今月はQualia特集! 「選挙猫」と暇をつぶせる「暇つぶし」のガチャを紹介しちゃいます!【ワッキー貝山の最新ガチャ探訪 第77回】

前回に続いて今回もメーカーさんをフカボリ企画! ラテン語で「自分らしい」という意味を持つ「Qualia(クオリア)」さんの登場です。カプセルトイの雰囲気も、独自の「らしさ」が色濃く反映されていますよ。

キタンクラブの営業職だった小川勇矢氏が2016年に立ち上げたQualiaは、週3というなかなかのハイペースで公式YouTubeに動画をアップ。しろメガネさんとチャラ社長のお2人でカプセルトイの魅力を発信しています。まさしく「らしさ」全開なお2人のキャラクターも、同社の人気を押し上げている一因になっています。

累計250万個の売り上げを記録した代表作「ネコのペンおき」は今もなお、関連商品がリリースされており、Qualiaの十八番といえば猫フィギュア! 今回は、そんな鉄板アイテムの新作猫アイテムと、我々カプセルトイファンに新たな挑戦状を叩きつけるような問題作、この2点をご紹介します。

選挙猫 マスコットフィギュア 全6種 400円

衆議院の解散・総選挙が噂されている今日この頃ですが、それを見込んでか? 愛くるしくも実直、なおかつ闘志あふれる猫たちの登場です。真面目に公約を立てているんだけど、政党、候補者のネーミングがかなり、ウィットに富んでおります。

もしも猫世界に選挙があったら?に対する大喜利解答のようなラインアップ、と言ったところでしょうか?

それでは、ニャンとも言えない、候補猫達の熱い選挙戦を覗いていきましょう。

まっしぐら党 缶田さば介

マイク片手に左手を掲げ、真赤なタスキにこれまた真赤なハチマキ。きりっとした目つきから真剣さが伝わります。タスキのよれ具合も躍動的で、いい感じ。政党名もきっちり描かれております。お名前から察するに猫ひろしさんが応援にやって来そうな予感も致しますが、何はともあれ選挙戦スタートです。

気合注入! エイエイオーのかけ声が、今にも聞こえて来そうです。

猫に小判党 三毛野浩二

三毛猫の庶民的な感じから、コツコツと経験を積んでからの立候補って感じの三毛野氏。こちらも右手にマイク、左手は高く掲げています。元気に出陣の鬨の声を上げているようです。缶田候補同様、ピンと大地に伸ばした尻尾に誠実さを感じます。オレンジ色のタスキとハチマキは情熱の色。視線の先には明るい未来が見えているのかもしれません。ただしちょっとお金の香りがする政党名なので、ご注意を!

またたび生産党 八我大吾

「またたび農家歴うん十年。このたび、国政に挑戦!」そんな名調子が想像できそうな八我候補。ハチワレだけあって七三ぽく分かれた額に黒縁メガネに真面目さがにじみ出ていますね。報道各局の複数のマイクを束ねて持つスタイルは、街頭演説中のワンシーンを切り取った感じです。ブルーのたすきと黄色い文字に目が奪われてしまいますね。またたびの話題が中心の選挙公約熱弁中といったところでしょうか?

幸せ招く党 白招さち子

なんとも神々しい政党に候補者名。お客様を呼び込むあの猫招きの世界からの立候補でしょうか? 純白、潔白な出で立ちからは、何とも言えないオーラを感じます。無言のまま眺めること数分……すると言葉で形容しがたい無の境地に……。いつの間にか心奪われている私がおります。

勝つ節党 茶虎こたろう

ガッツポーズとともに「明るい未来をふりかけます!」の公約が! そのまま選挙ポスターに使えそうなポーズにニヤニヤしちゃいますが、「未来をふりかけます?」って、なんのこっちゃとツッコミをいれたくなるのはご愛敬。真剣な眼差しは、そんな野暮な隙など与えてくれません。ガッツポーズの拳からみなぎるパワーが説得力の証。当選確実か? こたろうはまだまだ戦い続けます。

猫かぶり党 黒猫まこと

政党名がとにかく悪い! これはうさん臭いぞ~。猫かぶりは、本心ここにあらずだもんなぁ。ぱっと見、白黒はっきり付けますみたいな見た目なんですけど、何が起こるかわからないのが選挙の怖いところ。当選目指して、悔いを残さずがんばってください。

6匹の候補猫、いかがだったでしょうか? 「ネコのペンおき」などと同様に、全体的に丸みを帯び、かわいらしい印象になっています。実際に立候補者の事務所にこれらが置いてあってほしいなぁ~。大変な選挙だからこそ、選挙猫達から癒しを受け取っていただきたいですね。

暇つぶし スクイーズマスコット 全6種 300円

これ、いい意味で……、いい意味でですよ。Qualiaさんらしくなくて驚いたカプセルトイです。デザイナーのミチルさんによる開発秘話も聞きたいわ~。

私、個人的に「出オチ」ガチャが大好きで、この手のものは大好物。だって「暇」って文字が印刷されているだけなんですよ。平仮名やカタカナじゃ、ここまでのバカバカしさ(いい意味でですよっ)は出せません。

しかも6種類もラインアップされてるんです。普通は「時間」とか、「空き缶」「面目」「ニキビ」みたいな、いろんな文字を入れそうだけど、「暇」のみで6種類!という度胸がすごい! これが、「自分らしさ」なんだろうなぁ。

ともあれ、結果的に「暇」という文字が一番シンプルでベストだったのかもしれません。しかし、ラインアップがどうなっているか想像もつかないでしょう。私もきちんとレビューできるか心配です。

ゴシック体(黒)

おおおおお! まさかのフォント&色で攻めてきましたかぁ~。スクイーズいっぱいに印刷された「暇」をグニー、ブニュー、ビローンとつぶせば、スッキリ爽快。

・ゴシック体(青)・(黄)

黒よりはインパクト少なめなので、気軽につぶせそう。何だ? 気軽につぶせそうって……。

・明朝体(緑)・(ピンク)

目に優しい緑と、チョーかわいいんですけど~って言われそうなピンクの明朝体。なんだかおしゃれグッズにも見えてくるのが不思議~。ウットリ。

・明朝体(白黒)

縁を取っちゃったよ! しかも白黒って! こんなにくっきり見えると、遠くからでも「暇」をつぶしているのがバレちゃうね。……ん? わざわざ取り出して「暇」をもみもみするのは、もはや「暇つぶし」ではない気がしてしまったのは私だけだろうか? ただ黙々と無心で「暇をつぶす」ところに、このカプセルトイの価値が生まれるのだと信じています。

毎度、奇抜なアイデアで楽しませてくれるQualiaさんから、今回は2点をピックアップしました。小川氏は、YouTubeでは「ほとんど儲からない」という言葉を何度も発しています。しかし、採算度外視でも自分らしいガチャを追求する姿勢に感動せざるをえません。

これからもワクワクさせるラインアップをお願いします!

ワッキー貝山

ワッキー貝山

フリータレント兼ガチャガチャコレクター・研究家(カプセリスト) 7歳からガチャガチャを集めだし、10万個所有。「愛しのインチキガチャガチャーコスモスの全て」などガチャガチャに関する著書も多数。

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