや召喚獣アクションを使った激しいバトルが楽しめる!
2023年6月12日より、PS5向けアクションRPG「ファイナルファンタジーXVI」(以下、FF16)の体験版が配信されている。「FF16」は、「ファイナルファンタジーXV」以来約7年ぶりとなる、「ファイナルファンタジー」シリーズ最新作。世界的知名度を誇るRPGシリーズの最新作とあって国内外の注目は高く、そんななかでの体験版の配信は、発売を待つ人たちの話題の的になっている。
本稿では、そんな「FF16」体験版のプレイインプレッションをお届けしよう。
クライヴの少年期を中心とした物語が楽しめる
今回の体験版では、主人公のクライヴ・ロズフィールドの少年期のストーリーを主に体験できる。ゲーム内の説明を読む限りでは、物語の冒頭に相当するそうだ。
体験版は、クライヴが大人になった後のシーンから始まる。彼は「ダルメキア共和国」と「鉄王国」が睨み合う戦場に少数で潜入しているようで、序盤は人けのない場所を進んでいく。一方、最前線では両軍が激突。数百人規模の戦いが描かれ、さらに本作の核となる召喚獣たちが戦闘に介入し、ド迫力かつ混沌とした状況が展開していた。
「FF16」は対象年齢が17才以上(CERO:Dに相当)になっているためか、とくにイベントシーンの戦闘では過酷な描写が多い。斬撃や刺突による血しぶきをはじめ、召喚獣によって蹂躙される兵士たち、検死のために遺体に剣を突き立てる騎士たちの姿などが印象的で、まさしく本作の重い世界観を象徴している。
また、画質のよさには目を見張るものがある。クライヴの着ている服の汚れ具合、岩場に舞う砂塵や、埃っぽい空間に差し込む光の加減など、世界観を構成するさまざまな要素が緻密に表現されている。陰影の表現がうまいのか、全体的に色合いが鮮やか過ぎず、よい具合に薄くなっているおかげで、人物や建造物などが浮いている感じがしない。空気感すら表現している、圧倒的なリアリティだ。
物語を進めていくと、舞台は13年前のロザリア公国へと移る。当時15才(冒頭の時点で28歳)のクライヴのほか、彼の弟であるジョシュア、仲のよいジル、父のエルウィンと母のアナベラなど、登場人物が続々と登場する。体験版の範囲に限れば、少年期編はクライヴの訓練や人々との会話などが中心になっており、冒頭の荒廃した雰囲気から一転、のどかな空気のギャップには驚いた。
クライヴたちロズフィールド家が抱える事情や、周辺国との関係、土壇場での裏切りなど、冒頭の1エピソードとしてはかなりの濃密さでストーリーは進んでいき、最後は本作の象徴的な要素である「召喚獣バトル」へとなだれこむ。火の召喚獣、フェニックスとイフリートによるバトルの迫力は相当なものだったが、これがムービーではなくリアルタイムで展開していることも驚きだ。物語とバトルのつなぎ目はほぼ皆無。PS5のロード時間の速さには驚くばかり。ロードによるストレスはほぼ感じられず、この没入感はこれまでの「ファイナルファンタジー」シリーズとは一線を画しているかもしれない。
クリアまでのボリュームはだいたい2時間といったところ。イベントシーンが中心でアクションは少なめではあるが、物語の冒頭ということもあってキャラクターの関係性や世界観の説明をしっかりしてくれるのはありがたかった。ちなみに、体験版のセーブデータは製品版に引き継げるほか、体験版直後から物語を始めることもできる。
体験版の物語を最後まで進めると、アクション特化のモードが解放される
体験版をクリアすると、新たに「召喚獣アクション トライアル」というモードが解禁される。本モードは敵とのバトルに特化していて、召喚獣の能力を切り替えながら戦う本作ならではのアクションが楽しめる。
今回使えた召喚獣は、バランス重視のフェニックス、速度重視のガルーダ、攻撃と防御を両立したタイタンの3つ。それぞれ専用のアビリティを持つほか、フェニックスは翼、ガルーダは爪、タイタンは腕を武器と異なる攻撃手段を持っているためして、使う召喚獣次第で間合いや強み、そしてこちらのプレイスタイルが大きく変わる。さらにアビリティは再使用できるようになるまで時間がかかるため、やみくもに連打するよりはコンボに組み込んエ、しっかり当てていったほうがよさそうだ。
戦闘自体のスピード感はかなりのもので、武器を使った攻撃と召喚獣アビリティを組み合わせて戦っていくことで、敵をつぎつぎと倒せる。本モードでは雑魚戦に加えて、召喚獣の力を解放した敵とのバトルも楽しめた。召喚獣に変身した者同士が戦う召喚獣バトルとは違い、こちらは通常の戦闘の延長戦という感じで、雑魚戦のスピード感と召喚獣バトルの迫力を両立したという印象だ。
ちなみに、今回の体験版は遊ぶ前にさまざまな設定ができる。とくに重要なのは、「ストーリーフォーカス」と「アクションフォーカス」という2つのプレイモードの選択だ。ストーリーフォーカスでは、敵を自動で攻撃したり、逆に攻撃されそうになったらオートで回避してくれたりと、アクションが苦手な人、ストーリーに集中したい人向けの配慮がなされている。アクションフォーカスはそうしたサポートがないため、やり応えのあるバトルが楽しめる。
アクションが苦手な人でも楽しめるような配慮に加えて、召喚獣の力を用いた大迫力のバトル、復讐劇をテーマにした重厚なストーリーなど、今回の体験版は「FF16」の魅力の一端に触れられる内容になっている。興味のある人は、ぜひ一度遊んでみてほしい。(文・夏無内好)
タイトル情報
- ■「FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)」
- 対応機種:PlayStation 5
- ジャンル:アクション RPG
- プレイ人数:1人
- 発売日:2023年6月22日(木)
- 価格:
- ・コレクターズエディション(パッケージ)38,500円(税込)
- ・デラックスエディション(パッケージ)12,100円(税込)
- ・デジタルデラックスエディション(ダウンロード)12,100円(税込)
- ・通常版(パッケージ・ダウンロード)9,900円(税込)
- CERO:D
- ボイス対応言語:
日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語(ラテンアメリカ) - スクリーン言語:
日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語(ラテンアメリカ)/スペイン語(スペイン)/ポーランド語/ポルトガル語(ブラジル)/アラビア語
<INTRODUCTION>
ファイナルファンタジー」シリーズナンバリングタイトルの完全新作。
終焉を迎えつつある世界「ヴァリスゼア」——
‟黒の一帯”が押し寄せる世界で、各国はエーテルを生み出す源である「マザークリスタル」を求めた。
やがてそれは戦乱を呼び、強大な召喚獣の力を宿す「ドミナント」達は、戦いへと駆り出されてゆく。
物語の主人公にして、ロザリア公国の第一王子である「クライヴ・ロズフィールド」もまた、召喚獣フェニックスのドミナントである弟のジョシュアとともに、この巨大な戦乱の渦に巻き込まれるのであった。
過酷な運命を背負ったクライヴは、やがて世界の真相を知り、マザークリスタルの破壊を目指してゆくこととなる……
これは——クリスタルの加護を断ち切るための物語。
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