【インタビュー】梶浦由記とのコラボ、再び! Aimerが新曲「I beg you」を語る
2019年1月12日から公開となる、劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 II.lost butterfly。その主題歌「I beg you」を収録したAimer(エメ)の最新シングルが、映画公開に先駆けた1月9日にリリースされる。「I beg you」の作詞・作曲・編曲を手がけるのは梶浦由記。劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」I.presage flowerの主題歌「花の唄」に続く、Aimerと梶浦由記のコラボだが、曲調は前作とは大きく変わることに。その魅力を語ってもらった!
「I beg you」のような曲を歌うのは初めてでした
──「I beg you」は「花の唄」に比べて、激しさが増している感がありました。楽曲の第一印象はいかがでしたか?
Aimer 音楽的な方向が大きく変わっていて、衝撃を受けました。激しさを表現するにしても、いろいろな方向性があると思うんですけど、「I beg you」は異国の香りがして、「こういう感じで来るんだ!」と思いました。
──オリエンタルな雰囲気は梶浦さんの得意とするところですよね。
Aimer 「Fate/stay night [Heaven's Feel]」の世界観でここまで思い切った曲を作られたというのは、すごいと思いました。私はこういう曲調を歌ったことがなくて、Aメロの運びが特に難しかったです。でも、私を信頼してくださってのことだと思って、歌えることが本当にうれしかったですね。どういうふうに歌ってやろうかと、今までで一番燃えました(笑)。
──どういうふうに歌おうと考えましたか?
Aimer この曲はボーカルの選択肢が多くて、ポジティブな意味でひとつに絞ることが自分ではできなかったんです。なので、レコーディングの現場で梶浦さんに、「どう歌っていきましょうか?」と単刀直入にうかがってみました。「楽曲自体に力があるので、ボーカルはフラットなものにしよう」と2人で決めてブースに入ったんですけど、いざレコーディングを始めたら、私も梶浦さんもどんどん気持ちが加熱していって、最終的には感情がマックスくらいに振り切れたボーカルになりました。
──パワフルかつ、ドラマチックなボーカルになっていると感じました。
Aimer 梶浦さんと「Fate/stay night [Heaven's Feel]」に導いてもらったという感があります。歌詞にも楽曲にも、私は女性の情念みたいなものを感じたんです。情念がこもった歌声が、今回新たに自分の中から引き出されたのは、面白い体験でした。
──「靴の先で転がしても構わないわ」とか「やさしいせかいに誰だって行きたいわ」とか、女性的な語尾が歌詞に使われているんですよね。
Aimer そうなんです。自分で歌詞を書くときは使ったことがないので新鮮でした。間桐桜の存在感が強いからなのかもしれませんが、「Fate/stay night [Heaven's Feel]」には、衛宮士郎の物語というより女性たちの物語という印象が、個人的にはあるんですよね。私はその空気感が好きなので、続けて主題歌を歌わせていただけたのは幸せでした。
──歌詞全体の印象はいかがでしたか?
Aimer 「花の唄」のときも感じたことですが、梶浦さんの歌詞は言葉の繋げ方が独特で、意表を突いてくる感があります。いい意味で狂っているというか(笑)。今回は1つひとつの単語が重くて、歌詞だけ読んだら、全然違う曲調を想像してしまうんじゃないかと思うほどです。歌詞とメロディに合わせて、私もブロックごとに歌い方を変えていったので、多重人格的な曲になったように思います。ラスサビに入る前に、切ないブロックがあるんですよね。
──「しんしんとかなしみだけがふりつもる」という歌詞から始まるブロックですね。あそこだけは、日本的な情緒を感じました。
Aimer 歌い方をがらりと変えたブロックです。梶浦さんから「ここはもっと深いところから上がってきてほしい」と指示があって、私も同じ気持ちだったのですんなり歌えました。ラスサビも面白くて、同じメロディがずっと繰り返されるように聞こえつつ、メロディが微妙に変わっているんです。曲全体の構成がドラマチックで、こんな曲は梶浦さんにしか書けないなと思いました。
──劇場版の主題歌ということで、フルサイズ使われることを計算してのことでしょうね。
Aimer そうだと思います。劇場でフルで聴いていただけるのは、私もうれしいです。
──アレンジの印象はいかがでしたか?
Aimer デモの段階から世界観ができあがっていたので、バンドやオーケストラの音が入っても、印象は大きくは変わりませんでした。ただ、ギターソロはかなりエモーショナルになっていましたね。
──ギターソロでいきなりロック色が強くなるのも、意表を突かれた感がありました。
Aimer あくまでバンドサウンドにこだわるのも、梶浦さんらしさなのかなと。ボーカル的には1コーラス目のAメロで、歌声にディレイがかかって背後に流れていくような効果が印象に残りました。すごくいい雰囲気になっていると思います。それからやっぱり出だしですね。演奏なしでボーカルからいきなり始まるので、劇場で見ている方にどう感じていただけるのか、今から楽しみです。
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