【本日発売】ゲーミングスマホ「ROG Phone 7」レビュー! 「原神」や「Call of Duty: Mobile」といった大作系スマホアプリは、はたして快適に動くか?
2023年7月21日より、ASUSは自社が手がけるゲーミングスマホブランド「ROG Phone」シリーズの最新モデルとして、「ROG Phone 7」を発売した。高負荷のゲームでもスムーズに遊べる性能の高さが魅力で、いわゆるハイエンドモデルに分類される。価格については以下のとおりだ。
ROG Phone 7 の価格やスペックは?
- ROG Phone 7(ファントムブラック/ストームホワイト)
- ・ROG7-BK12R256/ROG7-WH12R256……12万9800円(税込)
- (メインメモリ容量:12GB/ストレージ容量:256GB)
- ・ROG7-BK16R512/ROG7-WH16R512……14万9800円(税込)
- (メインメモリ容量:16GB/ストレージ容量:512GB)
- ROG Phone 7 Ultimate(ストームホワイト)
- ・ROG7U-WH16R512……17万9800円(税込)
- (メインメモリ容量:16GB/ストレージ容量:512GB)
通常の「ROG Phone 7」の場合、メインメモリーの容量が12GBか16GBかで値段が変わる。いっぽう「ROG Phone 7 Ultimate」はメインメモリーの容量こそ「ROG Phone 7」の14万9800円(税込)のモデルと同じだが、背面表示機能がLEDバーから2.0型のOLED(LEDよりも薄くて軽い)ディスプレイに変更。さらに外付けの冷却機構である「AeroActive Cooler 7」が付いており、機種の背面に取り付ければ冷却性能をさらに強化可能。より高負荷のゲームを快適に楽しめる仕様となっている。
本稿では、このうち、通常版の「ROG Phone 7」をいち早く試遊する機会を得たので、いくつかのスマホアプリをインストールしてプレイしたうえでのプレイレポートをお届けしよう。
解像度1080×2448、165Hzのリフレッシュレートを実現した高性能スマートフォン
「ROG Phone 7」は、6.78型のAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載する。画面の解像度は、1080×2448。筆者が持っている「iPhone13」(6.1型/1170×2532)と比べると、解像度はほとんど同じだが、やはり画面サイズが大きい分だけ迫力がある。「ROG Phone 7」のほうが、手に持った際の存在感はかなり大きい。
リフレッシュレートが最大で165Hzなのもポイント。リフレッシュレートが165Hzということは、少なくともフレームレートが165Hzまでのゲームのポテンシャルを最大まで引き出せるため、とくに一瞬の判断などが勝敗を分けるFPSやTPSにはうってつけだろう。また、メインメモリーについても「ROG Phone 7」シリーズは、12万9800円(税込)のモデルでも12GBもあるため、高負荷の処理もスムーズにこなしやすい。14万9800円(税込)以上のモデルならさらに16GBと増え、デスクトップタイプのパソコンにも迫る容量となる。これは、ゲーミングスマホと見ても現状最高レベルのスペックだ。
FPSやTPSを遊ぶうえでは、「AirTrigger」が大いに役立つ。ROG Phoneシリーズではおなじみの機能で、ボディの右側面に内蔵された超音波センサーにより、そこを押すことでタップやスワイプ、スライドといったボタン操作を行ったり、その強さや範囲を調整するというもの。PlayStation5(以下、PS5)やSwitch、Xboxのコントローラーにある、LやZL、LTといったトリガーボタンを、スマートフォンでも利用できるという点でかなり画期的だ。
厳密に言うと、トリガーボタンのような機能そのものが付いているわけではない。本スマートフォンの右側面の両端に指先で圧力をかけると、あらかじめ設定しておいたタップやスワイプといった判定が、画面内に発生するという仕組みになっている。要はAirTriggerで画面内の操作を代行するわけだ。たとえばシューティング系のアプリゲームで、構えてから撃つという流れをAirTriggerで代用する場合、それぞれのボタンの配置をAirTriggerの判定と重なる範囲に合わせる必要がある。
本機能はあくまでソフトウェアによる疑似ボタンなので、家庭用ゲーム機のコントローラーのように、押し込んだときに感じられる反発感はない。とはいえ、スマートフォンでこのトリガーボタンが使えるのは大きい。とくに家庭用ゲーム機を中心に遊び、コントローラーを使った操作に慣れている人にとってはありがたいのではないだろうか。
なお、本機にはBluetooth機能も搭載されているので、PlayStationやXbox系のBluetoothコントローラーを使ってゲームを遊ぶこともできる。たとえばPS5用のデュアルセンスを使う場合、まずデュアルセンス側のクリエイトボタンとPSボタンを、ライトバーが点滅するまで長押しする。その後、「ROG Phone 7」の画面上を下に2度フリックし、Bluetoothの項目をタップ、詳細設定を選ぶとデュアルセンスが検出されているはずなので、そこでペアリングをすればいい。ゲーム中はもちろん、通常時もタップやフリックをコントローラーで代用できるようになる。コントローラーを使ってゲームをプレイしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。
以下では、本機を使って各ゲームタイトルを遊んだうえでのプレイレポートをお届けする。アプリを起動中に画面の左上か右上から下にフリックすると、専用の画面が出てきてスマートフォン自体の動作状況などを表示できるので、そちらから得られた情報も合わせて掲載しよう。
「Call of Duty: Mobile」や「原神」といった人気タイトルを遊んでみた
「Call of Duty: Mobile」
- 動作中の機種の状況(目安)
- CPU使用率:約50%/GPU使用率:約60%/温度:約39度/フレームレート:約60
まず遊んでみたのは「Call of Duty: Mobile」。FPSとして世界的な人気を誇る「コール オブ デューティ」シリーズのスマホ版で、スピード感の速い本シリーズらしい撃ち合いを楽しめるほか、過去作の武器やマップが多く実装されているのも特徴だ。
画質をはじめとする各種設定をできるだけ最高まで上げ、マルチプレイモードを30分ほど遊んだところ、フレームレートは60を維持していた。処理落ちはまったくなく、家庭用機やPCで発売されている「CoD」をそのままスマホで遊んでいるという感覚だった。FPSやTPSは、フレームレートや処理速度のわずかな遅延が勝敗につながるため、快適に遊べるのはありがたい。さらにサウンドの音質もよく、近くにいる敵の足音の方向や大きさもわかりやすかった。
また、AirTriggerの恩恵が大きい。設定で構えと射撃のボタンをそれぞれ左右の両端に配置したおかげで、コントローラーを使って遊んでいるときと変わらぬ操作感で試合を楽しめた。ただ「Call of Duty: Mobile」の画面はボタンが多いため、AirTriggerを利用するのなら、構えと射撃だけでなく、ボタン配置を全体的に改める必要があるだろう。
© 2023 Activision Publishing, Inc.
「フォートナイト」
- 動作中の機種の状況(目安)
- CPU使用率:約60%/GPU使用率:約75%/温度:約44度/フレームレート:約75
「フォートナイト」は、エピックゲームズが手がけるTPS。大人数が最後の生き残りをかけて戦うバトルロイヤルを始め、クラフト機能を使って自由に遊べるクリエイティブモードなど、さまざまな遊び方ができるのが魅力だ。
画質プリセットを限界まで上げて、フレームレートは60に。フレームレートの限界は90まであったが、90に設定すると画質のプリセットが下がってしまうようで、60にとどめた。その状態でバトルロイヤルモードを数回遊んでみたが、フレームレートは60を維持。本作の特徴である建築を使い、壁や階段をやたら作りながら戦っても処理落ちはなく、最後まで快適に遊ぶことができた。
その後、今度はフレームレートを90にまで引き上げてプレイ。画質を最高にしていることがネックなのか、数値としては75前後が限界だった。いっぽう、「フォートナイト」内のFPS表示機能を見ると、そちらの数値は90付近を維持していた。どちらが正しいのかは不明だが、最高設定でもフレームレートは75~90は出せると考えていいだろう。
ほかにも、「フォートナイト」のボタン配置はカスタマイズできるため、ROG Phone 7のAirTrigger機能が使える。構えと射撃のボタンを画面の左上と右上に配置すれば、コントローラーを使っているときに近い操作感が得られるのもありがたかった。
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「原神」
- 動作中の機種の状況(目安)
- CPU使用率:約60%/GPU使用率:約75%/温度:約41度/フレームレート:約60
「原神」は、「崩壊3rd」などで知られるmiHoYoが手がけるオープンワールドタイプのRPG。離ればなれになった兄妹の行方を調べるため、主人公はパイモンという相棒とともに広大な世界・テイワットを旅する。
各種設定を最大まで上げ、デバイスの負荷を「非常に高い」にしてプレイ。「元素爆発」などの派手な技を使って敵と戦ったり、稲妻の城下町やスメールの中心街といった人の多いところを走ったりしたが、フレームレートは60で安定していた。まれに下がることはあったが、それも58や59と微々たるものだった。さらにワープポイントを介した長距離の移動は3~5秒で終わる。PS5版には及ばないものの、少なくともPS4版よりもロード時間は短い。
オープンワールドということもあって画面上の情報量が多いためか、GPU使用率は常時75~80ほどで推移しており、数値としてはやや高め。ただし、フォトリアルなグラフィックのゲームであれば話も変わるだろうが、少なくともアニメ調であれば、「原神」のようなオープンワールド系の作品は快適に遊べそうだ。
「崩壊スターレイル」
- 動作中の機種の状況(目安)
- CPU使用率:約50%/GPU使用率:約75%/温度:約40度/フレームレート:約60
「崩壊スターレイル」は、「原神」の開発元であるmiHoYoの新作RPG。「星核」と呼ばれる物体が引き起こした災害を食い止めるべく、開拓者である主人公は「星穹列車」に乗り込み、広大な宇宙に浮かぶさまざまな船や惑星を旅していく。
画質設定を最高にした後、フレームレートは60に変えてからプレイ。物語で最初に訪れる惑星ヤリーロVIに向かい、戦闘と探索を試した。戦闘については、2倍速にして負荷をかけてもフレームレートは60で安定。エフェクトが派手なスキルや必殺技も余裕だった。
いっぽうで、ヤリーロの中心的な都市であるベロブルグでは、フレームレートはやや下がり気味。街を走り抜けたりすると、だいたい45~60で推移した。オープンワールドという特徴から描画量がこちらよりも多そうな「原神」では、街中を好きに動いてもフレームレートの低下はなかなか見られなかったために、こうした結果は意外だ。
推測に過ぎないが、「崩壊スターレイル」の場合は、オープンワールドではない分、ひとつのマップにおける描画の密度を相当に濃くしているとか、そうした要素があるのかもしれない。とはいえ、テンポを求められる戦闘ではフレームレートは60で安定していたわけで、全体的に見て大きな問題ではないだろう。
今回は容量の大きい大作系タイトルをメインに遊んでみた。いずれもフレームレートは60以上を維持。さらに排熱性能も良好で、全タイトルを連続で遊んでも内部の温度は低く抑えられており、ハイエンドのゲーミングスマホである本機の性能を強く感じられた。日本でも「ROG Phone 7」が正式に発売された暁には、ぜひ手に取って大作ゲームを存分に遊び、その性能を実感してみてほしい。
活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。
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