【映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』公開記念】「アスタが戦い続けているから僕が折れるわけにはいかない」アフレコはまさに命がけ! アスタ役・ 梶原岳人×ユノ役・島﨑信長インタビュー前編

魔法が全ての世界で、生まれながらに魔法が使えない少年アスタが、ライバルのユノとともに魔道士の頂点「魔法帝」を目指す、白熱の王道魔法バトルアクション「ブラッククローバー」が待望の映画化!

2023年6月16日公開の、シリーズ初となる映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』ではテレビシリーズを手がけたスタッフ陣が再集結。さらに原作者・田畠裕基さんが総監修・キャラクター原案も務め、映画オリジナルストーリーが展開する。

映画で描かれるのは、原作では明かされなかった魔法帝の物語だ。実績を積み重ね、魔法帝への道を歩むアスタの前に現れたのは、最凶と恐れられ封印されていた先代魔法帝コンラートと3人の歴代魔法帝だった。

彼らが狙うのはクローバー王国の破壊。クローバー王国最大の危機に全魔法騎士団総力戦で立ち向かう! 

限界を超えた魔法バトルアクションに挑んだ、魔法帝を夢見る少年アスタ役の梶原岳人さんと、アスタのライバル・ユノ役の島﨑信長さんに、本作のアフレコ時のエピソードやシリーズ初の映画化への思い、映画の見どころなどをうかがった!

ーー映画では原作では明かされなかった魔法帝の物語が展開します。台本だけでもワクワクしました!

梶原 初めて自分が主演した作品で長編の映画ができることがうれしくて、台本をいただいたときに「より気を引き締めてがんばろう」という気持ちになりました。今までの「ブラクロ」らしさがありつつ、映画だからこそできるスケールの大きさを感じ、熱量もより増幅されたシナリオだと思いました。身体的なバトルだけではなく、気持ちと気持ちのぶつかり合いも描かれます。本作では、憧れの魔法帝が倒さなければいけない存在として登場します。アスタには魔法帝の行動が許せないという気持ちがあり、戦う相手となる魔法帝にも信念があります。憧れの対象だからこそ、アスタが魔法帝に立ち向かっていくためのエネルギーがより生まれている気がしました。どのバトルもすごく激しく、熱いものになっています。

梶原岳人さん

ーージャンフェスのステージでは台本の“厚さ”も話題になっていました。コンラート・レト役の関俊彦さんが、台本の厚さに驚いていたら「それは前半分です」と言われたというエピソードを披露されて…。

梶原 僕も驚きました。「ブラクロ」の台本は基本やや厚めですが、今回はバトルもすごいのでこの厚さをずっと声を張りながらやるのかと思ったら「なんとか持ってくれ、俺の体!」という気持ちになりました。かなりがんばったと思います(笑)。

ーー島﨑さんは台本を読んだ時、どのように思いましたか?

島﨑 歴代の魔法帝が登場するという内容は、それこそ原作ですごく盛り上がりそうなネタなので「なんて豪華な作りなんだ!」と思いました。田畠先生監修とうかがって「原作で使わなくて大丈夫ですか?」という気持ちになりました。大胆に放出されたなと(笑)。魔法帝はアスタとユノが目指し続けるとても偉大な存在です。それが4人も同時に出てくるなんて、やっぱり映画らしい豪華さだと思いました。しかもこの4人が本当に強いんですよ。キャラも強いし、キャストも強い。でも、相手が強ければ強いほど挑む側も輝くもの。挑む側の僕たちがそれ相応の芝居をしないと、魔法帝たちの強さも輝きません。そういう意味での挑戦者としてもいい形で高め合いたいという思いで挑みました。台本を読んだ時点でかなり気合いが入りました。

島﨑信長さん

ーー見どころ満載の本作で、お2人が注目してほしいポイントを教えてください。

梶原 アスタがよく使う「諦めないのがオレの魔法だ!」という言葉を、映画ではアスタ以外のキャラクターも口にします。アスタをやっている身としては「おっ!」と思った瞬間でした。アスタの思いを込めた言葉を別の人が口にすることで、気持ちが通じる部分が見えたり、根本に流れるものは似ているのかもと思ったり。敵キャラであってもお互いの正義のために戦っていると、心のどこかで理解できるような感覚にもなります。身体的に相手を倒すだけではなく、心と心でも対話して相手を納得させて倒さなければいけないバトルはすごく見応えがあると思います。

島﨑 アスタの言葉が伝播していくところは本当に見どころです。僕的には冒頭でミモザが実況して、クラウスが解説しているシーンがすごく面白かったです。真面目なシーンはいっぱいあるし、バトルシーンは言うまでもなく見どころだけど、そういう面白いところもすごく一生懸命やっていて。「めっちゃ実況するじゃん!」って思ってなんかハマっちゃいました。

梶原 ちゃんと説明しくれてましたよね、クラウス。すごくていねいだった(笑)。

島﨑 息ピッタリで。クラウスとミモザは同じ「金色の夜明け」団なので、チームワークも垣間見えたような感覚がありました。意外なところかもしれないけれど僕的にはすごく印象に残っています。シリアスなテーマで重いところもあるけれど、ちょっとした面白いシーンも細かくていねいに描かれているので、すみずみまで楽しんでいただけると思います。

ーー激しいバトルになるとは思っていましたが、限界は超えていきましたよね(笑)。

梶原 大変でした……。

島﨑 歴代の魔法帝が4人もいるからね。

梶原 限界を超えざるをえない状況でした。ここを乗り越えたいという思いでがんばりました。声優人生で一番大変ってくらい声を出した気がします。アフレコの翌日は必ず筋肉痛になってました。足や背中まで痛みを感じて、いろいろな場所の筋肉を使っていたと実感しました。身体的にも大変でしたし、収録はずっと関さんと2人っきり。敵キャラなので頼るわけにもいかないし、まさに孤軍奮闘。誰も助けがいない状況でした(笑)。そういう意味で自分のメンタルとの戦いも大変だったけれど、アスタが戦い続けているから僕が折れるわけにはいかない。僕もそこに行かなきゃと自分とも戦いながらがんばりました。

ーーさまざまな戦いにあふれるアフレコですね。関さんは強かったですか?

梶原 強かったです、本当に。勝て…たかどうかは劇場で確かめていただきたいです!

島﨑 こっちの敵も強かったけれど、ユノはチームで戦っていたし、団長たちもいて。強い味方がいたから心強くもありました。アスタはタイマンだから大変だったよね、きっと。

梶原 ひとりくらいこっちに来てほしかった…

島﨑 そうだよね。

梶原 せめてユノくらいは…

島﨑 考えてみたら、そうだよね(笑)。でも、同じ場所にはいないけれど、クローバー王国を守りたいという気持ちを持ったみんなが力を合わせているように感じました。ユノの成長も感じられるしアツさもあるし、すごくいいシーンになったと思います。

ーークールなのにアツさを感じるユノ。表現の難しさを感じるキャラですが、ユノの演じ方で意識していることはありますか?

島﨑 長く役を任せていただくキャラクターの場合は、意識よりも積み重ねです。ユノがクールなキャラクターだからといって、どんなときもクールにはしていません。クールな人にだって喜怒哀楽があるし、シチュエーションによっても人って声が変わるもの。たとえば、普段はダミ声なのに歌った瞬間にとんでもなく美しい声になる人もいるし、電話になると声色が変わる人だっています。だからユノも最初からクールに凝り固めていません。序盤のユノは、意外とやさしい声も出しているし、声を張っていたりもします。人間なので感情も変化もひとつじゃない。いろいろあるからこそ、柔軟に対応できるように幅広くする。どんな役でも揺らいで作るようにしているので、それがクールなのにアツさを感じるユノととらえていただける理由かもしれません。ユノ自身も成長しているので、人間として厚みも出てきていると思います。

ーー完成版を観るのはこれからとのこと。お2人ができあがりの映像で期待しているところを教えてください!

梶原 「ブラクロ」は毎回、バトルシーンが豪華です。完成前のものでも映画ならではの迫力がありました。しょっぱなから動きまくるので、最後まで手に汗握るような映画になると思います。大きなバトルシーンの中に、繊細な心の揺れ動きも盛り込まれているので、細かい表情とキャストのお芝居の融合をいい音とともに楽しみたいです。

ーーちなみに、一番筋肉痛が辛かったシーンは?

梶原 主に後半で一番痛かったのはラストバトルの収録です。

島﨑 終盤のバトルのアフレコは本当に大変だったけれど、かなり見応えのあるシーンになっていると思います。アスタはタイマンでがんばっているし、ユノは共同戦線を繰り広げます。強い人たちが協力して強大な敵に立ち向かう姿はすごく見栄えがするはず。トップスターが集まったバトルでは「こんなにいてどうするの?」「連携できるの?」とも思ったけれど、ひとりひとりが輝くめちゃくちゃいい映像になっていると期待しています。ユノと団長’sの連携を楽しみにしています。全員が必殺技を出す、きっと圧巻です!


インタビュー後編に続く!



(取材・文/タナカシノブ、撮影/金澤正平)

【作品情報】
■映画「ブラッククローバー 魔法帝の剣」
2023年6月16日(金) 日本全国ロードショー
Netflix全世界配信


公式サイト:bclover-movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/bclover_PR


<スタッフ>
原作・総監修・キャラクター原案:田畠裕基(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:種村綾隆
キャラクターデザイン:竹田逸子
音楽:関 美奈子
脚本:ジョニー音田 折井 愛
制作:studioぴえろ(「BLEACH 千年血戦篇」「NARUTO -ナルト-」「幽☆遊☆白書」)
製作:映画ブラッククローバー製作委員会
配給:松竹ODS事業室


<キャスト>
アスタ:梶原岳人
ユノ:島﨑信長
ヤミ:諏訪部順一
ノエル:優木かな
コンラート:関 俊彦


<イントロダクション>
「週刊少年ジャンプ」連載 心震わす魔法バトルアクション――
原作者・田畠裕基自らが総監修!原作では明かされなかった「魔法帝」の物語を映画化!


『ブラッククローバー』は、魔法が全ての世界で、生まれながらに魔法が使えない少年アスタが、逆境を超え己の力を証明するため、そして友との誓いを守るため、魔道士の頂点「魔法帝」を目指す、白熱の王道魔法バトルアクション。


制作は『BLEACH 千年血戦篇』『NARUTO -ナルト-』『幽☆遊☆白書』など、「週刊少年ジャンプ」の大ヒットアニメ作品を多数手がけて来たstudioぴえろ。TVシリーズを手掛け、『ブラクロ』の世界を切り拓いてきたスタッフ陣が、満を持して劇場版の制作に臨む。


©2023「映画ブラッククローバー」製作委員会 ©田畠裕基/集英社

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