【ガンプラをさらにカッコよく!】今さら聞けない!? デカール用接着剤・軟化剤ガイド&おススメ商品5選!【「The工具道!」第17回】

こんにちは、カリヤスです! 「The工具道!」第17回となる今回は、デカール用接着剤とデカール用軟化剤をご紹介&レビューしたいと思います!

皆さんこんにちは! 梅雨の間は、部屋にこもって模型製作に勤しんでいたカリヤスです! さて、今回はデカールを貼る際に活躍してくれる、デカール用接着剤(以下、接着剤)とデカール用軟化剤(以下、軟化剤)をレビューしていきますよ~!

デカールを使ってみよう!

ガンプラなどのメカ系キットによく封入されている、模型用シール。誰でも簡単に使えて、便利ですよね。でもその半面、シールだとどうしても厚みが目立ってしまったり、粘着力が落ちると剝がれてしまったりと、デメリットが多いのも事実。そこで、今回はシールよりも薄く、一度貼り付けると密着してくれる、デカール(スライドマーク)を使ってみましょう!

ガンプラに付属するホイルシール。ピンセットで剥がしてていねいに貼り付けて、綿棒などでしっかり擦ればきれいに仕上がる。

別売りのガンプラ用デカール。安価な値段で、種類も豊富なのが嬉しい。本格的にプラモ製作するなら、デカールは必須と言える。

ちなみに、デカールは大きく分けて、貼りたい部分に擦り付ける「ドライデカール」と、水に浸して使う「水転写式デカール」の2種類があり、今回は使用頻度の高い後者の解説をしていきます。

何だかデカールって難しそう……なんて思っちゃいそうですが、全然難しくないので大丈夫。デカールをうまく使いこなせるようになれたら、もっとモデリングが楽しくなりますよ!

ガンダムデカールの裏面に、デカールの貼り方が解説されている。初めてデカールに挑戦するなら、しっかりと読んでおこう。

接着剤と軟化剤の違い

水転写式デカール(以下、デカール)を使ううえで必須ではないけど、あると大変便利なのが、接着剤と軟化剤。ちょっと似てますが、前者はデカールの貼り付けを補助してくれる水性の接着剤、後者はデカールをやわらかくさせて、密着させることに特化した軟化剤です。

どちらもプラモデル用接着剤と同様、有機溶剤を含むので火気厳禁。安全な場所に保管しよう。

ちなみに、接着剤と軟化剤の両方を買うのが面倒なら、両方の効果をひとつにまとめた物も発売されていますので、それを買うのがオススメです。というわけで、オススメの接着剤と軟化剤をご紹介していきましょう!

オススメの接着剤と軟化剤

1 Mr.マークセッター(GSIクレオス)

※この角ビンタイプは、生産が終了した旧タイプです。リニューアル版は、ビンの形状が円形になり、性能もアップしています(後述するマークソフターも、同様にリニューアル版が発売中です)!

Mr.マークセッター

・メーカー:GSIクレオス

・容量:40ml

・価格:308円(税込)

クレオスが展開する「Mr.シリーズ」から発売中のマークセッター。接着効果がメインですが、少し軟化効果も含まれているので、まずはこれ1本を購入すれば事足りるでしょう。容量の割には安価で、コスパがいいのもグッド!

2 Mr.マークソフター(GSIクレオス)

※こちらも旧タイプです

Mr.マークソフター

・メーカー:GSIクレオス

・容量:40ml

・価格:275円(税込)

強すぎず弱すぎず、容量も多い、気楽に使える軟化剤。私、カリヤスも10年近く愛用していますが(ラベルの汚れがその証拠です)、いまだに中身が半分以上も残っています!前述のセッターとセットで1つずつ購入すれば、ずっと使えるのでオススメ!

3 デカールのりシリーズ(タミヤ)

デカールのり(軟化剤入り)

・メーカー:タミヤ

・容量:10ml

・価格:396円(税込)

タミヤからは「デカールのり」という名称で、接着剤が発売中。軟化効果のない、純粋な「デカールのり」(10ml / 374円(税込))と、軟化効果が追加された「デカールのり(軟化剤入り)」の2種類が発売中で、どちらもミニサイズなのが特徴。

値段もあまり変わらないので、両方の効果が入った後者を買うのがオススメです!

4 マークフィットシリーズ(タミヤ)

マークフィット(ハードタイプ)

・メーカー:タミヤ

・容量:40ml

・価格:275円(税込)

同じく、タミヤから「マークフィット」という名称で軟化剤も発売されています。このシリーズは軟化効果の強さによって3種類に分かれており、いずれも、少しだけ接着効果も含まれています。

ちなみに、一番軟化効果がマイルドなのが「マークフィット」(40ml / 275円(税込))。より効果を強くしたのが「マークフィット(ハードタイプ)」、非常に強力なのが「マークフィット(スーパーハード)」(40ml / 330円(税込))となります。軟化剤は、効果が強すぎるとデカールの色が溶け出すことがまれにありますが、その場合は水で薄めて使用すれば解決するので、一番強力なスーパーハードを買うのがオススメです。

5 デカール剛力軟化剤(グッドスマイルカンパニー)

デカール剛力軟化剤

・メーカー:グッドスマイルカンパニー

・容量:30ml

・価格:770円(税込)

フィギュアメーカーとして有名な、グッスマが展開する「GSRモデラーズサポートシリーズ」 から発売中の、軟化に特化した強力デカール軟化剤。価格は少しお高めですが、その分強力に軟化させることが可能!

また、同じGSRシリーズの「デカール軟着剤」は、軟化成分は少し弱めですが接着効果もありますので、こちらもオススメです!(30ml / 770円(税込))

まずは、練習してみよう

初めてデカールを貼る人は、予備のデカールがあれば、不要なパーツやプラ板を使って一度練習しておくといいでしょう。というわけで、まずは接着剤や軟化剤は使わずに、水だけでストレートにプラ板に貼ってみます。

1 貼りたいデカールをハサミやカッターで切り抜きます。余白が大きすぎる場合は、切除しておいた方が貼ったあとにきれいに見えます。

 小皿などに水(ぬるま湯でも可)を入れ、デカールを浮かべます。少しずつ糊が水に溶け出して、デカールが台紙から離れるようになります。

3 数秒~15秒ぐらい経ったら、先が尖りすぎていないピンセットでデカールを取り出し、ティッシュなどの上に置いて余計な水分を吸わせます

 デカールを指でやさしく触って、台紙からスライドできたら貼り付け可能状態です。全然動かない場合はもう少し時間をおくか、もう一度水に浮かべてみましょう。

※古いデカールはなかなか糊が溶けないことが多いので、水に完全に浸して、1分程度放置してみるとうまく剥がれることが多いです

 貼りたい個所に、ていねいに貼り付けます。水分があるうちに、位置決めをします。

 綿棒を中心から外に向けて動かし、水を吸わせつつ密着させます。密着後に位置がずれてしまった場合は、水を上から垂らせば再び動かせるようになります(デカールが乾燥した後は不可)。

 貼り付け完了! デカールの質がよかったこともあり、きれいに貼り付けることができました。シールのような厚みもなく、自然に仕上がっていますね!

動画はこちら!

接着剤と軟化剤を使ってみよう

今度は、凹モールドのあるプラ板に、デカールをしっかり密着させてみたいと思います。基本的な行程は先ほど紹介した、水だけで貼り付ける時と一緒なので、ここでは接着剤と軟化剤を使用するシーンのみピックアップして解説します!

ちなみに、今回はタミヤのデカールのり(軟化剤入り)とマークフィット(ハードタイプ)を使って、戦闘機用のデカールをそのまま貼った状態と、接着剤と軟化剤を塗った状態でどのぐらい差が出るか実験してみたいと思います。

まず、デカールを貼る個所に、デカールのりを塗っておきます。あまり早く塗ると乾燥してしまうので、デカールを貼り付ける直前に塗りましょう!

デカール貼り付け後、上からマークフィットを適度に塗布し、水を含んだ綿棒を転がしてやさしくなじませます。ちなみに、軟化剤を塗ってから少し時間が経つと軟化が始まるので、デカールには触らないようにしましょう。ついうっかり触ってしまうと、デカールがグチャグチャになって、悲惨なことになりますよ……!

ある程度時間が経って軟化剤が乾燥したら、貼り付け完了!水だけで貼り付けた上側のデカールは糊が溶け出したせいで一部浮いているうえに、モールドに密着していません。いっぽう、接着剤と軟化剤を併用した下側は、モールドに沿ってしっかり密着しています!

※もし、なかなか密着してくれないようなら、軟化剤を何度も塗るか、より軟化効果が強いものに代えてみるとよいでしょう

動画はこちら!

ちなみに、今回は割愛しますが、デカール乾燥後に上からトップコートを吹き付ければ、デカールの表面を保護できるので、スミ入れも可能になります。さらに、ツヤ消しトップコートなら、作品のリアリティを損なうシルバリング(デカールが光を反射し、浮いて見える現象)を抑えつつ、ピグメント(ウェザリング用の粉)を使ったウェザリングも可能になります。トップコートについては、また別の機会で解説したいと思いますので、お楽しみに!

個人用に製作した、戦車模型の砲塔側面。445のナンバーも豹のマークもデカールを貼り付けてあるのですが、ていねいに貼り付けてトップコートを吹き付ければ、まるで筆で描いたかのように自然な印象に。これぞデカールの最大の魅力!

さて、いかがでしたでしょうか? デカールにはいろいろな種類があるので、うまく使いこなしてモデリングをもっとエンジョイしちゃいましょう!^^

カリヤス

カリヤス

エンタメ、ホビー系ライター。模型、ジオラマ、フィギュアなどが大好物で、プラモデルやミニチュアの作例の他、工具レビューや各種取材を担当。将来の目標は、個展を開くこと!

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