【新作プラモレビュー】「MODEROID エヴァンゲリオン初号機」プラモ初心者からシンプルにエヴァの魅力を楽しめるおススメキットに、声優・泰勇気が挑戦!

社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!

コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。

というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第80回スタート!

泰勇気の週末プラモ 第80回 MODEROID エヴァンゲリオン初号機

もはやアニメファンのみならず、その名前を知らない人も少ないだろう「エヴァンゲリオン」。

1995年のTVシリーズ放映当時から見る者に衝撃を与え続け、2021年公開の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」にて、ついに物語の幕は閉じましたが、その人気はいまだに絶大。各社からキャラクター、エヴァンゲリオン各機の立体物が発売され続けています。

そんな中、今回はグッドスマイルカンパニーのMODEROIDで発売されたプラキット「エヴァンゲリオン初号機」をご紹介します。

手に取り、組立てた全体的な印象をひと言で言うと「お手軽」! 実際のところ、どうお手軽なのか。それをご覧いただきましょう。

パッケージイラストは側面まで描かれているので、各面の画像を並べてみました。倒壊したビルを足場にカシウスの槍を前後逆向きに低く構える初号機。劇中でなぜわざわざ持ち直してまで逆向きに使うのか、いろいろと考察されていますね。

縦横どちらに重ねてお店に陳列されていても、わかりやすいパッケージデザイン。

ランナー数はかなり少なめ。この時点で、可能な限りシンプルかつお手軽に組み立てられることを目指したキットだなと感じました。黒いパーツに蛍光グリーンの塗装が施されているのは助かります。黒の上に明るい色を塗るのって大変なんですよね。

組立説明書はもちろんフルカラー。カラーリングを補うために若干のシールも付属。貼ってみると「あ、これはシールで助かる」という部分がシールになっています。

内容物は以上となります。では、さっそく組み立ててみましょう。
組み立ての模様は、わたくしのYouTubeチャンネルでLIVE配信しましたので、よろしければそちらもご参考になさってください。

2時間足らずで完成。にもかかわらず、この完成度。成形色もいいですし、各部の塗装済みパーツ、シールのおかげで、塗装をせずとも劇中の姿を見事に再現しています。

頭部の額アンテナ部分と目、口のあたりが塗装済みパーツです。鎖骨周辺、肩の五角形などはシールによる再現。そのほかパーツ分割や塗装済みパーツのおかげで、ここまで配色が再現されています。アンテナ部分は繊細なので曲げてしまわないようにご注意ください。

また今回はお手軽キットということもあり、肩のプログレッシブナイフ格納部のギミックはありません。

前腕の紫色のプレートの端にある蛍光グリーンの部分と、膝の三角がシール。そのほかの個所は、こちらもパーツ分割と塗装済みパーツによってカラーリングが再現されています。手首の表情もエヴァらしさがありますね。

背面。エントリープラグ挿入口のカバーの蛍光グリーンの部分と肩甲骨あたりの六角形がシール処理。今回はお手軽エヴァンゲリオンということで、肩のプログレッシブナイフ格納部同様にエントリープラグ周辺の可動ギミックはありません。

ただ、背部中央のジョイント穴は「THEシンプルスタンド」用というよりは、アンビリカルケーブルの取り付けを思わせる位置にあるので、もしかしたら今後さまざまなオプションパーツの製品化も検討されているのかもしれません。

ジョイント穴は腰部にもあるので、先ほどの「アンビリカルケーブル」の予想は当たりそうな予感。

首の可動範囲。首の根元と頭部との接続部それぞれで可動部があり、前後屈伸のほか、真横に振り向かせることができます。

腕の可動。肩の付け根、ボディ側には上下にスイングする可動もあり、水平方向へは90°以上持ち上げ可能。肩関節自体の接続はボールジョイント接続なので、前後方向の回転から腕を真上に持ち上げることも可能です。

肩の接続部がボールジョイントなので、前後への若干のスイングも可能。

肘はここまで。接続部を少し引っぱり出せば、肘でロール回転も可能です。

手首は軸接続なので回転が可能。

ボディは複数の節が連なっている構造なので、前後にこのくらいまで可動します。

また、横方向への傾けができるほか、各節の部分がボールジョイントなのでひねりを入れることもできます。

前後開脚は無茶苦茶柔軟です。

左右の開脚は、太ももの装甲が腰パーツにぶつかるところまで開きます。股関節は軸接続です。

膝は二重関節。細いデザインとふくらはぎ・太もものデザインのおかげで180°まで曲げられます。

足首の接続自体はボールジョイント。またすね側に、前後にスイングさせられる可動が入っています。ここらへんの配色もばっちりですね。

太ももと股関節ブロックとの接続部の軸で、ロール回転あり。

ここまでご覧の通り、お手軽キットとしてはかなり充実した可動範囲が確保されています。

ここからは、いろんなポーズを取らせてみましょう。

少し全体を開き気味に立ちポーズ。

片膝立ちも余裕です。

「THEシンプルスタンド」を使ってのジャンプキックなど、空中でのポージングもキマります。

パレットライフルを握った銃持ち手。ライフル自体はこう見えて、なんと1パーツ構成! なのに銃口には、しっかり凹みが入れられています。

銃持ち手は右手用のもののみが付属。平手と組み合わせて、ビルなどの陰に隠れて使徒の様子をうかがう初号機のポーズ。

バッとビル陰から飛び出し「目標をセンターに入れてスイッチ」!

カシウスの槍の持ち手首は左右ともに付属しています。拳に槍の軸部分を通す丸い穴があるタイプとなっています。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、ゲンドウと対峙した時、意図的に前後を逆に構えなおしていたカシウスの槍ですが、「ヱヴァンゲリオン新劇場版:破」では、幅広の、いかにも槍の「穂」のように見える側から初号機に突き立てられていたり、ロンギヌスの槍と融合する時もこちらが先端になっているので、これが正位置かと思われます。

大きく飛び上がって、両腕でカシウスの槍を振り下ろそうとする初号機。

左手の槍持ち手には手首の角度がきつめにしてあるパターンも付属。手首の組み合わせによって、さまざまな構え方を楽しめそうです。

劇中ではポジトロンライフルやプログレッシブナイフなど、多彩な武器が登場しますが、オプションパーツを豊富にすればするほどキットの価格も上がってしまいます。今回のキットの思い切ったお手軽さは、エヴァファンの中には武器の充実度よりも、とにかく手軽にエヴァンゲリオンの立体物が欲しいという人もいらっしゃることを考えてのことかなと感じました。

半面、今後さまざまな状況を再現できるオプションパーツなんかも、ほかのエヴァシリーズのリリースと合わせてラインアップされると嬉しいです。

ここまでお手軽だったので「プラスひと手間」もそれに合わせたお手軽なものにしておきました。

プラスひと手間!

ということで今回は「PIGMA0.03mm」のペンのみを使用したスミイレです。全身で撮影しても変化がわかりにくいのでいきなり上半身の寄りから。

頭部や肩のインテークのような部分を塗りつぶすだけでもいいかもしれません。使用したペンは水性なので、はみ出たり失敗してもすぐにティッシュなんかで拭き取ればあっという間に元通り。やり直しがききます。

逆に、スミイレを保護しておきたい場合はクリア塗料でのコートが必要です。今回はつや消しでクリアコートしてあります。

足の甲にある点の部分も、ペンでくぼみを塗りつぶしました。脚部の面構成は複雑ですが、ディテールは少ないのでスミイレは簡単です。

足裏もペンでスミイレ。立たせておく分には見えない個所ですが、特にスミイレが難しい部分でもないので挑戦しておくといいでしょう。

カシウスの槍も、先端部分周辺のディテールと段差にのみペンでスミイレ。

手の甲は本来部分塗装をしないと設定通りの配色にはならないのですが、スミイレすることにより段差やディテールがくっきりするので、それほど気にならなくなります。

気分がノってきたところでいくつかポージング。槍をめいっぱい突き立てた初号機。

左手には槍、右手にライフルを持たせても自立できるだけの安定感もあります。

「THEシンプルスタンド」と組み合わせて、全力疾走の初号機。「つま先だけが動く」などの細かい部分の可動までは再現されていないとはいえ、それでも十分にエヴァンゲリオンらしい雰囲気のポージングを楽しむことができます。

塗装派の人には若干工夫が必要になってくるのも、このキットが「手軽にエヴァで遊びたい人」に向けて作られているのだろうなと感じた部分。なのでほかのエヴァたちも手軽に集められるように、引き続きMODEROIDシリーズに期待しています。

それじゃあ次回もサービス、サービス!

【商品情報】

■MODEROID エヴァンゲリオン初号機

・メーカー:グッドスマイルカンパニー

・発売中

・価格:3,700円 (税込)

・仕様:組立て式プラスチックモデル

・ノンスケール

・全高:約165mm

・原型制作:七兵衛(松田モデル)

泰勇気

泰勇気

「無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。

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