ステルスありパズルありのSFアクションアドベンチャー「Planet of Lana」プレイレビュー 美しいグラフィックで紡がれる壮大なストーリー!

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。皆さま、最近何か映画は見ましたか?夏休みシーズンということもあり、映画館には話題作が次々に登場していますが、ゲーマーなら「映画のようなゲーム」で遊ぶというのも、ある意味、映画体験と呼べるかもしれません。というわけで今回は、映画のような壮大なストーリーが魅力の「Planet of Lana」をご紹介します。

“映えすぎ”な美麗グラフィックで描かれる、少女ラナの大冒険!


本作は、ひとりの少女が主人公のアドベンチャーゲームです。
「Planet of Lana」というタイトルにある「Lana(ラナ)」とは、主人公の少女の名前。プレイヤーは、ラナを操作しながら、壮大なSFストーリーをひも解いていくこととなります。



ゲームを始めてまず目を引くのは、やはりなんといってもそのグラフィック。ひと目見ていただければ感じてもらえると思いますが、本作のグラフィックはとにかく美麗! 水彩画のような鮮やかなビジュアルで彩られたゲーム画面では、キャラクターたちが手描きアニメーションのようなモーションで動き、プレイヤーの目を楽しませてくれます。とにかくゲーム中は、ずっと「映える」景色が続く印象で、その美しいグラフィックにすっかり見とれてしまいました。



それではまず、気になる本作のストーリーからご紹介していきましょう。

とある惑星の、豊かな自然と水に囲まれた小さな村。主人公のラナは、その村で暮らしているひとりの少女です。ラナには姉がおり、2人は一緒に仲良くすごしていました。



ある日、村の外れでラナが姉と遊んでいたところ、突如、轟音とともに空に多数の飛行物体の姿が。なにやら不穏な気配がする中、一体の飛行機械が2人の目の前に現れて、またたく間に姉を連れ去ってしまいました。



村に戻ると、そこは機械の集団に襲われ、おそろしい光景に変わっていました。ラナは機械たちの目をかいくぐりながら前へと進み、姉を連れ戻すための旅へと出発するのでした……。



鮮やかな自然あふれる世界と、冷たく無機質なロボット軍団という、相反する要素が混じり合う独特の世界観が本作の特徴。本作のキャラクターにはボイスが付いていますが、何語でもない架空の言語でしゃべるため、言葉でストーリーを理解することはできません。しかし、その点が逆に、プレイヤー個人にストーリーを考えながら読み解くというユニークな体験をもたらしてくれるのです。

ラナの道中には数々の困難が待ち受ける!パズルとアクションで道を切りひらこう!


本作は、2Dスタイルの横スクロールで進行します。プレイヤーの目的は、少女ラナを操作してフィールドの先へ先へと進んでいくこと。ラナはジャンプやしゃがみなどを行うことができるので、地形に応じたアクションで切り抜けていきましょう。このあたりは、オーソドックスな2Dアクションゲームを思わせる雰囲気があります。



アクションスタイルのアドベンチャーゲーム王道要素として、本作には多数のパズルが用意されています。進むべき道が障害物でふさがれていたり、ジャンプでは超えられない距離の穴があったり、ジャンプでは届かない高さに先への道があったり……。そんな困難の数々を、プレイヤーは頭脳とアクションで解いていかなければなりません。オブジェクトを動かしてスイッチを作動させ、ギミックを起動したりなど、パズルはどれも、簡単には解けないけどじっくり考えれば解けるような絶妙な難易度設定となっており、見事に解けたときの達成感と爽快感はバツグンです。



さらに、道中には不気味で無機質なロボットたちや、謎の生物たちが待ち受ける局面も多数存在します。攻撃方法を持たないラナがとるべき行動はというと、ずばり「ステルス」。敵に見つからないように草むらや物陰に隠れつつ、隙を見計らって突破するというアクションが必要となるのです。なかには、わざと敵に見つかっていったん敵を引きつけてからダッシュで突破するような局面も。これらのステルスアクションでは、プレイヤーの反射神経と勇気が試される、スリル満点の体験を楽しむことができます。



本作は、パズルとステルスアクションのバランスが実に絶妙です。時にじっくり考えつつ、時に大胆にアクションをするといった緩急のついたプレイが味わえるため、飽きることなく冒険を楽しむことができる作りとなっています。なかにはパズルとステルスが融合したシーンもあり、クリアできたときの快感はひとしおです。ちなみに、敵に捕まってしまうなどのミスをしても、基本的には直前からすぐにやり直しができるので、ストレスなく何度でもチャンレジできるのもうれしいポイントのひとつとなっています。


かわいい黒猫(?)の相棒「ムイ」が本作の大きな魅力!一緒に協力してパズルを突破しよう!


本作には、ラナのほかに欠かせない存在が登場します。それは、道中で出会う小さな生物「ムイ」です。ムイは、猫のようで猫ではないような不思議な存在ですが、そのキュートさは猫そのもの(もしくは、猫以上かも?)。ラナのあとを追ってついてくる姿は、見ているだけでも癒やされます。ちなみに、なでなですることもできちゃいます。かわいい……!



本作には、そんなムイと協力することで進めるようなパズルも多数登場します。

ラナはムイに「ついてきて」と「止まって」という、2種類の指示を出すことができます。ムイはラナよりも体が小さく、ラナよりも遠くへジャンプをすることができるため、「ついてきて」「止まって」を用いてムイに指示を出すことで、ラナだけでは行くことができない場所や押すことができないスイッチを起動させることが可能になるのです。なかにはラナとムイをうまく交互に操作することで道がひらけるような、ちょっと歯ごたえのあるパズルも登場します。



さらに、ゲームが進んでいくと、行ってほしい場所を指定したり、特定のケーブルなどを噛みちぎらせたりといった特殊な指示も出せるようになっていきます。ムイへのさまざまな指示を駆使して、一見進行不可能に見える場面を突破していく、「協力プレイ」と呼ぶべきアクションとパズルが本作の最大の魅力と言っても過言ではないと筆者は感じました。


この夏は「Planet of Lana」で上質なアドベンチャー体験を満喫しよう!


というわけで、「Planet of Lana」をご紹介しました。


美しすぎるグラフィック、映画のように壮大なSFストーリー、そして遊びごたえのあるパズルアクションと、上質なゲーム体験がこれ一本にたくさん詰まった「Planet of Lana」。この夏、腰を据えてじっくり遊びたいゲームを探している方にはぜひオススメしたい作品です。



  • タイトル情報
  • Planet of Lana」(Wishfully)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 2023年5月23日発売
  • 価格:2,300円(2023年7月15日時点)
  • コピーライト:(C) 2023 Wishfully
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百壁ネロ

百壁ネロ

ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。

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