【2023年春アニメおススメ3選】「機動戦士ガンダム 水星の魔女」限られた尺の中で、各キャラクターの物語を描くのが上手すぎて感動!【EXILE/FANTASTICS世界が語るアニメの世界!第2回】
人気ダンス&ボーカルグループ・EXILE/FANTASTICSにおいて、アニメ好きを公言するパフォーマー・世界が、毎シーズンのアニメからオススメアニメを3作品チョイスする新連載。
第2回は2023年4~6月の春クールのアニメ。話題作満載のシーズン、世界さんが選んだおススメアニメは何かな!?
鬼滅の刃刀鍛冶の里編
待ってました。「刀鍛冶の里編」がアニメ化されるのを!
原作にはなかったアニメオリジナルのシーン、いわゆるアニオリがあったら嬉しいなぁと思っていたので、そこも楽しみに待ってました! アニメ「鬼滅の刃」はアニオリがとても美しく描かれることが多い印象があるので、今回の「刀鍛冶の里編」でもたくさんやってくれて嬉しかったです。
「鬼滅の刃」は、エピソードごとに柱の面々と炭治郎・禰豆子らの物語が繰り広げられるのが特徴なのですが、特に「刀鍛冶の里編」のからみ方が好きなんです! 今回は時透無一郎(ときとうむいちろう)と甘露寺蜜璃(かんろじみつり)が中心となって進んでいくのですが、2人の心情の変化がとてもていねいに描かれていて最高でした。
霞柱の時透無一郎は、炭治郎らと出会った当初は他者に興味を示すこともなく、ただ鬼を倒すだけのかなり無機質な人間として出てきます。しかし、第八話「無一郎の無」では、兄・有一郎とのエピソードが描かれたのですが、もうこの話を観たら感動待ったなし。この回で無一郎がどうして今の無一郎になったのか、無一郎の過去がいろいろと明かされるのですが、こういう話は本当に胸が熱くなりますよね。原作ではあっさりめな描かれ方でしたが、アニメではオリジナルの描写も交えつつ、じっくり描いているのもよかったです。
演じる河西健吾さんの1人2役が素晴らしいのはもちろんのこと、全てのシーンにおいてufotableさんの作画の美しさ。そして川を流れる音の透明さなどの演出など、どれをとってもすごい回でしたね。
無一郎の才能が覚醒するきっかけとなった事件での、無一郎が怒りを表現する真っ赤な画面に黒のヒビ割れという演出には震えました。
そして有一郎の弟を思う本心も忘れることはできません。きっと死んでしまった両親に対しても、いろいろと思うことがあったのだろう……と思わせてくれる新条を吐露するシーンもグッと来ます。
そして第九話「霞柱・時透無一郎」も必見!
玉壺との戦闘シーンは、見ていて(玉壺に対して)本当にイライラしてばかりいるのですが(笑)、お兄ちゃんから言われた無一郎の「無」の意味を思い出した瞬間から、無一郎が一気に頼もしくなります。鉄穴森さんへの感謝の言葉も、今までの無一郎とは違って、心のこもった言葉になるのがすごいですよね。
心に有一郎の言葉をたずさえ、痣(あざ)を発現させた無一郎はまさに「無限」の無一郎。圧倒的な素早さと技の応酬で玉壺を追い詰めていきます。今までいやらしく攻めてきた玉壺が、今度は無一郎の本音のあおりとともに追い詰められていく様が、とても最高です!! 玉壺の壺に対して「ヘッタクソだなぁ」と一刀両断。超本心だからこそあおり性能が高過ぎて、最高にスッキリします(笑)。このシーンは、玉壺のツッコミがしっかり漫才してるので、とても面白かったです。
そして、ここからの無一郎は「無敵」の無一郎。本気を出した無一郎は「霞の呼吸 漆ノ型・朧(おぼろ)」を見舞い、玉壺をたやすく滅殺。ここの華麗すぎる描写は鳥肌ものです。霞の音と笛のような音、壮大なオーケストラの劇伴が合わさって、とっても素晴らしいシーンになりましたね。少し恐怖を感じるような足音とともに、無一郎の「あのセリフ」と同時に頸を斬られる玉壺。素晴らしい! まさに無敵!! 天晴れです。
僕が「鬼滅の刃」の好きなところは、あれだけ激しい戦闘の後にも、すぐギャグシーンが来るとこです。ここでの鉄穴森さんと無一郎のやりとりも最高でしたよね。信頼関係が築かれているを垣間見ることができた感じがあります。……からの、心の中で家族との再会!! 無一郎が、ひとりの立派な柱になった瞬間だと思いました。
そして!! 甘露寺蜜璃のさいっっこうな登場!! 蜜璃が、憎珀天にやられっぱなしの炭治郎たちを助けに来ました!! なんて最高な登場!!! きれいすぎる!!!
なんてったって蜜璃は踊りが踊れるんです!(多分) 次の「柱稽古編」でそれが見られると嬉しいですね!! 原作コミックの「柱稽古編」では、レオタードを着て稽古をつけていたことから新体操系だと思われるので、ダンスのジャンルはバレエに近いものだと思います。地獄のような稽古ですね。恐ろしい……。
それにしてもピンチの時の登場の仕方が華麗で、超かわいかったですね。恋の呼吸最高でしたね。
個人的には「恋の呼吸 伍ノ型・揺らめく恋情・乱れ爪」のアニメーションが最高にカッコよかったです。音楽もめちゃくちゃ最高でした。恋してしまいますね、あれは。
キャラクターが殺伐としていたり、とてもドライな世界観の「鬼滅の刃」という作品において、まるで桜のように周りを明るく華やかに照らしてくれる甘露寺蜜璃の存在は、とても大きいなと思います。
花澤香菜さんの演技も素敵で、かわいらしくも強さをしっかり感じるセリフの数々は印象的でした。また活躍が観られる日が楽しみです!!
ところで甘露寺蜜璃の日輪刀って一体どうやってしまってるのか、気になりますね。扱うのもめちゃくちゃ難しそうですよね。中国の刀に、「腰帯剣(ようたいけん)」という、非常によくしなる刀があるのですが、あれに近いのかなーなんて思います。
機動戦士ガンダム 水星の魔女
さて、どこから話せばいいのでしょうか。
日本にはいろんな人の人生を変えたり、支え続けているアニメや作品がたくさんあると思いますが、「機動戦士ガンダム」というシリーズもそのひとつだと思います。その「ガンダム」という超歴史のあるコンテンツにおいて、初(?)のとてつもないエンディングを迎えた最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」について語らせていただけたらと思います。
僕もロボットアニメが大好きなので、宇宙世紀シリーズやアナザーガンダムシリーズなど、いろいろと観ていたりするのですが、本当に「ガンダム」って毎シリーズごとの色が違ったり、そのいっぽうで共有する世界観の描かれ方があるのが最高ですよね。
今回の「水星の魔女」も、「今回はどんなガンダムなんだろう」と、発表された時からワクワクしながら放送を待っていました。
そして、第1話にあたる「PROLOGUE」を観た時にまず思ったことは、「とにかく謎が多い!!!!」。前情報から、「学園ものか! 面白そう!!」って思ってた自分の脳天に稲妻を食らった感じでした。次から次に、疑問が浮かんできました。
まず本作には、「GUND(ガンド)」という新しい単語が医療技術の一種として出てきます。この時点でまず僕は「おぉ〜」と思ってしまいました。「ガンド」という単語自体あまり聞き慣れない方も多いかもしれませんが、魔女というキーワードと結びつけて考えると、ノルウェー地方で魔術という意味があったりします(ただし、そちらのスペルはgandr)。魔法もの作品で目にすることもある単語だったので、「なるほどー」と思いました。「ガンダムシリーズ」はモビルスーツのかっこよさやメカニカルな部分の細かい設定などの部分でも、いわゆるオタ的ツボを刺激しまくってくれるのですが、そんな中で「水星の魔女」は「ガンド」という言葉を出した時点で「もう好き!!」となりました。
余談ですが「PROLOGUE」終盤の「ろうそくみたいできれいだね」のシーンはしびれました。
本作の主人公は、「ガンダムシリーズ」初の女子キャラクターで名前は「スレッタ・マーキュリー」。この子がとてつもなく魅力あふれる良い子なのです!!
超絶ピュアな性格ながら、少しコミュニケーションが不得意な子で、たびたび学園の友人たちと対立したリ人間関係に悩んだりもするのですが、そんな彼らともさまざまなできごとを通じて信頼関係を結び、仲良くなっていきます。根がとてもピュアだから、付き合えば付き合うほど好きになってもらえるタイプなんだろうなーと思ってました。そんな決して社交的ではない主人公が、ガンダムらしくて好きだな、とニヤっとしたポイントです。もちろん、熱血タイプなドモン・カッシュも、まぎれもなく僕にとってのヒーローなのですが(笑)。
そんなスレッタを中心に物語が展開するのですが、大事なキャラクターがいます。それは「全員」です。これ本当にすごいことだと思いました。「水星の魔女」の人間関係の描写のていねいさは、特筆ものでした。
学園内の人々やガンダムを巡る企業の人々。はたまた地球で暮らす人々。それにからんでくる政治や感情までもがしっかりと描かれていると感じました。
もちろんどんな作品でも、大事じゃない人や物事などないことは、僕も痛いほどわかっていますが、どうしても尺の都合やさまざまな事情で、「あの人は!?」や「え!?」という展開になってしまう中で、「水星の魔女」は昨年秋より放送された第1クール、そして今年春に放送された第2クールと限られた尺の中で、本当に1人ひとりの物語を描くのが上手すぎて、最終話を見終わった後は感動してしまいました。ゴドイさんのその後は気になりましたけど!(笑)
誰も空気になることなく、あんなエンディングを迎えたアニメ、とりわけ「ガンダム」作品は本当に久々に観た気がします。改めて「機動戦士ガンダム」および、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」という、まさに魔女が放つ魔法のような魅力に魅せられたひとりになりました。
あー、スピンオフでも漫画でも小説でもいいからまた「水星の魔女」の世界に旅してみたいなー!と思う日々です。
ちなみに角川書店さんから発売されている小説版も面白いので、まだ読んでない方はぜひ読んでみてください! オリジナルエピソードもあって最高です。
ガンダムキャリバーンも、めっちゃ欲しくなりました!
ワールドダイスター
超演劇時代における演劇とはなにか。芝居とはなにか──。
TVアニメ、ゲームアプリを主軸にメディアミックス展開をする「演劇ガールズプロジェクト」のひとつとして発表されたアニメです。
まず初めてキャラクターを観た時の印象が「むちゃくちゃかわいい!」でした。「なんだこれすごい!」と思ったらそれもそのはず。キャラクターデザインはMika Pikazoさん!! キャラが動くのがとても楽しみでした!
実際、アニメ第1話から超絶美麗な映像でしたね。そしてストーリーもめちゃくちゃよかったですね!
タカヒロさん原案ということで、これまた放送前からとても楽しみでした!! 各キャラクターがとてもわかりやすくて、演劇に一生懸命な彼女たちを観ていてハッとさせられることもありました。演劇を扱う作品なので劇中劇が当然としてあるのですが、アニメの中で劇が繰り広げられるのはとても不思議な気分になりました。キラキラした超絶美麗なアニメーションと音楽で、劇の魅力を伝えてくれる最高の作品だと思います。
物語は以下の通り。演劇が世界的に大ブームとなった時代。世界に名だたる、輝かしい演技をする人に贈られる称号こそが「ワールドダイスター」です。各ヒロインがワールドダイスターを目指し、ひたすら演技に打ち込むわけですが、劇団シリウスの新人としてがんばる主人公「鳳(おおとり)ここな」はとてもかわくて、まっすぐな部分が魅力の女の子なのですが、実はある種とても特殊な演技人なのです。それを、ここなの歌やさまざまな劇中劇を通じてを通して観ることができたり、芝居や演劇というものがどんなものなのかを知ることができるのが面白いと思いました。
本作に登場するキャラクターたちには「センス」という、特殊能力的なものを垣間見ることができるのですが、そこもまたこの本作の面白い特徴だと思います! 各キャラクターのセンスが光る場面で、ここぞとばかりに輝くシーンはとても素晴らしかったです。
少し余談ですが、「芝居」と「演劇」の違いって意外とわからない人も多いのではないのでしょうか。諸説ありますが、「芝居」は紙芝居という言葉があるように、演劇を勉強してない人でもできるもの、まさに芝の上で誰でもできる少しライトなもの、という意味かなと思います。対する「演劇」は、あらかじめ用意された舞台上で俳優が物語を演じるもの、という感じで意外と違ったりするのですが、この作品はそこを行ったり来たりするのもとても面白かったなと思います!
そもそも声優さんというプロが、一瞬で舞台女優になったり一生懸命がんばる女の子たちの素の部分を演じたりする。そこも、この作品の魅力のひとつですよね。
話を戻しまして、第一場(第1話)、劇団シリウス新人オーディションで、ここなとかつてのシリウスナンバーワン劇団員であり元ダイスターの柊(ひいらぎ)さんのやり取りも印象的でした。
圧倒的な差を見せつける柊さんと、新人感がありつつもみんなを一瞬で惹きつける演技を見せるここな。とても好きなエピソードでした。
第四場(第4話)も、個人的にとても好きな回です。カトリナ・グリーベルとここなのキッチンでの会話のやり取りは必見。また、シリウスの柳田ぱんだも要チェック!(個人的に好きなキャラです) シリウスの劇団員のみんなが、少しずつ心を許し合っていく感覚は観ていて心地よかったです!
そのほか、ここなと一緒にワールドダイスターを目指しつつ、超絶分析スキルでここなに的確なアドバイスを出してくれる静香とのシーンも素晴らしかったです。つい「静香の本気、めちゃくちゃ見たい!!!」と思ってしまいました。
そして物語が進んでいくに従い、「センス」というものが何なのか。「静香」という存在が持つ違和感の謎が徐々に存在感を増していきます。
劇中歌もとても素敵な曲が多く、アニメ本編と合わせて聴くと、より素晴らしさが伝わってきます。なかでも「夢見月夜」という曲、とても好きでした!
まだまだ序盤のことしか話せてませんが、とても素敵な作品なのでぜひご覧ください! めちゃくちゃきれいで明るい彼女たちの演技は見ものです!!
アニメの次はゲームがリリース予定だそうです。きっとゲームならではのストーリーもたくさんあると思います。楽しみですね!
今回もありがとうございました!
(文/世界(EXILE/FANTASTICS))
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