【アニサマ2023レポ】TM NETWORK、サプライズ参戦! 伝説のアニソン「Get Wild」がアリーナに響き渡ったAnimelo Summer Live 2023 -AXEL-DAY2後半を振り返る!

毎年恒例の夏のイベント「Animelo Summer Live」(アニサマ)が、今年もやってきた! 2023年8月25日(金)、26日(土)、27日(日)の3日間にわたって開催された世界最大のアニソンライブイベント「Animelo Summer Live 2023 -AXEL-」(アニサマ2023)。

アキバ総研では、3日間の模様を振り返るレポートを掲載する。DAY1に続いて、8月26日のDAY2の後半戦をお届けしよう。

【アニサマ2023レポ】「天国の水木一郎アニキも聴いてくれていると思う」遠藤正明「ウルトラマンZ」を熱唱! Animelo Summer Live 2023 -AXEL-DAY1前半
【アニサマ2023レポ】「アニサマにすべてをかける覚悟はある?」3度目の出演Roseliaがクライマックスを盛り上げる! Animelo Summer Live 2023 -AXEL-DAY1後半
【アニサマ2023レポ】アゲアゲなテンションから大人っぽい表情まで……TrySailが盛り上げた2日目前半戦! Animelo Summer Live 2023 -AXEL-DAY2前半

後半のトップバッターは、サプライズアーティストのTM NETWORK。「シティーハンター」シリーズ最新作「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」の公開が9月8日であることから、もしかしたら出演があるかもしれないと予想はしていたが、まさか本当にこんなことが起こるとは思ってもみなかった。

ステージ上に、シンセに囲まれた小室哲哉さんの姿があるのだが、まだそれが誰なのか、観客は気づいていない。そこから音を鳴らし始めても、しばらくは誰だかわかられてはいなかった。この溜めは「Get Wild」をライブで披露をするときによくやっていて、小室が鍵盤を叩き「Get Get Get...」と音を出したときに最初の盛り上がりがあるのだが、アニサマでは誰だかもわかっていなかったのだから、その盛り上がりのボルテージはさらに高い。ステージにいるのが、「ひとつの時代を作り上げた小室哲哉だ」というどよめきも一緒に広がっていく。

そこから、誰もが知っているサビのメロディを使ったピアノイントロが流れるまで、じらしにじらす。まるでDJだ。フロアのテンションをじっくりと上げていったところで、あのイントロが流れると歓声が爆発する。そしてステージには、宇都宮隆さんと木根尚登さんの姿が! あのTM NETWORKがアニサマのステージに立つという奇跡が起こる。そしてもはや伝説と言っていいアニソン「Get Wild」を披露。アニメが放送されて36年経った今も、映画のEDテーマとして起用されていることが信じられない。だが、今もまだ新鮮な輝きを放ち、まったく色褪せていないことこそが奇跡なのかもしれない。アニサマにいる若い世代にも思い出に残るようなパフォーマンスを見せた。

またTM NETWORKとして念願だったOPテーマを歌うということが、今回の映画で実現したのだが、その新曲「Whatever Comes」も披露する。今もまだ新しいことにチャレンジをし続けている彼ら。それは’80年代に日本の音楽界に新しい風を吹かせたときのマインドと何ら変わらない。そんなTMのよさ、生き様を見せつけ、クールにカッコよくステージをあとにした。


上坂すみれさんは、デビュー曲「七つの海よりキミの海」(「波打ち際のむろみさん」主題歌)からスタート。トロッコに乗って、テンション爆上げで、客席に向けて拳を振り上げる。会場を1周回ってメインステージへ。お水で乾杯をし、「お水、おいしい?」と上坂さんが聞くと、会場から「おいしいー!」の大きな声が。


そんな受け答えができるような世界になったことを喜ぶと「Inner Urge」(「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」ED)を無表情なダンサーと披露し、最後は「EASY LOVE」(「イジらないで、長瀞さん」OP)で拳を突き上げて、アゲアゲのステージを終える。オタクカルチャーや昭和カルチャーに造詣が深い彼女なので、この位置での出番というのはメンタル的にも気持ちを整えるのが大変だったと思うが、見事としか言えない彼女らしいステージだった。


ClariSのステージは、新曲「コイセカイ」(「白聖女と黒牧師」OP)からスタート。上品なドレスのスカートをふわりとさせながら、2人の歌声を会場に響かせていく。やはりユニゾンの心地よさは唯一無二で、スッと歌が心に染み入ってくる。最後の〈今日も 大好きだよ〉というフレーズは、会場をうっとりさせた。4年ぶりのアニサマ出演……ということは、仮面を取ってからは初めてのアニサマとなる。



改めて時間の経過を感じてしまうが、ClariSと言えば、アニメ界を揺るがすような人気作品の主題歌を歌っているイメージが勝手にある。最近で言えばそれは、TVアニメ「リコリス・リコイル」だろう。OPテーマ「ALIVE」が始まると、会場からも大きな歓声が! 1曲目とは打って変わって、こちらは激しいダンスパフォーマンスで声を重ね、さいたまスーパーアリーナを揺らした。


愛美さんのステージでは、サプライズアーティストならぬ、サプライズレスラーとしてグレート-O-カーンさんが登場! 愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーンとして、「MAGICAL DESTROYER」を披露する。作曲が、THE MAD CAPSULE MARKETSのTAKESHI UEDAさん(AA=)なので、かなりぶっ飛んだ超絶カッコいいロックミュージックなのだが、アニサマ用に対決というポップな要素も盛り込んで見せるアイデアが素晴らしかった。MADKID VS グレート-O-カーンのアクションも派手でカッコいい。ちなみにスクリーンに映し出されていた「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」のOPアニメーションは素晴らしいので必見だ。


続く「煩悩☆パラダイス」では、ホーンも加わったアニサマバンドのパワフルな演奏をバックに歌う。こちらは一転、楽しく盛り上がれるポップナンバーで、愛美さんがTVアニメ「てんぷる」に寄り添うように手がけた歌詞の世界観が素晴らしい。ピンク一色になった会場で、最高の笑顔を見せていた。

プリキュアのターンでも出場していたMachicoさんは、TVアニメ「この素晴らしい世界に爆焔を!」OPテーマ「STAY FREE」を高らかに歌い上げる。この曲は爆裂魔法くらいスケールが大きいロックで、いつもの爽やかで真っ直ぐな感じというよりは、地に足がついたパワフルな歌声で、またひとつ彼女の新しい魅力が発揮されていた。歌の最後にMachicoさんの振りかざす手に合わせて、爆裂魔法ならぬ、特効の炎を炸裂させるという、アニサマの粋なはからいも見事だった。

仲村宗悟さんは、TVアニメ「ブルーロック」EDテーマ「WINNER」を披露。彼が作詞・作曲したおしゃれなAORなのだが、「エゴイスティックなフォワードを作り上げていく」という内容のサッカーアニメで、こういうロックナンバーを提示するセンスが素晴らしい。みんなで声を合わせるところもあって、心をひとつにしてくれるような名曲だと思った。


続いて「ウルトラマンレグロス」のOPテーマ「fist of hope」を拳を突き上げながら熱唱し、ラストはみずからテレキャスを弾きまくっての「imitation」。ゴキゲンなロックで会場を湧かしてステージを終えた。

鈴木愛奈さんは「Dash and Go!」からスタート! 彼女が歌うとどうしてもその歌唱力のすごさに注目してしまうのだが、やはりその細かい表現力と、抜群の安定感に感動してしまう。この曲でも、ロングトーンでいろいろな表現を聴かせてくれて、圧倒されるばかり。



「‘21年のアニサマで歌った曲をもう1回歌わせていただきたいと思います。あの時は声出しができない中だったので…」と言うと、会場からも大きな喜びの声があがる。彼女の始まりの曲とも言える「ヒカリイロの歌」を高らかに歌い、観客も、自分の好きな色の光を灯して楽しんでいた。


松本梨香さんが登場し、披露するのはもちろん「めざせポケモンマスター -20th Anniversary-」だ。会場からは大きなクラップ、そして〈getだぜ! Yeah,yeah,yeah,yeah,yeah,yeah,yeah〉の大きな声がとどろき、改めてポケモン人気のすさまじさを知る。バンドの演奏もひたすらゴージャスだった。


「アニメソングを歌い繋いでこれて、こんなに素敵な景色を見られて、感謝の気持ちでいっぱいです。今があるのはみんなのおかげです! これからもアニソンをみんなと一緒に、盛り上げていけたらと思います」と言って、今度はEDテーマ「タイプ:ワイルド」をアニサマフレンズと一緒に披露。さっきまで歌っていた鈴木愛奈さんまでステージに登場し、みんなで〈タイプ:ワイルド!〉と叫んで、アニソンの素晴らしさを分かち合う。最後は「よしみんな! 行こうぜ、次の冒険へ」と叫んでステージを終えた。


ブザーが鳴るとスタァライト九九組のレヴューが始まる。9人全員が集結し「Star Divine」を激しく、そして華麗にパフォーマンスしていく。その歌声に合わせ、スクリーンに「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」のそれぞれのレヴューシーンを映し出していたのも胸熱だ。そして、このアニサマが初披露だという曲「Polestar」。1曲の中に2~3曲分入っているのではないかと思うくらい、メロディが大きく展開していく九九組らしい楽曲を、大きく手を左右に振りながら歌っていった。

最後は、アニサマ恒例の九九組カバー。「スタァにかわっておしおきよ」と小山百代さん(愛城華恋役)が言うと「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」のEDテーマ「Moon Revenge」を披露。歌割りにもかなりこだわっていて、誰がどのセーラー戦士を担当していたのかを見ても、納得感があったし、何よりも作品への愛が感じられるカバーだった。

2日目のトリはangela。ライブは、今放送中のアニメ「AYAKA」のOPテーマ「AYAKASHI」からスタート。angelaとは長い付き合いのある創作者集団GoRAによる最新作の楽曲だが、作品への想いをしっかりと音と歌詞に落とし込んでいるのが分かる。atsukoさんがこだわって入れたピアノソロも、ライブでカッコよく表現されていた。

続いて「RECONNECTION」(「最強陰陽師の異世界転生記」OP)、「ANGEL」(「COPPELION」OP)、「僕じゃない」(「革命機ヴァルヴレイヴ」ED)をメドレーで歌っていく。TVアニメ「COPPELION」「革命機ヴァルヴレイヴ」も今年が10周年だそうで、アニメ作品とともに歩んできたangelaの愛が感じられる選曲だった。

「こんばんはー。私たちプリキュア………と、20周年で同期のangelaです」と、今回はちゃんと(?)自己紹介をする。そして、長年携わってきたアニメ「蒼穹のファフナー」で、「Most songs sung by the same artist for an animation franchise / 同じアーティストにより歌われたアニメーションフランチャイズの歌曲の最多数」で、ギネス世界記録に認定されたことを、アニサマの観客へ報告する。そんなときでも、「ギネス、ゲットだぜ!」「やめなさい」と、ボケとツッコミの間が絶妙なatsukoさんとKATSUさん。さすがの20年選手だ。

ただ「蒼穹のファフナー」の曲の前に、「この曲があったからこそ、私たちは今ここに立って歌っています」と言って、いつもファンと踊りながら歌っているデビュー曲「明日へのbrilliant road」(「宇宙のステルヴィア」OP)を披露する。そして最後は、TVアニメ「蒼穹のファフナー」のOPテーマ「Shangri-La」を会場の全員で歌って、ライブを締めくくった。

会場のみんなで「ゲットだぜ!」と言って、出演者を呼び込むと、最後はテーマ曲「heartbeat-axelator」を歌う。自身のステージを終え、誰もが最高の笑顔を見せながら、熱くこの楽曲を歌っていく。昨日に引き続き、会場はリサイクル大閃光のまばゆい光に包まれ、アニソンへの愛をアクセル全開でぶちかました2日目のライブも、大団円で終わった。


(取材・文/塚越淳一)

【DAY2後半セットリスト】

24 Get Wild TM NETWORK 「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」EDテーマ

25 Whatever Comes TM NETWORK 「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」OPテーマ

26 七つの海よりキミの海 上坂すみれ TVアニメ「波打際のむろみさん」OPテーマ

27 Inner Urge 上坂すみれ TVアニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」EDテーマ

28 EASY LOVE 上坂すみれ TVアニメ「イジらないで、長瀞さん」OPテーマ

29 コイセカイ ClariS TVアニメ「白聖女と黒牧師」OPテーマ

30 ALIVE ClariS TVアニメ「リコリス・リコイル」OPテーマ

31 MAGICAL DESTROYER 愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン TVアニメ「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」OPテーマ

32 煩悩☆パラダイス 愛美 TVアニメ「てんぷる」OPテーマ

33 STAY FREE Machico TVアニメ「この素晴らしい世界に爆焔を!」OPテーマ

34 WINNER 仲村宗悟 TVアニメ「ブルーロック」EDテーマ

35 fist of hope 仲村宗悟 「ウルトラマンレグロス」OPテーマ

36 imitation 仲村宗悟

37 Dash and Go! 鈴木愛奈 TVアニメ「アリス・ギア・アイギス Expansion」OPテーマ

38 ヒカリイロの歌 鈴木愛奈 TVアニメ「はてな☆イリュージョン」EDテーマ

39 めざせポケモンマスター -20th Anniversary- 松本梨香 TVアニメ「ポケットモンスター」OPテーマ

40 タイプ:ワイルド 松本梨香 with アニサマフレンズ TVアニメ「ポケットモンスター」EDテーマ

41 Star Divine スタァライト九九組

42 Polestar スタァライト九九組

43 Moon Revenge スタァライト九九組 「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」EDテーマ

44 AYAKASHI angela TVアニメ「AYAKA -あやか-」OPテーマ

45 RECONNECTION angela TV アニメ「最強陰陽師の異世界転生記」OPテーマ

ANGEL angela TVアニメ「COPPELION」OPテーマ

僕じゃない angela TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」1stシーズンEDテーマ

46 明日へのbrilliant road angela TVアニメ「宇宙のステルヴィア」OPテーマ

47 Shangri-La angela TVアニメ「蒼穹のファフナー」OPテーマ

48 heartbeat-axelator アニサマ2023出演アーティスト DAY2 アニサマ2023テーマソング
(c)Animelo Summer Live 2023

おすすめ記事